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36. 離愁

由美ちゃんが投稿した英語の懸賞論文が一位になった。副賞は一年間アメリカ語学研修御招待である。旅費と学費はタダだが、生活費は自弁だった。父さんは娘のために一も二もなくその負担を承諾した。

「兄ちゃん、約束破ってごめん」由美ちゃんが謝る。結婚するまではずっとやらせるという約束を指している。
「仕方ない。さみしくなるな」と宏君。
「たったの一年だから。一年経ったら、またやろうね。やってね?」

由美ちゃんのおっぱいは目立つほど膨らんで来なかったが、髪は長くなった。薄いピンクの口紅をつけるようになった。由美ちゃんは綺麗になった。

渡米の準備期間はあっという間に過ぎた。別れの日が近づいた。両親が揃って上京し、四人でお別れのおまんこをした。四つん這いの由美ちゃんに父さんが背後からやる。母さんが仰向けになって由美ちゃんとキスする。その母さんに宏君が上からおまんこする。男二人女二人の組み合わせは色んな楽しみ方が出来た。

宏君だけが成田空港まで妹を送る。
「兄ちゃん、また女遊び始めちゃ駄目よ。折角止めたんだから」と由美ちゃん。
「お前とやってるビデオ見てオナニーするさ」と宏君。
「ときどき母さんに来て貰うのね」
「母さんは人妻だから、結婚迫られたりしなくていいもんな」
「兄ちゃんたら!」
「母さん、お前の代わりにずっとアパートに居続けたりして」と宏君。
「父さんが妬くわ、そりゃ」と由美ちゃん。

「母さんとやっても、お前のおまんこが恋しくなるだろな」と宏君。
「兄ちゃん!」
「おれ、気が狂っちゃうかも」
「兄ちゃん、泣いちゃ駄目よ!あたしまで泣きたくなるから!」由美ちゃんが唇を震わす。

「お前、あっちで白人や黒人にやられちゃうんじゃないか?」と宏君。
「一寸試すかもしんない」と由美ちゃん。
「おいおい!おれに女遊び止めさせといて、お前だけ自由にやんのか?」
「だって、折角の機会だもの」と由美ちゃん。
「そういう研修なのか、これ?」
「ばか」

宏君は出国管理の柵のところまで妹を送った。誰も兄妹とは知らないわけだから、恋人同士のようにちゅんと口づけした。

柵の中へ入った由美ちゃんが左手を振った。宏君もそれに応える。由美ちゃんが「わかる?」という表情で自分の左手を見つめてみせた。宏君が瞳を凝らすと、妹の薬指に指輪が光っていた。ブラインド・デートの日に宏君が贈ったピンクのガラスの指輪である。由美ちゃんはその“婚約指輪”にキスし、その手を兄に向かって投げた。投げキッスだ。宏君の目に涙が溢れ、遠ざかって行く妹の姿がぼやけた。

宏君はアパートに戻った。今日は待っていても妹は戻らない。一年間、妹を抱けないのだ。こんな虚ろな思いは初めてだ。カラカラという音に窓の外を見やる。妹が干し忘れて行ったピンクのパンティが一枚、風に吹かれてくるくると廻っていた。

【『ピンクのパンティ・淫乱怒濤篇』へと続く】




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『未亡人下宿 』シリーズ『家族的快楽の行方』
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