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04. ロリ症候群

勝君が由加さんに「うちの純(9歳)と愛(8歳)が、ひょっとしたら真希の父・服部真蔵氏か兄・真一君の子供かも知れないと思って疑心暗鬼になっている」と語ったのは事実だった。

服部家の儀式は真蔵氏の代で20年前から行なわれている。真希さんが10歳の時ということだ。当時28歳の服部真蔵氏と、14歳だった長男・真一君は、少女の真希さんとやったに違いない。

真希さんが独身時代は、男たちは細心の注意で彼女が妊娠しないように配慮しただろう。しかし、結婚して、いつ妊娠しても問題ないとなったら、注意がおろそかになって来る可能性はある。(連中が近親相姦の結果出来た子供をおれにおしつけて、ほくそ笑んでいるということだってあり得るのだ)そこまでコケにされたら、いくら勝君でも黙ってはいられない。DNA検査をするか?しかし、そうなったら、勝君が妻・真希さんの貞操を疑っていること、さらには服部家の儀式の秘密を知ったことがあからさまになってしまう。それは時期尚早だった。

息子の純君は大きな目、豊かなおでこと頬、大きな唇など、明らかに母親の真希さんの面影を顔に宿している。それらは服部家の一族に共通する特徴だった。愛ちゃんは勝君に似ているところもないではないが、服部家の顔立ちに似た部分の方が断然多い。それが母親から受け継いだものか、真蔵氏と真一君から受け継いだものか、そこが問題だ。

10歳と云えば愛ちゃんの二年後である。勝君はぞっとした。服部一族はその二年を一日千秋の思いで待っているのではないか?愛ちゃんが10歳になったら儀式に加えるのではないか?純君はいま9歳で、来年お呼びがかかるかも知れないが、勝君は純君のことは心配していなかった。男の子はどうでもいい。愛ちゃんの処女を真蔵氏か真一君に奪われるのだけは口惜しい。何としても、それは防ぎたかった。

勝君の心の中で変化が起きた。愛ちゃんが自分の子ではないかも知れないと思った時から、自分と愛ちゃんの間に距離が出来、愛ちゃんが一人の少女に見えて来た。また、愛ちゃんの処女性について考えをいたすと、必然的に彼女のおまんこのイメージが目に浮かんで来る。次第に、勝君の頭の中で愛ちゃんの可愛いおまんこが強迫観念となって行った。

「おい、忍者の報告、お前も知ってるんだろ?」勝君が茂君に尋ねた。いつもの行きつけのナイト・クラブである。人払いしてあるので何でも話せる。
「調査員は調査結果を他に漏らしたりしないもんだよ」と茂君。
「うそつけ。あんな色っぽい忍者とツーカーなら、寝物語に調査結果も聞けるはずだ」
「そりゃ、義兄(にい)さん、考え過ぎってもん…」と茂君が云いかける。
「義兄さんはやめろ。聞いたんだろ?」と勝君。
「…聞いたよ」と茂君。
「ほらみろ」

「しかし、おれは近親相姦について偏見はないね」と茂君。「いくつも実例を見て来たからな」
「ほんとか!」
「ああ。みな、睦まじい家庭を作ってた。近親相姦は家庭円満の秘訣であり、“一族の繁栄・発展”を願う儀式ってのも分るよ、おれ」
「お前、服部家に味方すんのか?」と勝君。
「一般論だよ」と茂君。

「でもな。20年前ってえと真希は10歳だ。そんな少女を引き込んで家庭円満ってありかい?」
「その少女が陰鬱な自閉症になってしまえば犠牲者だろうけど、立派なオペラ歌手になって、家庭のいい奥様にもなってりゃ問題ないじゃないか」と茂君。
「服部家の男たちはロリコンの気があったってわけだ。10歳の少女とやるなんて」と勝君。
「ロリータもいいもんだよ。いたいけな身体を抱いて、きついおまんことやってみろ、病み付きになるぜ」
「お前!やったことあんのか!」
「あるどこじゃない。中学の頃からで相手は5歳、7歳、8歳、10歳、11歳、12歳…」
「もういい!」勝君が遮る。勝君は急に茂君が妬ましくなった。いままで、ビジネスの経歴も手腕もおっつかっつだと思っていたが、セックスについては茂君の方が数段上手(うわて)なのだった。

茂君の近親相姦是認説とロリータ礼賛は勝君に影響を与えた。その夜以来、勝君の頭には8歳の愛ちゃんとセックスする妄想が溢れた。食卓でもどこでも、まともに愛ちゃんを見据えることは出来ず、部屋を出入りする愛ちゃんの姿だけをちらちらと垣間見ていた。床につくと、愛ちゃんの身体を撫でさする想像に興奮し中々寝付けなかった。愛ちゃんの平らな胸、ぷくんと出たお尻、細くすらりと伸びた脚。それらが憧れの的になってしまった。そして、勝君は決意した。

「おれは愛とやる!服部家に愛の処女は渡さない。おれが先だ。おれが愛とおまんこする最初の男になるんだ!」




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