27. 父のお下がり
道夫君(15歳)と秀二君(14歳)のお父さん・織田秀吉氏(50歳)は衆議院議員である。彼は総理大臣も夢ではないと云われる実力と人気を備えていた。世間には知られていない事実だったが、織田秀吉氏は精力絶倫の男性でもあった。彼は妾を何と二人も囲っていた。かといってお母さん(本妻)をないがしろにしていたわけではなく、三人を公平に可愛がり、三人とも性的に充分満足させていた。性豪であるお父さんにとっては、一人や二人の女性では満足出来なかったのだ。かといって、仕事柄処々方々で女を買うわけにはいかない。織田秀吉氏を蹴落とそうとする競争相手の群れが、鵜の目鷹の目で彼の醜聞をほじくり出そうと待ち構えているからだ。正々堂々と囲った女とやるのが一番安全だったのである。
最初の妾(二号)は元売れっ子芸者の梅子さん(32歳)で、西麻布のマンションに囲われていた。お父さんは今でも源氏名で彼女を梅奴と呼んでいる。瓜実顔で、こぼれるような色気を発散する和風美人であった。二番目の妾(三号)は、元バーのホステスだった桜子さん(30歳)で、こちらはモダンな洋装の似合うボインボインの悩殺的美人。桜子さんは六本木のマンションに囲われていた。本妻であるお母さん・松江さん(40歳)は淑やかな外見に情熱を秘めた「昼は良妻賢母、夜は娼婦」の見本のような美人。彼女は夫が二人の女を囲っていることは承知していたが、自分が愛されている以上文句は云わないという主義であった。細かいことに目くじら立てるよりも、総理大臣の妻となることを夢見ていたのである。
順風満帆の織田秀吉氏に一大転機が訪れた。前立腺癌が発見され、早期手術の必要性を宣告されたのだ。前立腺癌はアメリカで罹病率第一位、死亡率が肺癌に次いで第二位という恐ろしい病気である。早期発見、早期治療によって死は免れるものの、この治療にはおぞましい副作用があった。インポになってしまうのだ。性豪の織田秀吉氏にとって、前立腺癌の宣告は地獄行きの宣告と同じであった。手術直前まで、織田秀吉氏は妻と二人の妾とやりまくって、彼のセックス・ライフに別れを告げた。
術後の経過はよく、織田秀吉氏は速やかに政界に復帰出来た。織田秀吉氏が久し振りに西麻布の梅子さんを訪れた。
「センセ、お元気にご回復、何よりです。ほっといたしました」と梅子さん。
「ありがとう。もうすっかり良くなった」と織田秀吉氏。
「で、あちらの方は?…やっぱり?」梅子さんが聞く。
「立たん。何をやっても駄目だ」
梅子さんが急にめそめそする。
「どうした?何だ、急に?」
「だって、センセとおまんこするのが二号にとっての一番の仕事です。それが出来なくなったら、私、捨てられるんではないかと…。夜も寝られません」
「馬鹿、何を云う」と織田秀吉氏。「この織田秀吉をそんなケチな男だと思っているのか?一旦お前を囲ったからには、お前を抛り出したりはせん。たとえ死んでも、お前が人並みに暮らして行けるだけのものは遺す」
「センセ!」感激した梅子さんが織田秀吉氏に縋り付く。
「梅奴。お前、おれとおまんこするのが二号の一番の仕事と云ったな?」
「はい。それが出来ずにただ養って頂くのは心苦しいですわ」
「では、お前に仕事を与えよう」と織田秀吉氏。
「え?」梅子さんが怪訝な顔をする。
「教育だ」
「誰の?何の?」と梅子さん。
「おれの長男・道夫だ。あいつを性の達人にしてやってくれ」
「何ですって?」梅子さんが驚く。
「道夫は16歳だ。やりたくて仕方のない年頃だ」と織田秀吉氏。「おれにはあいつの性の悶えと苦しみが手に取るように分る。お前があいつの相手をしてくれれば、あいつは大喜びに違いない」
「センセ!」梅子さんがパッと身体を離し、ババッと身仕舞いを正して云った。「あたしを坊ちゃんにお下がりに出す気ですか?」
「え?」
「私は洋服やゴルフ道具じゃないんです!人間ですよ!気安くお下がりになんか出さないで下さい!」
「そう興奮するな。落ち着け」
「私はセンセに惚れたから、死ぬまでついて行こうと決心したんじゃありませんか。私の心も身体もセンセだけのものなんです」
「道夫をおれの身代わりだと思うことは出来ないかね?」
「だって…」梅子さんが何か云いかける。
「まあ聞け。お前も女盛りだ。この後ずっと男無しで済ますのは無理だろう」
「無理だって何だって我慢しなくちゃ」
「それは精神衛生によくない。道夫を仕込めばあいつだけでなく、お前だって楽しめるじゃないか」
「それは命令ですか?」
「そうじゃない」
「嫌だと云ったら?」と梅子さん。
「おれがまだ勃起すると仮定して、お前とおまんこしたいと云ったら、お前は嫌だと云うかね?」
「そんな!そんなこと云いません。云えません」
「道夫をおれだと思うんだ。可愛がってやってくれ」
「…」梅子さんは反論出来なかった。
同じようなやりとりが六本木のマンションでも繰り返された。
「おれの次男・秀二を性の達人にしてやってくれ」織田秀吉氏が云った。
「えーっ?じょ、冗談でしょ?」と桜子さん。
「冗談ではない。嫌かね?」
「嫌だと云ったら?」
「遺言を書き換える。おれの遺産は本家と梅奴のものになる」
「そんな!」桜子さんが青ざめる。
「桜子。秀二はおれの分身だ。おれだと思って相手をしてくれ。あいつをおれのような性の達人にして、お前も楽しめ」
「…はい」桜子さんが決心した。
数日後の土曜日、織田秀吉氏が息子たちをタクシーに乗せて都心を走り、先ず長男・道夫君を西麻布の梅子さんのマンションの前で下ろした。
「梅奴はお前の倍以上年上の女性だ。くれぐれも失礼な態度を取るな。いいか?」と織田秀吉氏。
「はい、お父さん」と道夫君。
「あそこに見える酒屋のところで右に曲がれば地下鉄の駅に出る。夕飯までには帰って来い」
「分りました」
「じゃあな」織田秀吉氏は次男・秀二君と六本木に向かって走り去った。
梅子さんと道夫君は応接間で向かい合った。梅子さんは当惑していた。自分の年齢の半分にも満たない16歳の少年をどう扱えばよいのか?何を話したらいいのか?どうセックスへと繋げればいいのか?
「坊ちゃん?あなた、家庭教師についてます?」と梅子さん。
「はい。英語と理・数の二人に」と道夫君。
「その二人は、学校の先生と違って坊ちゃんの御両親からお金を貰って働いているわけよね?」
「そうです」
「でも、坊ちゃんはその教師二人を尊敬してる?」
「もちろんです。ボクの知らないことを教えてくれるんですから」
「あなたのお父様は、私に坊ちゃんにセックスを教えてくれとおっしゃいました」と梅子さん。
「…」道夫君の顔がぽっと赤くなった。
「それも一種の家庭教師だと思います」
「…」道夫君が頷く。
「坊ちゃんは、私を他の家庭教師と同じように尊敬し、私の指導に従ってくれますか?」と梅子さん。
「もちろんです!何でも云う通りにします!」道夫君が誓った。
「じゃ、坊ちゃんを性の達人にして差し上げます。ベッドへ行きましょう」梅子さんが立ち上がった。
六本木では桜子さんと秀二君がベッドの傍で向かい合っていた。
「秀二坊ちゃん。あなたまだ子供じゃないの。ほんとにおまんこしたいわけ?」と桜子さん。
「したいんです!やらせて下さい!」と秀二君。
「ちゃんと立つのかしら?ちょっと心配」
「立ちます!もう立ってます。見せましょうか?」
「ええ!どんな風か見せて?」桜子さんが身を乗り出す。
秀二君が立ち上がってズボンを脱ぎ出す。
「あ」秀二君が手を止め、「ボクだけ脱ぐのって不公平。お姉さんも脱いで」と云った。
「まあ!」桜子さんは“小母さん”でなく“お姉さん”と云われたのが嬉しかった。「さすが政治家の坊ちゃんね。駆け引きが上手!」桜子さんも服を脱ぎ出す。
全裸になった秀二君は勃起したペニスを誇らしく突き出した。
「あら、結構でかいわね」桜子さんが息を飲む。性豪の息子は性豪なのかも。
「お姉さん、おまんこ見せて!」と秀二君。
「いいわよ」桜子さんがベッドの上で仰向けになり、股を大きく開いた。“お姉さん”と呼ばれる限り、何でも許しちゃう桜子さんであった。
「あら、元気ないのね」ベッドの上で裸になった西麻布の梅子さんが云った。
「ボク、緊張し過ぎちゃって」道夫君がべそをかく。ペニスがうなだれたままなのだ。
「いいわ。立たせて上げる」梅子さんが道夫君を寝かせ、ペニスをぺろぺろ舐め始めた。
「わーっ!」おまんこより先にフェラチオを体験した道夫君が感激する。大の大人が自分のペニスを舐めてくれるなんて!道夫君のペニスはむくむくと起き上がった。梅子さんはぺろぺろ運動にすぽすぽ運動を加える。「おおお」凄い快感に道夫君のペニスが射精を準備完了する。「あーっ!」あっという間に道夫君が射精した。梅子さんは道夫君の精液をごくりと飲み込んだ。
六本木では女性器観賞に満足した秀二君が桜子さんの身体に乗っかろうとしていた。
「秀二坊ちゃん、コンドーム!」と桜子さん。
「え?」秀二君がどぎまぎする。コンドームなんて知らないのだ。
桜子さんが起き上がって秀二君のペニスにコンドームを被せる。
秀二君は再び桜子さんの身体にのしかかって、彼女の股にペニスを突き立てる。
「さっき見たでしょ?もっと下よ、下!」と桜子さん。
実を云うと秀二君は桜子さんのおまんこは開いてみたものの、膣の位置までは確認していなかったのだ。初体験の興奮でのぼせ上がり、宙に舞い上がるような状態であった。桜子さんの指示で、ぐんぐん腰を落しながらむやみやたらにペニスを突く。と、突如ペニスがぬるっとした穴にはまり込み、温かい肉にすっぽり包まれた。
「あーっ!」人生初のおまんこに感極まった秀二君はぴゅぴゅぴゅーん!と射精してしまった。“三擦り半”という言葉があるが、この場合は“無擦り半”であった。
西麻布では道夫君が梅子さんのおまんこに拝謁していた。道夫君は梅子さんの大陰唇を開き、つぶさにクリトリスや尿道口、膣口などを確認した。
「もういいでしょ?恥ずかしいわ」梅子さんが云った。32歳の色素沈着した陰唇をしげしげと見られたくないのだ。
道夫君は仰向けになっている梅子さんと身体を並べ、梅子さんの顔に見入った。
「どしたの?」まじまじと顔を見られた梅子さんが聞く。
「先生、綺麗」と道夫君。
「え?先生って?」梅子さんがぽかんとする。
「やだな。ボクのセックスの先生じゃないですか!」道夫君が梅子さんの裸の身体を揺さぶる。
「あ、忘れてた。そうだったわね。で、なに?私が綺麗だって?」梅子さんが喜ぶ。
「顔もだけど、おっぱいも、肌も、スタイルも…」
「嬉しいわ。あそこはどう?」と梅子さん。
「あそこって?」道夫君が怪訝な顔をする。
「さっきじっくり見てたとこ」と梅子さん。
「ああ!あそこ?ええっと、ノーコメント」と道夫君。
「あはは!さすが政治家の坊ちゃんね!賢い」梅子さんが感心した。
六本木の秀二君は桜子さんの身体を弄くりまわして再度ペニスを勃起させ、二度目のおまんこに挑戦した。今度は三擦り半であった。西麻布の道夫君も梅子さんと熱く舌を交えたり、おっぱいを揉んだりして再び勃起し、三擦り半で初まんこを体験した。
次の土曜日からは兄弟だけで地下鉄に乗り、それぞれの妾宅に向かった。
「坊ちゃん」と西麻布の梅子さんが道夫君に云った。「性の達人というのは、自分だけいい気持になって射精する人ではなく、相手の女性を絶頂感に導いて一緒にクライマックスを迎えられる人のことです。私がその方法を教えます。それは私を悦ばすためではなく、坊ちゃんが性の達人になるためのテクニックなのです。分って?」
「はい、先生」道夫君が素直に云った。
梅子さんは微笑んだ。道夫君の態度が気に入っている。「坊ちゃん。原始人の火の起し方って聞いたことある?」
「いいえ」
「木と木を擦るの。一生懸命擦ると摩擦で温度が上がり、いつかポッと火が点く」と梅子さん。「女の身体も同じ。触られたり撫でられたり揉まれたりすると次第に燃え上がる。男性のように『やりたい、ズボッ、ぴゅぴゅーん!よかった!』というわけにはいかないの」
「ふーん?」道夫君が真剣に講義を拝聴する。
「女の身体は全身が性感帯。男性に触られると『あ、私を可愛がってくれてる!』って嬉しくなって、燃え上がるのも早くなるの」
「…」道夫君が“先生”の言葉の全てを脳裏に刻む。
「坊ちゃん?先週、私が坊ちゃんのお珍々舐めて、坊ちゃんの精液を飲んだ時、どう思って?」と梅子さん。
「嬉しかった。とっても」と道夫君。「先生がボクみたいな子供にあんなことしてくれて。おしっこ出るとこだし…」
「そこなのよ」と梅子さん。「好きな人、愛する人だと、おしっこ出るところだろうがうんち出るところだろうが関係ないの。どこもかしこも舐めたくなるの」
「へえ!」道夫君が驚く。
「お尻の穴まで舐められたら、どれだけ相手が自分を愛してくれてるか分るでしょ。それに較べれば、お珍々やおまんこ舐めるなんてごく当たり前のことなの」
道夫君が性の道の奥深さに打たれた。
六本木でも桜子さんが似たような講義をした。秀二君はピストン運動が全てではなく、交わりながらも女性のクリトリスを刺激するため、恥骨同士を擦り合せるような動きが重要なことを学んだ。
梅子さんは道夫君にGスポットを刺激する方法を教えた。
桜子さんは秀二君に子宮口に届く深い体位が女性をイかせるコツであることを伝授した。
兄弟はそれぞれが学んだことをお互いに付き合わせ、自分が教わっていないことを補うようにした。
「あいつはどうかね?」久し振りに六本木の桜子さんを訪れた織田秀吉氏が聞いた。
「秀二坊ちゃんはやはりセンセの息子さんですわ。あの年で凄く達者になっちゃって」と桜子さん。
「ほう?イかしてくれるかね?」織田秀吉氏が好奇の目で尋ねる。
「あの若さでしょ?半日で三回も…」前回の快感を思い出して、桜子さんが顔を赤らめた。
「西麻布でも同じことを云っとったよ」と織田秀吉氏。
「血よ!センセの血なのよ」
「かもな」と織田秀吉氏。
「それと、センセが坊ちゃんに与えた『性の達人たれ』という目標に真剣になってるみたい」
「安心した。奴等もやる気があれば何かを達成出来るということだ」織田秀吉氏が親馬鹿の笑みを見せた。
ある土曜日、西麻布の梅子さんのマンションのチャイムが鳴った。
「はーい、ただいま」和服姿の梅子さんが小走りで玄関に来てドアを開けた。「あら?」梅子さんが予期していた道夫君ではなかった。見知らぬ少年が立っていた。「あなた、どなた?」
「織田秀吉の次男で、道夫の弟の秀二です。初めまして」秀二君が礼儀正しく一礼した。
「あら、秀二坊ちゃん?お噂はかねがね」梅子さんも三つ指ついてお辞儀をした。「道夫坊ちゃん、どうなさったの?御病気か何か?」
「いえ。兄は今日は六本木へ行っています」
「六本木?どういうこと?」
「ボクらが性の達人になるには、同じ道場だけで稽古してても駄目だと思うんです。たまには他流試合をしないと」と秀二君。
「他流試合?」梅子さんがぽかんとする。
「今日、兄は桜子先生とやり、ボクは梅子先生とやろうと考えたんです」
「何ですって?」
「玄関先ではナンですから、上がっていいですか?」秀二君がどんどん入ってしまう。
「秀二坊ちゃん。いけません。お帰りになって!」と梅子さん。
「どうして?何がいけないの?」と秀二君。
「だって、あなたのお父様は私に道夫坊ちゃんを預け、桜子さんにあなたを預けたのです。勝手に相手を替えていいなどとという話は伺ってません!」
「兄も父の代わり、ボクも父の代わりです。どちらも父の代わりに違いはないんです。父がお二人とおまんこしていたのなら、ボクらもやっていいはずでしょう」
「いいえ。何と云われようと、私はセンセのお云いつけだけに従います。センセが秀二坊ちゃんともやれとおっしゃらない限り駄目です」
「困ったな。凄く頑固ですね」と秀二君。
「そうです。わたし、頑固ですわ」と梅子さん。
「ちょっと電話します。失礼」秀二君がケータイを取り出す。「あ、兄貴?梅子先生はてんで頑固で駄目。え?そっちも?親父に忠実な女性ばっかりだね。じゃ、次の作戦だね?待ってる。急いでね」
「何です?次の作戦って?」と梅子さん。
「桜子先生と兄がこちらに来ます。ちょっと待ってて下さい」と秀二君。
「何ですって?桜子さんが?急にそんな!じゃ、お茶の支度しなくちゃ」梅子さんが慌てて台所へ立つ。
しばらくしてチャイムが鳴り、二人が到着した。織田秀吉氏の二号と三号が初めて顔を合わせた。以前は織田秀吉氏が相手の名前を口にしただけでも嫉妬と憎しみが湧いたものだが、織田秀吉氏がインポになってからはそういうライバル意識は消え失せていた。逆に、織田秀吉氏の息子をそれぞれ調教しているという仲間意識が芽生えていた。
「初めまして」やや若い桜子さんが深々と礼をした。
「初めまして」梅子さんも頭を下げた。
「秀二坊ちゃん!」と桜子さん。「駄目じゃない、相手を間違えちゃ!」
「道夫さん」と梅子さん。「桜子さんもスワッピングには反対みたいよ。二人とも元の鞘に納まって。お願い」
「分りました。じゃ、元通りのカップルでやりましょう」と道夫君。「でも、ボク、桜子先生と秀二のおまんこが見たいので、一緒の部屋でやりたいと思います」
「えーっ?」女性二人が呆れて異口同音に叫ぶ。
「そんなの不謹慎です!」と梅子さん。
「ボクも梅子先生と兄貴のおまんこが見たい!研究したいんだ」と秀二君。
「ボクらが性の達人になるにはそういう研究も必要です」と道夫君。
女性二人は顔を見交わした。反論出来なかった。
全裸になった四人は梅子さんのキングサイズのベッドに上がった。道夫君は梅子さんを抱き、愛撫し始めた。秀二君も桜子さんに前戯を施す。四人はちらちらと他のカップルの動きを盗み見しながら、ディープ・キスをし、クンニをし、おまんこを始めた。女二人は激しい官能の波に揺さぶられ、他人のことなどどうでもよくなってしまう。道夫君と秀二君は足並みを揃えて、そっくりのテンポで腰を廻し、ピストン運動をする。
「うわーん!」梅子さんがイった。
「わおーっ!」桜子さんがイった。
兄弟は女性のエクスタシーを助けるような静かな性交を続けていたが、ある瞬間に二人で目配せし合ったかと思うと、レスリングのタッグマッチのような早業で位置を替えた。道夫君は恍惚となっている桜子さんのおまんこにペニスをぶち込み、秀二君は梅子さんのおまんこにペニスを突き立てた。
「あれーっ!」、「ひーっ!」二人の女性が気がついたが時既に遅かった。もうスワッピングは完了し、兄弟は異なる女性の異なるおっぱいを揉み、異なるおまんこの味を楽しんでいた。
「坊ちゃんっ!」秀二君に姦られながら、梅子さんが兄弟のどちらにともなく抗議する。
「センセに叱られる」桜子さんが道夫君に姦られながらしくしくする。
「だいじょぶ。ボクら父に報告しますから」と道夫君。
「今後もいつでも他流試合出来るように頼もうよ、ねえ兄貴?」と秀二君。
「そう!だから安心して、先生!」と道夫君。
先生二人は顔を見合わせた。織田秀吉氏公認ということなら文句はない。二人は安心した。兄弟は数分おきに女性(おまんこ)を変え、性感の違いやよがり方の違いを比較研究した。
この日以後もスワッピングと乱交は続き、梅子さんも桜子さんも兄弟との性の饗宴を楽しむようになった。それは織田秀吉氏一人を相手にしていた時には味わえなかった異常な興奮と悦びであった。
ある日、乱交が一段落し、一同は身体を絡め合いながら横たわっていた。
「奥様がお気の毒」突然しんみりと梅子さんが云った。
「え?」と道夫君。
「センセが前立腺癌と分った時、私はもう死ぬまでセックス抜きで生きて行くしかないと思いました」と梅子さん。
「私もだわ!」と桜子さん。
「浮気して男を作ったらセンセを裏切ることになる。そんなこと、とても出来ない」と梅子さん。
「家や生活費を頂いてる身ですもんね」と桜子さん。
「坊ちゃんのお相手をしろとセンセがおっしゃった時、正直云って抵抗がありました」と梅子さん。「坊ちゃんたちが私の性欲を癒してくれるなんて想像もしなかったので」
「それがどう?もう、私、坊ちゃんたち抜きの生活なんて考えられない」と桜子さん。
「桜子さんと私は幸せです。でも、奥様は性のお相手がないでしょ。お可哀想だわ」と梅子さん。
「まだ40歳でしょ?やりたい盛りなのにね…」と桜子さん。
兄弟は黙って目を見交わした。
道夫君と秀二君のお母さん・松江さんは「耐えるしかない」と思っていた。夫も性衝動がありながら立たないのだから、自分も同じように性欲をひたすら宥め、死ぬまで我慢して生きて行くしかないと思っていた。
夫が選挙区へ出張に出た夜、布団の上で松江さんは寝間着の裾をまくり、パンティを脱ぎ去ってクリトリスを撫で始めた。古風な女の松江さんにはディルドなどを買ったりする勇気はなく、指で自分を慰めるのが関の山であった。松江さんは、性豪であった頃の夫の愛撫や腰の使い方を思い出しながらオナニーした。
「あはーん、うーん」
松江さんは寝間着をはだけておっぱいをモロ出しにし、片手で乳首を刺激した。
「ううう」呻き声が漏れる。
松江さんは濡れたおまんこに指を突っ込む。両方の太股を上げてお腹に引きつけ、指をより深く挿入する。松江さんは指の腹を恥骨の裏側に向け、膣壁を撫で廻す。
「あーんっ!」指先がGスポットを探り当てたのだ。松江さんは他の指を蟻の門渡りと肛門に当て、多角的に性感帯を弄くる。
「お母さん、手伝うよ」という声がした。
興奮していた松江さんはそれは空耳だと思った。
「ボクも」という声がした。
松江さんはびっくり仰天して動きを止めた。パチリと電灯が点いた。素っ裸の息子二人が立っていた。
「な、何?駄目!出て行きなさい!行って!出てってよっ!」松江さんが叫ぶ。
兄弟はずんずん近寄って来て、寝間着の前をはだけた母親の身体に覆いかぶさった。秀二君が母親の片方のおっぱいを揉み、片方の乳首に吸い付いてしゃぶり出す。道夫君は母親の股を開かせ、おまんこをしゃぶり出した。
「ひーっ!馬鹿!止めてっ!止めなさい!」松江さんが喚く。
秀二君は喚いているお母さんの口に吸い付き、舌を挿入する。
「がぶぶがべべぼ」相手が暴漢なら松江さんも相手の舌を噛み切るところだが、自分が生んだ可愛い息子ではそうも出来ない。
下の方では道夫君がお母さんのクリトリスを舐めながら、指をおまんこに挿入し、Gスポットを刺激していた。
「ぶががごべべーっ!」息子二人に身体を弄ばれている松江さんがよがり出す。
秀二君はお母さんとのキスを続けながら、両方の手でお母さんの乳房を揉み、乳首を刺激する。
道夫君は用意のコンドームをペニスに装着し、ずぶずぶとお母さんの体内に埋め込み、お父さんの妾たちの特訓で学んだ技能を発揮し始める。
「ばぐわーっ!」近親相姦の戦慄と息子が与えてくれる快感に、松江さんは身体をのけ反らす。
道夫君はお母さんの太股を抱えて持ち上げる。密な恥骨の擦り合いでお母さんのクリトリスを刺激し、深くペニスを突いてお母さんの子宮口を叩く。
「ぐぁーっ!」夫が与えてくれたのと同じ目くるめく性感を味わいながら、松江さんが昇天した。
数日後、織田秀吉氏が帰宅した。背広を脱いでいる夫のところへ、松江さんがよろけるようにやって来て夫の足元にへたり込んだ。
「あなたっ!」と松江さん。
「何だ、どうした?」と織田秀吉氏。
「告白します」
「え?」
「あなたのお留守に息子たちに犯されました!」松江さんがしくしくする。
「なに?ほんとかっ?」
「許して。あの子たちの力には敵いませんでした」
「だろうな」
「あの子たちに厳しく云って下さい。またやったら勘当すると…」
「ちょっと聞くが、お前はイかなかったのか?」と織田秀吉氏。
「…」
「どうなんだ?云いなさい」
「イきました」
「何回?」
「六回…」松江さんがか細い声で云う。
「六回!何日で?」
「一晩です。道夫に三回犯され、秀二にも三回犯されました」
「お前を一晩に六回イかしたのか。凄え奴等だ」織田秀吉氏が呆れる。
「ね、あなた。二度とこういうことのないように…」
「馬鹿」織田秀吉氏が遮る。「奴等の親孝行を拒むな」
「え?」松江さんは呆気にとられる。
「おれは梅奴と桜子にあいつらを預けて性の修業をさせたんだ」と織田秀吉氏。「あいつらがいつお前に目を向けるか、黙って待っていた。ついに親孝行する気になったわけだ。よかったよかった」
「あなた、それじゃ…」松江さんは夫の思いやりと愛に気づき、息子たちとのバラ色の未来に胸をときめかせる。
「性の達人が二人出来上がったか…」織田秀吉氏が感無量の表情をする。
「私、出掛けて来ます」突如、松江さんが立ち上がった。
「え、どこへ?」織田秀吉氏が驚く。
「西麻布と六本木へ。お二人に礼を云わなきゃ…」そう云って松江さんはそそくさと出て行った。
前頁 | 目次 | 次頁
|