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28. 銭形警部最後の事件

「次の獲物は何だ、ルパン?」花王石鹸のロゴのような三日月形の顔に尖った顎髭を生やし、ダークスーツを着て黒いソフト帽を目深にかぶり、シケモクを口にした次元大介が、持ち前のローバリトンの声でルパンに聞いた。
「そのラップトップ見てみなって」ウォルドーフ・アストリア・ホテルの窓からニューヨークのビル群を眺めながら、ジタン・カポラルを吸っていたルパンが答えた。このホテルはルパン好みの最高級ホテルではないのだが、ニューヨークには珍しく喫煙部屋があるので選んだのだ。ルパンは、モンキー顔で短髪、長く太いモミアゲをし、緑色のジャケット、青いズボン、黄色いネクタイを締めている。
「ふーん?サザビーズのオークションね。オークション・ナンバーPT-108、タイガー・ウッズの鼻くそ。何だ、こりゃ!」次元が呆れる。
「あ、それじゃねーって。次の奴だ」ルパンが煙草を灰皿でもみ消しながら云う。
「えーっと?オークション・ナンバーPT-109、マリリン・モンロー着用のパンティ!」
「ただの使用済みパンティたあ訳が違うぜ、次元。モンローの陰毛付きだってよ、うほほほほ!」ルパンが鼻の下を長くしてにたにたする。
「ルパン!お前(めえ)はいい奴だなあ」次元が目頭を押さえて、鼻を啜る。愛用のブルーのボタンダウンのシャツに涙がこぼれる。
「な、な、何だ次元。泣いてんのか?」信じられない思いでルパンが云う。日頃ハンフリー・ボガートもどきのクールなタフ・ガイに徹している次元大介に、最も似合わないのは涙だからだ。
「ああ。俺の愛するモンローちゃんの陰毛付きパンティを探し出し、一緒に盗み出そうと云ってくれるたあ嬉しいじゃねーか。つくづくお前(めえ)と組んでてよかったと思ってな」

「ちょ、ちょっと待て、次元!」ルパンが慌てる。「おらあ、その陰毛付きパンティをお前(めえ)にプレゼントするなんて、ちーとも云ってねえぜ?」
「なに?じゃ、一体どうしようってんだ?」次元がルパンに詰め寄る。
「ほれ、去年地中海クルーズ客船のヤマん時知り合ったギリシャの大富豪な?あいつが大のモンロー・ファンでさー。是非盗み出してくれって頼んで来てるってわけ」
「大富豪なら正々堂々と落札すりゃいいじゃねえか。何も泥棒に頼むこたねーだろ?」次元には理解不能である。
「次元よ、新聞読んでりゃ、いまギリシャがどういう状態か知ってっだろ?」ルパンがテーブルの上のコニャックをグラスに注ぐ。
「ひでえ経済状態で、国家的に破産宣告寸前だってことぐれえはな」次元はスコッチ・ウィスキーを自分のグラスに注ぐ。
「そんな時に、モンロー着用のパンティなんかに巨額の金を出したってことがバレてみろよ」ルパンがコニャックを呑み、キャビアを少し口に入れ、もぐもぐする。「富豪の豪邸に大群衆が押し寄せて焼き討ちにあっちまうぜ。命だってどーなるか、危ねーもんだ」
「なーる。富豪がお前(めえ)に頼んだ訳は分かった。しかし、モンローちゃんのパンティは誰にも渡さねえ」次元が云い放ち、一気にウィスキーを呷(あお)る。
「なに〜?」ルパンがぽかんとする。
「モンローちゃんのパンティは俺が貰う。世界一のモンロー・ファンは俺だからな」次元がジャケットの内側から愛用拳銃のコンバットマグナムを取り出す。「お前(めえ)が手伝ってくれねーんなら、俺一人でもやる。お前が邪魔立てするんなら容赦しねーぜ」
「じょ、冗談やめてよ、次元ちゃん」思わぬ事態にルパンが額から汗を滲ませる。
「冗談じゃねえ。本気だ」と次元。

「次元?考えても見ろよ」ルパンが諭すように云う。「世界博に出品されたカリメストロ公国王冠のダイヤ(時価30億円)を盗もうとしたら、どーなったっけ?」
「銭形のとっつぁんが待ち伏せていておじゃんだ」と次元。
「滝野川の国立印刷局から紙幣印刷機(時価20億円)を盗もうとしたら?」とルパン。
「また、とっつぁんが出て来てパーだ」と次元。
「上野の国立博物館の国宝の火焔太鼓(時価3億円)を狙ったら?」とルパン。
「とっつぁんに追っかけられて手ぶらで帰って来た」と次元。
「てーことはだ、俺たちはなーんにも仕事してねーのと同じだつーこと。俺たちの経済状態はギリシャよかずーっと悪いっての!」ルパンがぼやく。「クレジットカードもそのうち使えなくなる。ホテルが騒ぎ出して、87分署の檻に入れられっかもな」
「そんなにひでーのか?」次元が驚く。
「ああ。だからさ、モンローの陰毛付きパンティは大人しくギリシャの大富豪に売りつけなきゃなんねーのさ」ルパンが次元のグラスにウィスキーを注いでやる。
「くそ!」次元が自棄になってウィスキーを呷った。

ルパンと次元はサザビーズの競売会場に向かった。といっても、この日に仕事をするつもりではなかった。巨額な落札の場合は、落札者が直ちに競売品を持って帰るのではなく、落札者の代金支払い完了から受け取りまで多少の日数がかかるのが普通である。超高価な品物は、落札者が望む最も安全な手段による輸送の手配をサザビーズが行う。ルパンたちは競売終了後発送までの数日間に仕事をするつもりであった。

サザビーズはもともとは歴史上四番目に古いイギリスの競売会社だが、アメリカ資本によって買い取られ、今は本部はニューヨークにある。現在、世界40ヶ国に90ヶ所のオークション会場を持つ大企業である。それだけに、潤沢な資金による鉄壁の警護で出品される品物を守っていた。

熱気と興奮に満ちた競売が続いたが、ひたすらモンローのパンティの出番だけを待っているルパンと次元には退屈きわまりなく、二人とも鼻提灯を出して居眠りしていた。
「えー、番数も取り進みましたるところ、こなたオークション・ナンバーPT-108、タイガー・ウッズの鼻くそでございます」競売人がアナウンスした。
「ん?近づいて来やがったな」ルパンが目をぱちくりさせて起き上がり、肘で次元を突つく。
「なにこれ?鼻くそなんてばっちいじゃないの!」とルパンの近くの太った御婦人が云った。「一体誰が出品したのかしら?」
「当人じゃないの?タイガー、最近落ち目で金がなくなって来たんだろ」と御婦人の連れ合いのデブが云った。
「おれも鼻くそ出品するか」とルパン。
「誰も鼻も引っかけねーぜ」と次元。
タイガー・ウッズの鼻くそは10ドルで落札された。

「続きまして、オークション・ナンバーPT-109、マリリン・モンローの使用済みパンティでございます。これにはモンロー嬢本人の陰毛が一本付着しております。DNA鑑定の結果、正真正銘本人のものに間違いないと証明されており、証明書も完備しております。では、50万ドルから参ります。ハイ、30番の紳士。51万ありませんか?ハイ、前列103番の御婦人。52万は?ハイ、右後方の209番の紳士…」
「おい、このパンティ、いくらまで行くと思う?」次元がルパンに聞いた。
「モンローが映画『七年目の浮気』で着た白いドレスが、460万ドルだったからな。まず100万ドルはかたいんじゃねーの?」とルパン。映画の中で地下鉄の通気口の上に立ったモンローの白いドレスの裾が腰まで高くまくれ上がるのは、映画史上有名なシーンである。そのドレスは女優のデビー・レイノルズが所有していたのだが、近年競売に出品され、超高額で落札されたのだった。
「そーか。よーし」次元が頷いた。
「99万ありませんか?99万」と競売人。
と、次元が303と記されたパドル(番号札)を上げた。
「ハイ、303番の黒い帽子に顎髭の紳士。では、100万ありませんか?」
「お、お前(めえ)!なーにすんだ!」ルパンが呆れる。「99万ドルなんて持ってねーくせによー!」
「なに、モンローちゃんにおれの気持ちを伝えたかっただけだ」次元が寂しそうに云う。落札出来ないのを承知の行動だったのだ。
あれよあれよという間にモンローの陰毛付きパンティの値段は天文学的に上昇し、なんと350万ドルで落札された。
「ふーっ!安心したぜ。これでギリシャの大富豪からもたんまり頂けるってもんだ」ルパンが立ち上がり、次元とともにオークション会場を後にした。

数日後の真夜中。サザビーズの競売品格納倉庫の通用口近くに、警備員の制服を着たルパンと次元が車から降り立った。二人がサザビーズのドアに近寄ると、二名の警備員が近寄って来た。
「ごくろーさあっす!」ルパンが挨拶する。
「?」見慣れぬ顔に戸惑った警備員たちが互いに目を見交わす。
その瞬間、ルパンが麻酔銃をぶっ放して警備員たちを気絶させた。二人は厳重なドア開閉用生体認証装置の前に警備員たちの身体を引き摺って行き、彼らの指紋と瞳孔チェックを使って装置をたぶらかし、難なくサザビーズ内部に侵入した。第一関門突破。二人は密かに入手した建物の青写真を暗記していたから、エレベーターを使い、廊下をいくつも曲がって、ひたすら競売品格納室を目指した。途中、何度か巡回中の警備員二人組に出会ったが、その都度ルパンと次元は軽く敬礼し、「さあーっす!」と云ってすれ違った。競売品格納倉庫はハンガー(航空機格納庫)のようにでかい。何しろ、サザビーズは美術品ばかりでなく骨董家具、クラシックカーから軽飛行機まで扱っているから、倉庫もでかいのだ。格納倉庫は重々しい扉によって護られていた。
「おい、鍵がかかってるぜ」と次元。
「任しておきなって」ルパンが云って、ポケットから鍵束を出し、その一つで扉を開ける。
「いつの間にそんなもん?」次元が驚く。
「あの警備員の一人から頂いたのよ。ぼくちゃん、抜け目ないんだからーっ、おほほほほ」第二関門突破。

格納倉庫は三つの区画に別れていた。右手はクラシックカーなどの大型競売品、真ん中は中サイズの美術品、左手は銀行の貸金庫風である。宝石や書物、切手、有名人の手紙などは貸金庫風引き出しで充分である。もちろん、タイガー・ウッズの鼻くそやモンローのパンティもここだ。ルパンと次元は迷わず左に向かった。
「えーっと、MT、NT、OTと…」次元が区画表示を読み上げながら進む。「あった!PTだ」
「よーし、モンローちゃん、待ってなさいよー!今ぼくちゃんが出して上げるからねー!」ルパンがヘアピンで器用にPT-109の引き出しの鍵を開ける。
「やった!」次元が素早く中身を奪い取る。パンティは透明のジップロックの中に入っていた。「ジップロック〜?350万ドルのお宝にジップロックとは粗末な扱いだな…」次元がぶつくさ云いながら、パンティを出して頬に当てる。モンロー・ファンの次元がうっとりする。
「おいおい!陰毛無くすんじゃねーぞ!落っことしたらどーすんだ!」ルパンが心配する。
「でーじょぶだ。ちゃんと指で押さえてる」と次元。
「お宝は手に入れた。長居は無用だ。ずらかろうぜ」ルパンが駆け出す。
次元はパンティにキスするとジップロックに戻し、それを内ポケットに入れた。次元も駆け出す。

「むはははは!」突如、館内放送で笑い声が轟いた。
「とっつぁんっ!」ルパンが急ブレーキをかけて停止する。次元も慌てて停まる。笑い声は納谷悟朗に似ただみ声だった。
「ルパン!ついにお前の年貢の納め時だ。大人しく縛(ばく)につけ!」と銭形警部の声。
「な、何で分かっちゃったのかなー?ぼくちゃん、わっかんないなー」ルパンがおちゃらけた声で云う。
「お前がニューヨークに来たのを察知して、多分サザビーズだろうとぴーんと来たのよ」と銭形警部。「こないだのオークションんときゃ警備室に篭って、客を映してるモニターを監視してたんだ。モンローのパンティが落札された後、すぐ出て行った野郎が二人いた。おめーらだ!」
「おー、とっつぁん、やるじゃねーの。でもな、とっつぁん、今度ばかりは頂きだぜ。あばよ」ルパンが駆け出そうとする。
「待て、ルパン!また手ぶらで帰んのか?」と銭形。
「なーに云ってんの。モンローの陰毛付きパンティはちゃーんと次元の内ポケットに納まってらあ!」とルパン。
「そいつは偽もんだ。350万ドルの品物をジップロックなんかに入れるかってーんだ!」銭形警部が高らかに云う。
「えーっ?じゃ、これ誰のパンティだ?」次元が背広の内ポケットからジップロックを取り出す。
「ぬはははは!峰不二子のパンティだ。馬鹿め!」銭形が勝ち誇る。
「な、なんでここに不二子が出てくんのー?ぼくちゃん、ち〜とも分かんない」ルパンが首を傾げる。
「不二子は、14歳の少年を性的に誘惑した嫌疑(かど)で87分署に留置されてた」と銭形。「パンティを提供させる代わりに釈放してやったんだ」
「げっ!不二子のパンティに頬擦りしてたのか。くそーっ!」次元がジップロックを抛り投げる。
「おーっと!おれ、不二子のパンティでもいいもんね」ルパンは落下するジップロックをインターセプトしてポケットに入れる。「じゃ、あばよ、とっつぁん!」そう云って、ルパンは次元を従えて倉庫の分岐点へ向かう。
「待てーっ、ルパン!」コルト・ガバメントを引き抜いて駆け出す銭形警部の後を、埼玉県警の機動隊がどたどたと追う。「ルパンを追えーっ!地の果てまで追うんだーっ!」銭形が怒鳴る。

大型競売品倉庫に、天才映画監督スピルバーグの劇場映画処女作『激突!』で使われた40トンのタンクローリー(競売品)が保管されていた。ルパンと次元はそれに飛び乗り、エンジンをかけるとサザビーズ倉庫の土手っ腹をぶち抜いて逃走した。

「えーっ?あたしのパンティ、ルパンが持ってんの?嫌らしいわね。返して!」峰不二子が云った。ここはロンドンのウォルドーフ・ヒルトンというホテル。ここも喫煙室があるから選んだのだ。峰不二子は身長167センチ、バスト99.9センチ、北海道浜中町出身のグラマー美女。
「あらら〜?あのパンティは銭形のとっつぁんがくれたんだ。今は俺様のもんだぜ〜?」とルパン。
「でも返して。あれ、ラヴァージ製の高級品なのよ」と不二子。
「高級品ねえ?今じゃ、ぼくちゃんの精液ついてっから最高級品と云って貰いたいなー」
「えーっ?何であたしのパンティにルパンの精液ついてんのー?」不二子には理解出来ない。
「ぼくちゃんのペニスに不二子ちゃんのパンティ巻き付けてオナニーしたからさ。むひひひひ!」ルパンが下卑た笑い方をする。「さらさらして、とーってもいい気持ちだったぜー」
「おい、下らねー話してねーで、ロンドンのネタの話しよーぜ」マールボロを吸いながら、次元が苛々して云う。
「よし。大英博物館へ行こう!」真顔になったルパンが、先に立ってすたすたと部屋を出る。

三人は古代エジプトの展示室に入った。カメラ・バッグを肩にしたルパンが、ミイラ棺の並んでいる一角を目指す。
「おい。お目当てが何か知らねーが、今日でも盗めるぜ。警備員はいねーし、ガラス・ケースもねえと来てる」
「それよ」とルパン。「この前、古代ギリシャの大理石彫像の頭部を、白昼堂々盗んでった奴がいるくれーだ」
「ばっかみたい。各部屋に警備員を置くべきなんじゃない?」と不二子。
「国営だし入場料無料ときてるから、人件費がねーらしい。俺たちにゃ好都合だがな」ルパンが立ち止まる。「おれの目当てはこれだ」
「ん?」次元がきょろきょろする。
「なーに?」不二子もきょろきょろする。
「これだよ!」ルパンが目の前の展示品を指差す。猫のミイラ棺の隣りにある小さなミイラ棺だ。
「ネズミのミイラ?」次元が呆れる。あまりにも小さくて目に止まらなかったのだ。
「正確にはミイラのお棺だけどな。よく出来てんじゃねーの?ちっちゃいから盗むのに便利だしさー」
「で、どうやって持ち出すの、これ?」と不二子。
「不二子ちゃん、この展示室の入り口付近でコンタクト・レンズ探す振りしてくんない?」ルパンが頼む。「床に這いつくばって、お尻高く上げてさ」
「なにそれ!パンティ丸見えになっちゃうじゃないの!」ミニスカート着用の不二子が憤慨する。
「そ!俺たちが仕事する間、みんなの目を引きつけるのが不二子ちゃんの役目。お分かり?」とルパン。
「んもうっ!あたしだけに恥ずかしい役押し付けるんだから!」不二子がプリプリしながら立ち去る。

ルパンはバッグからポラロイド・カメラを取り出して次元に渡す。
「あーん、皆さん助けてーっ!コンタクトが!」不二子が遠くで芝居を始めた。人々が集まり、コンタクトを探したり、不二子の股間のもっこりを観賞したりし始める。
「今だ!」ルパンは素早くネズミのミイラ棺を取り上げて胸に抱き、次元のカメラに向かってベロベロバーをする。ピカリとフラッシュが煌めき、しゅるしゅると写真が出て来る。
「今度こそ銭形のとっつぁんを出し抜いたぜ」ルパンはネズミのミイラ棺があった場所に、写真を置く。銭形を嘲笑う作戦である。ミイラ棺をカメラ・バッグに入れる。「ほんじゃ、おさらばしよーぜ」
と、その時、「ぐはははは!」と聞き覚えのある馬鹿笑いが館内放送から轟いた。
「えっ?」と次元。
「あんれっ?」とルパン。
「ルパン!お前も焼きが回ったな」と銭形の声。「この大英博物館は埼玉県警機動隊が十重二十重に取り囲んでおる。もう逃(の)がれられんぞ!」
「くそーっ!蛭(ひる)みてえに食いついて来やがる」次元がムカムカするように云う。
「埼玉県警に、この大英博物館を十重二十重に取り囲める人数ねーだろうが。大ボラ吹きやがって〜!」苦々しくルパンが云う。
「ルパン?」近寄って来た不二子が云う。「そのネズミ返したら?盗まなきゃ、大手を振って出られるわ」
「しゃーねー。口惜しーが、返すか」ルパンがネズミのミイラ棺を元の場所に置き、写真を破り捨てた。

「なに?銭形に連戦連敗だと?」石川五ェ門が云った。エッフェル塔に近いホテル、プルマン・パリ・トゥール・エッフェルの一室である。ここも喫煙室があるので選んだのだ。最近、稼ぎがないので、四人はルームサービスのピザを食べている。13代目五ェ門はパリに来ても着物に袴、晒しを巻いて前を大きくはだけ、素足に雪駄履きだ。「日本男児として口惜しくはないのか!」五ェ門がルパンを詰(なじ)る。
「口惜しーさ」とルパン。「だから、今度のヤマはこの四人で力を合わせて取り組むことにする。総員一層奮励努力せよ…なーんちゃって。へへへへ!」ルパンが情けない顔で云った。
「で、今度は何を狙うの?」と峰不二子。
「ゴッホの…」ルパンが云いかける。
「ゴッホ?いいじゃねえかーっ!」シケモクをくわえた次元が喜ぶ。ここのところ、下らない獲物ばかりだったからだ。
「ゴッホの何だ?」と五ェ門。
「向日葵(ひまわり)…」ルパンが云いかける。
「ゴッホの向日葵はパリにはねえぜ?全部で七作あるが、一つは日本で焼失、残る六作は世界中に散らばってる」と次元。
「へー、次元。よーく知ってんなー。見直したぜ」とルパン。
「だから、パリには向日葵なんかねーんだって!」次元が駄目を出す。
「あるんだって!」とルパン。
「ねーってっ!」と次元。

「待ちなさいよ!」不二子が割って入る。「ルパンに全部云わせなさい!」男たちが女に弱いことを知っている不二子が強く出る。
「俺が狙ってるのは『向日葵』じゃねえ。ゴッホ作『向日葵の種』だ」とルパン。
「種?」五ェ門が呆れる。「随分小さそうだな」
「何号だ?」と次元。カンバス・サイズのことである。
「0(ゼロ)号だ」ルパンが答える。
「てーと?」と五ェ門。
「18センチ掛ける18センチ」とルパン。
「おいルパン」と次元。「おれたち最近ちっぽけなもんしか相手にしてねー気がするが、どーなんだ?」
「形(なり)はちーちゃくても、何せゴッホちゃんだぜ?」とルパン。「先頃発見されて好事家たちがよだれを垂らしてんの、知らねーな?」
「ルーブルか?」と次元。
「うんにゃ。オークション・ハウス、オテル・ドゥルオーだ」ルパンが云った。

オテル・ドゥルオーは、語感とは異なりホテルではなく純然たる競売場である。中は、絵画、宝石、古書など16部門に別れていて、誰でも自由に入場・入札出来る。玄関前にタクシーを乗り付け、ルパンに続いてドアを潜ろうとした次元、五ェ門、不二子の三人は、先頭で急停止したルパンのせいで四重衝突した。
「痛てててっ!ど、どうしたっ、ルパン?」次元が聞く。
「み、見ろ、あれ」ルパンが声を絞り出すように云った。ルパンの身体は凍ったように動かない。
次元、五ェ門、不二子らがルパンの目線を追う。何と、オテル・ドゥルオーの横に日本のパトカーが一台停まっている。ナンバーは「埼玉5 た 110」であった。その向こうに埼玉県警機動隊のトラックも見える。
「くそー!先回りしてやがる」と次元。
「てか、俺の考え全てとっつぁんに読まれてるみたい。とほほほ」ルパンが泣き真似する。
「また、おまんまの食い上げか!」と次元。
「オレは贅沢は云わん。御飯と梅干しさえありゃいい」と五ェ門。
「ルパン?」不二子が皮肉な目つきで云う。「銭形警部に白旗を掲げる気?」
「とんでもなーいっ!」ルパンが怒鳴った。「とっつぁんに一泡吹かせてやるぜー!」
「おおお!それでこそ日本男児!」五ェ門が褒める。
「どうやって?」と不二子。
「日本へ帰る!」ルパンが宣言する。
「なぬーっ?」次元、五ェ門、不二子がずっこけ、その場にバタバタと倒れた。

銭形幸一警部は、警視庁警部なのだがICPO(国際刑事警察機構=インターポール)にルパン専任捜査官として出向している。ルパンが世界を股にかけて犯罪を目論むせいで、銭形警部も世界中を飛び回らなくてはならない。それも最初のうちはよかったが、髪に白いものがちらほらする年齢になると、一年の半分以上を外国で過ごすのは辛い。とりわけ、埼玉県朝霞団地に娘のとしこちゃん(15歳)を独りぼっちにしておくのは不憫であった。

警視総監が、ICPO上層部から最近の銭形警部の活躍を伝え聞いた。ルパン逮捕とまではいかないものの、ここのところ六件ものルパンの犯罪を未然に防いだのは大快挙であった。総監は「ま、少し骨休めしたまえ」と銭形を日本に呼び戻した。先ず、都内の高級ホテルで警視庁上層部による慰労会が開かれた。お偉方からちやほやされ、銭形警部は得意の絶頂であった。
「いやー、本官は長年ルパンを追っているうちに、奴の思考が読めるようになったであります。追いかけるばかりでなく、先回り出来るというわけですな、ぐはははは!」
愉快な酒に酔った銭形は、一刻も早くとしこちゃんに会うため、都内から自宅までタクシーを飛ばした。

「としこっ!お父ちゃん、いま戻ったぞ!」埼玉県西朝霞団地の二階にある自宅に帰った銭形は、トランクを抛り出すと靴を脱ぐのももどかしく、ベージュのバーバリーのトレンチコートにソフト帽のまま、娘を探し廻った。家の中は空っぽだった。「?」夜の10時である。娘は夜遊びするようには育っていなかった。「そうだ!」同じ棟の数軒先に、埼玉県警勤務の警部が住んでいて、としこちゃんはそこの娘と仲良しだった。銭形はその知り合いのドアをどんどんと叩き、娘が来ていないかどうか尋ねた。いなかった。娘の喜ぶ顔見たさに飛んで帰って来た銭形はがっかりし、次いで娘の安否が心配になった。手掛かりを探すべく、娘の部屋に入る。と、勉強机の上に何やら置き手紙みたいなものがあった。
「?」銭形が手紙を取り上げ、裏を見る。「なにーっ?ルパン〜っ?」銭形はぶるぶる震える手で封を切って中の手紙を読んだ。
『銭さんよ。俺(おら)あ、もーあんたに邪魔されんのに飽き飽きしたぜ。それだけじゃねー、懐中不如意でろくなもん食えねー始末だ。このままじゃ、ルパンのミイラが出来ちまわー。頼むから次のヤマは邪魔しねーでくれ。でねーと、お嬢ちゃんは五体満足じゃ帰(けえ)れねーぜ?いいな?明日、お嬢ちゃんの声を聞かせてやっから、待ってな。じゃーな』
「ルパンっ!見損なったぜっ!お前(めえ)はこんな卑劣な奴じゃねーと思ってたが!」銭形警部はわなわなと身を震わせ、怒りで顔を真っ赤にした。

都内にあるルパンのアジト。一同は不二子がコンビニで買って来てくれた食い物を食べていた。ルパンと次元は『赤いきつね』、五ェ門と不二子は梅干し入りのおにぎりだ。
「としこちゃん?食べないの?」ルパンが聞く。
「昨日の昼から『赤いきつね』ばっかじゃない。もう飽きちゃった」としこちゃんはポニー・テールのうりざね顔に二重瞼のくりくりした目、めくれ上がった唇からビーバーのような前歯が覗いている可愛い少女。銭形警部の顔の部品とは一致しないから、多分母親似なのであろう。
「ほんじゃ、次は『緑のたぬき』買って来て貰おうか?」とルパン。
「変わんないじゃないよーっ!」としこちゃんが呆れる。
「こんなもんしか食えねーのは、キミのお父ちゃんのせいなんだ。お父ちゃんを怨むんだな」ルパンはぴちゃぴちゃもぐもぐずるずるとうどんを啜る。
「としこちゃん、おにぎり半分食うか?」五ェ門が云う。
「いらない。それより早く家に帰してよ!」15歳とはいえ、さすがは警視庁警部の娘。泣いたりめそめそしたりせず、世界的大泥棒に食ってかかる。
「よーし。ほんじゃまあ、仕事にかかるか」食べ終わったルパンが携帯電話を取り上げる。

「ぴーぽーぴーぽー」とパトカー風の着メロが鳴った。銭形警部がバッと起き上がった。一晩中、娘を取り戻す方法を考えて眠れなかったのだが、いつの間にか寝入ってしまったのだ。
「あー、ワシだ、銭形だ」と云いつつスマホの液晶を読み取るが、誰からの電話かは不明であった。
「えー、こちらルパン、こちらルパン、銭形のとっつぁんおられましたら応答願います、どーぞ?」と携帯の声。
「ざけんな、ルパン。娘を返せ。お前とおれの勝負に娘は関係ない!娘に指一本でも触れたら承知せんぞっ!」銭形が絶叫する。
「ま、そう興奮すんなって!いま、お嬢ちゃんの声を聞かせてやっから」とルパン。
「お父ちゃん?早く助けて!お願いっ!」としこちゃんが叫ぶ。
「としこっ!元気か?苛められてないかっ?」と銭形。
「苛められてる」と、としこちゃん。
「なにっ?何をされてる?」銭形の脳裏に、娘がルパン、次元、五ェ門らに輪姦されているイメージが浮かぶ。
「『赤いきつね』ばっか食べさせられて、まるで拷問」と、としこちゃん。
「『赤いきつね』〜っ?」銭形がずっこける。
「としこちゃん、そこまでだ。とっつぁん、聞いたろ?お嬢ちゃんは元気だ」とルパン。「しかし、今度邪魔だてすると、お嬢ちゃんは短い人生を終えることになるぜ」
「今度っていつだ?何を狙ってる?」と銭形。
「俺の心が読めるって豪語してんなら、おいらの次の獲物も分かってるんでねーの?え、とっつぁんよ?」ルパンが挑戦する。
「飛行機ん中で読んだ新聞によれば、新発見の写楽作の版画『中村雪之丞』が間もなくオークションにかけられるそうだな」と銭形。
「ぴんぽーん!俺が欲しいのはそれだ」とルパン。「いいか?邪魔すると生きてるお嬢ちゃんとは再会出来ないぜ?」
「許せんっ!娘に何かあったら、法の裁きの前におれがお前を死刑にしてやる!」銭形が悪鬼の形相でギリギリと歯ぎしりする。

「としこちゃん、遊ぼーねー」ルパンがとしこちゃんににじり寄る気配が、携帯から銭形に伝わって来る。
「きゃーっ、やめてーっ!近寄らないでっ!」としこちゃんが叫ぶ。
「な、何やってんだ、ルパンっ!としこに触るなっ!」銭形が絶叫する。
「おい、ルパン」と次元の声。「お前(めえ)いつからロリコンになったんだ?」
「可愛いとしこちゃん見てからさ。としこちゃん大好き〜。おじさんといいことしよーねー?」とルパン。
「きゃーっ!誰か助けてーっ!」としこちゃんが叫ぶ。
「やめろ、ルパン!可哀想じゃないか!」と五ェ門の声。
「ルパ〜ンっ!おれの娘に何してるーっ?やめろーっ!」銭形が怒鳴る。
「おーっ、としこちゃん、いい身体してんじゃない?もう、立派な女だねー、うしししし」とルパン。
「いやーんっ!やめてーっ!やだーっ!ひーっ!」としこちゃんが声を嗄らす。
「あたし、出てく。とても見てらんない」と不二子の声。
「俺も出てく」と次元の声。
「オレもだ」と五ェ門の声。
「ルパンっ!このーっ!くそったれーっ!」銭形が歯ぎしりして犬歯のてっぺんをバキバキ折ってしまう。娘はルパンに犯されてるのだ。大事に育てて来た娘の処女をルパンが奪っている。銭形にとって最悪の事態であった。「やめろーっ!としこを放せーっ」
「るせーな、とっつぁん!電話切るぜ」ルパンが云い、そこで通話は途絶えた。

その夜、銭形の携帯に電話があった。ルパンからである。
「とっつぁん?」とルパン。「オークションは明日だ。警官隊を配備したりしねーで大人しくしてくれてりゃ、お嬢ちゃんは西朝霞団地にお返し申し上げる。どーだ?」
「るさーい!こう見えても、おれは公僕だ。私生活は優先出来ん!」銭形が怒鳴る。
「たまにゃ私生活優先もいんでないのー?娘の命がかかってんなら世間も許してくれるってもんだぜ?」
「…」銭形が沈黙する。
「ほんじゃ、とっつぁんは娘を見捨てたと、としこちゃんに云うとするか…」ルパンが電話を切ろうとする。
「待て、ルパンっ!頼むっ、としこを返してくれ。としこはおれの掌中の珠だ。としこ無しでは生きていけない」銭形も人の子、涙ながらに懇願する。
「じゃあ、警視庁には通報するな。オークション会場に埼玉県警機動隊も配備すんな。いいな?」ルパンが駄目を押して、電話を切った。
銭形は泥棒ごときに娘の命乞いをしたことで自己嫌悪に陥り、両手でごんごん!と頭を叩きながら号泣した。

写楽の版画『中村雪之丞』はオークション会場から魔法のように消失した。美術界、マスコミ、一般大衆は大騒ぎした。ルパンの仕業と推理する者が多かったものの、何の証拠もなかった。ルパンの仕事でないとなれば銭形が責められることもなかったが、銭形本人はよく承知していた。銭形は自責の念で一杯だった。(親分、申し訳ないっ!)銭形は御先祖・銭形平次に心の中で詫びた。

その夜、としこちゃんを乗せたタクシーが西朝霞団地に着いた。二階のベランダでハイライトを吸っていた銭形は、タクシーから出て来るとしこちゃんの姿を認めると、煙草を投げ捨てて飛ぶように階段を駆け下りた。
「としこっ!」
「お父ちゃんっ!」
父娘(おやこ)はひしと抱き合った。銭形は15歳のとしこちゃんを両手で軽々と抱え上げ、階段を上がって自宅へ運んだ。
「お父ちゃん!」としこちゃんが父親の首っ玉にかじり付いて泣きじゃくる。
「もうだいじょぶだ。お前は誰にも渡さん!」銭形は娘の身体を抱き締め、娘の頬を流れる涙の川を舐め取る。互いに頬を合わせる。銭形は娘の背をゆっくり撫でていたが、ふと顔を離して娘の顔をひたと見つめる。「お前、ルパンのおもちゃにされたんだな?」と聞く。
「うん」としこちゃんが頷く。
「いかん!お前の汚れを取らねばっ!服を脱げ。風呂に入れ!」銭形が娘に命ずる。
「?」としこちゃんには訳が分からなかったが、誘拐されてお風呂とは縁がなかったので、素直に浴室に向かう。

「お父ちゃんっ!」身体を洗っていたとしこちゃんが驚いた。父親が真っ裸でペニスと金玉をぶらぶらさせながら入って来たからだ。
「お前の身体を浄(きよ)めてやる」銭形はそう云って、湯桶に湯を汲むとザバーっと娘の身体にぶっかけた。
「きゃああ!」としこちゃんが叫ぶ。
銭形は娘の身体をソフトな浴室マットの上に横たえ、娘の両脚を大きく開くと、その股間にうずくまって娘の割れ目を開いてピンクの粘膜を舐め出した。
「何すんの!お父ちゃんっ!」としこちゃんがぶったまげる。
「ルパンの痕跡を消すんだ。元の清純なお前に戻してやるっ!」銭形は娘の太腿を抱え、発育中のぷっくらしたお尻を撫で廻しながらクリトリスや膣口を舐める。
「あはーんっ!」としこちゃんが、生まれて初めてのクンニに身体を震わせて興奮する。
女のよがり声は男を興奮させる。銭形のペニスも本人の意志とは無関係にむくむくと膨らんで長くなった。そうなって初めて、銭形は自分が舐めているのが女の性器であることを実感した。銭形は、娘のクリトリスを舐めながら、首を傾げて、両手で開いている娘のおまんこを見つめた。初々しいピンクのびらびら。ぽっかり口を開けている膣口。ここにルパンがペニスを突っ込んで快楽を味わい射精したのだ。くそっ!銭形は娘の脳内にあるルパンの記憶を消すべく、激しく、しかし繊細に娘のクリトリスと膣口を舐めた。
「あううーんっ!お父ちゃ〜んっ!」としこちゃんが父親の髪をぐしゃぐしゃにしながらよがる。
銭形は考えた。娘の体内に残されたルパンの痕跡を完全に消し去るには、娘の体内に自分のペニスを突っ込むしかない。それが娘の身体を浄化する唯一の方法だ。銭形は裸の娘を抱え上げると、バスタオルを引っ掴んで寝室に向かった。

銭形はバスタオルでとしこちゃんの濡れた身体を拭いた。銭形の目は膨らみかけた娘の胸に注がれ、口が自然に娘の乳首を舐め出す。
「あうーっ!」としこちゃんが不思議な快感に、口を半開きにしてうっとりする。
銭形は可愛い娘の口に吸い付いて、舌を差し込み、娘の舌を舐め廻す。
「がぶぶ…」としこちゃんが目を大きく開いて父の顔を見返す。(父娘でキスなんかしていいのかしら?でも、よく考えればお父ちゃんはあたしの割れ目を舐めたんだ。おまんこを舐めてキスがいけないなんてナンセンスかも)としこちゃんは納得し、自分から舌を差し出して父娘で舌を絡め合った。
銭形は娘とディープ・キスをしながら、娘を抱きかかえてベッドに寝せた。娘と身体を並べながら、片手を伸ばして娘のクリトリスに触る。
「ああああ、うううう」としこちゃんがよがる。
銭形のペニスはびんびんに勃起した。銭形は娘の手を誘導してペニスに触らせる。としこちゃんは一瞬びくっとしたが、父の性器の逞しさ、温かさ、びくんびくんという脈動などに感動する。父娘はしばし互いの性器を愛撫し合った。
「どうだ?ルパンのより立派だろうが?え?」銭形が誇らしく云う。体格からして、自分の方が優っているのは明らかだからだ。「それをお前のここに入れて、ルパンのことを忘れさせてやる。いいな?」
としこちゃんがこっくりする。父が与えてくれる性感に酔い痴れ、極限まで快楽を味わいたい気にさせられている。

銭形は娘の両脚を開かせ、その股ぐらに膝を突いた。ペニスを娘の膣口に当てる。(これは近親相姦などではない。なぜなら快楽を求める性交ではないからだ。これは陵辱された娘を清める荘厳な儀式なのだ)銭形はそう自分に云い聞かせ、ずぶ!と腰を押した。
「痛っ!」としこちゃんが小さく叫んだ。
「何っ?」銭形が慌てた。もう処女ではない筈の娘が、処女のような反応をした。銭形は恐る恐るペニスを引き抜いた。点々と赤いものが!
「げーっ!」娘は処女だった!「としこっ!お前、ルパンに犯されたんじゃなかったのかっ!」銭形が娘の肩を揺さぶりながら聞く。
「ううん。犯されてなんかないよ」としこちゃんがぽかんとして云う。
「だってお前、ルパンにおもちゃにされたって云ったじゃないか!」銭形は錯乱状態になる。
「うん。身体中くすぐられておもちゃにされたの」としこちゃんがあどけなく云う。
「なにーっ?くすぐられただけ?くそーっ!ルパンめ、おれを騙しやがって!」銭形が頭から湯気を出して怒る。

「ぎゃははははは!」ルパンは、銭形警部の寝室に仕掛けたカメラとマイクが送って来る無線の映像と音声を、西朝霞団地前に停めた大型バンの中のモニターで受信していた。浮かれたルパンが、モンキー・ダンスをしながら喜ぶ。「ざまあ見ろ。今度はぼくちゃんの勝ち〜!」ルパンが両手でVサインを出す。
「おい、他人の濡れ事を覗くなんて悪趣味だぜ?」シケモクをもぐもぐさせながら次元が非難する。
「それも父娘相姦ですもんね」不二子もルパンの趣味を疑う。
「左様。もう充分だろう、ルパン?」五エ門が斬鉄剣を一閃し、映像・音声の受信装置をぶった切った。そして、ぼそりと云った、「またつまらぬものを斬ってしまった」
「な、なな、なーにすんだよーっ!」ルパンが手足をバタバタさせる。「これからいいとこだってーのによーっ!」しかし、ビデオ画面は真っ暗、スピーカーの音も途絶えてしまった。「くそっ!受信料払わねーぞ!」ルパンが毒づき、バンの運転席に戻ってアジトへと走り出した。

「お父ちゃん?」としこちゃんが云った。「あたしたち、もう始めちゃったんだから最後までやろう?ね?」
「お前の処女を奪うつもりじゃなかったんだ。済まん!」銭形が娘に詫びる。
「そんなこといいから!あたしをいい気持ちにして?もっともっと可愛がって!」としこちゃんが父に迫る。
「可愛がってやりたいが、びっくりしてお珍々萎んじゃったよ」銭形が恥じ入る。
「じゃ、あたしが舐めてあげる!」としこちゃんが父親にフェラチオを始めた。
「おおお!としこーっ!」15歳の女の子のフェラチオに感動した銭形のペニスはぐんぐん膨らんで固さを増す。
「お父ちゃん、凄〜い!」としこちゃんが父親の勇ましいペニスを賛嘆する。
「よーし、お前をイかしてやる!」銭形が娘の身体を押し倒してのしかかる。
「イかして。たーくさん!」としこちゃんがおねだりする。
「よし!たーくさんイかしてやる!」銭形はもはや処女でなくなった15歳の娘のおまんこに、ずぶずぶとペニスを突き刺す。
「むひーっ!」父の特大ペニスによって股を裂かれる恐怖に、としこちゃんが鳥肌を立てる。
「うーむ、こんなおまんこ味わったことないぞ。きつくて抜き差しもままならん」銭形が感動する。銭形は娘にキスして舌を絡め、一方の手で娘の乳首を、もう一方の手で娘のお尻を撫でる。

「あああーん」としこちゃんが父の愛に酔い、性感に溺れる。
銭形は腰を右に左に廻して、娘のクリトリスを刺激する。
「おおおーっ!ぐむーっ!」としこちゃんがよがる。
銭形が腰の動きにピストン運動を交える。
「おお、こらえーわっ!としこ。おまえと毎日おまんこしたい!」
「お父ちゃん。もうどこにも行かないで?あたしと毎日おまんこして?」としこちゃんが父親の尻に両足をかけながら云う。
「うむ。もうどこへも行かんっ!」銭形が激しくピストン運動を始める。
「ひーっっっ!死んじゃうーっ!」としこちゃんが夭逝した。
「ぐむむーっ!」銭形が娘の体内でどぴゅどぴゅどぴゅぴゅーんっ!と射精した。

銭形警部は警視庁に退職願を出し、としこちゃんとおまんこ三昧の日々を送るようになった。その後、世界各地から銭形宛に小包が届き始めた。差出人は不明だが、中には必ずコンドームの大箱が入っていて「としこちゃんを妊娠させんなよ」とあった。




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