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02. おさな妻

ある日の夕刻、コンピュータ・プログラマの太郎君(28歳)は帰宅ルートを一部変更した。見たいテレビ番組があったので、いつもは通らない空き地をショートカットして突っ切ろうとしたのだ。この一寸した変更が太郎君の運命を変えることになった。

空き地の中に数人の子供たちがいた。喧嘩しているのかと思ったらそうではなかった。一人の子供を苛めているのだ。しかも、苛められているのは10歳ぐらいの女の子だった。少年たちが地面に倒れて泣いている女の子のスカートをまくったり、パンティを脱がそうとしたり、小突いたり蹴ったりしていた。
「おい!やめろ!」太郎君が声を掛けた。
「いけね」一人の男の子が云った。
「やべ」別の子が云った。
五、六人の少年たちは一目散に逃げ去った。

太郎君は女の子を起こしてやり、洋服の埃をはたき落としてやった。女の子は埃まみれの顔に、いくつもの涙の川を作り、まだ恐ろし気に泣きじゃくっている。
「あいつらは逃げてった。もうだいじょぶだよ」と太郎君。
女の子は安全を確かめるように、周囲をきょろきょろした。太郎君はポケットからハンカチを出し、女の子の薄汚れた顔を拭いてやった。埃が取れた女の子は凄く可愛い顔をしていた。眉毛が太く、丸い大きい目、ふっくらした頬、分厚く肉感的な唇。太郎君はびっくりした。
「キミの家、どこ?送ってってやる」太郎君が云った。
「お家(うち)?分かんない」と少女。音声合成のように抑揚のない妙な声だった。
太郎君は少女の顔をまじまじと見た。知恵遅れには見えない。しかし、10歳ぐらいにもなって家も分からないというのは普通じゃない。
「電話番号知ってる?お母さんに来て貰うから」と太郎君。
「お母さん、いない。電話知らない」またもや抑揚のない、音声合成みたいな喋り方で少女が云った。苛められたのは、この妙な喋り方のせいかも知れない。
「困ったな、こりゃ」太郎君は途方に暮れた。駅前の交番に行くぐらいしか思いつかない。今頃、果たして交番に誰かいるかどうか疑問だが、もう楽しみにしていたテレビ番組も始まっちゃったことだし、太郎君はこの女の子の面倒を見ることにした。
「おいで」太郎君が云い、少女の手を引いて駅前に戻った。

やはり交番には誰もいなかった。(どうしよう?)太郎君には次の手がなかった。
「お腹空いた」と女の子が云った。
「えーっ?」太郎君は呆れた。迷子になっている女の子が両親恋しさにしくしく泣くのなら解るが、空腹を訴えるとは。しかし、打つべき手もないし、じっくり考えるためにも食事をするのは名案のようだった。太郎君は、時々行くラーメン屋に女の子を連れて入った。
「何にする?」壁に貼られた漢字の多いメニューは女の子には難しいだろうと、太郎君が主なものを読み上げて行く。
「ビーフステーキ!」太郎君のメニュー朗読を遮って女の子が云った。
「えーっ?」太郎君はまたまた呆れた。ラーメン屋にビフテキなんぞないし、第一自分だって年に一度食えるか食えないかのビフテキを、見も知らぬ迷子の女の子に食わせるなんてとんでもない。「そんなもん、ここにはないよ。チャーシューメンにしない?」
「ビーフステーキがないのなら、ビーフシチュー」と女の子。
「それもない。ね?冷やし中華なんかどう?美味しいよ?」太郎君が説得にかかる。
「ヒヤシチュー?ビーフシチューみたいなもの?」
「ちょっと違うけどね。食べたことないんなら、食べてみた方がいいよ」太郎君は必死である。
「ふーん?」女の子はまだ納得していない。
「あ、済みませーん!冷やし中華二つ!」太郎君が見切り発車する。

「これ美味しい」空きっ腹の女の子は冷やし中華をむしゃむしゃ食べた。
「だろ?」安心した太郎君もむしゃむしゃズルズル食べる。

食べるのに夢中で、結局いい案は浮かばなかった。明日朝一番で交番へ連れて行き、また誰もいなければ公的機関の出張所に無理矢理にでも預ける(置き去りにする)ことにし、太郎君は自分の1DKに女の子を連れて行った。

太郎君は風呂に湯を張った。湯が一杯になるまでに、太郎君が女の子に色々聞いた。どの質問にも確たる答えはなく、唯一判ったのは女の子の名前と年齢だけだった。名は杏奈。歳は10歳だと云う。杏奈ちゃんを先に風呂に入れた。待っている間、太郎君は杏奈ちゃんの汚れたワンピースを、自分の下着類と一緒に洗濯・脱水・乾燥させた。杏奈ちゃんがバスタオルに身を包んで出て来ると、入れ替わって太郎君が風呂に入った。太郎君が出て来ると、杏奈ちゃんは畳の上ですやすやと寝入っていた。

太郎君は自分の布団の横に客布団を敷き、そこに白いシュミーズ姿の杏奈ちゃんを抱きかかえて運んで寝かせた。杏奈ちゃんの身体は小さく軽かった。その時、太郎君は杏奈ちゃんの胸で揺れているペンダントに気づいた。それは見たこともない不思議なデザインだった。

真夜中、太郎君はくぐもった呻き声を聞いて目覚めた。独身生活ではあり得ないことである。太郎君の脳が完全に覚醒するまで、隣りに女の子が寝ていることは忘れられていた。やっと太郎君は状況を把握し、女の子が病気になったようだと判断した。(食中毒だろうか?)太郎君は自分のお腹を自己診断した。何ともない。そうこうするうちに女の子の呻きが高まって来た。
「杏奈ちゃん?どうしたの?」太郎君が聞いた。返事はない。
太郎君は立ち上がって部屋の電気を点けた。杏奈ちゃんの顔は布団に潜っていて見えない。見下ろすと、布団の中程がもぞもぞ動いている。(お腹を撫でているのか?)太郎君は杏奈ちゃんの掛け布団をそーっとめくった。杏奈ちゃんは目を閉じて、口を開け、「あああ、あああーっ」と呻いている。
「?」太郎君は掛け布団を全部めくった。杏奈ちゃんは白い小さなシュミーズをめくりあげてまだ平らな胸の乳首を弄り、パンティを半分下ろして股間で手を小刻みに動かしていた。
「???!!!」太郎君は驚いた。杏奈ちゃんはオナニーをしているのだ。たった10歳の女の子が、他人の家で、しかも隣りに男が寝ているというのに?(どういう子供なんだ、これは!)太郎君は呆気に取られ、ほとんど脳死状態になった。太郎君はしゃがみこんで杏奈ちゃんの股間を覗き込んだ。もっこりした恥丘は見えるが、杏奈ちゃんの手が邪魔で、おまんこはよく見えない。太郎君は杏奈ちゃんの足の方に廻った。杏奈ちゃんは右手でクリトリスを弄っていた。

太郎君はロリコンではなかった。杏奈ちゃんを部屋に連れて来た時にも、何ら邪念を抱いたりしていなかった。もし、(この子にいたずらしよう)などと考えていたら、駅前の大通りを杏奈ちゃんと手を繋いで歩いたりしなかったろうし、アパートに入る時も人目を気にしたことであろう。だが、太郎君は堂々と杏奈ちゃんを連れて来て寝せ、無心に朝を待っていたのである。太郎君は同年代の女の子や年増の女性とセックスしたことがあった(結構モテるのだ)。女たちの豊かなおっぱいやお尻の肉が魅力的であった。そんなセックス・シンボルを備えていないロリータは、太郎君には性の対象として映らなかった。ロリコンになるのはオジンだけだと思っていた。

太郎君は杏奈ちゃんの割れ目に見入った。膣口からは愛液が漏れ出して光っている。太郎君は杏奈ちゃんの顔を見た。まだあどけないくらいに可愛い少女が、口を半開きにして喘いでいる。太郎君は初めて少女の性欲を知って、胸をどきどきさせた。性的エクスタシーを得ようとしている杏奈ちゃんがいじらしいと思った。太郎君は杏奈ちゃんのパンティに手をかけた。杏奈ちゃんが「ハッ!」として目を開け、パンティを掴んだ。本能的抵抗なのだろう。太郎君は乱暴する意志のない、穏やかな笑顔を見せて杏奈ちゃんを安心させた。パンティを掴んだ杏奈ちゃんの手が緩んだ。貰われて来た仔犬が新しい主人を信頼し始めた感じだった。

太郎君が杏奈ちゃんの小ちゃなパンティを下ろす。杏奈ちゃんがお尻を浮かして太郎君を助けた。太郎君がするするとパンティを抜き取る。閉じられている杏奈ちゃんの両脚を開く。杏奈ちゃんを脅かさぬようそっと押し広げ、太郎君はその両脚の間に潜り込んだ。杏奈ちゃんはなおも警戒するように、首をもたげて太郎君の動きを注視している。いつでも太郎君を足蹴に出来るよう、足を緊張させている。太郎君は10歳のおまんこに顔を近づけた。ぷっくら盛り上がった割れ目。その割れ目に両手をかけ、左右に開く。クリトリスフッド、小陰唇、尿道口などのピンクの粘膜が現れる。下方の膣口が僅かに口を開け、愛液が流れ出している。太郎君は清純そのものの少女の性器をうっとりと見つめた。そして、そっと杏奈ちゃんのおまんこに口を近づけ、静かにぺろぺろと舐め出した。
「ひっ!」杏奈ちゃんは一瞬身体を強ばらせた。思いがけない太郎君の行動にショックを受けたのだ。
太郎君は指で膣口を撫で廻しながら、杏奈ちゃんのクリトリスをつんつん弾いたり、ぺろぺろ舐めたり、舌先で圧したりした。
「あはーんっ!」杏奈ちゃんがよがる。
杏奈ちゃんのよがり声が太郎君を励ました。太郎君は指でクリトリスを刺激し、舌でおまんこ内部の粘膜を舐め廻した。処女膜を破ってはいけないので指を入れるのは控え、代わりに舌を膣口に入れた。
「わひーんっ!あうーっ!」杏奈ちゃんが、押し寄せて来るめくるめく快感に苦悶し、身をよじってよがる。
太郎君は空いている手で杏奈ちゃんの可愛く丸いお尻を撫で廻した。大人の女の脂の乗った尻が熟れ切った西瓜だとすれば、10歳の女の子の尻はキャベツのようだと思った。丸いけれど、青く、たるみなく締まっている。きめ細かな生育途中の尻である。

太郎君は杏奈ちゃんの両脚を持ち上げ、杏奈ちゃんの蟻の門渡りを舐めた。その舌を滑らせ杏奈ちゃんの肛門も舐め廻す。
「わはーんっ!」杏奈ちゃんは驚愕と戦慄を綯い交ぜにしてよがる。
太郎君は舌をクリトリスに戻して舐めつつ、指で杏奈ちゃんの肛門を弄くり回す。
「あうあうーっ!」杏奈ちゃんが自分の両方の乳首を弄くりながらよがる。
太郎君のペニスは大分前から勃起していた。少女とはいえ、異性のよがり声は男を興奮させる。ロリコンでなくても、今目の前で濡れそぼっているおまんこにペニスを埋め込みたくなって当然である。舌ではなく自分のペニスで少女をよがらせたくなる。それが男の本能だ。太郎君の頭の中で悪魔と天使がパネル・ディスカッションを展開していた。(このままおまんこしちゃえ。この子は抵抗出来ない。それどころか喜ぶんじゃないか?)(しかし、どこの誰の子か分らん女の子だ。おおごとになったらどうする?)(合意なら問題ないぜ)(未成年相手に合意もクソもない。成人のおれが悪者にさせられるだけだ)(しかし、10歳の女の子とやれるチャンスなんて、滅多にないぞ。死ぬまでないかも知れん)(おれは刑務所になんか行きたくない)(馬鹿だなあ。やれよ!やっちまえ!)しかし、太郎君は立派だった。理性が勝ったのだ。太郎君は杏奈ちゃんをよがらすことだけに専念した。
「ぎゃうわーんっ!」杏奈ちゃんがイった。
太郎君が痺れた舌を引っ込め、ぐったりと布団に突っ伏した。身も知らぬ子供に何でこんなサービスをするのか、自分でもよく解らなかった。

翌朝、太郎君はトーストと目玉焼きを二人分作った。その間、杏奈ちゃんは太郎君が洗ってくれたワンピースにアイロンをかけた。

交番か役所の出張所に向かうべく、太郎君は杏奈ちゃんを連れて早めにアパートを出た。突如、手を繋いでいた杏奈ちゃんが歩を停めた。杏奈ちゃんの視線を追った太郎君が目を見開いた。この界隈には似つかわしくない黒塗りのストレッチ・リムジンが停まっていた。そのリムジンの両側のドアがバーンと開き、バラバラッと黒いジャケット、黒いスラックスにサングラスの二人の女性が飛び出して来た。何やらメン・イン・ブラックの女性版みたいだ。一人が杏奈ちゃんに駆け寄り、もう一人が太郎君に歩み寄って来て「御同行願います」と云った。杏奈ちゃん同様音声合成みたいに抑揚のない声だった。太郎君の腕が女に掴まれたと思ったら「チクッ」という痛みが走り、太郎君の意識は朦朧となってその場にくずおれた。

太郎君は意識を回復したが、拉致されて何時間後なのかは分らない。目隠しされている。まだ頭がふらふらして、乗っているのが車なのか飛行機なのかも分らなかった。両手は座席に括り付けられていた。時々、ミネラル・ウォーターの瓶が口に押し付けられ、乾きを癒してくれた。

その後、乗せられていたのは飛行機だと判ったが、垂直離着陸機か月面探査機か分らないほど揺れが少なく、着地もスムーズだった。太郎君は両手を自由にされて立たされ、目隠しはそのままで車に乗せられた。

車を下ろされ、ついに目隠しが取られた。目の前に豪壮な館(シャトー)が立っていた。古めかしく見せているが古城のようではない。三階建ての大邸宅である。館の前は入り江になっていて、果ての知れぬ海が広がっている。館の背後は鬱蒼とした森だった。黒服の女の一人が先に立って太郎君を従え、もう一人が後ろからついて来る。よく見ると二人とも美人だった。「ギイイーッ!」という重厚な音のする玄関のドアを開け、いくつもの部屋を過ぎ、広く大きく天井の高い書斎めいた部屋に通された。太郎君は、そこに007シリーズのスペクターの首領のように白い猫を撫でている奴がいて、「娘を誘拐したのはこいつか!」とか云いながら、机のボタンを押し、自分は鰐が泳いでいる池に落っことされるのではないかと恐れた。

二つの大きな黒革の回転椅子が廻って、女が二人こちらを向いた。二人とも20〜30代で、若い女性らしい可愛く華やかなドレスを着ている。黒服の女たちよりも数十倍美しかった。太郎君はいきなりハリウッド映画の撮影現場に引っ張り出されているような気がした。
「ようこそ。私の名は聖奈。杏奈の姉です」やや年かさの方の美女が立ち上がって云った。流れるような眉、切れ長の目、ほっそりした鼻筋、優雅な唇。100点満点の女である。「御不自由をおけしたことを、幾重にもお詫びします」聖奈さんが音声合成的発声法で喋った。
「私は聖奈の妹の魅奈。私たちは杏奈が誘拐されたと思ったのです」と年下の美女が云った。彼女は目元・口元は聖奈さんに似ているが、ふっくらした顔立ちで、どことなく親しみやすさを醸し出している。彼女の口調にも抑揚がなかった。
「杏奈がつけているペンダントは、私たちのシークレット・サービスがトラッキング出来る正確な位置情報を発信していました」と聖奈さんが云った。「ところが、昨日、北朝鮮かどこかの妨害電波によって杏奈の行方が分らなくなってしまったのです」
「私たちは誘拐や殺人を心配し、杏奈を連れている人間を至急拘束するように指示しました」と魅奈さん。「しかし、あなたをここへ連れて来る機内で、杏奈に事情聴取した者たちは、あなたが誘拐犯などではなく、杏奈を助けてくれ、その上…」魅奈さんが口ごもった。
「とにかく、あなたはいい人。どうか、私たちの非を許して下さい」と聖奈さん。「大歓迎させて頂きますので」

文字通り大歓迎だった。大広間で美女のベリー・ダンスを見ながら、ビール、シャンパン、ワイン、日本酒、洋酒、何でもござれ。そして仕上げは山海の珍味。不思議なのは、踊り子はもちろん、給仕やコックなども全て女ばかり。そう云えば、黒尽くめのシークレット・サービスも女だった。
「このお屋敷には男性はいないのですか?」太郎君が聞いた。
「あなただけですわ。あとはみーんな女」と魅奈さんが笑みを見せて云った。
「そして、あなたのお好みの女に夜伽をさせます。どの女がお好みかおっしゃって?」聖奈さんが妖艶な表情で云った。
太郎君には信じられなかった。夢を見ているのか?(好みの女を云えだと?どれもこれも好みだよー!給仕の女だって魅力的なんだものー!)
「ひょ、ひょっとして聖奈さんを指名してもいいんですか?あるいは魅奈さんを?」太郎君が精一杯欲張って聞いた。
「もちろんですわ。でも、無理なさらないで。あの踊り子の方がいいんじゃありません?」
「じょ、冗談じゃありません。あの踊り子も綺麗ですが、聖奈さんと魅奈さんは段違いです」と太郎君。
「じゃ、どちらを先にします?姉さん?それとも私?」と魅奈さん。
太郎君は困った。どっちを先にしても、他方がいじけるかも知れない。「あの、お二人でじゃんけんして?お願い?」

で、その夜、太郎君は聖奈さんとベッドインした。聖奈さんは、杏奈ちゃんから聞いた太郎君の舌技を期待していた。太郎君は聖奈さんの御期待に応え、その後、美女の体内でどぴゅどぴゅどっぴゅーん!と射精した。次の夜は魅奈さんと。次の夜は踊り子の一人と。その次の夜はシークレット・サービスの一人と、その次の夜は…。

昼間、太郎君は館の外を散策した。これは島らしいが、港や滑走路のようなものは見えない。館を囲む森の向こうに港や滑走路があるのだろう。太郎君は、その森の中に、目に触れぬように巧妙に高圧電流侵入防止柵が張り巡らされているのに気づいた。侵入も出来ないが脱出も出来ないのだ。聖奈さんたちの許しがなければ、ここからは出られないらしい。携帯電話を試してみたが、全く機能しない。ここは日本ではないのだろうか?そういう目で観察すると、木々や植物にも見慣れないものが混じっているようだ。不思議なことに、どこにもコンピュータがない。少なくとも太郎君の見えるところには一台もなかった。インターネットで日本や世界のニュースを読んだりしたかったのだが、それは叶わなかった。太郎君の入れない部屋に沢山あるのかも知れないが。

よく聞いていると、女たち同士が喋っているのは何語か分らないが抑揚もあり、表情豊かな会話である。太郎君と話す時だけ抑揚のない人工的な日本語になるのだ。太郎君は狐につままれた思いであった。彼らは宇宙人なのか、はたまた『雨月物語』や『怪談』の世界の妖怪変化なのか?

聖奈さんや魅奈さん、杏奈ちゃんたちは女性数人を家庭教師として教育を受けていた。バレエや体育の先生もいた。お料理の先生もいて、三人一緒にお料理も勉強している。太郎君と会話することによって、女性たちの妙な発音が次第にまともな日本語になり始めた。われ知らず太郎君は日本語教師の役を果たしていたのだ。

太郎君は妻子もなく、勤め先の会社に惚れ込んでいたわけでもないので、日本のことなどすっかり忘れ、毎夜の饗宴と日替わり美女とのセックスに心置きなく酔い痴れた。ついに美女軍団を総なめ一巡した太郎君は、杏奈ちゃんが御指名リストにないことに気づいた。若々しくグラマーで色気もある美女たちとの交わりは楽しかったが、贅沢な話、いささか単調と云えないこともなかった。10歳の未成熟な少女の身体を弄くり廻し、果てはきついおまんこに自分のペニスをぶち込んだらどんなに気持ちいいだろうと思った。前にも云ったように太郎君はロリコンではなかった。しかし、人間は贅沢だから、熟した女体に飽食すると青い果実も食べてみたくなるものだ。いったん、その欲望が芽生えると、太郎君はそれを追い求める願望に取り憑かれてしまった。
「あのー、杏奈ちゃんとはおまんこ出来ないものでしょうか?」太郎君が聖奈さんに聞いた。
「あら、あなた杏奈とやりたいの?」と聖奈さん。
「私たち大人じゃ不満なの?」魅奈さんが少しむっとした調子で云う。
「いえ、そういうわけじゃ…」太郎君が慌てる。「でも、久し振りで杏奈ちゃんのおまんこも舐めたいなあ…なーんて」
「舐めるだけ?」と魅奈さん。
「いえ。セックスも…、出来れば」
「生理もない子供と?」魅奈さんが呆れた顔をする。
「そういう年齢の女の子とやってみたいなあ…なーんて思って」太郎君が聖奈さんの顔色を窺った。

「あなた?」聖奈さんがきりっとした顔で、太郎君の目を見つめた。「私たちがなぜあなたにコンドーム着用を義務づけていないか、お分かり?」
「えーっ?」太郎君は誰とでも生ハメ中出し出来て喜んでいたのだが、その理由までは考えていなかった。「皆さん、卵管結索してるとか?」
「違います!ここの女たちがみんながあなたの子を生むためなの」と聖奈さん。
「ぎょえーっ!」太郎君はぶったまげた。(ここの数十人の女性がみなおれの子を?)
「だから、生理のない杏奈とやるのは無駄なのよ」と魅奈さん。
「しかし、みんなで僕の子を生んでどうするんです?」太郎君には訳が判らない。
「女の子だったら、ここで育てます」と聖奈さん。
「男の子だったら?」と太郎君。
「里子に出すの。貰い手は世界中にいくらでもいるから」と魅奈さん。
「へーっ?まるでアマゾンの女族みたい」太郎君が呆れた。
「今年は丁度私たちが子孫を増やす年なの」と聖奈さん。「普通は優秀な遺伝子を持つ男性を探して拉致して来るんだけど、あなたは杏奈に優しかったし、コンピュータの技能も持ってるし、性格もいい人だから、あなたの種を貰うことにしたの」
(おれは種馬だったのか!)太郎君は愕然とした。(拉致なんて北鮮だけかと思ってたら、ここでもやってるんだ)太郎君は自分が優秀な遺伝子を持っているとは思わなかったが(そこまで自信家ではない)、選ばれたのは嬉しかった。しかし、自分の血を受け継いだ子供が一挙に何十人も生まれるという事態は、どうしゃっちょこだちしても想像出来なかった。
「だから、妊娠する筈のない杏奈とのセックスは駄目!」聖奈さんが宣告した。

太郎君は、また順繰りに美女軍団とおまんこした。間もなく、やれる女性の数が減って来た。妊娠した女性が増え、流産の恐れがあるので、その女性たちとのおまんこは許されなくなったのだ。聖奈さんも妊娠した。女性コックや給仕人や踊り子たちも妊娠したし、シークレット・サービスの女性たちや女医さん、看護婦さんたちも妊娠した。魅奈さんだけがなぜか妊娠しなかった。太郎君の相手は魅奈さんだけになってしまった。

「お願いです!」太郎君が、魅奈さんのいない隙に聖奈さんに懇願した。「もういいでしょ?杏奈ちゃんとやらせて!お願い!」
「でもまだ魅奈が残ってるわ」聖奈さんが冷たく云う。
「世の中には妊娠しない女性もいます。魅奈さんもきっとその一人なんですよ」太郎君が力説する。
「そうかしらねえ?」
「杏奈ちゃんとやらせてくれないのなら魅奈さんともやりませんよ?いいですか?」太郎君が脅す。
「えーっ?」聖奈さんは太郎君のそのような反撃は予期していなかった。
「ね?いいでしょ?杏奈ちゃんとやらせて?」太郎君が両手を合わせて頼む。
「仕方ない。じゃ、こうしましょう。魅奈と杏奈とあなたで3Pするの。裸の杏奈にお触りしたりクンニしたりするのは許します。でも、セックスは駄目。魅奈とセックスして魅奈の身体に射精するの」
「3P?」太郎君が驚く。
「そ。魅奈が妊娠したら、杏奈ともやっていいわ」聖奈さんが希望を持たせるように云う。
「うーむ。魅奈さん、妊娠しますかねえ?」太郎君は悲観的である。
「とにかくがんばって!」聖奈さんが交渉打ち切りを宣言した。

その夜、太郎君は杏奈ちゃんと手を繋いで魅奈さんの部屋に行った。杏奈ちゃんは白とピンクを基調にした可愛いワンピースに、白い幅広のリボンをつけている。魅奈さんはソファでワインを呑んでいた。太郎君は杏奈ちゃんの服を脱がせる。ワンピースを脱がせると、白い袖無しのシャツと白いパンティだけになった。パンティがぴっちりしているので、もっこりした恥丘の膨らみや割れ目の陰翳さえ見える。太郎君はごくりと唾を飲んだ。わななく手でシャツを脱がせ、パンティも取り去る。杏奈ちゃんと初めて会った夜に舐めた割れ目が現れた。幼いおまんことの久し振りの再会。丸裸になった杏奈ちゃんの未成熟な身体を撫で廻す。日本でこんなことをしたら犯罪だが、この島では許されるのだ。太郎君はフレッシュですべすべの10歳の肌を指先で味わう。
「ううーん」杏奈ちゃんが気持ち良さそうに呻く。
太郎君は杏奈ちゃんの綺麗な眉、二重瞼、愛らしい鼻、可愛く吸い付きたくなるような唇に見蕩れた。太郎君は(早くこの子を自分のものにしたい!)と思った。太郎君は口を杏奈ちゃんの唇に押し付け、舐め廻した。杏奈ちゃんがうっすらと口を開けた。太郎君がするっと舌を差し込み、杏奈ちゃんの舌を舐め廻す。10歳の少女との初めてのキス。太郎君は興奮した。

「カタン!」と音がした。
太郎君がソファに目をやると、既に服を脱ぎ全裸になった魅奈さんが立ち上がったところだった。待ち切れなくなったのだ。魅奈さんは率先してベッドに向かう。太郎君も裸になり、杏奈ちゃんを抱き上げてベッドに上がった。太郎君は、仰向けに寝ている魅奈さんの身体の横に杏奈ちゃんの身体がくっつくように寝せ、二人の両脚を大きく開かせて重ねた。大小二つのおまんこが左右に並ぶ。太郎君は先ず魅奈さんのおまんこを舐め、杏奈ちゃんのクリトリスを掌で撫でた。
「あうーん」
「おおおー」20代の熟した姉と10歳の未成熟な妹がよがる。
数分後、太郎君は杏奈ちゃんのおまんこを舐め、魅奈さんのクリトリスを指で刺激した。
「むふふーっ!」
「あぐーっ!」姉妹が一緒によがる。
魅奈さんの膣口から愛液が漏れ出たのを察知した太郎君は、指二本を魅奈さんのおまんこに突っ込み、指の腹で縦横無尽に肉襞を撫で廻す。
「あぐーんっ!」Gスポットに触れられた魅奈さんが身体をビクーンっ!と強ばらせる。
杏奈ちゃんのおまんこからも愛液が滲み出て来た。太郎君は指先に愛液を絡めて杏奈ちゃんの膣口周辺を弄くる。太郎君の両手は姉妹のおまんこを同時に刺激している。

太郎君は杏奈ちゃんの身体を引き上げ、その顔を魅奈さんの顔の横に並べた。杏奈ちゃんとディープ・キスをしながら魅奈さんのゴージャスなおっぱいを揉み、乳首を弄くる。勃起したペニスで魅奈さんのクリトリスを刺激する。
「あわーんっ!」ペニスのおまんこへの突入を待ちわび、焦れながら魅奈さんがよがる。
太郎君は今度は魅奈さんとディープ・キスをしながら、杏奈ちゃんの平らな胸の乳首を指で撫でたり弾いたりする。
「うっふふーんっ!」と杏奈ちゃん。
太郎君は片手でペニスを持って狙いをつけ、ずぶりんこんと魅奈さんのおまんこにペニスを埋め込む。
「ぶぎゅーんっ!」やっとお目当てのものが得られた魅奈さんが、満足の呻きを挙げる。
魅奈さんとおまんこしながら、太郎君は杏奈ちゃんとキスし、舌を舐め合い、乳首を刺激する。太郎君は杏奈ちゃんとのおまんこのシミュレーションに興奮する。

と、太郎君が杏奈ちゃんに何か囁き、二人は身体を入れ替えた。太郎君は魅奈さんと身体を並べ、魅奈さんにディープ・キスをしながら手を伸ばしてクリトリスを刺激する。
「あっはーんっ!」魅奈さんが忘我の境に入る。
魅奈さんの股の間に潜り込んだ杏奈ちゃんが指二本を姉さんのおまんこに突っ込んだ。
「あーっ!」魅奈さんがよがる。
杏奈ちゃんは指を三本にし、姉さんのおまんこに入れたり出したりする。
「ぐむーっんっ!」魅奈さんが身をくねらす。
杏奈ちゃんは五本の指をまとめて姉さんのおまんこに突っ込む。フィスト・ファッキングである。10歳の女の子の可愛い手はスムーズに膣内に滑り込む。
「あぐわーんっ!」魅奈さんが身体を硬直させる。
太郎君は自分の空いている手を色んな形に蠢かして、杏奈ちゃんに真似させる。魅奈さんの体内深くに入った杏奈ちゃんの手指が、太郎君の指の動きを模倣して複雑に動く。
「ぎゃわーんっ!」魅奈さんが興奮の極に達し、白目を剥いて失神した。

それこそ太郎君の待っていた瞬間だった。魅奈さんは前にも何度か失神したことがあった。太郎君は杏奈ちゃんを抱き上げた。杏奈ちゃんの右手がすぽんと姉さんのおまんこから抜けた。その手は魅奈さんの愛液でびとびとである。
「杏奈ちゃん?キミもおまんこしたくない?」太郎君が杏奈ちゃんの丸いお尻を触りまくりながら、誘惑する。
「やりたいけど、でも…」杏奈ちゃんがためらう。
「でも…、何なの?」太郎君がじりじりする。
「お姉さんたちに叱られる…」と杏奈ちゃん。
「なあんだ!僕たち二人の秘密にすりゃいい。キミは妊娠しないし、誰も気づかないよ」
「駄目よ」杏奈ちゃんがきっぱり云う。「でも、あたしと結婚してくれればやってもいい」
「えーっ?」太郎君がぶったまげた。10歳の少女と結婚?(冗談だろ?)
「結婚してくれる?」杏奈ちゃんが迫る。
「んー」太郎君は弱った。結婚なんて考えたこともなかったし、大体10歳の子供との結婚などあり得ない。(子供の戯れ言だ。適当にあしらっておけばいいんだ)太郎君のペニスは10歳のおまんこへの初突入を期待しておっ立っていたし、それを、いまさら失神している魅奈さんのおまんこに突っ込んで射精したりしたらペニスから軽蔑されてしまう。(えーい!ままよ!)「分った。キミと結婚する」破れかぶれで太郎君が云った。
「やったーっ!」杏奈ちゃんが喜んで股を開いた。

太郎君は杏奈ちゃんの狭い股の間に膝を突き、ペニスの狙いを10歳のおまんこに定めた。杏奈ちゃんが緊張した面持ちで首をもたげ、太郎君の一挙一動を見守っている。太郎君が亀頭を膣口に押し当て、静かに押す。亀頭がおまんこにめり込む。ぐぐっと腰を突き出す。
「あうっ!」と杏奈ちゃん。
太郎君はそっとペニスを抜いた。ペニスに赤い点々が付いていた。(この子の処女を奪った!)太郎君は杏奈ちゃんが愛しくなり、本当に結婚してもいいような気になった。太郎君は杏奈ちゃんとディープ・キスをして舌を舐め合った。しばらくして、太郎君は処女膜を失った愛液まみれの膣に再度ペニスを押し込んだ。
「ぐむむーっ!」また痛いのかと案じていた杏奈ちゃんは、痛みの代わりに、今度は体内に棍棒を捩じ込まれるような異物感で顔を顰める。
太郎君が腰を押す。杏奈ちゃんの身体がずり上がってしまう。太郎君は杏奈ちゃんの肩を抱えて押え込みながら、最後までペニスを捩じ込む。
「うむぐーっ!」杏奈ちゃんが異物感に耐える。
太郎君は杏奈ちゃんの処女を自分のものにしたことに満足し、ゆっくりとペニスを押し引きし、10歳のおまんこを味わう。噴出する愛液によって動くことは出来るが、その肉襞はぴっちりとペニスを押し包み、捉えて放すまいとするように抵抗する。その抵抗が背筋をぞくっとさせ戦慄と快感をもたらす。(気持ちいーっ!)ロリータまんこ初体験の興奮に三擦り半でイってしまいそうだ。冗談ではない。杏奈ちゃんにそんな失態は見せられない。太郎君は、腰の回転、恥骨同士の擦り合わせによって杏奈ちゃんのクリトリス刺激に専念する。
「あうーっ、あはーんっ!」杏奈ちゃんがよがり出す。
杏奈ちゃんのよがり声に興奮した太郎君は、身体を前傾させ、杏奈ちゃんにキスしながらピストン運動を開始した。腰のぐりぐり運動とピストン運動をランダムに行う。
「ぶぎーっ!うぐわーっ!」杏奈ちゃんがよがり、興奮のあまり太郎君の背中に爪を立てる。
太郎君が杏奈ちゃんの目、頬、額、耳、顎、首などに激しくキスし、ピストン運動を最速にする。
「ばぐわーんっ!」太郎君の愛に包まれて杏奈ちゃんがイった。
太郎君がずっぴゅーんずぴゅぴゅーん!と10歳の少女の体内で精液を噴出した。

「あーっ!何してんの、あんたたちーっ!?」突如、聖奈さんの怒鳴り声が降って湧いた。3Pの結果やいかにと様子を見に来たら、太郎君と10歳の妹がおまんこしていた!
「げっ!」太郎君が慌てる。
「あれほどやっちゃいけないって云っといたのにー、んもうっ!」聖奈さんが歯ぎしりする。
「いいの、聖奈姉さん。あたしたち結婚するんだから」杏奈ちゃんがさらりと云った。
「えーっ?」聖奈さんがたまげる。
「えーっ?」息を吹き返した魅奈さんも驚いた。

翌日、身重の家庭教師の一人が巫女さんの装束をつけて、太郎君と杏奈ちゃんの結婚式を挙行した。お腹の大きい女性数十人が妊婦服で参列した。お腹にいるのは、みな太郎君の子供である。壮観であった。式が終わると、全ての女性が列を作り、泣きながら太郎君と杏奈ちゃんをハグして、お祝いと励ましの言葉をかけてくれた。太郎君は女性たちの真摯さに打たれて感動した。

女性たちが去り、聖奈さんと魅奈さんだけが残り、四人は館の外に出た。
「お元気で」聖奈さんが云った。
「え?」太郎君が面食らう。そこへ身重の女性が運転するリムジンが到着した。(新婚旅行?)太郎君が推測した。
「これ、あなたのお財布」太郎君がすっかり忘れていたものを聖奈さんが返してくれた。ここではお金は不要だったからだ。
「浦島さん、これ持ってって」魅奈さんが箱のようなものを渡す。
「ど、どうして僕の名を?」太郎君が驚く。
「クレディット・カードや免許証に書いてあるじゃないの、バカね」魅奈さんが云った。
魅奈さんがくれたのは美しい玉手箱だった。
「魅奈っ!」聖奈さんが咎めるように云った。
「魅奈姉さんっ!」杏奈ちゃんも姉を睨んだ。
「大事にして?いいわね?」魅奈さんが太郎君の目を見つめながら云った。
太郎君は、来た時のように目隠しをされ、何か薬物を注射されてリムジンに乗せられた。それから何時間経ったのか分らない。多分、身重の女性パイロットが操縦する飛行機で運ばれ。そして、到着後やはり身重のシークレット・サービスの女性たちによって飛行場から移動されたのだろう。

太郎君が目を覚ました。
「おはよ」杏奈ちゃんが太郎君の顔を覗き込んでにっこり微笑んだ。
太郎君が目をぱちくりさせる。焦点が合ったのは、やけに格調高いホテルの家具や内装であった。「ここはどこ?」
「日本の帝国ホテルよ?」と杏奈ちゃん?
「えーっ?て、帝国ーっ?」太郎君が慌てる。「新婚旅行で東京へ来ても仕方ないじゃないのーっ!」ぶつくさ云いながら、太郎君は聖奈さんから返された財布を点検した。宿泊代を支払えなければ、夜逃げするしかない。ところが、なんと財布には万札がぎっしりと入っており、ずっと先まで有効な太郎君名義のマスターカードまで用意されていた。
「あなた?」たった10歳のおさな妻・杏奈ちゃんが太郎君に呼びかけた。「これ、新婚旅行じゃないの。あたしたち追放されたの」
「えーっ?なんでーっ?」太郎君がぶったまげる。
「あなたが魅奈姉さんを妊娠させたら、どうなったと思う?」と杏奈ちゃん。
「え?そんなこと考えたこともなかった…」太郎君が額に皺を寄せて考える。
「あなたは御用済みで廃棄処分になるところだったの」
「なにーっ?女性たちみんなが生む子供の親父を殺すのかい!!!?ひっでーっ!」太郎君が憤慨する。
「そういう掟なのよ」杏奈ちゃんが諦め顔で云う。「男は島に住めないの」
太郎君には理解出来ないことだった。あんな美しい女たちがそんな残酷なことをするとは。
「あなたを助けるには、あたしが結婚するしきゃなかったの」
「で、キミまで巻き添えで追放?なんとまあ!」太郎君は杏奈ちゃんの身体を引き寄せ、しっかり抱き締めた。おさな妻は命の恩人だったのだ。太郎君の頭の中に美女軍団とのセックス三昧の日々が走馬灯のように去来した。もうあの日々は二度と帰って来ないのだ。

「ね、あなた、あの玉手箱捨てて頂戴!」杏奈ちゃんが強く云った。
「あれか」太郎君は応接セットにテーブルの上に乗っている玉手箱を見やった。「キミがそう云うんなら捨てよう。どうせ、開けると煙りが出て僕は白髪の爺になるんだろ?」
「そんなんじゃない」と杏奈ちゃん。
「じゃ、宝の隠し場所の地図が入ってるとか?」
「そんなんじゃない。とにかく捨てて、燃やして!」杏奈ちゃんが強硬に云う。
捨てろ捨てろと云われると、開けて見たくなるのが人情である。白髪の爺になるのでないのなら安心だ。太郎君はつかつかと玉手箱に歩み寄り、紐を解き始める。
「やめてーっ!開けちゃ駄目ーっ!」杏奈ちゃんが太郎君に突進して箱を奪おうとする。
二人は玉手箱の奪い合いをした。杏奈ちゃんが箱を握りしめた時、太郎君が蓋の方を掴んで持ち上げたため、自然に箱が開いてしまった。ぼよよーんっ!と箱から煙が出た。
「あーんっ!」杏奈ちゃんが泣き声を出す。
「げーっ!」両手で煙を払いながら、太郎君はすぐさま壁の等身大の鏡に自分の姿を映して見た。白髪にはなっていなかった。安心した。
「んもーっ!」杏奈ちゃんが怨めしそうに太郎君を見た。
太郎君は拍子抜けした。何も起らなかったし、箱には何も入っていなかった。(何なんだ、一体!)空っぽの箱をくれた魅奈さんと、そんなものを捨てろ捨てろと大騒ぎした杏奈ちゃんの神経が不可解だった。

太郎君は杏奈ちゃんを連れて帝国ホテルのレストランへ行き、ビーフステーキを二人前注文した。太郎君は年代物の赤ワインを飲んだ。マスターカード様々である。食後、二人は近くのデパートに行き、服や下着などを買い込んだ。一張羅だけで追放されたため、着替えが必要なのだ。数時間後、二人は大荷物を抱えてホテルに戻った。

TVを見ても、ドア越しに配達された夕刊を読んでも、太郎君には訳の分からないことばかりだった。与野党も入れ替わっているし、幼稚園の選挙みたいな阿呆らしい党名が沢山ある。新聞をよく点検すると元号が変わっていた。女護が島にいた間に、十年以上は経過している感じだった。太郎君は愕然とした。プログラミング言語も進化してしまったろうから、プログラマとして働くのは無理だ。(えーい、明日は明日の風が吹くだ。とりあえずマスター・カードがある)太郎君は悩むのをやめた。

二人は浴槽に湯を張り、初めて二人でお風呂に入った。二人で子供のようにきゃっきゃっと遊ぶ。太郎君とロリータとの新婚生活の始まりであった。太郎君は裸の杏奈ちゃんの身体を抱きかかえ、キング・サイズのベッドに向かった。種馬としての生活に慣れていた太郎君のペニスは、既に天井を向いて勃起している。
「とんとん」ドアがノックされた。
(何だ、今頃?)太郎君はベッドサイドのデジタル時計を見た。もうボーイが何かを届けに来る時間ではない。「誰?」太郎君が聞いた。
「あたしよ」と魅奈さんの声。
「えーっ?」太郎君が驚く。
「んもうっ!」杏奈ちゃんが舌打ちした。
太郎君がドアを開けた。
魅奈さんが裸の太郎君のおっ立ったペニスを見やって目を輝かした。「間に合ったみたいね」そう云って、づかづかと入って来ると、魅奈さんも着ているものを脱ぎ、ベッドに上がって来た。「お邪魔でしょうけど、あたし、妊娠するまで帰らないから」魅奈さんが云った。
太郎君が後で知ったことだが、玉手箱は魅奈さんを呼ぶ発信機の役目をしていたらしい。夫婦水入らずで過ごしたかった杏奈ちゃんが箱を捨てたがったのは当然である。

太郎君は10歳のロリータ(妻)と義姉とのセックスを楽しんだ。二つのサイズの違うおまんこを同時に味わえ、完熟した蕩(とろ)けるような女体と少女の青い肉体も同時に味わえる。男冥利に尽きる悦びであった。
「魅奈さん?」二人の女をイかせ、自分も果ててから太郎君が云った。「いつまでもホテル住まいしてるわけにもいかない。どっか、安アパートを探さなくちゃ」
「安アパート?」魅奈さんが鼻で笑うような口振りで云った。「いま、シークレット・サービスが都内の家具調度付き豪華マンションを物色してるわ。安心して?」
「都内の豪華マンション?!!!」太郎君が口をあんぐりさせる。
「聖奈姉さんが契約して家賃を払ってくれるし、生活費も送ってくれるから、心配しないでいいの」

というわけで、三人は都内の豪華マンションに住むことになった。生活の心配はないとはいうものの、毎日ぶらぶらしているのもナンなので、太郎君は魅奈さんをファッション・モデルに、杏奈ちゃんをジュニア・アイドルに売り込み、まんまと成功した。太郎君は昼は競輪・競馬・賭け麻雀、夜は売れっ子ファッション・モデルとジュニア・アイドル相手の性の饗宴でウハウハの日々を送ることになった。

え?そんなの作り話だろうって?とんでもない。事実、私は執筆に疲れると近所の公園や空き地をうろつき廻り、悪童共に苛められている女の子がいないか、きょろきょろ探し廻っている毎日だ。クソ、おれも美女軍団とやりたいやい!




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