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35. 私は信じやすい女

世津子さん(22歳)は商社マンの一郎君(24歳)と結婚した。一郎君の家は妻に先立たれたお父さん(46歳)と、一郎君の弟・次郎君(20歳)、三郎君(17歳)と男ばかりだったので、世津子さんは一家の主婦として同居することになった。世津子さんは最近では珍しくお料理や家事一切が好きな性格だったから、四人の男の食事を作ったりお洗濯したりするのも苦にならなかった。

家事が好きな女と云うと、世津子さんが糠味噌臭い十人並みの容貌の持ち主だと想像されるかも知れない。とんでもない。世津子さんはロング・ヘアをアップにまとめ、面長におでこ、切れ長の目に大きな唇を持ち、全身ふくよかで男なら誰でも震いつきたくなるような色気を漂わせた身体の持ち主だった。

ある時、一郎君の会社は新しい支店をスペインに開設することになった。その開設準備と指導のため、一郎君が一年間海外出張を命ぜられた。これが三年とかの駐在なら妻同伴で行けるのだが、短期なので単身で行くしかなかった。新婚の夫婦には残酷な仕打ちだったが、会社の方針なのだから仕方がない。一郎君は泣く泣く飛び立って行った。

数週間が経ち、「去る者日々に疎し」の諺通り、一郎君の存在感が少しずつ希薄になって行ったある日、世津子さんがふと気がついたことがあった。次郎君との身体的接触がやたら増えたのだ。最初は偶然だと思った。流しで食器を洗っている時に、次郎君がお茶碗やお皿を下げに来て脇に立った時、お互いの身体が接触し、手が交錯し腕が触れ合った。世津子さんが料理していると、次郎君がやって来て世津子さんの背後からつまみ食いする時、世津子さんの背に手を当て、その時間が異常に長かった。また、お菓子などの譲り合いをする時、次郎君は世津子さんの手を取って長く離さなかったりした。世津子さんが踏み台に乗って食器戸棚の上を探っていると、次郎君が「危ないなあ」と云いつつ身体を支えてくれるのだが、そこは腰ではなく、もっと上だったり下だったりして、世津子さんが「きゃああ!」と云いたくなるギリギリの部分であった。上のような例もどれか一つなら世津子さんも無視したかも知れない。しかし、こう事例が重なると捨ててはおけなかった。

ある日、世津子さんは意を決して次郎君の部屋へ乗り込んで行った。
「次郎さん、お話があります」とドアの蔭から世津子さん。
「開いてます。どうぞ」と次郎君。彼はコンピュータに熱中していて、今も何やらプログラムを組んでいる。
「次郎さん、こっちへ来て座って」世津子さんが部屋の中央に正座する。
「何ですか?改まって」次郎君はいぶかし気に義姉の前に座る。
「あたしの思い過ごしだったら申し訳ないんだけど、次郎さん、少し行き過ぎだと思うんです」
「どういうことです?」と次郎君。
「次郎さん、あたしに触り過ぎます。あたしはあなたの兄さんの妻、あなたの義理の姉です。偶然かもしれないけど、今のようにやたらに触られると困るんです。一郎だって怒ると思う」
「ああ、そんなことですか」
「そんなことって、そう軽く云わないで!あたし、困るんだから」
「義姉(ねえ)さんを困らせてるんなら謝ります。けど、ボクが義姉さんに触るのは偶然じゃありません」
「なんですって?」世津子さんが驚く。義弟が義姉へのお触りを認めるなんて、何と図々しい。

「義姉さん。ボクは義姉さんが初めて親父に挨拶に来た時、『何て美しい女性なんだろう!』と驚嘆しました」と次郎君。
「やめて下さい!そんな話、聞きたくありません!」
「そう云わないで、義姉さん」
「あたしはあなたの兄さんの妻です。誘惑しないで!」と世津子さん。
「誘惑なんてしません。ボクもそこまで破廉恥じゃない」
「なら結構」
「ボクは義姉さんの秘密を解明しようと思いました」
「あたしの秘密?」世津子さんはポカンとする。
「いや、秘密ったって、義姉さんのプライバシーに関わることじゃありません。安心して下さい」
「じゃ、何なの?」
「義姉さんの美しさの秘密です」と次郎君。
「あたしの…?」一介の主婦に“美しさの秘密”などあろう筈がない。
「ボクは『ミロのビーナス』と義姉さんの全身像を比較・分析してみたんです」
「ミロのビーナス?」世津子さんも写真は知っている。
「向こうは2メートルを超える彫刻ですからね、そのままでは比較出来ません。身体全体に占める頭部、上半身、下半身などの比率を比較したわけです」
「?」
「義姉さんの方は兄がワイキキで撮ったビキニ水着の写真をお借りしました」
「まっ!」あの写真は誰にも見せないつもりだったのに。
「比較した結果、驚くべきことに義姉さんとビーナスのプロポーションはぴったり一致したのです!」
「ええっ?」世津子さんは信じられなかった。
「それこそ義姉さんの美しさの秘密だったんですよ」と次郎君。
「そんな!顔なんかまるっきり違うわ」と世津子さん。

「そこです」と次郎君。「ボクは今度は義姉さんと『モナ・リザ』の顔を比較検討してみました」
「まあ!」世津子さんが呆れる。
「その結果、両者の顔の輪郭および眉・目・鼻・口などの配置は、ぴったり重なることが証明されました」
「ウッソー!」
「ほんとです。何ならお見せしてもいいですよ」次郎君がコンピュータに向って頭を傾げる。
「その必要はないわ。で、そういう作業と私へのお触りとどういう関係があるんです?」世津子さんが本題に戻る。
「義姉さん。美の鑑賞には三段階あるんです」と次郎君。「最初は見て『あ、美しいなあ!』とうっとりする段階。次は、その美しさに惹かれてつい触れたくなる段階。スターやタレントを追っかけて楽屋口に屯して、ちょっとでも触ろうとするファンがいますよね。あの感じです。最後は美を自分のものにしたくなる段階。美術品ならオークションで競り落とすとか、美術館から盗み出す。相手がタレントであれば、何とか気を引いて懇ろになるとか結婚しちゃうとかですね」
「あたしは生身の人間です。生命の無い彫刻とは違うんです。無闇に触らないで!」
「生命の無い彫刻でさえ触りたくなるんです。生身の人間であればなおさらです」
「道徳に反してます!」
「道徳というのは権力者が自分に都合のいいことを下々に押し付ける戒律です。信じてはいけません」
「じゃ、何を信じろと?」と世津子さん。
「宗教です」と次郎君。「ビーナスというのはギリシア時代の美と愛の女神ですよ。ビーナスと同じ美しさを持つ義姉さんを、女神のように崇めることは極めて自然です。われわれは女神との接触によって幸福感に満たされるのです」
「大袈裟な」と世津子さん。「こじつけです」

「こじつけじゃありません。一寸実験させて下さい」そう云って次郎君は世津子さんの手を取る。
「何のかのと云ってまた触る!」世津子さんが憤慨する。
「単なる実験です。すぐ済みます」次郎君は世津子さんの二の腕のやや内側に自分の掌を当てる。「目を閉じてくれるといいんですがね。ボクも閉じますから」
世津子さんは義弟に何かされそうで、目は閉じられない。
「どうです?何か感じません?」と次郎君。
「温かくなって来たわ」と世津子さん。
「そうでしょ。磁力が発生してるんです。セックスでは男がプラス、女がマイナスですが、今は女神の義姉さんがプラス、ボクがマイナス。二人の電気が循環して熱を発してるんです」
「何か、熱くなって来たわ」世津子さんが目を閉じる。
「義姉さんがボクにくれる幸福感が、義姉さんに逆流してるんです」
「まあ!」世津子さんはうっとりする。
いつの間にか次郎君の手の甲が、世津子さんのおっぱいに接している。
「ああ、ボクは幸せ」と次郎君。
「あたしも幸せだわ」世津子さんが次郎君に身を寄せる。二人はぴったり身体を付けて抱擁し合う。
「おおお。最高に幸せ!」次郎君は世津子さんと頬をくっつける。
「こういうことなのね?」と世津子さん。
「こういうことです」と次郎君。

その後、世津子さんは頻繁に次郎君に幸福感を与えるようになった。“実験”はお互いの唇を合わせることに進み、次郎君の両手と世津子さんのおっぱいの接触にまで進んだ。世津子さんは気づかなかったが、男性に抱かれたいという欲望が本能的に世津子さんの胸の内にあったのだろう。義姉の無抵抗に乗じ、次郎君のお触りは限界を知らなかった。次郎君は義姉の乳房を丸出しにし、ちゅうちゅうと吸った。
「あうーん!」と世津子さん。
次郎君はパンティの上から義姉のおまんこを撫でる。そこはびっとり濡れている。
「あっはーんっ!」世津子さんがよがる。
次郎君は義姉のパンティを取り去り、中指をおまんこに突っ込み、親指の腹でクリトリスを擦る。
「うむむーっ!ひーっ!」世津子さんが久し振りのおまんこの快感に興奮する。
次郎君がズボンを脱ぎ、ブリーフを取り去る。
「ま、待って!あたしたち、そこまでしていいのかしら?」と世津子さん。
「義姉さん!義姉さんは美と愛の女神です。美と愛を万民に分かち与えるのは女神のつとめです」と次郎君。
「そうかしら?」
「そうですとも。ボクは女神様のためなら何でもやります」
「ほんと?」
「ほんとです」
「じゃ、クンニして。あたし、あれ大好き」と世津子さん。
「承知しました、女神様。あ、69じゃ駄目ですか?」と次郎君。
「それでもいいわ」

二人は全裸になった。
「あら、次郎さんのも大きいのね!」と世津子さん。
「うちの野郎共はみな大きいです。親父の遺伝でしょうね」と次郎君。
「そうなの?」世津子さんは四つの巨根に取り囲まれて暮らしている自分に気づいた。
二人は69の体勢になった。次郎君が義姉の割れ目を開く。22歳だけあって小陰唇はやや茶色だったが、粘膜は美しいピンク色だった。若妻だけのことはある。反対側では世津子さんが次郎君のペニスを舐め出したが、フェラチオに慣れていないようで、かなりぎごちない動きである。次郎君は義姉のクリトリスを舐め出す。
「ぶぶぐーっ!」世津子さんがフェラチオしながらよがる。
次郎君は義姉の膣と肛門、蟻の門渡りの三ヶ所を指で刺激しつつクンニリングスする。
「ぶがごーっ!」世津子さんが身悶えする。
次郎君は膣内深くに指を突っ込みGスポットを探る。
「ひーっ!」世津子さんがペニスを抛り出す。「や、やって、次郎さんっ!」
義姉の拙劣なフェラチオに苛々していた次郎君は、「待ってました!」とばかりに向きを変え、義姉の口にキスした。お互いの性器をしゃぶった舌と舌が触れ合い、絡まり合う。淫靡なキスである。次郎君はコンドームを着用し、義姉の股の間に腰を落とす。片手でペニスを持ち、おまんこから溢れ出る愛液で亀頭を濡らす。狙いを定め、義姉のおまんこにずぶりんこんと入れる。
「むぐーっ!」世津子さんが満足の呻きを挙げる。
次郎君はついに嫂(あによめ)をモノに出来て幸せだった。嫂のおまんこはまだ締まっていて、襞々の擦(こす)れ具合も抜群である。彼女の若い肌を撫で廻すのも心地よかった。期待に打ち震えて目を閉じ、口を半開きにした美しい顔も見物(みもの)だった。次郎君が腰を廻す。右に、左に。
「あはーん!うーんっ!」世津子さんがよがる。
次郎君が両の乳房を揉み、しぼる。
「あーんっ!」
次郎君が恥骨同士を擦り合せる。
「むわーっ!」世津子さんが喘ぐ。

「義姉さん、毎日やらせて下さいね?」と次郎君。
「駄目よ。これっきりよ。終ったら忘れて」と世津子さん。
「そんな、殺生な!」
「だって、一郎さんに悪いもの…」
「兄一人が愛と美の女神を独占するなんて許されません。義姉さんは天下万民のものです」
「あたし、世界中の男性とセックスしなきゃなんないの?」
「ま、それは大変でしょうけどね」
「次郎さん、やっぱり今日だけにして」世津子さんが懇願する。
「義姉さん。そんなつれないことを云うとこうしますよ」次郎君がおまんこからペニスを抜く。
「あーん!やめちゃうのーっ?」
「違います。コンドームを外して、義姉さんの子宮にボクの精子をぶちまけるんです」
「だーめよーっ、そんなの!一郎さんの留守中に妊娠したら大変じゃない」
「どうします?」次郎君がせっつく。
「んもーっ。知らないっ!」と世津子さん。
「イエスですね?」
「仕方ないじゃない。このままやめられないし」

「義姉さんは女神なんだから、上になったら?」と次郎君。
「え?」世津子さんが戸惑う。
「お気に召すようにやって下さい」
「あらま、いいのかしら?一郎さんは滅多に上にさせてくれないの」
「さ、どうぞ、どうぞ」
世津子さんが仰向けに寝た次郎君の腰に跨がり、ペニスをおまんこに入れる。
「うおーっ!」ペニスを身体の奥深くに収めた世津子さんがライオンのように吠え、腰を動かし始める。
次郎君は目の前でぶるんぶるん揺れる乳房を捉まえ、存分にいじくり廻す。
「うほーっ!」世津子さんがよがる。
次郎君は片手で嫂のクリトリスを擦る。
「いいいいーっ!ひいーっ!」世津子さんが叫ぶ。
次郎君は嫂のリズムの特徴を掴んだ。世津子さんが腰を落とすタイミングで、次郎君が腰を突き上げる。
「ぎゃああ!ひえーっ!」世津子さんはペニスで子宮口をどつかれ、この世のものとは思えない快感を味わう。
「女神様、まだですかー?」と次郎君。
「もうすぐよ」と世津子さん。
「ボク、気持良過ぎて出ちゃいそう」次郎君が情けない声を出す。
「出しちゃ駄目っ!出したらおちんちん切っちゃう!」
「ひえーっ!」女神様の恐いお言葉。ペニスが縮んじゃいそうである。
「あーっ、あうあう、あーん」世津子さんの呼吸がせわしなく荒くなる。
次郎君はクリトリス刺激を小刻みにし、タイミングよくペニスを突き上げる。
「あーあーあーーっ!」世津子さんはターザンの雄叫びのように叫びながらイった。
「おおーっ!」次郎君はホッとしてどばどばーっと嫂の体内で射精した。

「義姉さん、三郎は受験受験で不幸な毎日なんです」ある日、世津子さんとおまんこした後、次郎君が云った。「あいつも幸福にしてやってくれませんか?」
「えーっ?」と世津子さん。17歳の巨根はどんな味なのだろう?

三郎君の勉強部屋のドアがバーンと開き、白く大きくひらひらふわふわのネグリジェをまとった世津子さんが現われた。何も云われずとも、それが招待状であることは一目瞭然だった。三郎君は椅子を蹴飛ばして義姉に突進した。義姉を畳の上に押し倒し、ぶちゅーっとキスする。義姉は抵抗しない。間違いない。何故だか知らないがやらしてくれるのだ。三郎君は手早くズボンとブリーフを脱ぎ、義姉のネグリジェをまくりあげる。下はすっぽんぽんだった。そして、三郎君の目が吸い寄せられた割れ目には、何と新品の黒いコンドームが挟まっていた。

「次郎さん?」と世津子さん。紅茶を飲みながらの話である。「お義父(とう)様も不幸かしら?」
「え?ああ!親父はそりゃ不幸ですよ。母を亡くして、ずっと独りですからね。堅物で、女遊びも出来ないし」
「そうなの?」

お父さんは家の中で何が行なわれているか、うすうす感じていた。しかし、46歳のジジイが「おれも混ぜてくれ」と云って拒絶されたら悲劇である。家長の面目が丸つぶれだ。世津子さんにとっても、似たような思いだった。義父の布団にネグリジェで潜り込んだりして、「長男の嫁が何たることを!」などと叱り飛ばされたら困る。

ある日の夕刻、台所でお父さんが新聞を読んでいる時、世津子さんが夕食の準備を始めた。世津子さんは料理をしながら、食器戸棚のガラスに映る義父の姿をそれとなく注意していた。世津子さんが背中を向けると、義父は新聞の蔭からひょいと横に顔を出して、嫁のお尻に見蕩れた。世津子さんが向き直ると、その首はひょいと新聞に隠れた。これが何度も繰り返された。

世津子さんがお皿などを並べ始める。お父さんは新聞を小さく畳んで読む。世津子さんが、わざとお醤油の瓶を倒して、食卓に屈みこんで台拭きで拭く。ブラをしていても下を向けば乳房が垂れ、ぶるんぶるんと揺れる。胸元から谷間の奥深くまで見える。お父さんは新聞越しに嫁の胸元を見つめた。世津子さんはお父さんに近づき、「失礼」と云いつつお皿を並べる。おっぱいがお父さんの目の前を何度も通過する。脳味噌が融けてしまったお父さんは、つい手を伸ばしておっぱいに触れた。世津子さんがその手をがっきと掴む。はっと我に返ったお父さんが、「御免!許して!」と叫ぼうとした瞬間、世津子さんはお父さんの耳に「今夜、寝室に伺います。そこでゆっくりお触りなさい」と囁いた。その夜、お父さんは食べ物の味が全く分らなかった。

こうして、世津子さんは一日に多くて三人、少なくて二人の男性に幸福感を与えることになった。全員巨根であるからして、世津子さんも当然幸福だった。

またたく間に月日が経ち、一郎君が海外出張から帰って来た。家族の盛大な歓迎の宴の後、一郎君は乱暴なまでに急いで妻のネグリジェをむしり取り、丸裸にして激しくおまんこした。

「ねえ、あなた」おまんこが終ると世津子さんが云った。
「何だい?」と一郎君。
「あたし、次郎さんとデキてしまったの」
「何だとーっ?」一郎君がガバッと起き上がる。ショックである。
「三郎さんともデキてしまったの」
「じょ、冗談だろ?え?」一郎君は信じられない。
「ほんとなの」
「ほんとなら、もう離縁だ。出てけーっ!」一郎君が怒鳴る。
「まだあるの」と世津子さん。
「弟の子供が出来たなんて云ったって、おら知らん!」
「そうじゃないわ」
「親父ともデキたとか云うのか?」
「それなの」
「ぎえーっ!何て女だ。亭主の留守中に家族全員とやっちゃうなんて!」
「許して、あなた!」世津子さんがすがる。
「許せん。離婚だ。明日の朝、一番に区役所へ行く!」

「あなた。離婚するとどうなるか教えましょうか?」と世津子さん。
「え?」一郎君は訳が分らない。
「あなたが離婚を強行すると、お義父様は遺言を書き換えるおつもりです」
「なに?」
「お義父様が自由になる財産全てをあたしに下さるそうです」
「ええーっ?」
「御存知でしょうけど、有価証券一切、小金井カントリー・クラブの会員権、お祖父さんが遺された金塊、この家と土地、それからお蔵にある家宝全て」
「家宝だと?」
「見せて頂きましたけど、凄いんですね。頼朝公御幼少の頃のしゃれこうべとか、弁慶が読んだ白紙の勧進帳、清盛の尿瓶(しびん)、岩見重太郎のわらじ、国宝級の火焔太鼓、タイガー・ウッズの鼻くそ。まだまだ沢山ありました」
「それがみんなお前に?」
「ええ。離婚さえしなければ、あなた方兄弟とあたしに公平に遺されるそうですけど」
「それは、連中がみなお前を抱くという前提の話だろ?」
「もちろん」
「何が、もちろんだ。クソ!」しかし、一郎君に選択の余地はなく、女房の身体を家族に開放するしかなかった。

世津子さんが美容院に行っている隙に、一郎君は父と兄弟二人を茶の間に招集した。
「あんたらがおれの留守中に世津子をおもちゃにしたことは許せない」と一郎君。
「…」父も弟二人も黙っている。
「謝れなどとは云わん。次郎と三郎は、結婚したらおれにもお前らの女房とやらせろ」
「ええーっ?」次郎君と三郎君が同時に声を挙げる。
「それが公平ってもんだろう。嫌なら、今後世津子に手を出すな」
「そんなーっ!」と三郎君。
「やらせると約束するか?」と一郎君。
「する」と次郎君。
「します」と三郎君。
「で、父さんだが…」と一郎君。
「母さんはあの世だ」とお父さん。「抱かせることは出来ん」
「父さんには二号を作って貰う」
「何だと?」お父さんが面食らう。
「スペインの18歳の娘です。ハッキリ云うと売春婦なんだが、これが可愛いの何の」
「売春婦?」とお父さん。
「写真を見せましょう。ほら」一郎君が何枚かの写真を取り出す。ほんとに可愛い。しかも、胸も尻もでかい。
「ほう!」お父さんが見蕩れる。
「マリアって云うの。この娘を連れて来て住まわせ、みんなでやる」
「いいねーっ、それ!」と三郎君。やれるおまんこが増えるのなら大歓迎だ。
「父さん、決心して!」と次郎君がけしかける。
「うむむ」お父さんが写真を見ながら、ごくりと唾を飲む。

お父さんと一郎君がスペインまでマリアを迎えに行き、全てを納得させて連れて来て同居させた。四人の男を相手におまんこするといっても売春よりはずっと楽だし、衣食住全て面倒見て貰えるのだからマリアとしてもハッピーだった。こうして一郎君は、妻が他の野郎共に抱かれる機会を減らすことに成功し、しかも妻に文句を云わせることなく公然と18歳のスペイン娘とおまんこすることも出来るようになった。後は二人の弟の結婚を待つばかりだった。




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