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26. ママの亡霊

奈々美ちゃん(12歳)のママは末期癌で余命幾ばくもない状態だった。病院では打つ手がなくなり、ママはホスピスに移送された。ホスピスでは延命の手段は取られず、患者の苦痛を和らげ、安らかに黄泉の国に旅立つ助けだけを施す。習慣性があるため麻薬として指定されているモルヒネも、ホスピスでは問題なく使用される。末期癌の患者に習慣性の害など問題ではないからだ。

奈々美ちゃんとパパ(40歳)は毎日ママに会いに行った。ホスピスの医師が「あと三日ももてばいいとこだろう」と宣告した日も、父娘(おやこ)はママの病床に付き添っていた。
「あなた?」痩せ細ったママが、モルヒネの皮下注射を受けた後、か細い声でパパに云った。「二人だけで話がしたいの。奈々美を外に出して?」
「分った」パパは娘をロビーに連れ出した。奈々美ちゃんは長い髪、白くふっくらした顔に太い眉、厚い唇の美少女で、『らぶらぶ妹くらぶ』(略称『らぶくら』)からDVDも出しているジュニア・アイドルである。奈々美ちゃんは学生カバンからノートを取り出し、黙って宿題を始めた。
「何だい、話って?」ママの傍の椅子に戻ったパパが云った。
「あなた?」ママが力のない目をパパに向けて行った。「あたしが逝った後、奈々美を可愛がって下さいね?」
「何を云ってる。当然じゃないか!」パパがむっとする。
「後添(のちぞ)いをお貰いになるんでしょうけど、その女が継子苛めでもすることがあったら、必ず奈々美を庇ってあげて…」とママ。
「心配するな。後妻は貰わん」パパが宣言した。
「ほ、ほんと?」ママには信じられない。「でも、あなた、まだ女が必要でしょ?」
「ああ。おれは健康だし、性欲もたっぷりある。君がやらせてくれなくなって、欲求不満で気が狂いそうになってる」とパパ。
「だったら、なおさら後妻が…」ママが気遣う。
「可愛い奈々美に継母との軋轢など味あわせたくない。だから後妻は貰わん」とパパ。「しかし、おれには女が必要だ。だから奈々美とおまんこする」
「な、なんてことをっ!」ママが髪を逆立てる。「冗談じゃありません!近親相姦じゃないの!しかも、奈々美はたった12歳よ?あなたロリコンになったの?」
「そうなんだ。いつの間にか、ロリータがよくなっちゃった」パパは『らぶくら』が送って来たDVDをコンピュータで見ているうち、娘のビキニ水着写真で勃起してしまい、オナニーに耽る日々を送っていたのだった。「だから、おれと奈々美が水入らずで暮らして行くには、二人で愛し合うのが一番なんだ」とパパ。「もちろん、おれは奈々美を犯したりしない。あくまでも合意の上の話だ」
「12歳の娘を父親が誘惑したら、それはパワハラ+セクハラよ。奈々美は嫌と云えないじゃありませんか!」
「おれは奈々美が可愛い。無理強いはせん。奈々美が嫌なら養女を貰うかも知れん」とパパ。
「もうっ!性欲を自分の娘で満たそうなんて、動物以下よ!見損なったわ!」ママの目から涙が滴る。

「知ってるか?奈々美はオナニーしてるんだぜ。奈々美にも性欲があるんだよ」とパパ。
「えーっ?どうしてそんなこと知ってるの?」ママが驚く。
「ある夜、遅く帰ったことがあってね。奈々美の可愛い寝顔を見に行った。そしたら、何と、奈々美はパンティの中に手を突っ込んで寝ていた」とパパ。「オナニー以外に考えられないじゃないか?」
「だとしてもも、オナニーはトラウマにはなりません!自分で自分の身体を弄くるのと、父娘(おやこ)でおまんこするのでは大違いです!」ママが突っぱねる。
「奈々美が好奇心で変な野郎に引っ掛かったらどうする?それがヤクザだったりAIDS持ちだったら?おれの方がずっと安心じゃないか?」
「奈々美が自分で選んだ道なら、それが運命よ。父親が娘の運命を捩じ曲げちゃいけないの!」とママ。
「捩じ曲げようってんじゃない。父娘(おやこ)で充実した生活をしようってことだ」パパが主張する。
「もう沢山。奈々美と二人だけで話します。交代して?」ママが要請した。
「君?疲れちゃうんじゃないか?」パパが心配する。
「いいえ。話せる時に話しとかないと。さ、お願い!」とママ。
「分った」パパが立ち上がり、ロビーに出て奈々美ちゃんと交代した。

数十分して奈々美ちゃんが戻って来た。
「ママがもう一度話したいって」と奈々美ちゃん。
「そうか」パパはまたママの病室に戻る。
「あなた?」ママが力を振り絞るようにしてパパの顔をひたと見つめた。「奈々美とのおまんこなんて絶対許しません。奈々美にもあなたから身を守るように、よーく云っときました。だから、絶対駄目!いいですね?」
「しかし、君はもうじきあの世に逝ってしまう。おれと奈々美との仲をどうこうするわけにはいかないと思うが?」とパパ。
「いいえ。奈々美が心配で、あたし成仏出来ないわ。魂魄(こんぱく)この土(ど)に留まって、あなたの悪行(あくぎょう)を防ぎ、祟って見せます。心しなさい!」ママが宣言する。
「うへえ!こらまた今どき古臭いことを。おれはお化けなぞ信じないけどね」とパパ。
「信じようと信じまいと結構よ。母親が子を愛する一念で、あなたの邪欲を邪魔立てするの!」そう云って、ママはぎゅっと目を閉じ一切を遮断した。

「奈々美?」帰宅して遅い食事を済ませてから、パパが娘の部屋の扉をノックした。
「はい?何、パパ?」黄色いショートパンツ姿で布団を敷いていた奈々美ちゃんが手を止める。
「入っていいか?」とパパ。
「いいわよ」奈々美ちゃんが応える。
「今日、ママはお前に何て云ったんだ?」入って来たパパが布団の上にあぐらをかいて云った。
「それより、パパはママに何て云ったの?ママ、かんかんになって怒ってたわよ」と奈々美ちゃん。
「ママが、ママが死んでもお前を可愛がってくれって頼んだから、当然可愛がるって云っただけだ」
「それだけじゃないでしょ?もっと凄いこと云ったんじゃない?」
「ああ」
「パパ、あたしとHしたいってほんと?」奈々美ちゃんが問い質す。
「ほんとだ」パパがけろっとして云う。
「ぎょえーっ!」奈々美ちゃんが大袈裟にずっこける。

「お前は可愛い。スタイルも抜群だし、色気も出て来てる。そんなお前を独占したいんだ」とパパ。
「こうやって一緒に住んで、パパあたしを独占してるじゃない」と奈々美ちゃん。
「そんなんじゃ満足出来ない。お前のDVDを買った連中はお前を抱き、身体を撫で廻し、水着を脱がせ、キスしたり、おまんこを舐めたり、お前のおまんこにペニスを突っ込みたいという夢を持ってる筈だ」とパパ。
「ひえーっ!そーなのー?」奈々美ちゃんが呆れる。
「そういう連中はお前の御機嫌をとって、その夢を実現しようとするだろう。お前はちやほやされてうっとりし、いつの間にか全てを男に与えてしまう。そんなのはパパには我慢出来ん!」とパパが吐き出すように云う。
「で、先にあたしとやっちゃおうってわけ?」奈々美ちゃんが勉強机の椅子に掛けながら云う。
「覚えておけ。いまお前に云い寄る奴らは、三回ぐらいお前とおまんこしたら去って行く。お前と結婚したいなどとは露程も思ってない」パパが断言する。「そこへいくとパパの愛には終わりがない。親子の愛に男女の愛が加われば完璧だ。お前が結婚するまで、いや結婚した後までも続く愛になる」パパが謳い上げる。

「パパ、再婚しないの?」奈々美ちゃんが素朴な疑問を呈する。
「パパはまだ老人じゃない。セックス・パートナーが必要だ」とパパ。「しかし、後妻ってのはお前の継母で、普通、継母は自分の子だけ可愛がり、先妻の子を疎んじて、意地悪したりするものとされている」
「やだー、そんな人」奈々美ちゃんが椅子をぐるぐる廻し、裸の両脚をぶらんぶらんさせる。
「お前がパパのセックス・パートナーになってくれれば、今のままだ」パパが駆け引きする。
「でも、なんで熟れた女じゃなく、12歳のあたしなの?パパ、ロリコンなの?」奈々美ちゃんが突っ込む。
「その通り。お前が嫌がるんなら10歳ぐらいの養女を貰って、その子をセックス・パートナーにするかも知れん」パパが無茶苦茶を云う。
「そんなーっ!あたし、義理の妹なんか要らないわっ!」奈々美ちゃんが叫ぶ。
「お前次第だ。無理強いはしない。どうする?」パパが迫る。
「んもーっ!だったら、考えることないわ」と奈々美ちゃん。
「イエス?」パパが促す。
「イエス」と奈々美ちゃん。
「ファイナルアンサー?」パパが確認する。
「ファイナルアンサーよっ」奈々美ちゃんが臍(ほぞ)を固める。
「よし!じゃおいで」パパが手招きする。
「えーっ?今すぐやんのーっ!あたし、こ、心の準備が…」奈々美ちゃんがうろたえる。
「なに云ってる。善は急げって云うじゃないか!」パパが牽強付会する。「お前が決心したんなら、すぐやろう」
「ママが生きてるうちは遠慮しない?」奈々美ちゃんがパパの良識に訴えようとする。
「冗談じゃない。お前がやらしてくれると聞いた時からペニスが勃起してびくんびくん痙攣している。これを満足させないと、おとなしいパパも凶暴になるやも知れん」パパが脅す。
「やーだー。あたしを犯さないで、パパ」奈々美ちゃんが椅子から立ち上がり、布団の隅にぺたんと座る。

「可愛いお前を犯したりするもんか。さ、もっとこっちへおいで」パパが手招きする。
奈々美ちゃんが貰われて来たばかりの仔猫のように、恐る恐るいざり寄る。
「奈々美!」パパは娘を膝の上に乗せ、その未成熟な身体を抱き締める。
「うっぷ」奈々美ちゃんの息が止まる。
パパは12歳の娘の顔や胸を触りまくる。ついにロリコンの夢が叶った。「ああ、奈々美!愛してるよ!」パパが荒い息遣いで云って娘の顔に頬擦りする。全国のジュニア・アイドル愛好者の男どもが望んでも出来ないことを、自分は今やっている。愛撫だけではない。おまんこまで出来るのだ!パパは天にも昇る気持ちだった。
奈々美ちゃんにはパパがどうしてそんなに興奮しているのか分らなかったが、愛撫は快いものなので黙ってされるままになっている。
パパは娘の唇にキスし、舌で娘の歯をこじ開け、舌を侵入させて娘と舌を絡ませた。
「ぐむー」奈々美ちゃんにとって、キスは初めてではなかった。女友達とやってみたことがあったのだ。しかし、相手が父親であれ誰であれ、男性とのディープ・キスの刺激は同性より遥かに強烈だった。
パパはキスを続けながら手を下ろして、黄色いショートパンツの上から娘のお尻を撫でた。その手で太腿や内腿も撫でる。そして、わななく手が娘の股間へ。ショートパンツ越しのお触りは面白くないので、パパはショートパンツの裾から手を突っ込んでパンティ越しにおまんこに触る。そして、クリトリスの在り処を的確に突き止めて刺激する。
「ぐぶぶ」奈々美ちゃんが呻く。悦楽の呻きではなく、隔靴掻痒の欲求不満の呻きであった。「たんま!」接吻を中断して奈々美ちゃんが云った。
「ん?」パパが戸惑う。

奈々美ちゃんは黄色いショートパンツと白いパンティを一緒に脱いだ。パンティに出来た愛液の滲みが恥ずかしかったからだ。
「Tシャツも脱げ、奈々美」自分も裸になりながらパパが指図する。パパのブリーフから、勃起し弓なりになったペニスがびよよーん!と飛び出す。
「わ、でっかい!」奈々美ちゃんが思わず口走る。(あんな太くて長いのがあたしのおまんこに入るの?)奈々美ちゃんの背筋が凍る。
「ママが元気だった頃はこれでママをさんざ泣かしたもんだ」パパが自慢する。
「え?ママを泣かした?」奈々美ちゃんは、パパがママを苛めたのかと思ってしまう。
「誤解するな。気持ち良くてひーひー泣くんだ。ママはお前にこれを味あわせたくなくて妬いてるのかもな」とパパ。「これが母娘(おやこ)二代にわたって役立つとはなあ…」パパは感無量である。
奈々美ちゃんはパパのでかいのをいきなり突っ込まれるのかと恐れていたが、幸いパパはそうしなかった。パパは娘の平らな胸の乳首を舐め、残る一方の乳首を弄くり廻した。奈々美ちゃんはくすぐったいような、心地いいような不思議な快感を味わう。パパは娘のお腹やお尻を撫で廻しながら身を沈めて行く。もっこりした無毛の恥丘が視野に入って来る。盛り上がった大陰唇。パパは娘の股を開かせてその間に蹲(うずくま)った。むんむん蒸れ蒸れの娘の股間。目の前に12歳のおまんこが3Dで展示されている。『展示品に触れないで下さい』という張り紙はないので、パパは遠慮なく両手でおまんこを左右に開く。貝の肉のようなピンクの粘膜が現れる。寿司のネタなら「時価」という範疇に入るべき新鮮さである。クリトリス・フッドに覆われたクリトリス、尿道の小さな穴。パパがもっとおまんこを開くと、ぽっかりと膣が口を開けた。奈々美ちゃんの処女膜は膣の下方に帯状となった半月状処女膜というものであった。パパは初めて見る処女膜に感動した。娘は生娘だった。パパは性交へと逸る欲望を押し鎮め、娘のクリトリスを舐め出す。
「あははーん!」奈々美ちゃんが感じてしまう。指によるお触りよりずっといい刺激。
パパは娘のクリトリスを舌で圧したり、つんつん弾いたり、ぺろぺろ舐めたりする。
「わっはーんっ!」奈々美ちゃんがよがる。奈々美ちゃんのおまんこはどくどくと愛液を噴出する。
パパは娘の愛液を塗りたくった指で膣口周辺や蟻の門渡り、肛門などを弄くり廻す。
「あへへーんっ!」奈々美ちゃんは異常な箇所の異常な快感に身悶えし、パパの髪の毛を手でぐじゃぐじゃにしてよがる。
パパは舌技と指技のレパートリー全てを駆使して娘をよがらせる。
「わぐわーんっ!」奈々美ちゃんがイった。12歳の処女の絶頂であった。

パパが娘の股間に膝を突き、我が娘の膣口に、反り返ってびくんびくん痙攣するペニスを当てる。亀頭が僅かにめり込む。パパが娘の身体に覆い被さり、両肘と両膝で身体を支える。いよいよだ。12歳のロリータまんこの初賞味。初めての近親相姦。それらが同時に達成されるのだ。
「怖い!」と奈々美ちゃん。
「だいじょぶ。痛いのは一瞬だけだ」パパが娘を安心させ、ぐぐっと腰を押す。
「あつっ!」奈々美ちゃんが微かな痛みに呻く。
パパは腰をそのままにして、右手の親指の腹で娘のクリトリスを刺激する。痛みから注意を逸らそうという作戦である。パパは首を伸ばして、娘とキスする。パパが娘の舌を舐め廻す。
「むむーっ!」奈々美ちゃんの脳は初体験の性交と性的興奮とでちゃんこ鍋のように煮えたぎる。お蔭で処女喪失の痛みはどっかへ飛んで行ってしまった。
「もういいかな?」娘の身体に覆い被さったままのパパが聞く。
「わかんない…。ちょっと動かしてみて?」と奈々美ちゃん。
パパが少しペニスを進める。反応はない。「いいみたいだな?」
「うん…」と奈々美ちゃん。
パパが12歳の身体の中へペニスをずぶずぶずっぷりと押し込む。
「むぎゅーっ!」奈々子ちゃんが体内への初めての異物の侵入と、おまんこが裂かれるような恐怖で呻く。
パパのペニスは根元まで娘の体内に埋まった。(やった!娘の処女をおれのものにした!)パパが感動する。
「パパ?ちっとも気持ちよくないよ?」奈々美ちゃんが不平を云った。
「お楽しみはこれからだ。お前を天国へ送ってやる」とパパ。
「うん!あたしをひーひー云わせて、パパ!」奈々美ちゃんがせがむ。
「よし!」

パパは自分の持てる技巧を全て投入して娘を悦ばそうとした。先ずゆっくりと腰を娘の身体に押し付けたり、左右に回転させて、主にクリトリスを刺激する。娘にキスしたり、頬や耳たぶを舐める。小さな乳首や丸まった尻を撫で、張り切った肉を揉む。一般的に、セックス経験の少ない女性は膣内の性感が未発達で、快感を得難いとされている。しかし、パパのペニスが上反りだったのが幸いした。亀頭がGスポットを擦り、奈々美ちゃんに四肢がばらばらになるような感覚を与える。また、奈々美ちゃんが感じる異物感はパパのペニスの太さが膣を押し広げるせいだったが、時間が経つにつれペニスで膣壁を擦られる感覚は快いものに変貌した。
「あうーんっ!あっはーんっ!」奈々美ちゃんが身を捩りながらよがり出す。
パパは天にも昇る気持ちだった。自分の実の娘をよがらせている。娘を大事に育てて来た父親として何たる喜び。涎の垂れるような12歳のロリータ。しかもその娘は魅力的で可愛いジュニア・アイドルのスターなのだ。男冥利に尽きる喜びである。パパは腰の動きを少しずつテンポアップし、時折ピストン運動を交える。
「ひーっ!」奈々美ちゃんが望み通りひーひー云い始める。
パパは背を曲げ首を曲げて娘の乳首を舐める。
「はーんっ!」もうこそばゆい感じはせず、心地よい刺激ばかりである。
娘を絶頂への最短軌道に乗せたと確信したパパは、腰の回転と突きをランダムにする。
「あひーんっ!」パパの予測のつかない性交テクニックに翻弄され、奈々美ちゃんがよがる。(これがセックスなのっ。凄(すっご)ーいっ!)
パパは指の腹を娘のクリトリスに当てた。ピストン運動の際の腰が指を押し、クリトリスを刺激する。
「あうっ、ああーっ!」奈々美ちゃんが快感を貪る。
パパがピストン運動を最速にした。
「ひーっ!死んじゃうーっ!」瀕死のママよりも先に奈々美ちゃんが死んだ。
「奈々美ーっ!」どぴゅーんどぴゅーんぴゅーんとパパが娘の体内に五億匹の精虫を放った。

翌日、父娘(おやこ)がホスピスに行くと、またママが「父娘でセックスしてはいけない」と釘を刺した。パパも奈々美ちゃんも真面目くさった顔で聞いていたが、(いまさら…)という思いだった。
その夜から親戚の人々が詰めかけ、ママの兄弟・姉妹など数人がパパの家に泊まることになった。こうなるともう父娘でおまんこを楽しむことは出来ない。
「パパ、Hして!」奈々美ちゃんがせがんだ。
「パパもやりたいよ。でも親戚にバレたら大変だ。葬式が終わるまでお預けだ」
二人は人目を忍んでディープ・キスだけして我慢した。

ママが亡くなり、火葬、葬儀、埋葬、初七日も済み、親戚の人々も一斉に帰って行った。この日を待ちわびていたパパは、会社から帰るなり奈々美ちゃんの部屋に素っ飛んで行った。パパが娘の部屋のドアを開け、奈々美ちゃんがパパに抱きついた時、俄に天井の方でさあーっと風が吹きすさび、ひゅーどろどろという音が轟いた。
「げっ!」天井を見上げたパパが腰を抜かす。
「ママっ!」同じく天井を見た奈々美ちゃんが驚いてパパの身体の蔭に隠れる。
入院着を着た生前の姿のママが髪を振り乱し、天井板に張り付いて虚ろな目で夫と娘を見下ろしていた。ママの亡霊の周りでちろちろといくつもの人魂が踊っている。「あれほどまでに云い聞かせたに、うぬらはどうあってもわらわの願いを無視しようとてか…」ママの亡霊が云った。どうやら日本の無形文化財とも云うべき亡霊ともなると、歌舞伎調の古風な喋り方しか許されていないようである。
「き、君っ!」パパが震え上がる。「おれは田宮伊右衛門のように君に毒薬を飲ませたわけじゃないっ!。な、何の怨みで化けて出るんだっ?」
「怨みではない。忘れたか。娘の処女を護るため魂魄(こんぱく)この土(ど)に留まりて、汝の邪欲を邪魔立てせんとて現われ出(い)でたのじゃ。ぬはははは!」ママの亡霊は、もう既にパパと娘がデキてしまったことを知らないらしい。
「ママっ、あたし、もう処女じゃないもんっ!。パパとやっちゃったんだもんっ!」奈々美ちゃんが怒鳴る。
「そうだ。君が出て来るタイミングは遅過ぎた。どうか、迷わず成仏してくれっ!」パパが必死で頼む。
「偽りを申すでない!霊魂を騙せると思うてか!」とママの亡霊。その周りで人魂が激しく揺れ動く。
「キ、君。どうでもいいけどその火の玉、天井に燃え移らせないでよ。家が丸焼けになったら困る!」遠慮がちにパパが頼む。
「この人魂はわらわが統括しておる。火事などになるものか!」
「君、頼む!成仏してくれ!おれたちのことは放っといてくれ!」パパがママの亡霊を拝む。奈々美ちゃんはパパにかじりついている。
「離れろっ!父娘(おやこ)で嫌らしいことをしようなどと穢らわしい。離れろと申すにっ!」
突如、ママの亡霊がびゅーっ!と息を吐き、伊豆諸島特産の「くさや」を焼いているような悪臭を放った。
「うえーっ!」
「ぎぇーっ!」悪臭にたまりかねて、パパと奈々美ちゃんはパパの寝室に逃げ出す。

しかし、パパの寝室にもママの亡霊は現われた。
「くっつくな!離れろ。離れろーっ!」ママの亡霊が命じた。
また悪臭を放たれてはたまらない。父娘は握っていた手を振りほどいて部屋の左右に別れた。
「よし。うぬらがくっついたら、わらわは昼夜を問わず出て来てうぬらを引き裂く。覚えておきや!」そう云ってママの亡霊は消えた。
パパも奈々美ちゃんも恐怖から互いに抱き合いたかったが、それはママの亡霊を呼び出すだけであることに気づいた。仕方なく、二人はしばらく離れて行動することにした。

翌日、パパはお坊さんを呼んで仏前でママの霊の回向と除霊の法要をやって貰った。神主にもお祓いをして貰った。どれも全く利き目はなかった。パパと娘が身体を寄せ合うと、すぐママの亡霊が出現した。日本に住む唯一の祓魔師(ふつまし=悪魔祓いを行なう資格がある神父)であるクロウ神父にエクソシズムもやって貰ったが、これも駄目だった。そもそもエクソシズムは、イエス・キリストの名において有害な霊を追い出す儀式だから、カトリック系の神父が仏教徒のママの亡霊に退去を命じるのはお門違いであった。パパは外資系のゴーストバスターズ Inc.にも頼んだ。三人の超常現象研究家がプロトン(陽子エネルギー)パックを背負って奈々美ちゃんの部屋で待機したが、ママの亡霊は現われなかった。ママの亡霊は、他人がいる前でパパと奈々美ちゃんがおまんこなんかするわけないと踏んだに違いない。

パパは困りきった。自分の性欲もだが、一度絶頂感を味わってアンコールを求めている娘を満足させてやれないからだ。このままでは、娘は同級生か先輩の男子、あるいは盛り場のチンピラなんかに易々と引っ掛けられてしまいかねない。そういうことは絶対に避けたかった。パパは図書館に行き、今昔の亡霊と民間伝承による対処法について調べた。「これだ!」パパは大発見をした。『耳無し芳一』の物語であった。

数日後の夜、ママの亡霊が奈々美ちゃんの部屋の天井に張り付いて様子を窺っていた。と、ピンクのネグリジェ姿の奈々美ちゃんがガサゴソする大荷物を抱えて部屋に入って来た。奈々美ちゃんがその大荷物を布団の上に広げ、四面の上端の吊り紐を長押(なげし)の溝に掛ける。それは蚊帳(かや)であった。ママの亡霊は不思議に思った。暑い夏に戸を開け放って涼を求めた昔と違い、エアコンや網戸が普及した今は蚊帳など不要である。なぜ娘はそのような前世紀の遺物を運び入れたのか?

娘が蚊帳の中に入った。ママの亡霊は目を擦った。普通、蚊帳は中の人間の姿が透けて見える筈だ。それが見えない!(死んでからビタミンA不足で鳥目になったのかしら?)ママの亡霊は目を凝らして蚊帳の中を透視しようとするが、駄目であった。蚊帳の周囲を飛び回っても、何も見えない。しばらくして娘の呻き声が聞こえ、それは次第によがり声に変わった。(娘はオナニーしているのか?オナニーを直に見られたくないので蚊帳を吊ったというのだろうか。それとも、いつの間にかパパが忍び込んで娘と相姦を犯しているのか?いや、ずっと見ていたがそんな気配はなかった)ママの亡霊は娘の部屋を出て、家の中の各部屋を調べて廻った。パパの書斎、寝室、茶の間。どこにもパパはいない。ママの亡霊は浴室に向かった。浴室には灯りが点いていて、中からパパの拍子外れの歌が聞こえて来た。『長崎は今日も雨だった』が終わると『津軽海峡冬景色』になった。パパはいいご機嫌のようだ。ママの亡霊は娘の部屋に取って返す。娘のオナニーは佳境に入っているらしく、そのよがり声はママの亡霊も顔を赤くするほど激しくなった。しかし、オナニーなら咎め立て出来るものではない。娘のパパとの相姦の恐れがなければ、ママの亡霊の出番はなかった。ママの亡霊は消えた。

ママの亡霊より賢明な読者諸氏は、パパの企みを見抜いたに違いない。ですよね?え?蚊帳の中で堂々と父娘相姦が繰り広げられていたカラクリをご存じない?では、順を追って説明しよう。

『耳無し芳一』の物語はこうである。下関付近の寺に住む琵琶法師・芳一が、壇ノ浦で討ち死にした平家の公達の怨霊にとりつかれ、七日七夜壇ノ浦の戦いのくだりの演奏を頼まれる。見る見る生気を失い痩せて行く芳一を心配した和尚は、芳一の身体中に般若心経を墨で書く。芳一が声を出さず身動きもしなければ、迎えに来た怨霊にはお経が書かれている部分は視えなくなるので、平家の公達の怨霊は芳一がどこかへ移ってしまったと考え、諦めるだろうという工夫であった。事実、怨霊には芳一が目に入らなかった。唯一、和尚が経文を書き忘れた二つの耳を除いては…。

パパは自分の身体中に般若心経を書くことを考えた。しかし、板の間に座っているだけでよかった芳一と違い、セックスすれば汗をかく。経文が汗で流れてしまい、ママの亡霊に露見してしまう。で、白い蚊帳を見つけ出して来て、その五面(四方と上面)に般若心経を墨で書いたのだった。パパはその蚊帳の中に隠れ、あたかも奈々美ちゃんだけが運んでいるように二人で歩調を揃えて部屋に入った。浴室の歌声は、実際にパパが湯船に浸かって一時間ほど歌ったラジカセ録音を再生しただけだった。

亡霊の怒りとくさやの悪臭を恐れた父娘であったが、『耳無し芳一』の伝承は見事に功を奏した。パパと奈々美ちゃんは肉欲に溺れ、二人とも大汗をかきながらおまんこした。父娘は以前に増して仲睦まじくなった。娘はパパに甘え、甘えられたパパは鼻の下を長くした。手をつないで外出する二人の姿は、近所でも評判になり羨ましがられるほどであった。

数週間経ち、パパと奈々美ちゃんは蚊帳を吊るのが面倒になって来た。で、ある時、奈々美ちゃんの部屋で二人一緒に手をつなぎ、ママの亡霊を呼び出した。天井の方でさあーっと風が吹きすさび、ひゅーどろどろという音が轟き、ちろちろ燃える人魂に囲まれ、髪を振り乱したママの亡霊が出現した。
「ママ?」パパが声を掛けた。「もう分ったろ?おれたちはセックス・フレンドになることを諦めた。安心して成仏してくれ」
「そうよ!ママ、あたしたちのことはもう心配しないで?」と奈々美ちゃん。
「ふむ。わらわも鳥目にはなるし、パパの下手くそな歌を聞くのに疲れていたところだ」とママの亡霊。
「だったら、なおさらだ。どうか安らかに極楽浄土に旅立ってくれ!」パパが懇願する。
「よかろう。わらわの仏前にわらわの好物三品を備えよ」とママの亡霊。
「好物?くさやの干物かい?」とパパ。
「馬鹿!世界の三大珍味じゃ!」ママの亡霊が怒る。
「え?あ、キャビア?」とパパ。キャビアはチョウザメの卵の塩漬けである。
「それから?」とママの亡霊。
「フォアグラ?」と奈々美ちゃん。フォアグラは鵞鳥の脂肪肝である。
「もう一つ」ママの亡霊が促す。
「トリュフかい?」とパパ。トリュフは松露の類いのベラボーに高いきのこ。
「そう。それらを供えよ」とママの亡霊。
「高(たけ)えもんばっか!」パパが不平を云う。
「なにい?」ママの亡霊がキッとなってパパを睨む。
「いえ、何でもないす」とパパ。

パパは世界三大珍味を仏前に供えた。いつの間にか、三大珍味は消えた。ママの亡霊が冥界に持ち去ったのだ。試しに、パパと奈々美ちゃんは抱き合ってみた。キスもした。互いに舌を舐めっこした。パパは娘のお尻を撫でてみた。何も起らなかった。ひゅーどろどろも聞こえず、人魂ちろちろも出なかった。
「ばんざーいっ!」
「やったーっ!」二人は躍り上がってぴょんぴょん跳ね回った。もう蚊帳は要らないのだ。
「パパ?」ある日の夕食の席で、奈々美ちゃんが云った。「ママって、あんな贅沢なもの好きだったの?」
「三大珍味かい?パパにも不思議なんだ。キャビアは国産もあるから食べたことがあるかも知らんが、他の二つは輸入品で、パパだって高くて食べられない」
「全部でいくらぐらいしたの?」
「あれは安かった。イミテーションだからね」パパが澄まして云う。
「えーっ?」奈々美ちゃんが呆れる。
「幽霊に食い物の味なんか分らんだろ。ウン万円も使うのは勿体ないと思ってね」とパパ。
「んまーっ!ママ、怒って戻って来るかもよ!」奈々美ちゃんが身を震わせた。「ママはパパをテストしたのかも…」
「えーっ?」パパが鳥肌を立てた。

その夜、パパが娘とおまんこしようと奈々美ちゃんの部屋を訪れた時、突如、天井付近に突如さあーっと風が吹き渡り、ひゅーどろどろという音が轟き、ちろちろ燃える人魂に囲まれ、髪を振り乱したママの亡霊が出現した。
「よくも騙したなーっ!模造品などで誤摩化そうとしやがって、くぬーっ!」ママの亡霊が歯ぎしりした。
「あ、あの、この前は品物が揃わなくて…。今すぐ本物買って来ますから」パパが低姿勢でぺこぺこする。
「もうよい!今度は別なテストをする」ママの亡霊の念力か、火の玉が三つパパの前に勢揃いしてちろちろ燃えながら静止した。「これは秦の始皇帝の時代から伝わる嘘発見器じゃ。これによって、お前の真意を試す!」
「ちょ、ちょっとタンマ。煙草と灰皿取って来る」奈々美ちゃんに目配せしたパパが出て行く。
「あたし、水飲みたい」奈々美ちゃんもついて行く。

二人はすぐ戻って来た。ママの亡霊がパパの前でちろちろと燃える火の玉三つの位置を調整する。パパは真ん中の火の玉をライター代わりにして煙草に火を点けた。余裕綽々である。
「先ずこの嘘発見器の性能をデモしてみせよう」とママの亡霊。「『私は日本人です』と云ってみよ」
「?」パパが戸惑うが、それがテストの文句であることに気づく。「私は日本人です」火の玉は揺るがない。
「今度は『私は女性です』と云え」とママの亡霊。
「私は女性です」とパパ。三つの火の玉が一斉にゆらゆら揺らいだ。
「見たか、この嘘発見器の正確さを?」ママの亡霊が自慢する。「では本番じゃ。問いに答えよ。お前はまだ娘とセックスしたいのか?」
「ノ、ノー!」パパが顰め面して云う。火の玉は揺るがない。
「娘を誘惑して近親相姦しようと思っていないか?」とママの亡霊。
「ノー、ノー!」パパが苦しそうに云う。火の玉は揺るがない。
「何か苦しそうではないか?具合でも悪いのか?」
「ノーっ!」とパパ。
「最後の質問じゃ。これからも娘とおまんこしないと誓えるか?」とママの亡霊。
「イ、イエース」また苦しそうにパパが云う。火の玉は揺るがなかった。
「ふむ。信じられない結果だが、信じるしかあるまい。では、わらわは今度こそこの世を捨てる。二度と戻って来ない。さらばじゃ」ママの亡霊と火の玉がすーっと透明になって消えた。

「あー、痛かった!痣になってんじゃないか?」パパが自分のパジャマをめくる。
「云われた通りパパの脇腹を抓ったんだけど、やり過ぎた?」と奈々美ちゃん。
「しかし、予想通りだった。痛みに意識が集中してると、嘘をつく罪悪感など感じてる暇がない。大成功だった!」嘘発見器を騙したパパがしてやったりとにたにたする。
「そうかしら?」と奈々美ちゃん。「あたし、まだ不安!」
「安心しろ」パパが娘の身体を抱き、その身体を撫で廻しながら云った。「もう二度と戻って来ないって云ってたじゃないか!」パパが娘の股間に手を突っ込んでおまんこを撫でる。
「でもね、亡霊がそう云った時、火の玉が揺らめいたのよ?気づかなかった?」と奈々美ちゃん。
「えーっ?何だとーっ?」パパが愕然とした。




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