[banner]

32. 伯父・姪の知られざる生活

伯父さん篇・1

16年前、妻の妹夫婦が事故で亡くなった時、私ら夫婦は彼らの忘れ形見である由実(当時五歳)を引き取って育てる決意をした。私と妻には子供がなかったので、ちょうどいい具合だった。由実をうちの養子にするという案もあったのだが、養子にする手続きはいつでも出来ることと、われわれが勝手に由実の実家の姓を途絶えさせていいものかどうか疑問だったため、それは由実が成人してからの意志に待つことにし、由実がわれわれを伯父さん、伯母さんと呼ぶままにまかせて由実を育てた。

由実は幼い頃は丸顔だったのだが、成長するにつれて顔が上下に伸び、まるで映画女優の少女時代のように綺麗な顔になった。切れ長の目、長いまつげ、すらっとした鼻、ふっくらした頬、ほどよく厚い唇。それらが瓜実(うりざね)の輪郭に完璧なバランスで収まっている。由実は私ども夫婦の自慢の娘となった。中学、高校でスポーツに熱中した由実は、素晴らしい体格の持ち主にもなった。背が伸び、適度に膨らんだ胸、大きく張り出した骨盤とそれを取り巻く豊かな臀部。健康的でむっちりした太腿、長い脚。私も妻も、由実が水着姿でミス・なんとかの栄冠に輝く日が来ることを心待ちにしていた。

私が英米文学の翻訳を専門にしていたことが影響したのだろうが、由実は大学の英文科に進みたいと希望した。健康で美しい由実に語学力がつけば、文字通り才色兼備になるに違いなく、私も妻も賛成した。

由実が成人した日、私と妻は由実に尋ねた。私たちの子供になる気はないか?と。
「どういう違いがあるんでしょう?」由実が私たちに聞いた。
私は主に法律的なことを説明し、「キミが結婚する際、今のままなら私たちは“親代わり”に過ぎないが、養子になれば私たちはキミの両親ということになる」と云った。妻も「由実があたしたちを『伯父さん・伯母さん』と呼び続けたいか、『お父さん・お母さん』と呼びたいかって違いね」と云った。
「ありがたいお話ですけど…」と由実が云った。「あたし、自分の姓のままでいたいと思います」理由は云わなかったが、由実がきっぱり云った。
妻も私もがっかりしたが、由実の意志は尊重しなければならなかった。

由実は優秀な成績で大学を卒業し、一流の家電メーカーに就職した。由実がビジネス・センスを磨き、社交力も身につければ、将来海外支社の重要ポストに就くことも夢ではなかった。全てはバラ色だった。…由実にとっては。

まこと「禍福はあざなえる縄のごとし」という言葉通りで、由実が就職を果たしたのと相前後して、私の妻が亡くなった。難病が発症し、呆気ないほど急に病死してしまったのだ。気落ちし食欲もなくなった私を由実が慰め、励ましてくれた。私は数ヶ月経ってやっと仕事を再開する気になった。

気がつけば、私は一軒家に21歳の色っぽい美女と二人切りで住んでいた。妻がいた間は、妻が緩衝材となって由実を“女”として考えたことなど一度もなかった(と思う)。由実は妻と私の二人の娘だった。その妻が欠けた今、脳が突っかい棒を失って、電流が無用の方向に漏れるような故障が起き始めたようだ。由実が私を優しい伯父さんと慕ってくれているのは間違いなかった。だから、私が一歩踏み出して、由実と男と女の関係になろうとすれば出来ないことではないように思えた。だが、それは私を慕ってくれている由実の信頼を利用するセクハラに違いなく、16年間由実を掌中の珠のように育てて来た自負と誇りと、由実の信頼を裏切る行為であるのは自明だった。幸い、私はインテリの一人として冷静に自分の心理を分析することが出来た。私は妻を失って単に寂しいのだ。単に“女”を求めているのだ。由実を求めているのではない。由実が手近に存在するから、由実をターゲットにしてしまうだけの話なのだ。

しかし、私は男としての自分自身の衝動を恐れた。男というものは、発情し性欲の虜(とりこ)となると何をやらかすか測り知れない。そんなことがあってはならなかった。ある日、私は由実とさり気なく話し合う機会を持った。
「由実?キミも高給取りになったわけだし、自由な生活がしたいんじゃないか?」夕食後の紅茶を飲みながら私が云った。
「伯父さま、どういうこと?」由実が紅茶茶椀を持った手を止め、訝るように私を見た。
「いやなに、キミも年頃だから夜遊びもしたいだろうし、旅行にも行きたいだろう。うるさい伯父さんといつも一緒じゃない方がいいんじゃないのかなって思ったもんでね」私が云った。
「それって、あたしにこの家を出てけってことですか?」由実の目にどっと涙が浮かぶのが見えた。
「そ、そうじゃない!」私は慌てて云った。「とんでもない。誤解するな」
「あたし、この家で育って、この家で伯父さまと暮らすのが好きなんです。伯父さまが好きなの。ずっといさせて下さい!」由実が云った。
私は赤裸々な由実の言葉に驚いたが、さりげなく受け流す風を装った。「それならいいんだ。ずっと伯父さんと一緒じゃ窮屈じゃないかと思ったもんだから」由実の心を傷つけたかと冷や冷やしながら私が云った。
「もし、そうだったらあたし出て行きたいって云います。勝手に勘ぐらないで下さい!」由実が強く抗議した。
「判った、判った」私は何度も頷くほかなかった。

その夜、私は寝付けなかった。由実の言葉が耳に残って何度も蘇って来たからだ。由実は「伯父さまが好きだ」と云った。私が由実との男女関係に一歩を踏み出せば、由実は私を受け入れる、そう私は確信出来た。しかし、由実はどんな風に私を受け入れるのだろう?

その時、遠くの応接間のカッコー時計が「カッコ、カッコ、カッコ…」と11回鳴くのが聞こえた。

■ 私はむっくり布団から起き上がると、由実の部屋に向かった。由実の部屋に鍵は掛かっていなかった。私はするりと忍び込んだ。真っ暗な中で、手探りで布団の位置を確かめる。私の鼓動がどっきんどっきんと高まる。自分の娘のように育てた姪に夜這いするとは!もし、拒否されたらどうしよう?明日からの生活は悲惨なものになってしまう。拒まれたら、私には由実を犯すつもりなどなかった。私もそこまで悪(わる)ではない。私は、由実の頭の方の布団をそーっと持ち上げた。由実の品のいい香水の香りが微かに漂って来た。その時、「パチン!」と音がし、電気スタンドが点灯した。私は身体を凍りつかせた。

■「伯父さま?」電気スタンドの灯りに浮かび上がった美しい由実が云った。
「由実!」私は由実の身体に手を廻した。温かくまろやかな肉体。
「やっと来て下さったのね。来て下さらないのかと思ってた…」と由実。
「え?」私が戸惑う。
「あたし、必死で謎をかけましたのよ?通じてよかったわ」由実が私の首に両手を廻した。
「由実!」私は由実の身体をぎゅっと抱き寄せた。
「キスして?伯父さま!」由実の口からかぐわしい息が私の口に吹き込まれて来た。
私は由実にキスした。拒否されるどころか歓迎されている。私のペニスは期待に燃えてむくむくと起き上がり始めた。私は由実の背中を撫で、その手を由実のお尻の方に下ろして行く。丸く大きな双丘。私は由実のお尻を撫で、その肉を揉んだ。指と掌に快感を覚える。
「ああー」由実がキスを中断し、大きく息を吸った。「伯父さま?どうして、もっと早く来て下さらなかったの?」
「え?」私は、由実の質問の意味を計り兼ねた。
「あたし、高校生の頃から待ってましたのよ?」由実が凄いことを云った。
「えーっ?ほんとかい?」私には信じられない。
「ええ。伯母さまが恐かったの?」由実が私を問いつめる。
「その頃、伯父さんは親代わりとしてキミを純粋に愛していた。キミと性的に関係しようなんて思っていなかった」
「今は純粋じゃなくなったのね?」由実が私の股間に手を伸ばして、勃起したペニスを握ってにんまりした。
「由実!」私はもう一度由実にキスし、手を由実の股間に伸ばした。由実のちいちゃな薄いパンティがびっとりと濡れていた。ペニスへの招待状である。

その時、遠くの応接間のカッコー時計が「カッコ!」と一度だけ鳴くのが聞こえた。

由実ちゃん篇・1

あたしは伯父さまが好きだった。子供の頃から、優しくあたしを可愛がってくれる伯父さまが好きだった。伯父さまは見掛けも好ましかったけど、包容力があり、教養もあり、あたしと好みも似通っていた。あたしが結婚するとしたら、伯父さまのような男性がいいと思っていた。でもそれは、あたしの胸の奥深くに仕舞い込まれた感情であって、それを伯父さまに告げるつもりはさらさらなかった。その優しい筈の伯父さまが「この家を出て自由に暮らせ」と云ったのはショックだった。そのショックは大きく、あたしはついにあたしの秘めた感情を吐露してしまった。でも、伯父さまはそれを軽く受け流した。嬉しそうでも、迷惑そうでもなく…。

あたしは「伯父さまが好き」と云い放った自分の言葉で自分の真の気持ちに思い当たった。あたしは伯父さまが女として好きだったのだ…以前から。あたしは伯父さまと伯母さまの養子になることを拒んだのだが、なぜ拒んだのか、当時自分でも理由が判らなかった。しかし、今やっと判った。伯父さまと“父娘”(おやこ)になることを恐れたのだ。男と女として愛し合う伯父と姪は稀ではないと思うが、愛し合う父娘というのは稀に違いない。あたしは本能的、反射的に伯父さまと法的に距離を置くことで、伯父さまとの関係の可能性を留保したのだ。

あたしは、自分が「伯父さまが好き」とラブレターを送ったのに返事が来ないのに苛立った。傷ついた。あたしはもう何人かの男性とセックスしたことがあったので、セックスに抵抗はなかった。伯父さまが最初の一歩を踏み出してくれれば、すぐにでも伯父さまを受け入れるつもりだった。しかし、伯父さまは何ら行動を起そうとしない。ひょっとして伯父さまはシャイなのだろうか?紳士的過ぎるのか?あたしがもっと誘わなければいけないのか?手数のかかる伯父さまだこと。

数日後の日曜日、あたしは淡いピンク色のキャミソールに深紅のとっても短いショートパンツで過ごした。道行く人々があたしの顔に目を釘付けにするのには慣れていたが、この赤いショートパンツは男性たちの目をあたしの下半身に釘付けにする。あたしのすらりと伸びた脚、適度に脂が乗った太腿が丸見えだし、ショートパンツが短いのでお尻の一部さえ見えてしまう。あたしはこれを伯父さまで試すことにしたのだ。

普通は伯父さまとあたしが交代で食事を作るのだが、在宅勤務の伯父さまが主に週日で、週末はあたしが担当することが多い。日曜の夕方、食卓で食前酒を飲んでいる伯父さまの前で、あたしは忙しげにステーキを焼く準備をした。冷蔵庫から野菜を取り出す際は、しゃがまないでお尻を突き出して冷蔵庫を覗き込む。下の戸棚からワインを取り出す時も同様である。伯父さまがあたしのショートパンツを見ていれば、太腿が生白いお尻へと丸みを帯びるカーブが見える筈だった。

あたしはお料理に専念しながらも、目の隅で伯父さまの視線を感じ取ろうとした。伯父さまは新聞を広げていたが、それをめくる音は全くしなかった。いつもなら新聞記事を話題にあたしに話しかけて来るのに、終始無言だった。あたしは伯父さまがあたしの下半身に見蕩れていることを実感した。

その夜、あたしは伯父さまが忍んで来ることを期待していた。あたしのショートパンツ姿に欲情し、ステーキによって野獣のような精力をつけた今、伯父さまは夜這いしないではおれないと思うのだが。しかし、何事も起らなかった。

その時、遠くの応接間のカッコー時計が「カッコ、カッコ、カッコ…」と11回鳴くのが聞こえた。

■ あたしは結論を下した。伯父さまは完璧な親代わり、完全なる紳士なのだ。だが、それは殻であり、その殻を割ればどこにでもいる男性と変わらない中身の筈だ。スケベで女好きの…。伯父さまは自分では殻を割れないから、あたしが割って上げなくてはならないのだ。世話の焼ける伯父さまだこと。

■ あたしはお布団を撥ね除けそっと部屋を出て、ネグリジェ姿で伯父さまの寝室に向かった。そーっと襖を開け閉めして室内に入る。あたしは灯りのスイッチを入れた。あたしは視覚的要素が男性の欲望をそそることを知っていた。暗闇ではそれを利用出来ない。伯父さまは突然の明かりの洪水につぶったままの目を激しくパチクリさせた。やっと明かりに慣れた伯父さまは(一体、何事が起ったのか?)という表情で周囲をきょろきょろし、やっとネグリジェ姿で突っ立っているあたしに気付いた。
「由実?どうしたんだ?」伯父さまが云った。
あたしは布団をめくって伯父さまの脇に身体を滑り込ませた。「女は要りませんこと?」とあたしが云った。
「えーっ?」伯父さまが目をまん丸に見開く。
あたしは伯父さまの上になっている方の手を取り、あたしのおっぱいに導いた。
「由実!」伯父さまは手を硬直させていて、乳房を撫でようとしない。自制心と欲望がせめぎあっているのかも知れない。しかし、…ぴく!と数本の指が動き、続いて指と掌があたしのおっぱいを揉み出した。

■「キスして、伯父さま?」あたしは熱い息を伯父さまの口に吐きかけた。伯父さまはおっぱい揉み揉みを続けながら、あたしの口に吸い付き、舌を差し込んで来た。あたしたちは狂ったように互いの舌を舐め合い、絡め合った。伯父さまの一方の手があたしのお尻に伸び、ネグリジェ越しにお尻の丸みを撫で廻した。伯父さまの勃起したペニスがあたしの脇腹を突ついた。あたしの膣はどっと愛液を噴出した。

■ あたしはネグリジェを裾から捲り上げて脱ぎ捨て、すっぽんぽんになった。夜這いに来るのに、パンティなんか穿いてませんって。伯父さまもパジャマを脱いで全裸になった。あたしはおずおず行動する伯父さまに焦れ、伯父さまの顔の前におまんこが位置するように股がり、上体を屈ませて伯父さまの勃起したペニスに顔を近づけた。伯父さまのペニスの角度を手で調整し、あたしの口に入れた。あたしはフェラチオはあまり上手ではないのだが(無論、好きでもない)、伯父さまを奮起させるには何でもやるしかなかった。あたしは伯父さまのペニスを口ですぽすぽし、舌で亀頭をぺろぺろした。伯父さまがあたしのクリトリスを舐め出した。「ぶぐぶーっ!」ペニスを頬張ったあたしがよがる。

その時、遠くの応接間のカッコー時計が「カッコ!」と一度だけ鳴くのが聞こえた。

伯父さん篇・2

先週の日曜日、私はエラい目にあった。由実が挑発的なスタイルで食事の支度をし、私は目のやり場に困った。新聞は手にしていたが、目は由実の真っ赤なショートパンツの尻を追い、むっちりした太腿、すらりと伸びた脚に見蕩れてしまった。私のペニスが疼いた。罪作りなスタイルだった。しかし、私は由実に「そんな格好はやめてくれ」とは云えなかった。理由その一、そんな風に意見したら、私が興奮し春情を催したことがバレてしまう。理由その二、由実のそんなスタイルをもっと頻繁に見たい気にさせられたからだ。

私は、由実が「伯父さまが好き」と口走ったことと、キャミソール+ショートパンツとの関連性について深く考えたが、まだそれが完全なる招待状であるとは思えなかった。いや、そうであって欲しいとは思ったが、確信が持てなかったのだ。招待状無しでのこのこパーティに出掛け、入場を拒否され叩き出されたりしたら大恥である。とても一か八かやってみる勇気はない。

今日は真っ赤なショートパンツの反対の衝撃がもたらされた。由実の学生時代の友人の葬儀だとかで、由実が喪服を着たのだ。私の妻が亡くなった時に仕立てた黒無地のフォーマル・スーツだ。喪服の女は美しいと云われるが、ただでさえ美しい由実が喪服を着ると、ぞっとするような美女になった。妻の葬儀の時、私は憔悴し落ち込んでいて、由実の喪服姿など気に留めていなかったから、今回初めて気がついたのだった。

なぜ喪服の女が美しく見えるか?もともと女の身体というものは肉感的なものだ。胸や尻による凸凹や柔らかい肌も男心を誘う。女の身体は触っても快いし、セックスすればもっと快い。喪服は、男の性欲に媚びるような身体を黒い布切れで覆い隠し、男の欲望をはね返そうとする。「私は悲しみに暮れており、貴方の性欲のお相手は出来ません」という強い意思表示だ。女生徒のセーラー服もそうだ。「私の身体はアンタッチャブルです。どうか性的行為の対象として見ないで下さい」と訴えている。肉感的な身体を、性行為を拒絶する意思表示で隠す矛盾が見る者に健気さ、清潔さを感じさせる。だが、どんなことをしても女たちの身体が発散するエロチシズムは隠しおおせるものではなく、黒い衣装はお汁粉やあんこに入れる隠し味の塩のように、女の色気を引き立たせる役目を果たすに過ぎない。

喪服に身を包んだ由実は、帰宅しても着替えず、食卓の椅子に座り、食卓に伏せってじっとしていた。亡くなった友人は親友だったわけではなさそうだったが、若い死が由実の心を空虚にしたのだろうか。私は慰めの言葉の代わりに喪服を着た由実の肩にそっと手を置いた。由実はゆっくり立ち上がると、私の胸に顔を寄せてしくしく泣いた。私はそっと由実の身体を抱いた。これは、由実が成長してから初めての抱擁だった。

その夜、私はまた床の中で物思いに耽った。今日、由実は私に身体を寄せて来て、私は由実を抱いたけれども、それは葬儀という外部要因が介在してのことであって、私と由実の二人を結びつけるものではなかった。しかし、由実が私を頼り、心の支えとしているらしいことは証明された。今日、私がこの胸に由実を抱いたようなスキンシップが何度か続けば、ある時ひょっとして大きな一歩を踏み出せるかも知れない。私はトイレに行くような感じで寝室を出て、由実の部屋を窺った。ドアの隙間から明かりが見えた。まだ起きているのだ。

その時、遠くの応接間のカッコー時計が「カッコ、カッコ、カッコ…」と11回鳴くのが聞こえた。

■「由実?眠れないのか?」私がドア越しに声を掛けた。
「ええ」言葉少なに由実が答えた。
「どうだ、寝酒でも二人で呑まないか?」と私。「少し話でもしよう」
「…」由実は沈黙した。
「どうした?由実?」私はドアをノックした。「入っていいか?入るぞ?」私は由実を驚かさないようにゆっくりとドアを開け、室内を覗き込んだ。由実は布団の上に座り込んで肩を落とし、俯いていた。「まだ悲しんでいるのか?」私は聞いた。
「ううん」由実が云った。「お友達はあたしと同い年なの。あたしもすぐ死んじゃうかも知れないと思って、恐くて…」
「馬鹿な!」私は部屋に入ってドアを閉めた。「キミはスポーツもやってるから丈夫だ。死なないよ」
「伯父さま!あたし恐い!」由実が肩を震わす。
「大丈夫、大丈夫だよ!」私は由実を力づけるように由実の身体を抱き締めた。ぎゅっと、隙間なく身体を密着させて。

■ 私は由実を抱いてじっとしていた。由実の上品な香水の香りが鼻をくすぐる。由実の柔らかいおっぱいが私の胸で押しつぶされている。由実の胸が規則的に隆起する。私が久し振りに抱いている女体、それは私の養女になるかも知れなかった姪っ子にして芳紀21歳の未婚の娘である。「由実!可愛い由実!」私は由実の背中を擦りながら云った。
「伯父さま!」由実が私にかじりつきながら云った。「可愛がって!あたしを可愛がって!」
「由実!」私は由実の顔を凝視した。由実の表情の真剣さを読み取ろうとした。由実は私の目を見ながら何度も頷いた。全てを私にくれるというサインだ。私は由実のふっくらした唇を見た。由実が誘うようにうっすらと口を開けた。私は由実にキスし、すぐさま自分の舌を由実の口に差し込み、由実の舌を舐め廻した。姪との近親相姦の第一歩だった。
「ふーっ!」長いフレンチ・キスの後で由実が息を継いだ。
私は由実の豊かなおっぱいに手を伸ばそうとして、その手を止め、逡巡した。
「伯父さま!」由実が私の手を取り、自分の胸に引き寄せようとする。
「後悔しないか?衝動に身を任せていいのか?」私が由実に尋ねる。
由実がハッキリと頷いた。

その時、遠くの応接間のカッコー時計が「カッコ!」と一度だけ鳴くのが聞こえた。

由実ちゃん篇・2

伯父さまの目にあたしの喪服姿が印象的だったのは確かだ。あたしはその効果を十二分に利用すべく、帰宅してもすぐには着替えず、物思いに耽る風情で出来るだけ着用時間を引き延ばした。私は伯父さまに身を寄せ、伯父さまは私をそっと抱いてくれたが、それだけの話だった。その夜、伯父さまが寝室から出て来た時には(やったぜ!)と思ったのだが、伯父さまの足音はおトイレに消え、また寝室に戻って行ってしまった。

焦れったいったらなかった。伯父さまは理性的過ぎるのだ。こんな堅物の男性が世の中にはいるとは思わなかった。石部金吉金兜とは伯父さまのことを云うのだろう。こんな伯父さま相手に尋常な手段でコトを成就しようとしていたあたしが馬鹿だったのだ。こうなったらもっと直接的な手段を取るしかなかった。

ある夜の夕食後、伯父さまとあたしは食後酒としてイタリア産のサンブーカをちびちび呑んだ。
「伯父さま?」あたしが云った。「あたし、秘密が出来ましてよ?」
「へえ?何だい、一体?」伯父さまがさほど関心がない感じで云った。
「脱毛したんです。レーザー脱毛」とあたし。
「ああ、脇の下ね?」と伯父さま。
「脇の下は去年やったの。今度は別・の・とこ」あたしが秘密めかしてにんまりしながら云った。
「別のとこって…」伯父さまが訝る。「まさか…」
「そうなの。俗に云うパイパンにしたの」とあたし。
「嘘!嘘だろ?」伯父さまが(からかうな)という顔をする。
「ほんとですって!赤ちゃんのみたいでとっても可愛いの」あたしが鼻を蠢かした。
「へえ?」伯父さまが赤ちゃんのおまんこを想像するような顔をした。
「ね、伯父さま、見たい?」あたしが伯父さまの表情を窺う。
「えーっ?」伯父さまが呆けたような顔をする。あたしの言葉が信じられないのだ。
「あたしのなんか見たくないかもね」あたしが精一杯しょげた顔を作って云った。
「み、見たいが、しかし…」伯父さまがいい淀む。(場所が場所だし)と云いたいのだろう。
「え?見たい?見せたげる」あたしは構わずずんずんコトを運ぶ。「シャワーを浴びるから待ってて。ね?」あたしが立ち上がった。

私は念入りに身体を洗った。あそこの外も中も。あたしはバスタオルで身体を拭き、そのまま身体にバスタオルを身体に巻きつけた。伯父さまの寝室の前で「いらして?伯父さま?」と声をかけて自室に戻り、ドアを開けっ放しにする。あたしは既に敷いてあったお布団の上で伯父さまを待った。伯父さまはパジャマ姿でやって来た。
「由実、本気なのか?」と伯父さま。
「本気よ?女に二言はないわ」あたしが冗談を云った。
「じゃあ、拝見しよう」伯父さまがあたしの前に座った。
「待って!」あたしが伯父さまに云った。「あたしだけ恥ずかしい思いするのって不公平。伯父さまも脱いで?」
「えーっ?そんなーっ!」伯父さまがたまげた。
「そうまでして見たくない?」とあたし。
「い、いや。み、見たい」伯父さまが吃りながら云う。見たくないなどと云えば、女に恥をかかせることになる。
「伯父さまが上を脱いだら、あたしもタオルを下げる。伯父さまが全部脱いだら、あたしも全部」とあたし。
伯父さまは(こんなことになろうとは思わなかった)という風情だったが、遂に決意し、のろのろとパジャマの上とシャツを脱いだ。あたしはバスタオルを下ろして胸をモロ出しにした。
「おおっ!」伯父さまの目があたしのおっぱいに釘付けになった。「き、綺麗だ!」
「さ、全部」あたしが催促した。
「駄目だ。キミのおっぱいを見たら脱げなくなった」伯父さまが情けない声で云った。
「ボッキしちゃったの?いいじゃないっ!」あたしが目を輝かす。「嬉しいわ、あたしのおっぱい気に入ってくれた証拠ですもん。さ、脱いで!」
「…」伯父さまは崖から飛び降りるような悲愴な感じでパジャマのズボンを脱いだ。勃起したペニスが邪魔で、伯父さまはブリーフを脱ぐのに手間取った。伯父さまがついに全裸で立った。伯父さまのペニスが雄々しく太く長く突っ立っている。

あたしははらりとバスタオルを落とした。あたしの生涯初めてのストリップ。
「おおーっ!」伯父さまの目があたしの股間に吸い寄せられた。伯父さまはお布団に膝をついて、目の高さであたしのおまんこを見た。そして、まるでおまんこを崇めるようににじり寄って仰ぎ見た。「ほんとだ!赤ちゃんのおまんこみたいにあどけない!」伯父さまがあたしのおまんこに顔を近づけて凝視する。
「舐めて?伯父さま!」あたしが云って、身体を反り返らせて伯父さまの顔の前におまんこを突き出した。
「う、うんっ!」伯父さまは両手をあたしのお尻に廻しておまんこを引き寄せ、舌を出してあたしのつるつるのおまんこを舐め出した。あたしの無毛の恥丘から、むっちり膨れた大陰唇へと、割れ目の上から下へ。伯父さまはあたしの割れ目を開いた。あたしは自分のピンク色の粘膜が曝け出され、伯父さまの舐めるような視線を受けているのをぴりぴりと感じた。伯父さまはピンクのびらびらを隈なく舐めてくれ、次第にあたしのクリトリスに舌の動きを集中させた。
「あーん!あはーんっ!」あたしはよがった。これは夢でも幻想でもない。ついに伯父さまとのセックスが始まるのだ。

あたしは興奮と快感で足がガクガクして立っていられなくなり、お布団の上に仰向けに崩れた。伯父さまがあたしの身体にのしかかって来た。伯父さまはあたしの乳房を絞るように握り締め、揉んだ。そしてあたしの唇に口づけし、舌を滑り込ませて来た。
「ぶぶぐぶ」あたしは幸福感で痺れた。あたしも舌を出して伯父さまと舌の舐めっこをした。
伯父さまが口を離し、何か云いたそうにした。
あたしは(まずい!)と思った。「何も云わないで!やって!」あたしが伯父さまに命じた。
「コンドーム!」伯父さまが怒鳴った。
「今日はだいじょぶ。やってったらやって!」あたしも怒鳴った。こんな怒鳴り合うセックスってあるかしら?
伯父さまはあたしの股ぐらに膝を突き、膣口から滴る愛液を亀頭に塗りたくった。そしてずびずびずーっとデカ摩羅をあたしの体内に押し込んで来た。
「ひ〜い!」あたしが歓声を挙げた。どれほどこの瞬間を待ち望んでいたことか。

「由実、やっとキミとセックス出来た。嬉しいよ」腰をへこへこぐりぐりさせながら伯父さまが云った。
「それはこっちの台詞だわ」とあたし。
「え?」伯父さまの動きが止まる。
「何でもない。伯父さま?イかせてくれなかったら、この家出て行きますからね?」あたしが脅す。
「イかせたら?」と伯父さま。
「あたし結婚しないで、ずっと伯父さまと一緒」あたしがラブレターを送る。
「由実?伯父さんの養子にならないか?」伯父さまが腰をへこへこさせながら云う。
「え?何でまた?」あたしが目を白黒させる。
「キミが娘になれば『お父さん、やってっ!』って云ってくれるだろ?伯父さんは、『家族ばんざい』ってエロ小説のファンで、父娘(おやこ)の相姦に憧れてるんだ」
「なーんだ、そういうこと?」あたしが呆れた。「だったら今からでも、あたしたち親子になれるわ。お父さんっ、愛してるっ!」
「由実っ!お前は今日から父さんの女だ。ほかの男には惚れるな。いいな?」と、お父さんになり切った伯父さまが興奮してあたしの乳房を揉みしだき、腰をずりずりする。クリトリスが刺激される。
「あっはーんっ!愛してっ!お父さんっ!」あたしは身をくねくねさせてよがった。

「不思議だ。今日に限ってカッコー時計が鳴らんな」ふと伯父さまが云った。
「その筈よ」とあたし。「あれ止めといたの。また幻想で終わるといけないから」




前頁目次次頁


Copyright © 2015 Satyl.net
E-mail: webmaster@satyl.net