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02. 霞ちゃん

13日の金曜日が過ぎたある日、勝君の携帯電話に女の声で電話がかかって来た。
「調査の報告をさせて頂きたいと思います。午後7時に渋谷でお会い出来ますか?」
「結構。仕事を切り上げて行きましょう。場所は?」と勝君。
「取り敢えず渋谷に向かって下さい。またお電話いたします」と女。
何度かの電話のやりとりの後、勝君は渋谷区道玄坂上の連れ込みホテル群の一角に誘導されていた。
ベルが鳴り、また女の指示が届いた。
「『可茂女(かもめ)』というホテルに入って6号室のドアをノックし、『服部です』と名乗って下さい。では」
可茂女はすぐ見つかった。
「服部です」
ドアが開いた。室内には誰も見えない。勝君が後ろ手にドアを閉めると、ドアの蔭に潜んでいた女が進み出た。忍者装束ではない。
「裏柳生師範代・霞(かすみ)と申します。おいで頂き、ありがとうございました。ここには隠しカメラも隠しマイクもありません。世界一安全なところです」
15年前、やくざ組織・関東更正会桃組の組長・桃太郎と結婚した霞ちゃんも、今では35歳となって、ボーイッシュな風貌に女盛りの色っぽさを加えていた。二人の子供の母親となってはいたが、いまだに厳しいトレーニングを自らに課すことによって理想的な体型を保ち、敏捷な現役くの一として活躍していた。この連れ込みは関東更正会桃組が所有する建物の一つだった。

「先ず、これをお飲み下さい。味がお気に召すかどうか分りませんが」と霞ちゃん。
「何ですか、これ?」勝君は渡されたウィスキーのポケット瓶を見つめる。
「御覧のように蓋は開いていません。新品です。安心してお呑み下さい。これは経費に計上しておりません」
「ボーナス全部ふんだくっておいて、何を云ってる」勝君がぼやく。
「まあまあ、大伴財閥ともあろうものが何をおっしゃいます」と霞ちゃん。
「おれは一介のサラリーマンなんだ。親の金は使ってない」
「失礼しました。ともかく、一口お呑みになったら報告をさせて頂きます」
「そんなショッキングな内容なの?」勝君は瓶の蓋をねじ切って開け、一口呑む。

「服部一族の儀式とは近親乱交です」と霞ちゃん。
「ウプッ!」勝君は口に含んでいたウィスキーを吹き出してしまった。「何だって?」
「服部真蔵氏と園子夫妻は、毎月五人の子供たちを集め、父子相姦、母子相姦、兄妹相姦を繰り広げているのです。服部真蔵氏が当夜漏らした言葉によれば、あの儀式は20年も前から行なわれているそうです」
「父子相姦というと?」
「はい。真蔵氏は真希さんや真弓さんと交接し、園子夫人は真一さんと交接、真次さんと真理さんは兄妹で交接していました」
「交接って?」と勝君。
「おまんこです」
勝君はぐびぐびとウィスキーを呑んだ。
「お役に立ったようですね」と霞ちゃん。

「証拠はあるんだろうね」
「ボーナス全部支払って頂くんです。当然でしょう」霞ちゃんは封筒に入っていた写真をベッドにぶちまけた。照明無しの超高感度撮影で、X線写真のように白黒だが、X線写真と違うのは写っているのは骨ではなく肉体であり、当然顔の見分けもつく。勝君は食い入るように見つめた。義父・服部真蔵氏が寝そべっていて、その顔の上にしゃがんでいる次女・真弓さん(29歳)のおまんこを舐めている。真蔵氏のペニスには勝君の妻・真希さん(30歳)がまたがって喜悦の表情を浮かべている。勝君はわななく指先で写真をめくった。次は次男・真次君(24歳)と三女・真理ちゃん(20歳)の兄妹相姦である。勝君はまたウィスキーを呑んだ。次の写真は長男・真一君(34歳)が実母・園子さん(55歳)に覆いかぶさっておまんこしている姿だった。

これで謎が解けた。“儀式”でたっぷり禁断のセックスに満腹すれば、帰宅して旦那や女房とのありきたりのセックスなど拒否する筈である。何が繁栄と発展を祈願する儀式だ!近親相姦の儀式じゃないか。20年前と云えば、妻・真希さんは10歳だ。その頃から父子相姦、兄妹相姦をしていたのだろうか?だとすれば、勝君はとんだ“お古”のおまんこと結婚したことになる。ふざけやがって!勝君は他の写真も見た。真希さんは真一君とも真次君ともやっていた。しかし、やはり実父・真蔵氏にまたがっている写真が一番刺激的だった。妻が父のペニスによって快感を得て歌い上げるそのソプラノのよがり声が聞こえるようだった。勝君のペニスは興奮して勃起していた。

「失礼します」霞ちゃんが云い、勝君からウィスキーの瓶を取り上げ、ごくごくと呑んだ。彼女は勝君の首に両手を廻し、勝君にキスした。霞ちゃんの口からウィスキーが自分の口内に注ぎ込まれて来る。ウィスキーには彼女の唾液がミックスされていて、セクシーだった。勝君はごくごくとウィスキーを呑み下し、霞ちゃんを抱きしめた。霞ちゃんは片手で勝君の股ぐらに手を伸ばし、ズボンの上から勃起したペニスを撫でた。
「や、やらしてくれ!」勝君が云った。
「どうぞ、御存分に。アフター・サービスということで」と霞ちゃん。

勝君は霞ちゃんをベッドに押し倒し、スカートに手を突っ込んで彼女のパンティを引き抜いた。震える手でズボンを脱ぎ、下半身を剥き出しにすると霞ちゃんに躍りかかってずぶりとおまんこした。それは怒りのおまんこだったから前戯もくそもなかった。勝君の目の前に服部家の乱交の写真が多数ぶちまけられている。勝君はそれを見ながら、乱暴に霞ちゃんのおまんこを攻め上げた。
「わああーっ!」勝君が果てた。
霞ちゃんは終始勝君の背をやさしく撫でさすっていた。依頼主のショックと怒りを十分理解していたからだ。




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