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04. どうせ死ぬなら腹上死 パート1

権藤金吾氏(65歳)は巨大企業の総帥として高名な人物であったが、寄る年波で息子・俊吾さん(38歳)に経営の大半を委譲していた。悪いことに持病の心臓病が悪化し、ペースメーカーの助けがあってさえも余命が危ぶまれる段階に差し掛かっていた。妻を早くに亡くしていた金吾氏は、息子夫婦と共に豪邸で暮らしていた。俊吾さんの妻・伶子さん(32歳)は慎ましやかな麗人で、きりりとした目鼻立ちの気品を感じさせる小振りの顔に、趣味のいい和装や洋装によって熟した色香を発散し、渾然とした魅力を発散させていた。

ある日金吾氏が、息子と嫁を書斎に呼んだ。
「聞いてくれ。わしももう長くはない。やりたいことは全てやったし、思い残すこともない。あと残されているのはどうやって死ぬかだけだ」
「そんな、お義父(とう)様!」伶子さんが口を挟む。
「わしは決意した。腹上死で死ぬのだ」厳かに金吾氏が云った。
「えーっ?」俊吾さんが驚く。
「んまあっ!」伶子さんが口に手を当てる。
「しかし、誰の腹の上でもいいというわけではない。わしは伶子さんの腹の上で死にたい」金吾氏がきっぱりと云った。
「ええーっ!」俊吾さんがたまげる。
「な、な、な、な…」驚愕のあまり、伶子さんが吃ってしまう。
「済まん。今の一言がどれだけ不謹慎、不道徳、言語道断で、お前たちの心をどれだけかき乱すものかということは心得ているつもりだ」と金吾氏。「しかし、わしの心は決まっている。お前たちが結婚して以後、わしはおくびにも出さなかったが、伶子さんに密かに道ならぬ邪念を抱いて来た」
「…」実の父の思いがけぬ言葉に、息子の俊吾さんが呆けたように顔を間延びさせる。
「!!!!」あまりにも想像を絶する義父の告白に、伶子さんの身体が凍り付く。
「恥ずかしい。しかし、事実だ。死にかけの老いぼれだから云えるのだ」金吾氏が絞り出すように云った。

「女は世間にうじゃうじゃいるのに、何で伶子なんです?腹上死するだけなら、何も伶子じゃなくたっていいじゃないですか?」俊吾さんが疑問を呈する。
「わしが伶子さんに横恋慕している理由は数々ある。容貌は勿論だが、物腰・態度・礼節など色々だ。伶子さんと二人切りなら、それらを並べ立ててもいい。しかし、伶子さんの夫であるお前の前では云いにくい」金吾氏が行った。「もう一つ、大事なことがある。わしはわしの望みを家族の中で解決したいのだ」
「?」俊吾氏が考える。
「わしが水商売の女を買って腹上死したらどうなる?」金吾氏が倅を睨む。「その女は週刊誌がオファーする金に目が眩んでべらべら喋るだろう。それはタイガー・ウッズの浮気事件の例で分り切っている。そんなスキャンダルにこの権藤コンツェルンを巻き込んでもいいのか?」
「とんでもない!」俊吾さんが青ざめる。
「水商売の女でなく、女優や堅気の女でも同じことだ。週刊誌に嗅ぎ付けられ、多額の金で釣られたら誰でも喋る」金吾氏が断言する。「信じられるのは伶子さんだけなのだ」

「し、しかし、無茶苦茶です。息子の嫁を抱きながら腹上死しようなんて!」俊吾氏が悲痛な声を挙げる。
「済まない。お前たちの精神的負担に対しては、遺言で相応の配慮をするつもりだ」と金吾氏。「それに免じて許して貰いたい」
「どういうことです?」俊吾さんが訝る。
「お前に経営の実権は委ねているが、わしの多くの財産がお前に行くかどうかはお前の考え一つにかかっている」と金吾氏。
「しかし、お父さんが亡くなれば、全ての財産は自然に私のもんでしょう」俊吾さんが口を尖らす。
「いや、そうではない。わしは遺言で権藤心臓病研究振興基金を設立し、大方の財産をそこに注ぎ込むよう指示することが出来る」
「えーっ?」俊吾さんがうろたえる。「そんな馬鹿な!」
「何とでも云え。わしの財産をどうしようがわしの勝手だ」金吾氏がきっぱり云う。
「恫喝です。脅迫です。卑怯な手口だ!」俊吾さんが息巻く。
「あなた…」そこへ伶子さんが口を挟んだ。「贈与については、お義父様の云う通りだわ。あなたは何も云えないわ」
「だからって、あんまりだ!」俊吾さんが悔し涙を流す。

「わしの我がままを聞いてくれたら、俊吾、お前に小金井カントリー・クラブの会員権を譲ろう」金吾氏が倅の顔色を窺うように云った。
「えっ?6,000万円の小金井の会員権を?」俊吾さんが驚く。俊吾さんはゴルフ気狂いである。
「伶子さんには一億円の小切手をプレゼントすることを考えている」金吾氏がさらっと云う。
「い、いち…」俊吾さんが吃る。
「んまあっ!」伶子さんが呆れる。
「どうだろう?二人で一週間ほど考えてくれまいか?頼む」金吾氏が頭を下げた。「たった一夜でいいんだ」
「そんな、一回でうまく腹上死出来るもんかな?」俊吾さんは懐疑的である。
「出来る。ちゃんと考えてある」と金吾氏。「バイアグラは心臓病患者には死をもたらすとされている。わしの主治医がバイアグラを処方してくれる筈はないから、アメリカから並行輸入で購入してある。それを服めば腹上死間違い無し」金吾氏が得意気に云った。

「まったくもう、何て親父だ」伶子さんと二人切りになった俊吾さんが息巻いた。
「…」伶子さんは白いレースのハンカチを揉みくちゃにして俯きながら考えている。
「お前に済まない」と俊吾さん。「こんな破廉恥な家に嫁に来たとは夢にも思わなかっただろう。申し訳ない」
「…」伶子さんは沈黙している。
「頼む。キミの実家にこのことは内緒にしといてくれ。権藤家の恥だからな」俊吾さんがうなだれる。
「あなた!」伶子さんが顔を上げ、夫に向き直った。「あなたさえ良ければ、わたし、お義父様のリクエスト受けようかと思って…」
「えーっ!キミーっ!」俊吾さんの目の玉が飛び出す。「本気か?」
「ええ」伶子さんは冷静である。
「おれはまた、キミは侮辱されて怒ってるもんだと思ってたが…」俊吾さんには訳が判らない。
「侮辱だなんて思ってません」と伶子さん。「お義父様は私に恋してるっておっしゃったじゃありませんか。恋されて嬉しくない女はいません」
「しかし、親父はキミの舅だ。キミは嫁で人妻なんだ。舅が息子の嫁に横恋慕するなんて不謹慎極まりない。それに、キミにだって貞節・貞操ってものがある筈じゃないか!」俊吾さんが妻を詰る。父親と妻の恋愛関係など認めたくないのだ。

「わたし、以前からお義父様が癌とか難病で床につかれる場合のことを考えていました」静かに伶子さんが切り出した。
「?」突然話題が変わったので俊吾さんが面食らう。
「嫁としてお義父様の看病をするつもりでおりました。どんなに大変でも…」
「親父の財力なら、二交代制の住み込みの看護士を雇えるがね」俊吾さんが割り切ったことを云う。
「でも、家族と看護士じゃ違いますわ。親孝行したいというわたしの気持ちも済みませんし…」
「そりゃ、キミが面倒見てくれるんなら親父は喜ぶだろう」
「癌だったら一年とか二年、難病だったら、五年とか十年かかるでしょうね」伶子さんが遠くを見つめるように云う。
「かもな」俊吾さんは仮定の話には興味がない。
「今度のお義父様のリクエストは、たった一夜、いいえ、多分一時間もかからないんです。こんな簡単に出来る親孝行を拒めるでしょうか?」
「な、なにーっ?」俊吾さんがたまげる。「キミ、看病とおまんこじゃ次元が違うだろーが!」

「あなた?どうして、わたしがたった一度お義父様に抱かれるのがそんなに嫌なんです?」伶子さんが真剣に尋ねる。
「当然じゃないか!どこに女房を親父に差し出す亭主がいるってんだ」俊吾さんが息巻く。
「そりゃ、愛し合ってる夫婦なら考えられないことでしょう。でも、あなたはこの一年間、おまんこどころか、あたしの手さえ握ってくれないじゃありませんか!」伶子さんが、この時とばかり不満をぶちまける。一年前から夫婦はそれぞれ別の寝室で寝るようになっていた。
「そ、それは…」俊吾さんが妻の逆襲にたじろぐ。
「わたしの身体はあなたには御用済みなんでしょ?」伶子さんが目を潤ませながら云う。「だったら、わたしの身体をリサイクルして、お義父様に親孝行して何がいけないんです?何故です?おっしゃって下さい」
「そ、そん…、し、しかし、むむ…」俊吾さんには答えられない。
「それとも、久し振りにわたしを抱いて頂けるんですか?それでしたら、わたしお義父さまのことは考えませんけど」伶子さんが夫の顔色を窺う。
「…分った。親父に親孝行してくれ」苦りきった俊吾さんが云った。
伶子さんが悲しそうに目を伏せた。

いよいよ権藤金吾氏のこの世で最期の日となった。伶子さんは、金吾氏の好みの食べ物で食卓を埋め尽くす晩餐を準備した。最後の食事であるからして、塩分も脂肪もコレステロールもふんだんに含まれた料理であり、金吾氏がこれまで控えていた健康に良くない食べ物が勢揃いしていた。
「おおお、これはまた王様の食卓みたいですな」金吾氏が目を輝かせた。「しかもわしの好物ばかり…」
「お腹一杯召し上がって下さいな」と伶子さん。
「今日はお祖父(じい)ちゃんの誕生日なの?」俊吾さんと伶子さんの娘・樹里奈ちゃん(12歳)が云った。
「ばーか、違うよ。蝋燭立てたケーキないじゃないか」と樹里奈ちゃんの兄・圭吾君(14歳)。
誕生日ではなく、実は権藤金吾氏の最後の日である。その夜、嫁とおまんこする舅、妻を父親に抱かせる息子、舅に肉体を差し出す嫁。三人は複雑な思いを抱きながら、最後の晩餐を済ませた。

妻を送り出す俊吾さんは、そわそわと落ち着かなかった。
「いいか?救急隊に腹上死を悟られてはいかん。精液の入ったコンドームは必ず親父のペニスから抜いて、持って帰るんだ」と俊吾さん。「ペニスもおしぼりで拭いといた方がいいかも知れん」
「分ってます」と白無垢姿の伶子さん。白無垢は伝統的に人身御供の衣装である。
「もしほんとに親父がキミの腹の上で死んで、キミが身動きとれなくなったら、携帯で知らせろ。飛んで行く」
「携帯は枕元に置いときます。身動き出来れば、お義父さまにちゃんと下着も寝間着も元通り着せてから戻ります」
「キミが戻ったら、すぐ119番する。起きて待ってるからね」早くも携帯電話を握り締めながら、俊吾さんが云う。
「あなた」伶子さんが畳の上に三つ指を突いてお辞儀した。「行って参ります」
「よろしく頼む」俊吾さんが妻を送り出した。

金吾氏の寝室の襖の蔭に人の気配がし、「失礼いたします」と声がかかった。
「ああ、どうぞ」金吾氏がちょっとかすれた声で返事した。
襖がするすると開けられ、伶子さんが軽く礼をし、つつっと室内に入ると、襖に正対して静かに閉め、向き直って改めて金吾氏に深々とお辞儀した。
掛け布団を半分剥いだ布団の上に正座していた浴衣姿の金吾氏は、伶子さんの挙措を食い入るように見つめていた。今生、最後の女。しかも、その女は倅の嫁である。金吾氏は自分の幸運に感謝した。世界のどこに公然と息子の嫁を抱ける舅がいるというのか。その嫁は楚々とした美人で、家柄も育ちも良く、学も修めている才色兼備の女性なのだ。金吾氏は嫁を抱くという我がままを通せる自分の富と権力にも感謝した。財閥を継承し、その富を五倍にも、十倍にもした実力と栄光があるからこそ、世の中は意のままになるのだ。「さ、早く来て下さい、早く!」金吾氏が、意のままになる望みの女を早く手にしたくて焦る。バイアグラ効果によって鋼鉄のように勃起した金吾氏のペニスは、びくんびくんと痙攣していた。
「お義父さま、夜は長うございますわ。そんなに焦らずとも…」静かに布団ににじり寄りながら伶子さんが云う。
「冗談ではない。バイアグラの副作用で、あなたに手も触れぬうちに死んでしまったら馬鹿みたいだ」金吾氏が伶子さんの両手を握り締める。「伶子さん、よくぞ…」金吾氏が何か云おうとする。
「お義父さま。わたし、覚悟して参りました。もう何もおっしゃらないで…」伶子さんが義父の手を外して立ち上がり、白装束の帯を解き出す。

伶子さんは白い着物をはらりと落とす。その下は白い腰巻一つ。素裸の真っ白い上半身に、二つの丸く豊かな乳房がぼろろんと曝け出された。金吾氏がごくりと唾を飲む。伶子さんは白い腰巻の帯を解き、それもはらりと落とした。
「えーっ?」金吾氏が驚愕した。伶子さんの股間はパイパンだったのだ。
「この日に備えて、レーザー脱毛して参りました。余計なことだったでしょうか?」伶子さんが義父の顔色を窺う。
「と、とんでもない!望外の幸せ!」金吾氏が吸い寄せられるように嫁の股の前ににじり寄り、だらしなく口を半開きにしながら伶子さんの真っ白な股間を見つめた。(パイパンのおまんこで腹上死か。それも一興)

全裸の65歳の義父が全裸の32歳の嫁を抱いた。金吾氏は、息子の嫁の身体のあらゆるところを撫で、舐め廻した。乳房、乳首は勿論、腹、臍、もっこりした恥丘、脱毛されたおまんこ。脱毛されているとはいえ、大陰唇にはうっすらと翳(かげ)が見える。小陰唇はやや褐色がかっている。(二人の孫を恵んでくれたおまんこなのだから、こうなって当然だろう)金吾氏は思った。嫁の割れ目を開く。「おおっ!」伶子さんのおまんこの粘膜は奇跡的にピンク色を留めていた。熟年女性だから淡いピンクではなく、かなり濃いピンク色だったが、真っ赤な粘膜よりは綺麗だった。金吾氏は嫁のおまんこをぺろぺろぺちゃぺちゃと舐め、クリトリスをつんつんした。
「あうーっ!あはーんっ!」伶子さんが切ない声を挙げる。久し振りの性感である。それも舐めてくれているのは舅であり、財界の大物である。伶子さんは、先ず金吾氏のペニスを舐めさせられるであろうと覚悟していた。嫁とはいえ、一億円の小切手を貰った以上、売春婦と変わりはない。金を出す客の云いなりになり、客の快楽に奉仕しなければならない筈だ。事実は逆であった。舅が嫁に奉仕している!

「お、お義父様っ!」伶子さんが首をもたげた。「わたしも舐めますわ!」
「おお、それはありがたい。冥途へのいい土産になる」金吾氏が布団の上で仁王立ちになった。
伶子さんは金吾氏の身体の前に正座し、金吾氏のペニスを両手で捧げ持った。舌を出しながら、伶子さんが口を開け、義父のペニスを口に含む。舌で義父のペニスの包皮の付け根周辺をぺろぺろし、濡れた口ですぽすぽする。
「あああーっ、いい気持ちだ。もう死んでもいい…」金吾氏が伶子さんの顎や頬を撫で廻しながら云う。
「お義父さま?」舅のペニスを一瞬外しながら云う。「まだ死んではいけませんわ」
「そうだった。あなたとおまんこしながら死ぬんでしたな。では、そろそろやりますかな」金吾氏が云い、嫁の唾液でびとびとのペニスを嫁の口から抜いた。
「これを…」伶子さんが云い、枕元からコンドームを取り出し、袋を破いて義父のペニスにくるくると巻き付けた。

死に至る性交。自らを殺害する行為には切腹や首つり、投身、服毒自殺などがあるが、どれも痛み・苦しみを伴うものばかりだ。腹上死で死ぬのは全く逆で、痛くも痒くもない。金吾氏が恐れたのは、トイレで死ぬ、浴槽で死ぬ、タクシーの中で死ぬ…などの馬鹿げた死に方であった。ゴルフ好きの金吾氏とすればホール・イン・ワンを達成して、歓喜のうちに死ぬのなら満足だったかも知れない。しかし、ダブル・ボギーで頭に来た時に死ぬなんてのは願い下げであった。突然死のどれもタイミングを見計らえない。そこで登場したのが、腹上死であった。これは自分でタイミングを作り出せ、しかも快楽の絶頂で死ねるのだ。人間に出来る最高の死に方と云える。

いよいよ金吾氏の人生最後の性交となった。伶子さんの真っ白い裸身の股を開かせ、その間に膝を突く。コンドームをかぶせたペニスを嫁の膣口に当てる。ぬるりずぶずぶっ!一気に舅と嫁の肉体が交わった。
「ああっ!あーん!」伶子さんが身体の空隙を塞がれた満足感、舅との相姦による興奮、性交相手が間もなく死ぬというスリル等によって、複雑な性感に戦(おのの)く。
金吾氏は上体を倒して伶子さんの裸身の上に覆い被さった。肘で体重を支え、女体との距離を狭める。舅と嫁の顔が限界を超えて近づく。金吾氏は嫁が夫に義理立てしてキスを許さなければ、無理強いするつもりはなかった。売春婦は身体は許しても唇はヒモ以外に許さないという話を聞いていたからだ。嫁は売春婦ではないが、舅の腹上死に付き合う嫁の義理マンに過ぎないのだから、拒まれても仕方がない。

一億円の小切手を貰った“売春婦”の伶子さんであったが、舅の接吻を拒む理由などなかった。自分に性的飢餓感を与えて平然としている夫への義理などなかったからだ。自分に道ならぬ恋情を抱き、自分の身体の隅々まで舐めてくれた舅は夫以上の存在であった。伶子さんは舅を誘うようにうっすらと口を開け、濡れた舌を蠢かせた。

伶子さんのサインは正確に受け止められた。金吾氏は嫁の口に吸い付き、その舌を舐め廻し、吸った。舅と嫁の唾液が混ざり合い、二人の口の端からだらだら垂れた。金吾氏が腰のぐりぐり廻しと、ずり上げ・ずり下ろしをする。
「ぶぐぶーっ!ばぐわーっ!」口を塞がれてままの伶子さんが、クリトリスの快感に身悶えする。
金吾氏は自分の心臓の状態を細心の注意でモニターしていた。心不全による突然死の瞬間は、当人にとっても予測不可能である。だが、射精前に心臓が停止したら、それは腹上死ではあるが、射精の絶頂感抜きの死であるから、いわば早漏と同じである。それは金吾氏の望むものではなかった。射精と同時に心臓が停止する。それが理想であった。

美しい嫁を組み敷いた金吾氏は、嫁にも絶頂感を与えて死にたかった。金吾氏は腰を落とし、ペニスを上向きにして嫁の体内を突き上げる。
「ぐわーっ!」Gスポットを直撃された伶子さんがよがる。伶子さんのおまんこからどくどくと愛液が溢れる。
金吾氏は浅いペニスの抜き差しを繰り返した後、ぐいーんっ!と伶子さんの子宮口目掛けてペニスを突き出す。
「わぐわーんっ!」ポルチオ性感を得た伶子さんが身をのけ反らす。
金吾氏は若い嫁の肉体をまさぐった。乳房を揉み、絞る。尻を撫で、ぴたぴた叩く。指先でクリトリスを刺激する。
「あうあうあうあっははーんっ!死ぬ〜っ!」舅より先に伶子さんが死んだ。

バイアグラの効果は絶大で、金吾氏はその後何度も伶子さんを絶頂に導いた。金吾氏は犬の体位を始め、女性上位や覚えている限りの四十八手を使い、身体の全てを総動員して伶子さんを攻めた。金吾氏は汗だくだった。舅の腹上死を待って耐えている伶子さんは数え切れぬほどイき過ぎてもうヘトヘトだった。

「只今戻りました」乱れ髪を撫で付け、無造作に白無垢を大雑把にまとった伶子さんが、夫婦の部屋に戻って来た。
「やけに遅かったじゃないか」待ちくたびれた俊吾氏が口を尖らす。「で、死んだか?」俊吾氏の指が携帯のキーを押しかける。
「いえ」疲れ果てた伶子さんが呆けたように云う。「まだぴんぴんしてます。お義父様の心臓もペニスも…」
「えーっ?ど、どういうことだ」俊吾さんが呆れる。
「バイアグラの効果は凄いんですけど…」伶子さんが云いかける。
「へえ?」バイアグラを試したことのない俊吾さんが好奇心を抱く。
「お義父様に副作用が出ないんです」
「なんだって?」
「わたし、二時間もおまんこされて疲れちゃって」目の下に隈を作った伶子さんが云う。「まだ射精してないお義父様に悪かったんですけど、明晩続きをするということで帰して貰いました」
「続きだと?冗談じゃない。一晩、それも一時間という話だったぞ!」俊吾さんが反論する。
「だって、お義父様はまだ射精してないし、お亡くなりにもなってないんですよ?!」伶子さんが力説する。「このままにはしておけません!」
「いや、だめだ。親父とキミが毎日おまんこするなんて許せん」俊吾さんが宣言した。

再び三者会談が持たれた。
「父さん、もう駄目です。腹上死は諦めて下さい」俊吾さんがきっぱりと云った。
「済まん。お前にも伶子さんにも申し訳ないと思っている」俯き加減に金吾氏が云う。
「私に隠れて二人でおまんこするのも許しません。いいですね?」俊吾さんがだめ押しをする。
「俊吾。お前に廣野ゴルフ倶楽部の会員権をやろう。もう一度頼む。伶子さんとやらせてくれ」
「まーた。廣野が世襲を認めないことぐらい知ってます。駄目です」俊吾さんはにべもない。
「お前、おれをみくびってるのか?おれは廣野の理事を全員知ってるんだ。どうにでもなる」説得するように金吾氏が頷く。
「ほ、ほんとですか?」世界的に有名なコースの会員になれる可能性に俊吾さんの心がぐらつく。「でも、また死ねなかったらどうするんです?父さんと伶子がずるずると毎日おまんこするなんて嫌です。伶子が誰の女房か判んなくなっちゃう…」
「大丈夫。今度は硝酸薬を併用する。絶対死ねる」金吾氏が請け合う。
「ショーサンヤク?何です、そりゃ?」俊吾さんが尋ねる。
「ニトログリセリンのことだ。これとバイアグラを併用するのは最も心臓に悪い」
「この家が爆発したりしないでしょうね?」
「まさか」金吾氏がにっこりした。

その夜、また舅と嫁は全裸で絡まり合い、おまんこした。金吾氏が嫁の豊かなおっぱいをしゃぶりながら、腰を廻してクリトリスを刺激する。
「あっあっ、あうっあうっ」伶子さんがよがる。
金吾氏が嫁の体内奥深くにペニスを突き上げる。
「ぎゃああーっ!」伶子さんは死んだが、金吾氏は死ななかった。

「お義父さま?」生き返った伶子さんが舅の鋼鉄のように固く燃えるように熱いペニスを握りながら云った。
「なんだい?」伶子さんが息子の嫁というより自分の娘のように思えて来た金吾氏が云う。
「わたし、お義父様に死んでほしくありません」伶子さんが真摯に云った。
「なに?」金吾氏が戸惑う。
「わたし、お義父様が好きになってしまって…」伶子さんが金吾氏に身体をすり寄せ、舅の唇にキスする。
「あははは」金吾氏が笑った。「いまあなたが握っているものが好きになったんでしょう」
「んまあっ!」図星を指されて伶子さんの顔が赤くなる。
「どれ。もう一度あんたに死んで貰って、今度はわしも一緒にあの世に逝きたいものだ」金吾氏が嫁のおまんこにペニスをぶち込む。
「はーれーっ!」伶子さんが黄色い声で歓声を挙げる。
金吾氏が嫁の両脚を抱え上げ、最大限ペニスを嫁の体内深く突き刺す。
「むぎゃああっ!」伶子さんが死んだ。

「これで本当に最後だ」また三者会談の席で金吾氏が云った。「今度はオーガスタ・ナショナルの会員権だ」オーガスタ・ナショナルは有名なマスターズ・トーナメントが開催されるコースである。
「やめて下さいよ!」俊吾さんが突っぱねる。「マイクロソフトの会長ビル・ゲイツだって申し込んで十年も待たされたんです。父さんぐらいの財力じゃ無理ですって」
「もう一回だけ」金吾氏が息子に手を合わせる。
「あなた!お義父様の最後の頼みなんですよ?」義父とまたおまんこしたい伶子さんも口添えする。
「駄目ったら駄目!」頑なに俊吾さんが突っぱねた。「バイアグラもニトログリセリンも効かなかったじゃないですか。父さんは不死身なんです。腹上死は諦めるんですな」
金吾氏は何も云えず、力なくうなだれた。もう打つ手がなかったからだ。
伶子さんも唇を噛んだ。義父との性交のチャンスが閉ざされてしまったからだ。




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