19. ママは売れっ子占い師良一君(17歳)のママ(38歳)は占い師だ。占い師といっても街角で客を待つ貧乏ったらしい類いではない。ヨーロッパ各地でTarot(本場フランスではタロットではなく「タロー」と発音する)の修業をし、帰国後は原宿のビルの一室を借りて殺到する多数の予約客の占いをこなしている。TVにも年に数回は出演するほどの人気者でもあった。 ママの稼ぎを当てにした良一君のパパは、勤めを辞めて競輪・競馬に熱中した末、ママの金で女遊びまでしていたことが発覚し、十年ほど前に離婚されていた。男に懲りたママは、その後再婚もせず、女手一つで良一君を育て上げ、息子の成人を待っていた。その良一君は健康優良児に育ち、今や柔道部の主将になっていた。 「良一、明日は試合なんだろ?夕食はビフテキに一口カツだからね。敵に勝つんだよ?」とママ。 二人向き合ってビフテキと一口カツを食べた。しばらく、猛獣のようにガツガツと食べていた良一君が、顔を上げてしげしげとママの顔を見る。 良一君が部屋に戻り、洗い物を済ませたママは、一人ぽつねんと食卓に座っていた。何もすることがなかった。たまたま読む本も、聴きたい音楽もなかった。ママは引き出しからタロー・カードを取り出しシャッフルし、カットした。普段、ママは家では占いをしない。ママはタロー占いを信じていたし、自分の能力に自信を持っていた。それは遊びや暇潰しでやるものではなかった。この夜、タロー・カードを手にしたママは想像もしなかったのだが、それはママの人生をガラッと変える行動となった。 タロー・カードは15世紀の頃からヨーロッパに伝わるもので、実はカードの絵柄や占い方も様々である。共通なのは、占いを行なう者はカードの意味を説明するのではなく、イマジネーションによってカードとカードを繋ぐストーリーを創り出すことだ。いわば、多人数で長大な和歌をその場で作り上げる連歌、寄席の客が出した三つの題目から即席に物語を構築する三題噺などに似ているとも云える。タロー占いも即席の創作芸術なのである。しかも、それは占いを所望した当人が聞いて説得力あるストーリーとなっていなければならない。それには一種の霊感が必要である。いい未来であろうと、悪い未来であろうと、当人が後になって「やっぱり!」と頷くだけの真実味がなくてはならなかった。ママがこれまで名声を勝ちえて来たのは、多くの人々が「やっぱり!」と思ったからに他ならない。 ママはカードを並べた。先ず、女である自分を意味する「女王」のカードを端に置く。次に開かれたカードは「恋人」のカードであった。ママは愕然とした。離婚して以来、幾多の縁談を断り孤閨を守って来た。それは息子の良一君可愛さゆえであった。もう物心ついていた息子が新しい父親に馴染むとは思えなかったし、夫婦が睦まじくすればするほど息子に疎外感を与える心配もあった。だから、ママは自分の性的欲求を圧し潰し、女であるよりも母として生きて来たのだった。それが、いまここに至ってロマンスが降って湧いて来るのか? 次のカードは「太陽」であった。若さの象徴である。恋人は若いのだ!若いツバメ? さらに次のカードは「血」だった。ママは青ざめた。「血縁の…若い男!」。 最後のカードは「竜」であった。普通なら、これは「勇気」、「秩序」などを象徴するのだが、この時カードは逆さまになっていた。それは「暴力」を意味していた。 ママは小刻みに手を震わせながらリーディング(カードの行間を読む手順)に専念し、ストーリィを組み立てた。能力を振り絞っていくつもの異なる筋立てを考えようとした。しかし、どのようにカードの行間を読んでも、「血縁の男性(自分の息子)が母である自分に恋していて、いつか暴力で自分を犯す」としか読めなかった。ママは血の気を失った。 ママがタロー占いを単なる商売のネタとして考え、自分のリーディングなどデマカセに過ぎないと考えていれば問題はなかった。しかし、ママにとって占いは神聖なものであり、誰よりもママは自分のリーディングを信じ、自信を持っていた。息子が自分を犯す日は必ずやって来るのだ! その夜、ママは寝付けなかった。全神経、特に聴覚が息子の部屋の方角に集中していた。ドアが開かないか?忍び足で廊下を踏んで近づいて来る音が聞こえないか?枕元の時計が11時半を廻った頃、息子の部屋のドアが開いた。ママはギクッとして身体を固くした。息子の足音が近づいて来る。ママの脇の下に脂汗が滲み出た。が、トイレのドアが開く音がし、足音は消えた。しばらくして水音がし、またトイレのドアが開き、閉まった。ママの緊張はまだ解けていない。息子の足音は遠ざかり、彼の部屋のドアが開いて閉じた。ママはぐったりと身体を弛緩させた。 「待てよ?」息子は自分が寝入るのを待っているのかも知れない。まだ安心は出来なかった。ママは枕元のスタンドを点けっ放しにしたまま目を開けて横たわっていた。こんなことなら、この古い家を洋風に改造しておくんだったと悔やまれた。襖では鍵が掛けられない。全く無防備である。今までこの家で鍵の必要性など感じたことはなかった。悲しかった。息子が大学進学を控えている今、急に改築を始めるわけにもいかない。 あれこれ考えているうちに、いつの間にか午前三時になっていた。この時間なら息子も夜這いには来ないだろう。ママは灯りを消して眠りに就いた。 「ママ、ママ!」息子の声がした。 ママは原宿の占いの部屋を「スタジオ」と呼んでいる。待合室はイタリア風に白く明るく優雅なデザイン。ところが、占いをする部屋は一転して真っ暗で、小さな丸テーブルに真上からスポットライトが当たっているだけ。テーブルには濃い紫のビロードのテーブルクロスがかかっている。占って貰う者の目には、ママの白い手とタローの色鮮やかなカードしか目に入らない。運命を告げるママの声は闇の中から聞こえて来るようだった。 寝不足のママは必死で占いをこなした。リーディングに集中するのに骨が折れた。昨夜自分の運命を告げた「血」や「竜」のカードが現れると心が乱れてしまった。あんな占いをすべきではなかったと後悔した。 ママが帰宅すると、良一君はTVの前のソファに座っていた。 「ママ、今日の晩ご飯、なに?」と良一君。 その夜、二人は黙々とピザを食べた。 この夜も昨夜と同じだった。ママは、灯りを点けたまま、寝床の中で身体を固くして全神経を尖らせていた。二時過ぎ、ママは睡魔に勝てず眠りに落ちた。早朝、目覚ましのベルで飛び起きた。また寝不足だった。 次の夜も同じだった。ママは自分の運命を呪った。自分が産み落した息子に犯されるなどということは信じられない。息子が思春期に入り、セックスに関心を持ち、女体に憧れる気持は理解出来る。しかし、その関心は家の外の異性に向けられるべきであり、実の母を対象にすべきものではない。ママは「近親相姦」という言葉に怖気をふるった。そんなことが自分の身に降り掛かろうとは!息子が力で挑んで来たら、とても防げるものではない。相手は柔道部の主将なのだ。体力も優っている上に、寝技に秀でているのだ。 「勘当する!」とか、「家を出て行きなさい!」と脅すことは出来る。しかし、そういう言葉も、暴力で母を犯そうとする息子の行動を止めることは出来ないだろう。いずれにせよ、犯されてしまう。「勘当する!」、「家を出て行きなさい!」は、犯された後の台詞でしかない。しかし、どんな理由であれ保護者が未成年を抛り出せるものだろうか?前夫のもとに返すか?ママはまた三時過ぎまで寝られなかった。 ママの健康は仕事に影響した。お客の半分をキャンセルしなければならなかった。睡眠不足で集中出来なくなってしまったのだ。自分の運命に翻弄されている人間が、他人の運命を読めるものではなかった。 ある夜、寝床の中でママは考えていた。現在の状態は、まるで死刑執行を待つ受刑者の気分である。死刑は決まっている。問題は「いつ?」だ。時期がいつか分らず、ジリジリしている。神経衰弱の極限状態であった。ママは疲れ果てた。犯すなら早く犯してほしいという気にさえなった。 ところで、良一君の方はどうだったのか?17歳といえば、生殖能力のピークである。精液は無尽蔵に生産され、一日に何度でもオナニーで射精出来た。良一君のコンピュータには様々なエロ画像が隠されていた。未成熟で胸の平らなジュニア・アイドルの水着写真もあったが、大方は豊満な乳房と尻を持つ成熟した女性の裸体画像であった。しかし、良一君の秘蔵のオカズ(オナペット)は裸の女性の姿ではなかった。週刊誌、女性雑誌などからスキャンしたママの写真だった。 良一君がママを欲しがっていたのは事実だった。良一君にとって、ママの身体は手近な女体である。ママが身体を許してくれれば、良一君は非常に快適な生活が送れる。しかもそのママは、そんじょそこらの糠味噌臭い母親ではなく、マスコミも関心を持ち、ファンも数多く存在する一種のスターなのだ。まだ若々しく、容姿も充分人目を引いた。だから、良一君の心の中では、母親を求める衝動と、スターを独占したいという欲望が綯い交ぜになっていた。 しかし、良一君にママを口説こうとかママに襲いかかろうという勇気はなかった。もし、一歩踏み出してママの憤激を買ったら、親子の関係は取り返しのつかないものになりかねない。たった二人の家庭で、ギスギスしたり絶交状態になったら地獄である。それよりも、遊び人の父のもとへ追いやられ、大学進学の夢も果敢なく消えてしまう恐れがあった。良一君にママに手を出す気はなかった。 良一君はティシューの箱を手近に準備し、パジャマのズボンとブリーフを下ろし、コンピュータの前に腰を下ろした。先ず、女性のヌード画像を見ながらオナニーを開始する。常に半勃起状態のペニスは瞬く間に完全勃起する。水溶性マッサージ・ゼリーを掌とペニスに塗る。スライド・ショーで次から次と入れ替わる女性の裸体に見蕩れながら、良一君はペニスをゆっくりしごく。次第に射精が迫るぞくぞくする感覚が湧いて来る。良一君はスライドショーを停止し、ママの写真の数々に切り替える。それらはポートレートであったり、TVスタジオの写真であったり、パーティの写真であって、ママは裸ではない。良一君はママの写真から裸の姿を想像しなくてはならない。一緒に住み、僅か数メートル向こうの寝室で寝入っている母親の裸体を想像しつつオナニーする。異常である。その異常さが興奮を増した。良一君は固く太く赤く充血したペニスを急速に擦った。 良一君の部屋のドアがバーン!と開いた。白いネグリジェ姿のママが立っていた。ママの目はすぐさま屹立した息子の“息子”に注がれた。 ママは解放感に浸っていた。もうこれで不眠の日々は終わる。息子に犯されて、占いは成就する。イくとかイかないの問題ではなかった。明日からは快眠・快食・快便で占いに専念するのだ。 良一君の亀頭先端にぬるぬるした感触があった。(これが愛液か!ママの性器が自分を招いている!)良一君はぐぐっと腰を押した。ママの助けで、ペニスはぬるぬるっとママの体内に侵入した。(おーっ!)ペニスが濡れた温かい肉にすっぽり包まれた。(やったーっ!ついに女体と交わったのだ!) 「あうーっ!」ママが呻いた。実に久し振りの性交であった。体内への異物の侵入、空隙が満たされる満足感、襞々が擦られる快感…そういうものは全て忘れ去っていた。(これが近親相姦なの?別に、普通のセックスと変わりないじゃない)ママはそうも思った。 性器を結合したまま、良一君がママの顔を見つめた。 母子は交わった姿勢を解かず、そのまま横たわっていた。ママは良一君の髪を撫でながら、何度もキスした。自分が生み育てた息子と男と女の関係になってしまった。後悔はなかった。タローのお告げの通りの運命なのだから、これ以外の道はなかったのだ。 良一君は両手でママのおっぱいを揉み、その感触を楽しんでいた。良一君にはなぜママの態度が急変し、セックスさせてくれるようになったのか分らなかった。でも、そんなことはどうでもよかった。これから、いつでもやりたい時にやれるのだ。写真をみながらのオナニーではない。ママの肉体を自由に出来る。良一君の心は明るかった。 ママは起き上がって身体の向きを変え、69の体勢で息子の身体の上に乗った。うなだれている息子のペニスをしゃぶる。一方の手で玉タマを愛撫する。 良一君は陰毛に囲まれたママの割れ目に見蕩れていた。終わったばかりの性交によって、膣が開き加減で、精液の残りがこぼれかけている。(クリトリスってのはどこなんだろう?)さっきまで童貞だった良一君だが、インターネットで様々な知識は持っていた。良一君はママの褐色の割れ目の上の方を触って見た。 ママの舌は亀頭から出たねっとりした液を感じ取った。息子の射精が迫っている。息子の妙な動きは射精をこらえる苦しさからなのだ。ママは一瞬ペニスを離し「出していいのよ!」と叫んだ。そしてまたフェラチオに戻った。 ママは口の端から精液をだらーりと垂らしつつ余韻にひたっている。ママの全体重が良一君にかかっていたが、柔道部の主将にとって女の体重など何でもなかった。良一君はママのおまんこを惚れ惚れと眺めながら、(これからの生活はバラ色だ!)と考えていた。 |
Copyright © 2010 Satyl.net
E-mail: webmaster@satyl.net