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1. 喪服の似合う未亡人

未亡人下宿の一階の襖や障子を取り払いぶちぬきにして、しめやかに葬儀が行われていた。祭壇や花輪も大袈裟ではなく、僧侶も一人だけの簡素な葬儀だった。おばさん一家、叔父さん夫婦、おばさんの近親が数人、それに学生四人が参列していた。黒い和服姿はいつもに増しておばさんを綺麗に見せていた。おばさんは白いハンケチをくしゃくしゃにして、時折目頭を押さえていた。

数時間後、埋葬も済み、親類縁者たちも引き上げ、学生たちも二階に上がって行き、おばさんはやっと一息つくことができた。

叔父さんが近づいて来て、「喪服の女が最高に美しい云うのは常識やけど、あんはん今日はとてつものう別嬪や。惚れなおしたで、ほんま」
「止めてくださいよ、こんな時に」
「こないな時やから、あんはんも喪服着とるわけやし、せやからこそわいもムラムラするんやないか。理に適ってるやろうが」
「叔父さん、ムラムラするんだったら叔母さんにしなさいよ。叔母さんだって喪服姿綺麗だったじゃない」
「あれはもう向こうで茂君に押し倒されてるがな。わい、喪服のカッちゃんとやりたいんや。後生や」
「茂ったら、しようがないわねえ」

断りきれないおばさんの帯に手をかけ、叔父さんはおばさんの身体をくるくる廻し、器用に帯をほどいた。喪服を来た姪とやりたいわけだから、着物は脱がさない。細い紐をほどき長襦袢を開き、御興を取る。おばさんはいつものようにノーパンである。叔父さんは姪を畳の上に寝せる。
「喪服、皺にしないでね?」
「わかっとるがな」
叔父さんは立ち上がって、黒い着物の上にくの字になって横たわる白い裸身を美術品のように見つめた。(一幅の日本画や。美しい)叔父さんは姪の身体に覆いかぶさった。

「そやけど、びっくりしたなあ。お姉が茂君の上で腹上死するとはなあ」叔父さんはおばさんの乳房を愛撫しながら云った。
「あれも腹上死って云うんですか?」
「腹上死は男に限ったもんやない。女が上に乗って昇天すれば、立派な腹上死や」
「お母さんもやり過ぎよ。茂とまでやるなんて」
「そや。学生たちだけならまだ他人やったが、茂は孫やからな。祖母と孫の近親相姦に興奮し過ぎたんやろ。そやけど、あれや、茂君もようあないな婆さんとやる気になりよったもんや。二人の間に70年近い差がありよったんやで。えらいこっちゃ」
「叔父さんだって、姉と弟でやってたじゃありませんか」
「毒食わば皿や。姪のあんはんとやり、幸ちゃんともやったら、もう止まらんようになってしもた。お姉も冥土へのええ土産ができてよかったやろう」

おばさんは、以前茂君が云った「お母ちゃんが梅干し婆さんになってもやってあげる」という言葉を思い出していた。茂君は80歳の祖母とおまんこしたことによって、その言葉が嘘ではないことを証明した。(あたしも80過ぎまでやって貰えるみたい!)おばさんはそれだけが心の安らぎだった。

叔父さんはおばさんの腹を舐め、ざらざらした陰毛に頬をつけ、おまんこを舐めた。やがておばさんの体内への進入体勢を取り、叔父さんは静かにペニスを挿入した。

「お姉も80過ぎにしては皺くちゃやなかったし、肉付きも良かったから悪くなかったで。そら、おっぱいやお尻は垂れてたけどな」
「お母さん、叔父さんとやってる時に逝けばよかったのに」
「茂君もショックやったろうなあ」
「あたしだってショックでしたよ。救急車呼んでも、どう説明すればいいか分らないし」
「慌てたね、孫の上で腹上死したとは云えへんもんなあ」
「叔父さん、死ぬんなら叔母さんの上でお願いしますね。駄目よ、あたしの上は」
「さあな、こればかりはおのれで決められへんよってな」

叔父さんはお喋りをやめ、喪服の姪との性交に専念しだした。葬儀の後のセックスは、生きている者の生存確認である。死の恐怖に打ち克ち、生にしがみつく行いである。叔父と姪は、いつもにない激しさでお互いの口を求め、お互いの身体をまさぐった。叔父さんは、髪を振り乱して悶える姪を攻め、歓びの頂上へ案内した。おばさんは「あうぐううう!」と身を弓なりにした。叔父さんも姪のおまんこにどばどばーっと精液を注ぎ込み、歓喜のうちに果てた。

幸い、叔父さんは腹上死しなかった。




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