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02. 不眠症ママの息子

グラグラーっと来た!地震だ!熟睡していた健一君(17歳)は飛び起きた。マグニチュード5はあるのではないか?健一君は、よろめきながら手探りで電気のスイッチを探し、明りを点けた。本棚の本が数冊床に落ちているが、本棚が倒れるほどではなかった。

健一君はママ(38歳)の寝室へ走った。襖を開け、明りを点ける。箪笥や鏡台は倒れておらず、ママはすやすや眠っていた。余震はなかった。健一君は部屋に戻って布団に潜った。

翌朝、健一君は朝食を食べながら、かなり大きかった地震についてママに話した。TVも昨夜の関東地方の地震がマグニチュード5.5で、中地震に近かったと報じていた。
「まあ、嫌!そんな地震に気づかないなんて!」ママが云った。ママは有楽町のビルの一室に診療所を構えている女医である。聡明な印象を与える美貌に熟れ切った肉体を持つ健康的な女性だったが、最近極度の不眠症に悩まされ、毎夜睡眠薬のお世話にならなければならなかった。夫とは五年前に離婚し、健一君と二人きりの母子家庭であった。
「ママの睡眠薬、強過ぎるんじゃない?」と健一君。
「かもね。カプセルの中身、ちょっと減らしてみる」とママ。
しかし、カプセルの中身を減らしたらうつらうつらするだけで、熟睡出来なかった。

「駄目。眠るためにはカプセル全部服まないと」と、試した翌朝ママが健一君に云った。
「でも、それって危険だね」と健一君。
「それよ!もしまた大地震や火事があったらどうしようかと思って。お前、真っ先にママを起してね?起きなかったら担いで外へ出して」
「分った」と健一君。
「お願いね?」とママ。
「うん」
何故か、この会話は健一君の心に澱(おり)のように残った。

次の日曜日、私服の健一君は薬屋へ出掛けた。目指すものを見つけたが、しかし恥ずかしくて何も買わずにすぐ出て来た。彼はスーパーに行った。ここでもブツは見つけたのだが気後れして買わないで出て来てしまった。自分の勇気の無さを詰(なじ)りながら、健一君はあてど無く歩いた。それは絶対に必要だった。それ無しでは実行出来ない。あるコンビニの前に立ち並ぶ自販機の列を通り過ぎた彼の足が止まった。振り返った。間違いない。自販機の一つの商品はコンドームだった。

健一君は性に飢えていた。童貞だったから、先ず女体がどういうものか知りたかった。そしてセックスがどういうものか知りたかった。一人っ子の引っ込み思案の性格ゆえ、ナンパして同年代の女の子を引っ掛けるなどということは考えられなかった。だが、毎夜意識不明のように眠っている女体が手近にあることに気づいたいま、もう好奇心と欲望を抑えることは出来なかった。自分を生み育ててくれている母親の肉体を弄ぶことには罪悪感を感じる。だが、その罪悪感をしのぐほど、欲望の方が遥かに優っていた。

ある夜、健一君はペンライトを手にママの寝室に向かった。襖を静かに開ける。マグニチュード5.5の地震にも覚醒しないほど強力な睡眠薬を服んでいるママに、別にコソコソ行動する必要はなかった。しかし、後ろめたいことをしている自覚が、隠密行動をさせるのだった。ママの布団に歩み寄る。ママの足元の方から布団をめくる。ママは和風の寝間着を着ていた。洋風のパジャマだと脱がさないと何も出来ないが、寝間着ならめくるだけだから楽である。ラッキー!しかし、ママの体勢が問題だった。横向きに寝ていて腕がおっぱいを隠し、よじった下半身は陰部を覆い隠している。こういう姿勢は予想していなかった。これでは何も出来ない。

ママの身体を引っくり返さないといけない。地震による揺れでママが目覚めないのは確かだが、人の手が触れ、しかも引っくり返しても大丈夫だろうか?ママを犯そうとしたことがバレたら大騒ぎだ。健一君はビビった。

ふとママの頼みを思い出した。「地震や火事の際にママが目覚めなかったら、担ぎ出してくれ」というものだ。ママの身体を動かしている最中にママが覚醒したら、「今地震があったんだ」と云えばいい。本当に地震があったかどうか、どうせママには分らないのだから。

健一君はママの肩に手を掛け、ゆっくりと引っくり返した。ママが仰向けになる。寝間着から片方の乳房がぼろんとハミ出た。仰向けでさえ盛り上がっているほど豊かなおっぱいだ。健一君はママの寝間着の襟元を押し広げ、両方の乳房をモロ出しにした。健一君の両手はおっぱいに吸い寄せられ、両方の乳房を揉みしだいた。ふにゃふにゃと柔らかく、とらえどころが無い。しかし、おっぱいの感触は掌に快かった。緊張で縮んでいた健一君のペニスがむくむくと起き上がる。健一君はママの乳首を口に含んだ。それはエロ写真の若い娘の乳首より大きく、しかも黒ずんでいた。赤ん坊の頃の自分が吸い続けたせいだろう…と健一君は思った。

「ううう」乳首を舐められているママが唸った。
健一君はぎょっとなった。目覚めるのか?そうではなかった。ママの折り重なって横向きになっていた両脚を動かし、ゆっくりと上体に揃えて仰向けにした。ママはパンティを穿いていなかったから、すぐさまママの陰毛の茂みが曝け出された。健一君はママの股間を凝視したまま、ママの足元に移動した。ママの両方の膝に手を掛け、ゆっくりと左右に押し広げる。ママは素直に股を開いた。健一君はペンライトを手に、ママのおまんこににじり寄った。

健一君はインターネットの「女性性器図解」などを見ていたから、おまんこがどんな形状であるか、おおよそは知っていた。しかし、実物は初めてである。健一君はママの陰毛を掻き分け、割れ目に見入った。もしこれが健一君のガールフレンドで陰部を見せることを恥じらったり、あるいは経験豊富な女によって焦らされたりしたのなら、僅かに垣間見える女性性器はエロチックであったろう。しかし、ママのおまんこはあっけらかんと曝け出されていて、ちっともエロチックではなかった。しかし、健一君にとっては世界中の女が備えている秘所を、生まれて初めて見ることが出来た歴史的な瞬間であった。

ママの大陰唇は茶色っぽかった。エロ写真の若い娘の肌色のおまんことは違う。ママは38歳なのだから色素沈着が起って当然なのだ。その割れ目は緊張した蛤(はまぐり)のようにしっかりと閉じている。その大陰唇を開けば女の秘密が現われるのだ。健一君の心臓はどっきんどっきんと高鳴り、その音でママが目覚めないか心配になるほどだった。健一君はペンライトをママの股の間に置き、ママの割れ目を照らしながら両手で大陰唇を左右に開いた。蛤の肉のような、あるいは牡蠣の身のような濡れた赤い肉が現れた。上方の三角形に尖った部分にクリトリスが隠れているのだ。おしっこの出る穴があり、膣口が見えた。ここから自分がこの世に登場したのだ。健一君はさらに割れ目を押し開いた。膣がぽっかりと口を開けた。

健一君は膣に中指を入れた。潤っていなかった。健一君は親指の腹でクリトリスに触れた。そっと擦ったり撫でたりする。
「ううう」ママが呻いた。熟睡中でも感じるらしい。艷夢を見ていると思っているのだろうか。
健一君は片手でママのおっぱいを揉んだり、大きなお尻を撫でたりしながら、ママのクリトリスを刺激した。
「うぐぐぐ」ママが唸る。よがっているのだ。
ママが覚醒しないことが確実になった安心感と、柔らかな女体に触れている興奮とで、健一君のペニスはパジャマのズボンの前を尖らすように勃起していた。ペニスは何かに突っ込むことを欲していた。

ふと気づくと健一君の中指に湿り気が感じられた。クリトリス刺激によって愛液が溢れたのだ。健一君は指を抜き差ししてみた。ぬるぬるだった。もうたまらなかった。健一君はパジャマのズボンとブリーフを脱ぎ、勃起し切ったペニスにコンドームを被せた。ママの股間に膝をつき、ペニスを膣口に当てる。ぐいっと腰を押す。ペニスがずぶずぶとママの性器にめりこむ。温かい膣壁にペニスがすっぽり包まれる。(やった!これがセックスなのだ!ついに女とおまんこしているのだ!)健一君は感動した。手で擦るオナニーなど比べ物にならない快感だった。健一君は、自分を生んでくれた女性が自分を男にしてくれたのは、ごく自然の成り行きのように思えた。健一君は両肘で体重を支え、ママの身体に上体を近づける。ママの美しい顔が迫って来る。健一君は興奮し、急速にピストン運動をした。三擦り半でピュピュピューン!と射精してしまった。

健一君は毎夜ママの寝室に侵入し、ママを犯した。何日か経ち、女体にもおまんこの快感にも慣れると、健一君はゆっくり時間をかけてママとの性交を楽しめるようになった。インターネットで読んだエロ小説をヒントに、腰を廻したり押し付けたりしてクリトリスを刺激する方法も覚えた。ママの唇に接吻したり、頬や耳を舐めたりもした。健一君のテクニックが上達し交わる時間が長くなるにつれ、ママの反応が激しくなった。覚醒はしないが、身体を硬直させたり、弓なりにしたり、腰を突き出して深い交わりを求めるようになった。健一君は明らかにママが性的興奮の頂点に達し、よく云う“イく”状態になっているのを感じ取った。その後、ママはぐったりと弛緩するのが常だった。健一君は次第にママをイかせ、それから射精するようになった。

「ママ、今朝、気分はどう?」ある朝食時、健一君が尋ねた。
「絶好調!何か最近とても気分爽快なの」とママ。「仕事もバリバリ出来るし、活力充分って感じで」
「いいじゃん!健康そのものだね」と健一君。
「お前は?」
「僕も最高!勉強にも集中出来るし」
「そう?私たち健康家族ね」ママが朗らかに笑った。

ママは職業婦人だから、毎日掃除・洗濯したり出来ない。週に一遍が限界である。ある日、ママが各部屋のゴミをゴミ袋に詰めていて驚いた。黒いコンドームが見えたのだ。調べるといくつもあり、どれにも精液が詰まっていた。ママはコンドームの数を数えた。きっちり七つあった。

翌週もママは七個のコンドームを発見した。息子が毎日一個使っているのだ。ママは女医だから、男の子にマスターベーションが必要な生理を知っていた。しかし、コンドームを使うマスターベーションというのは聞いたことがなかった。

ある日、クリニックの昼の休診時間にママは銀座の旅行社を訪ねた。顔見知りの事務員たちに挨拶して支店長室のドアをノックする。
「ハイ、どうぞ!」と云う声。
「こんちは!」とママ。
「やあ、姉さん!」支店長はママの弟で誠治さん(34歳)と云う。
二人はひとしきり、親戚の噂やビジネスの動向などについてお喋りした。
「で、今日は何?」誠治さんは忙しい姉がただのお喋りに来たのではないことを察している。
「あんた、初めてコンドーム買ったのいつ頃?」ママが本題に入る。
「ひえーっ!何の話かと思えば、いきなりコンドーム?」誠治さんがたまげる。
「ね、何歳頃?」ママは真剣だ。
「えーとね、あれは高校生の頃だった。セックスの相手なんかいなかったんだけど、どんなもんかと思って、恥ずかしい思いして買ったんだ」
「その頃は自動販売機なんて無いしね」
「そうさ。薬屋でさ、顔赤くしてうつむいて買った」
「あんた、それマスターベーションに使った?」
「使いましたよ。気持いいのかと思って。全然期待外れ。二回ぐらい試して、お仕舞い」
「気持良くないの?」とママ。
「邪魔なだけさ」と誠治さん。「何よ、姉さん。健一がコンドーム買ったの見つけてショック受けてるわけ?」
「そんなとこ」
「もうガールフレンドいるのかも知んないよ?女の子を妊娠させるより、コンドーム使ってくれる方が安心じゃない?」
「それもそうね」ママが頷く。

その後もママは一週間毎にコンドームを見つけた。ある疑問が湧き、また誠治さんを訪ねた。
「おや、姉さん!今度は何?」と誠治さん。
「同じ話題。コンドーム」
「またか。何が聞きたいの?」
「あんた、ガールフレンドとセックスし始めたのはいつ頃?まだ親元にいた?」
「まだ学生だったね。親の厄介になってましたよ」
「じゃ、外でセックスしたわけよね?」とママ。
「当然」と誠治さん。
「あんた、使ったコンドームどうした?家に持って帰った?」
誠治さんがブハーッと吹き出して笑い転げた。「使用済みのコンドーム手にぶら下げて電車に乗るわけ?わははは。鉄道公安官に突き出されちゃうよ」
「何も、手に持たなくても持って帰れるでしょ?」
「そりゃ、コンドームの端をくるりと捻って縛れば精液漏れないから、持って帰れないことは無い。でも持って帰る理由なんか全然ないじゃない」
「じゃ、どうしたの、使用済みは?」
「連れ込みホテルのゴミ箱」
「いつも?」とママ。
「いつも」と誠治さん。

ママは困惑した。弟の話を信ずれば、息子はマスターベーションにコンドームを使っているわけではない。弟が二回で懲りたものを、息子が何週間も繰り返すとは思えない。また、外でセックスしてコンドームを持って帰ることもあり得ないようだ。では、この家にガールフレンドを連れ込んでセックスしているのか?毎日?信じられないことだった。

ママは疑念を晴らすいい方法を思いついた。健一君が入浴中に、彼の携帯電話を調べたのだ。電話番号のリストはそう多くなかった。人名は全てフルネームで登録されており、女の名前は見当たらなかった。毎日のようにセックスするほど親しければ、必ず電話で連絡し合う筈である。不思議だった。

ママはありとあらゆる可能性について考えを巡らせた。そして、その結論はおぞましいものだった。息子は睡眠薬で熟睡している自分を毎夜犯しているのだ。それ以外にコンドームの謎を解く答えはあり得なかった。

ママは決意した。ある土曜の夜、睡眠薬の量を減らしてみたのだ。週末は仕事は休みだから、寝不足になっても問題ないし、翌日の睡眠でカバー出来るという計算だった。睡眠薬の量を減らせば、熟睡せずうつらうつらしている犬や猫のように、眠ってはいても何かあればパッと目を開けられる状態が得られる筈だった。

その夜、ママはエロチックな夢を見た。先夫との新婚当時の甘美なセックスの夢である。夫は妻の身体を隅々まで愛撫し、舐めてくれた。夫のクンニリングスは甘美そのものだった。
「あああ」ママは喘いだ。素晴らしいクンニだ。快感に酔い痴れた。ふとママの意識が甦った。先夫とはずっと前に別れている。クンニしているのは先夫ではない。息子だ!ストップさせなくてはいけない。叱り飛ばさないといけない。二度としないように約束させなくてはいけない。しかし、ママの身体はもっともっと快楽を得ようと欲していた。ママは逡巡した。その時、息子が指を挿入した。
「あううーっ!」息子の指はGスポットを撫でていた。ママは身体を反り返してよがった。ママの動悸が激しくなり、乳房が大きく上下した。
かさこそという音がした。(何だろう?)ママはうっすらと目を開けて下方を盗み見た。ペンライトの薄明かりの中で息子がコンドームを装着していた。(動かぬ証拠だ!息子は毎夜私を犯している!止めなくては!)ママは言葉を発しようとしたが、喉はカラカラで、舌も思うように動かない。次の瞬間息子のペニスがママのおまんこを襲った。
「むぐうーっ!」ママは唸った。息子のペニスは太く、固く、長く、子宮口を直撃した。かつてない刺激、かつてない快感であった。
息子はペニスをママの身体の奥深くに挿入したまま、腰を押し付けたり、左に、右にと回転させた。
「うううっ!」クリトリスを刺激されたママが呻く。
息子はピストン運動を始め、同時にママの両方の乳房を揉みしだいた。
「あうあうあうあう!」ママは息子の行動を制止するどころか、息子の性技に翻弄されていた。
息子は上半身を起すと、ピストン運動をしながら指でママのクリトリスを撫で廻した。
「うわーっ!」ママがイった。
「むむーっ!」急激なピストン運動と共に、健一君はどぴゅどぴゅぴゅーん!と射精した。

果てた健一君は両肘・両膝で体重を支えながらママの身体に被いかぶさった。ママの顔に頬ずりし、ママの耳たぶを舐めながら、「ママ、大好き」と云った。健一君は最後にママの唇にキスした。ママはパッチリと目を見開いて息子を見返していた。「ひえーっ!」健一君はたまげた。熟睡しているとばかり思っていたママが覚醒していたのだ。健一君は身体を硬直させ、罪の意識で身体をがたがた震わせた。
「離れなさい」とママが云った。「コンドーム、注意して抜いて。お布団にこぼさないでよ」
「ママ!」健一君が謝ろうとする。
「話は明日。早く出てって!」ママは厳しく云った。

翌朝、健一君は朝食も食べずに外出し、帰って来ても部屋に閉じこもって出て来なかった。
「健一。夕食よ。出て来なさい」ママが健一君の部屋のドア越しに云った。
「食欲無い」と健一君。
「あるのは性欲ばかりなのね」ママが云いながら立ち去った。

ママは一人で食事を済ませると、食器を洗って食卓の上を綺麗にした。
「健一。話があります。出て来なさい」再び、ドア越しにママが云った。
健一君は刑場に引き出される死刑囚のように、うなだれ、とぼとぼとダイニング・ルームにやって来た。
「お座りなさい」ママが命じた。
健一君が食卓の椅子に座る。
「お前は私が熟睡しているのをいいことに、何週間にもわたって私を犯していた」とママ。健一君は昨夜だけでなくずっとママを犯していたことがバレていることを知り、口をあんぐりする。「お前を生み育てて来た私への恩義を忘れ、母親への尊敬の念もなく、人権も無視し、私の身体を無断でダッチワイフのように利用していた」とママ。「これは犯罪だわ。私は犯罪者を育てていたのよ」
「ママ…」健一君が何か云いかける。
「お黙り!弁解の余地などないわ」ママがぴしゃりと云う。「お前は大学に進学するつもりかも知れないけど、もうその必要はない」
「えっ?」と健一君。
「どうせ大学へ行ったって、大学出の犯罪者になるだけよ。社会の敵だわ」とママ。「それだけじゃない。人非人のお前には生きて行く資格もないの。死になさい」
健一君の顔が青ざめる。何と冷酷な言葉だろう。しかし、自分の犯した罪がバレたいま、この平和な家庭は壊れてしまった。もう、母親の庇護と愛は得られないだろう。何の特技もない16歳の少年が一人で生きて行けるわけもなかった。抛り出されれば野垂れ死にするしかない。
「これを飲みなさい」ママが何かバーン!と食卓に叩き付けた。小さな丸薬だった。「一時間以内に安らかに死ねます」ママがコップに水を汲み、健一君の前に置く。
「お前だけ殺しはしない。私も死にます」そう云って、ママはもう一個のコップに水を用意した。そして食卓に戻り、もう一個丸薬を取り出した。

「ママっ!」健一君の顔は涙でぐじょぐじょになった。「ごめんなさい、ママ!」
「謝ってもお前の罪は消えない。私たちはもう元の母子には戻れない。死ぬしかないの。死んで、生まれ変わってもまた母子になったら、今度はいい子になって頂戴。ね?」
健一君は悟った。ママは本気だ。自分は自分が冒した罪で母親の命まで断ってしまうのだ。
「お前が飲まないのなら私が先に死ぬ。お前は勝手にしなさい」ママはそう云うと丸薬を口に入れ、コップの水を飲んだ。
「悪うございました、ママ」健一君はもう一度詫び、自分も丸薬を飲んで、コップの水を流し込んだ。

ママは立ち上がると、健一君の傍にやって来てやさしく髪の毛を撫でた。
「健一、私たちはあと一時間後に死ぬ。最後に何かしたいことある?」とママ。
健一君が首を横に振る。
「私はあるわ。眠っている時じゃなく、目覚めている時にお前にやってほしいの」
「えーっ?」健一君は信じられなかった。
「どうせ死ぬんですもん、倫理も道徳もないわ。お前にイかされて、『死ぬ〜!』って云いながら死にたいの」
「でも、ママ。僕、立たないよ」健一君はママに罪を咎められ、死を前にした恐怖で、とてもおまんこどころじゃなかった。
「大丈夫。ママが立たせて上げる」

二人はママの寝室へ移動し、布団を敷いた後、初めて明るい部屋の中で衣類を捨て去り、お互いの裸身に見入った。健一君にとってママの脂の乗った肉体は美しかった。これが見納めで、ママも自分も死ぬのだと思うと悲しかった。ママは逞しく育った息子の裸体を惚れ惚れと眺めた。
「おいで」ママが息子に命じた。
健一君がママに近寄ると、ママはすっと身を沈めてしゃがみ、息子のペニスを舐め始めた。健一君は驚いた。ママがこんなことをしてくれるなんて。罪深い息子に、死ぬ間際とはいえ何て優しい母親なのだろう。こんないい母親を母子心中に追い込んだ自分が許せないと思った。
ママは息子の玉タマをいじくりながら、しょげてうなだれているペニスをしゃぶった。すぽすぽしたり、ぺろぺろしたり、手を変え品を変えて舐める。そのママの頬に何かが落ちて垂れた。ママが見上げると、健一君が手放しで大粒の涙を流しているのだった。ママは息子へのフェラチオを中断して立ち上がった。
「馬鹿ね」ママは云って、背伸びして息子の涙を舐め取った。そして、息子の身体に抱きつき、顎を上げて目を閉じた。 健一君はママが何を求めているか察した。健一君は微かに身を屈めてママにキスした。ママは口を開いて舌を差し出した。健一君はママの舌を自分の舌でとらえ、ママと初めてのフレンチ・キスを交わした。健一君もママを抱き締め、ママの背中を撫でた。

二人は布団の上で69を始めた。ママが仰向けになって健一君のペニスを舐め、健一君がママの身体に被いかぶさってママのおまんこを舐める。健一君にとって何もかも初めてのことであった。女体に乗っかることによって、健一君の性欲が甦った。しかもママがペニスをしゃぶってくれているのだ。健一君のペニスは次第に固くなった。

健一君のペニスが元気なると、ママは息子に仰向けに横たわるように指示し、息子の腰の上に跨がった。ママは息子のペニスを膣口に当て、静かに腰を沈めた。息子のペニスがママの体内にずぶりとめり込む。
「むむーっ!」ママが呻く。ママは腰をぐりぐり廻し、時折上下運動を交える。「おーっ、いいわっ!」ママは叫びながら自分の乳房を揉んだ。
健一君にとってこれは初めての活き活きした性交であった。眠っている時のママは快感に反応こそしたものの、ダッチワイフと変わらなかった。息子に跨がり、おっぱいを揉みながらよがっているママは凄まじかった。これが本当のセックスなのだ。健一君はママの胸に手を伸ばし、乳首をいじくり廻した。
「あーん、あはーん!」ママはベリー・ダンサーのように腰をくねらせ、卑猥に腰を前後させた。
健一君は一方の手を二人の性器の間に差し込み、ママのクリトリスを刺激した。
「いーっ、いひーっ!」ママは狂ったように腰を上下させる。「あわーんっ!」ママがイった。
ママの絶頂は健一君を興奮させた。健一君は動きを止めたママのおまんこにペニスを突き上げる。

「待って!」ママが健一君の腰から下り、健一君の股の間に膝をついた。「ママの口に出して!」そう云うと、ママはフェラチオを始めた。亀頭の周囲をぺろぺろ舐め、指でペニスをしごく。ママは巧みだった。
「あうーん!」健一君はたまらずぴゅぴゅぴゅーんと射精した。ママはごくごくと精液を飲み込み、健一君の興奮が収まるまでフェラチオを継続し、最後まで精液を絞り出した。

二人は全裸のまま身体を接して横たわっていた。
「ママ?」と健一君。
「なあに?」とママ。
「僕、ママのおまんこに出したかったのに…」健一君が怨めしそうに云う。
「お前、コンドームしてなかったじゃない。ママを妊娠させないでよ」
「だって、僕ら死んじゃうんだから、妊娠もクソもないと思うけど…」
「あ、あれは只の鎮痛剤よ。死なないわ」
「えーっ?ママ、騙したの?」健一君がママを直視する。
「お前が本当に罪を悔いてくれるかどうか知りたかったの」ママは息子の頭を撫でた。「死んだ気になって、これからはいけないことはしないで、お願い」
「分った。これまでのこと、許してくれる?」
「許すわ。これからも許す」とママ。
「え?」と健一君。
「これからもやって。イかせて。お前がイかせてくれると、ママは睡眠薬要らないみたいだから」
「ほんとー?」健一君には信じられない。
「欲求不満が不眠の原因だったと思うの」
「じゃ?」
「これからはノックして入って来て?」ママがニッと笑う。
「コンドーム、ママが買ってくれる?」健一君がママの顔色を窺う。
「え?」
「だって、お小遣い無くなっちゃうんだもの」
「あはは。いいわ。ママが沢山買っとく。一晩に何個使ってもいいわよ」
「ほんとに?」満面に笑みを浮かべた健一君がママに抱きついた。




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