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07. 息子の嫁さん

妻に先立たれ男やもめの建築家・丹下建一氏(50歳)は、息子・建策君(25歳)と一緒に広い家に住んでいた。その家には寝室も浴室もトイレも豪勢にいくつも揃っていたので、建策君が結婚しても独立する必要はなく、嫁さんをその家に迎え入れて建一氏と三人で住むことが出来た。

建策君の嫁さんは恵里子さん(23歳)と云い、セミ・ロングのヘア、卵形の輪郭の顔に切れ長の大きな目、大きく厚手の唇をした美人。すらりと背が高いが細身ではなく、胸や尻など女体部品は男心を誘うように立派なものであった。だが、恵里子さんの魅力は外見だけではなく、性格も明るかったし、頭も良かった。建一氏は息子の嫁さんを愛でた。こんな才色兼備の女性をよくぞ選んだと、内心で息子を褒めていたほどだ。

しかし、共同生活がしばらく続いた後、建一氏は息子夫婦の仲に、何か只ならぬものを感じた。息子の態度はさほど変わらないのだが、恵里子さんの建策君に対する態度が、ややつんけんしたり、むっつりしている感じがし始めたのである。それは、本来明るい性格の恵里子さんに似合わない態度であった。

「お前たち、夫婦喧嘩でもしてんのか?」ある日、思い余った建一氏が息子・建策君に尋ねた。「恵里子さんがこの家で頼れるのはお前だけなんだ。意地悪するんじゃない!」
「意地悪なんかしてるもんか。何であれが不機嫌なのか、おれにもわけ分んないんだ」と建策君。
「聞いてみたのか、恵里子さんに?」
「黙ってて何も云わないんだよ。おれもどうしていいか分んない」
「ひょっとしてお前早漏だったりして?」建一氏が案ずる。
「いや、おれ早漏じゃないけど?」と建策君。

ある日の朝。建策君が設計事務所に出勤した後、建一氏は食卓でゆっくりコーヒーを飲んでいた。建一氏は大きなプロジェクトにはアイデアを提供するものの、その他の全ては建策君と子飼いの設計士たちに任せ、ほぼ引退同然の暮しを楽しんでいる。
「お義父(とう)さま、コーヒーもう一杯いかが?」と恵里子さん。
「おお、頂きましょう。貴女の淹れるコーヒーはとても美味しいんで、毎日楽しみでしてな」と建一氏。
「あら、そうですか?丁寧に淹れているだけで、別段特別なコーヒーではないんですけど…」恵里子さんがコーヒーを注ぎながら云う。
「愛情を篭めて丁寧に淹れるのが秘訣ですかな?」と建一氏。「ところで恵里子さん、折り入ってお話があるんですがな?」
「は、なんでしょう?」恵里子さんがコーヒー・サーバーをコーヒー・メーカーに戻しながら云う。
「ま、ちょっと座って頂けませんか?」建一氏が手招きする。

恵里子さんが食卓に座った。
「恵里子さん。貴女と倅の間のことに舅(しゅうと)が口を出すべきでないことは重々承知です。しかし、たった三人で暮らしているわけですからな、毎日平和に楽しく過ごしたいと願っています」と建一氏。
「…」恵里子さんは義父から何を意見されるのかと、眉根を寄せ、唇をすぼめ、身体を固くして畏(かしこ)まっている。
「貴女に何か不満なことがあるのでしたら、倅か私にちゃんと云って下さらんか?胸にしまっておかずに」と建一氏。
「はあ…」恵里子さんが当惑する。
「さあ、云っておしまいなさい。どうにかなるものなら、どうにかしますから」建一氏がせっつく。
「お義父さま。折角ですけど、これは夫婦の間のプライベートなことですので…」恵里子さんが防御柵を張り巡らす。
「それは分っていますが、貴女は建策と二人で問題解決するつもりがおありなのかな?」
「は?」恵里子さんは義父の正面攻撃にたじろぐ。
「あなたの機嫌を直すにはどうしたらいいか、建策が聞いても教えてくれないと云ってました」
「口で云わなくたって、あの人には分ってる筈です!」恵里子さんが反撃する。
「そりゃいかん!貴女は封建主義の時代に忍の一字だった嫁さんではないんです。現代女性らしく、ハッキリ口に出す方が手っ取り早く問題解決出来るのでは?」
「…」恵里子さんは沈黙している。
「私は建策に味方しようとは思っていません」と建一氏。「貴女はこの家でたった独りですからな、どちらかと云えば貴女に味方しようと思っています。どうです?話して下さらんか?」
「…」黙秘したままの恵里子さん。
「やはり話して下さらんか…」建一氏がギブアップした。

建策君と恵里子さんの仲は日を追って悪化し、ぎすぎすし始めた。それは建一氏にハッキリ感じ取れた。建一氏は眉を曇らせ、やきもきした。
「おい、どうにかしろ!おれまで気ぶっせいになるじゃないか1」建一氏が息子を詰る。
「そんなこといわれてもなあ!」建策君が困ってしまう。

建策君が出社した後、建一氏がコーヒーを飲みながら恵里子さんの顔を見つめた。また蒸し返すと嫁の機嫌をさらに悪くするかも知れないので、手がつけられないのだ。義父の向かい側に座っている恵里子さんも、義父の視線をぴりぴり感じながら黙りこくっている。完全な膠着状態。

「お義父(とう)さま?」ある日の朝食後、義父と二人だけになった恵里子さんが、意を決したように口を切った。
「はい、なんです?」待ってましたと建一氏が応じた。
「あのう、あの人の仕事ですけど、量を減らして頂くわけにはいかないでしょうか?」恵里子さんは伏し目がちに、絞り出すような声で云った。
「ふむ。恵里子さんの意図が奈辺にあるかは不明ですが、いずれにしてもそれは不可能です」建一氏が云い切った。「御存知のように、うちの設計事務所は次回のサッカーのワールドカップ開催のためのスタジアム建設を請け負っています。私は基本プランを提示しましたが、設計を実現するのは建策の仕事です。やつはしばらくはてんてこ舞いでしょう」
「しばらくって、どのくらいですか?」恵里子さんがおずおずと聞く。
「少なくとも十ヶ月は忙しいでしょう」
「十ヶ月!」恵里子さんが気の遠くなるような顔をする。
「貴女は、私がのんびりしているんで、やつを手伝えばいいじゃないかと思っておられるかも知れない」と建一氏。「しかし、今私がのこのこ顔を出すと仕事が混乱したりしかねないのです。小さな手違いから、大きな失敗を招くということもあり得るので危険なのです」
「はあ…」恵里子さんが明らかに落胆する。
「やつの過労が原因ですか?」建一氏が問題解決の糸口を見つけようとする。
「い、いえ。あの、もういいんです」恵里子さんが会話の回線接続を遮断した。

建一氏は必死で考えた。嫁さんが云い難いことで、どうやらその原因は息子の過労にあるらしい。夫の過労で妻が人に云えない不満を抱くというと、真っ先に考えられるのはセックス関連である。息子は「自分は早漏ではない」と云った。では一体何なのか?建一氏はある決断をした。

「恵里子さん。近々、恒例の害虫駆除を行います」と建一氏。「家中を煙りで満たしますので、われわれは中には居られません」
「あら、まあ!」と恵里子さん。
「ついでと云ってはナンですが、日頃お世話になっているお礼をしたいと思います。見たいもの、聞きたいもの、食べたいものを考えといて下さい」建一氏がにこにこしながら云った。
「と云いますと?」恵里子さんが訝る。
「先ず、お昼にマキシム・ド・パリ銀座の洋食でも、すきやばし次郎の寿司でもお好きなところへお連れします。それから歌舞伎でも新劇でも映画でも、何でも御希望通り」
「んまあっ!ほんとですか、お義父さまっ!」恵里子さんの顔がパッと明るくなった。恵里子さんは寿司と歌舞伎を選んだ。すきやばし次郎はミシュラン・ガイド東京で三つ星を獲得し、アメリカのドキュメンタリー映画にも取り上げられたほどの寿司屋で、メニューは一人三万円の「おまかせコース」しかないという庶民には手の出ない贅沢な店である。

害虫駆除の日、恵里子さんは義父の奢りで贅沢三昧の一日を過ごし、幸せな思いで帰宅した。家の中は、ゴキブリなどを死滅させる煙で満たされたとは思えないほど、いつもと変わらぬ空気であった。恵里子さんは、夕方建策君が帰宅する前にるんるん気分で夕食の支度をした。

一家団欒のひとときを楽しんだ建一氏、そして建策君と恵里子さんは、それぞれ自室に引き取った。建一氏は寝室ではなく書斎に向かった。書斎のライティング・デスクに見慣れぬ段ボール箱が置いてあった。建一氏はにんまりし、カッター・ナイフで箱を開けた。それは小型の無線受信機であった。今日、この家にやって来たのは害虫駆除の会社などではなく、建一氏が信頼して依頼した探偵社の社員たちであった。彼らは息子夫婦の寝室にマイクと発信器を仕掛け、この受信機を置いて行ったのだ。かなりの出費だが、これで息子夫婦が抱えている問題が判明し、それを解決出来るなら高いものではなかった。

普通、素人が盗聴を考える時思いつくのはコンクリート・マイクである。これは値段も数万円と手頃で入手も簡単である。しかし、コンクリート・マイクが効果を上げるかどうかは、その家の壁素材や天井材で決まる。ビジネスホテルなどの壁素材である軽量材+プラスターボードによる間仕切りなら音の振動を伝え易いが、この家を設計した建一氏は、防音効果の高い厚さ15センチの鉄筋で各部屋を仕切っていた。鉄筋建築でも、配水管とか換気扇の排気ダクトがある部分であればコンクリート・マイクが使えるが、息子夫婦の寝室にそういうものはなかった。で、建一氏はコンクリート・マイクを諦め、無線マイク方式を選択したのだ。探偵社は今日、マイクと小型発信器を息子夫婦のベッド近くに設置し、受信機を建一氏の書斎に置いて退散したわけである。

時計が10時を廻った。建一氏は無線受信機の電源を入れた。これが息子夫婦のセックスの模様(特に嫁さんのよがり声)を盗み聞くためなら変態的行為だが、建一氏のはそんな目的ではなかった。息子に分らず、嫁が云えない夫婦不和の原因を探り出すためなのだ。(決して犯罪ではない)と建一氏は自分に云い聞かせていた。無線発信器は何の音も伝えて来ない。(まだベッドに入っていないのか?まさか故障ではないだろうな?)落ちつかない建一氏は傍らのコンピュータをオンにし、ウェブサーフィンしながら待った。

と、突然もごもごとした音が受信機から漏れて来た。息子夫婦は盗聴マイクから遠いところ(多分、椅子・小テーブルセット)で手紙か本でも読んでいたのだろう。夫婦の会話が次第に明瞭になった。ベッドに近づいて来たのだ。
「あなたん。ねえ、あなたん…」恵里子さんが息子にねだっている。幸せだった今日一日をセックスの恍惚感で仕上げたいに違いない。
「うむ…」と息子のくぐもった声。
「あああ」恵里子さんが息子に愛撫されているような声。「ぐむむぶぶぶ」恵里子さんが息子にキスされているような声と、ぶちゅぶちゅという音が聞こえる。「おおお、むーんっ!」恵里子さんが感じている。息子がおっぱいを揉んでいるのか?「あああーっ、あっはーん!」恵里子さんがよがる。息子がおまんこを弄っているのだろうか?「あなたん!舐めて、激しく!」おお、息子は嫁にクンニしているのだ。「そうよ!そう!ああ、あああーっ!」恵里子さんがよがる。「ううう、あああ…」というよがり声がしばらく続いたが、ある瞬間沈黙が訪れ、「あなた!あなたっ!」という悲痛な叫び声が挙った。「ががが、がごご」という息子の鼾(いびき)が聞こえ、恵里子さんがぴたぴたと息子の頬か背中を叩く音。恵里子さんのしくしく泣く声が続いた。

息子は妻へのクンニの最中に眠ってしまうのだ!建一氏はショックを受けた。そして、同じことが三日後にも起った。(どうにかしなければ!)建一氏は決意した。息子夫婦の性生活の危機は、結婚生活の危機でもあった。

「建策」ある夜の夕食後、応接間に息子を呼んで建一氏が云った。「お前、おまんこの最中に寝ちゃうみたいだな?情けないやつだ。恵里子さんが可哀想じゃないか!」建一氏が詰る。
「えーっ?おれ、そんなことしてないと思うけどーっ?恵里子のやつが云ったの?」建策君が驚く。
「云われなくても分る。新婚だったら、毎晩でも花嫁のよがり声が聞こえてもいい筈なのに、この家の夜は深閑としている。とにかく、恵里子さんを満足させろ。でないと離婚されちゃうぞ!」
「えーっ?脅かさないでよ」建策君が震え上がった。

「今日、親父がおれに何て云ったと思う?」その夜、寝室で建策君が恵里子さんに云った。
「さあ?」恵里子さんが首を傾げる。
「夜中にキミのよがり声が聞こえないのは異常だって云うんだ」と建策君。
「えーっ?お義父様、聞き耳を立ててるのか知ら?やーねー!」と留美子さん。
「嘘でも『死ぬ〜!』とか叫んでくんない?親父を安心させたいから」
「冗談でしょ。そんなお芝居出来ないわ!あなたがほんとによがらせてくれればいいのよ。途中で寝ちゃわないで」
「げっ!おれ、ほんとに寝ちゃうのかい?ショック!」と建策君。
「ショックなのはあたしの方よ。あたし、結婚してから一遍だってイかされたことないんですもん」恵里子さんがめそめそする。
「済まん。仕事がきつ過ぎるんだな。でも、頑張ってみるからさ。さ、おいで?」

書斎で盗聴していた建一氏は、息子の「嘘でも『死ぬ〜!』とか叫んでくんない?」に思わず笑ってしまった。そして、嫁さんをイかそうとする息子に心の中で声援を送った。しかし、その声援も及ばず、息子は色事の最中にまたもや鼾をかき始めた。

「恵里子さん」ある日の午後、食卓で紅茶を飲みながら建一氏が云った。「私は貴女と倅の末永く睦まじい結婚を願っとります。しかし、どうもそれが危ういような気がしてなりません」
「それは、あの…」(あたしたちのセックスのことでしょうか?)とは云えず、恵里子さんが口をつぐむ。
「夫婦は精神的ばかりでなく肉体的にも和合しなければなりません」と建一氏。
「お義父様、そのようなことは義父と嫁の話題として相応しくありません!」と恵里子さん。「夫婦の問題ですから」
「貴女方二人に任せておいたら破局に至るかも知れぬから云っておるのです。建策はワールドカップの仕事から抜けるわけには行きませんし」
「では、どうしようもないじゃありませんか!」恵里子さんが捨て鉢になる。
「私に策があります。私が貴女に前戯を施し、もう一歩のところまで燃え上がらせておく。その後、貴女は建策とすぐさま性交して絶頂を迎えるのです」
「な、な、な、何ですって?」途方もない義父の話に恵里子さんが口をあんぐりする。
「私もよくよく考えたのですが、これ以外にいい方法はありません」と建一氏。

「お言葉を返すようですが」と恵里子さん。
「どうぞ。何なりと虚心に話し合いましょう」と建一氏。
「その案で私がお義父さまから前戯を受けると、私は完全に無防備になります。お義父さまがあたしを手篭めにしようとなさったら防ぎようがありません」恵里子さんが身を守るように両手で胸を覆う。
「よく考えて下さい」建一氏が噛んで含めるように云う。「貴女がこの家に入られてから数ヶ月経っとります。私が貴女を犯したければ、いくらでもチャンスがありました。私がそんな素振りを見せましたか?」
「…」恵里子さんが黙って首を横に振る。
「私を信じて頂きたい。私は純粋に貴女方の幸福を願っているのです」
「でも、でもですよ?」恵里子さんが疑念を口にする。「お義父さまも男性です。私への前戯の最中に邪心を抱いてむらむらっとなさったらどうします?危険じゃありませんか!」
「ちゃんと考えてあります。今日届いたこれを御覧なさい」建一氏が食卓の上にあった小包を取り上げ、カッター・ナイフで封を切った。

建一氏がパッケージからビニール袋を取り出して破く。なにやらプラスチック製の水道の蛇口みたいなものといくつかのリングやネジ、それに小型の南京錠と鍵などが出て来た。

「これは男性用の貞操帯です」建一氏がプラスチック製品を恵里子さんに見せる。
「えーっ?昔、中世の騎士たちが十字軍遠征の時に、妻や恋人に嵌(は)めさせたという?」恵里子さんも聞いたことはあった。「でも、あれは女性用なんでしょ?」
「実は男性用もあるのです」と建一氏。「使い方をお見せしましょう。失礼」そう云って建一氏はズボンとブリーフを脱ぎ、下半身を露わにした。
恵里子さんは義父のペニスを目の当たりにして、思わず口に両手を当てて息を飲んだ。
「陰茎をこの筒みたいな方に挿入し、このリングで陰嚢を挟むと、貞操帯全体を固定出来ます。さらに…」そう云って、建一氏が二つのリングに南京錠をかませ、カチンとロックした。「これで私はセックス出来なくなったわけです。この鍵は貴女が持っていて下さい。失くさないで下さいよ?でないと、私はこの貞操帯を外せないまま死ぬことになり、医師や看護婦や葬儀屋が『何だこりゃ?』って不思議に思うでしょうから」
「…」鍵を受け取った恵里子さんは呆けたように口をあんぐりさせていた。(義父は本気なのだ。本気であたしに前戯だけを施そうとしている)

その夜、言葉少なの夕食が終わった。恵里子さんは食器洗いを終えた後、夫に「シャワー浴びて来ます!」と云って、バスタオルを巻いた姿で浴室に向かった。しかし、それはこの家にいくつかある浴室の中でも義父の寝室に最も近いものだった。恵里子さんが身体を洗い終えた頃、貞操帯を嵌めたペニスをぶらぶらさせた建一氏が裸で入って来た。建一氏はハンカチを恵里子さんの口に含ませた。よがり声防止のためである。恵里子さんは義父に裸を見られて恥ずかしい思いをしている。建一氏はその嫁の思いを感じ取っているので、嫁の身体をじろじろ見ないようにするつもりだったが、23歳の肉感的な身体を見ないではいられなかった。恵里子さんの肉体は美しく、そして男のスケベ心をそそるものだった。建一氏のペニスが勃起を始め、貞操帯のプラスチックの筒に押さえつけられて痛くなった。(貞操ばかりでなくスケベ心をも防止するものなのか、これは!)建一氏は貞操帯を使うというアイデアをいささか後悔した。

建一氏は恵里子さんを風呂桶の縁に掛けさせ、恵里子さんの顔のあちこちや首、耳などを舐め廻しながら、片手で乳房を撫でたり揉んだりした。建一氏は嫁の口にキスしたかったが、それはからくも堪えた。代わりに嫁さんのおっぱいに吸い付き、乳首をちゅうちゅう吸う。
「ぶぐううう、ううう」恵里子さんがよがる。
嫁さんのよがり声に反応して、建一氏のペニスが太く固く伸びようとし、筒っぽに邪魔される。(痛ててて!)その痛みは想像を絶するものだった。痛みに顔を顰めながら建一氏は身体を沈めて行き、嫁のむちむちと張り切った尻を撫で廻した。手を左右に押して嫁の股を広げさせる。建一氏の目の前に、嫁の欲求不満のおまんこが曝け出された。こんもりとした陰毛の薮に囲まれた割れ目。もっこりと膨れた大陰唇を開く。ピンクの濡れた肉のびらびら。(綺麗だ!)建一氏が息を飲む。又も伸びようとするペニスが貞操帯の筒に阻まれる。(痛てててーっ!)痛みをこらえながら、建一氏が嫁のクリトリスを舐め出す。ぺろぺろ舐め、べろーんと撥ね上げ、むぐっと圧し、つんつんと弾く。
「むむぐっ、ぐむむーっ!」ハンカチをくわえた恵里子さんがくぐもった声を出す。
建一氏はクンニを続けながら、嫁の膣口を指先で弄くり廻す。次第に指先が濡れ出す。愛液が漏れて来たのだ。建一氏は嫁の体内に指二本を滑り込ませ、膣内をぐりぐり掻き回す。
「ぶっぐん、ぶぐぐーんっ!」恵里子さんがよがる。
建一氏は嫁さんのGスポットを探査すべく、指の腹を恥丘の方に向けで膣壁を撫で廻す。
「ぶぎゃーんっ!」恵里子さんが身体を突っ張る。
Gスポット攻撃を続けながら、時折、蟻の門渡りや肛門も指で刺激する。
「ぶぎぎ、ぐぐぶぎーっ!」恵里子さんがよがる。
「さ、行きなさい!」建一氏が促す。
「は、はい、お義父さま!」快感で顔を火照らせた恵里子さんがバスタオルを巻いて、夫婦の寝室に走り去る。
「ふーっ!」建一氏が大きく溜め息をつき、バスマットの上にへたり込んだ。

ベッドに上がった恵里子さんは、夫のパジャマのズボンとブリーフを押し下げ、フェラチオを始めた。
うとうととしていた建策君が、快感に目覚める。美しい嫁さんが顔を歪めて自分のペニスに奉仕してくれている。建策君のペニスはむくむくと勃起した。
恵里子さんは義父に教えられたように、男の敏感な性感帯である亀頭下部の包皮の付け根周辺をべろーん!と舐め上げ、ちろちろとくすぐった。建策君のペニスは最大限に伸び、膨れた。それを感じ取った恵里子さんは、すぐさま騎乗位で夫の腰に股がり、ぬるりんこんとペニスをおまんこに納めた。膝の屈伸で激しく上下運動をする。義父が与えてくれた前戯によって、恵里子さんはまっしぐらに絶頂へと登り詰めて行く。
建策君も嫁さん主導のピストン運動によって、眠るどころか久し振りの精液放出の予感に頭がかーっとなった。建策君は目の前で揺れ動く嫁さんの乳房を両手で掴んで揉み回した。
「わあーんっ!あうあうーっ!」ハンカチを噛まされていない恵里子さんが盛大によがる。
我慢汁を漏出させ、いつでも射精出来る建策君の限界が近づく。
「ぐわっはーんっ!死ぬ〜っ!」恵里子さんが死出の旅路についた。
「むむーんぐ!」建策君が下からどっぴゅんぴゅぴゅーんっ!と精液を噴き上げた。

書斎で、息子夫婦の寝室の状況を盗聴していた建一氏がほっとした笑みを見せた。

これ以後、恵里子さんは発情すると義父に目配せし、浴室で愛撫と前戯を受けることとなった。義父のペニスを封じ込めている貞操帯の鍵を隠してある以上、どれだけ義父を挑発しても義父は自分を犯せない。その安心感によって、恵里子さんはかなり大胆になり、ストリッパーのように義父を興奮させペニスの痛みに呻かせて面白がるようになった。
「恵里子さん、ちょっとお手柔らかに願いたいものです。年寄りを揶揄(からか)わないで」建一氏が哀願する始末である。

こうして恵里子・建策夫婦の結婚生活の危機は回避された。建一氏のアイデアの勝利であった。

「今日一日だけ鍵を開けて、私のペニスに休暇を頂けませんか?」ある日のお茶の時間に、建一氏が恵里子さんに頼んだ。
「えっ?どういうことですか?」恵里子さんが目を白黒させた。
「貴女がおっしゃったように私もまだ男です。貴女に興奮させられて欲求不満になるばかりで、私のペニスが鬱病になりそうなのです」と建一氏。「たまに、どっかの女人相手に憂さ晴らしをさせてやらんと可哀想だと思いましてな」
「!」恵里子さんが顔を赤くした。そうなのだ。義父は自分への前戯の奉仕だけに専念し、全くいい思いをしていないのだった。「じゃ、鍵を取って来ます」恵里子さんが夫婦の寝室に向かった。この数分間が義父と嫁の運命を変えることになった。

「お義父さま?詮索するようで申し訳ないんですけど…」戻って来た恵里子さんが鍵を手にしながら尋ねた。「憂さ晴らしのお相手はご再婚の可能性があるような方ですか?言葉を替えれば、真面目なおつきあいなのか束の間の遊びかということですけど」
「さあ?何とも云えませんな。私の歳ですともう愛だの恋だのというより、色の世界です。その点で凄く気に入れば、ひょっとしたらひょっとするかも知れません」と建一氏。
「おいくつぐらいの方なんでしょう?」恵里子さんの詮索が続く。
「こりゃまた根掘り葉掘りの尋問ですな。一体どうしてです?」建一氏が訝る。
「お義父さまに再婚して頂きたくないんです!」恵里子さんがきっぱり云った。「この家に女は私ひとりで沢山」
「えーっ?」建一氏が驚く。
「お義父さまの憂さ晴らしの相手には私がなります」そう云って恵里子さんがブラウスを脱ぎ、スカートを脱ぎ、キャミソールの下着とパンティだけになった。「私では不足でしょうか?」
「え、恵里子さんっ!」建一氏が戸惑いつつ、驚喜する。「よろしいのですかっ?」
「お義父さまはあたしたち夫婦の恩人ですもの。さ、鍵を外して差し上げますわ」恵里子さんが建一氏のズボンを脱がし、ブリーフも取り去る。カチリと鍵を開け、貞操帯を外す。
「おおお、やっと自由の身になれました!」建一氏がペニスを撫でる。ふと気付くと恵里子さんは丸裸になっていた。「恵里子さんっ!」建一氏が息子の嫁さんを抱き締め、ぶちゅっとキスし、舌を絡ませた。久し振りに貞操帯から解放された建一氏のペニスがむくむくと伸び始め、どんどん膨らみ始める。見る見るうちに擂り粉木のように長く固くなったペニスが恵里子さんの下腹を突ついた。

義父と嫁は、今度は浴室ではなく、建一氏の寝室へと向かった。




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