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11. 告白

例のナイトクラブ。茂君に勝君が近況報告をした。

「おい、55歳の女性とやったぜ。お前の云う通り、お袋とやってるみたいで、なんかこう背徳的快楽を味わったよ」
「本当の近親相姦は背徳的なもんじゃないよ。家族愛だからな」と茂君。
「ふーん?」確かに、娘の愛ちゃんとのセックスが背徳的だと思ったことはなかった。由加さんや真澄ちゃんらは親戚ではあるが、血は繋がっていないから近親ではなく、後ろめたい思いは全くなかった。もし、愛ちゃんが自分の子でなければ、実際には勝君は一人の近親とも交わっていないことになる。

「義兄(にい)さん、何考えてんだ?」
「義兄さんはやめろつったろうが」
「何か悩んでるね。当ててみようか?」と茂君。
「当たるもんか!」
「お前、ほんとのお袋さんとやりたがってる。そうだろ?」
「バカ!」勝君が怒鳴る。
「シーっ。大声出すなよ。外れかい?」
「当りだ。口惜しいが」勝君が認めた。

「おれとお前の仲だから云うが…」と茂君。「絶対口外するなよ。おれはお袋とやった」
「何だって?」
「正確には過去形じゃない。実はいまでも時々やってる」
「お前!」
「やり始めたのはおれが中学の頃だった。おれの筆下ろしはお袋でだった。おれもお袋も数えきれないほどの相手とやって来たけど、いつも関係は絶やさなかった。おれはお袋に『梅干し婆さんになってもやってやる』と約束し、それを守ってるんだ」
「…」
「びっくりしたか?」
「お前が近親相姦を弁護する意味がやっと分ったよ」と勝君。「しかしお袋相手に立つもんかい?おれ、これまでお袋の近くにいて立ったことなんかないぜ?」
「考え方の問題だよ。今のお前はお袋さんを性の対象として見てる。絶対立つ」
「そうかな?」

「お袋とやるってのは感慨深いもんだよ」と茂君。「自分がこの世に出て来た産道にペニスをぶち込むんだからな。母親のおまんこの中にも外にもおれがいるような気がする。何かこうメビウスの輪みたいなもんで、自分がどっちにいるのか分らなくなっちゃう。だから、自分が生まれたおまんこに射精するってのは、特別なもんなんだ」
「ふーん?」
「お前のお袋さん、いくつだっけ?」
「52だ」
「若いな。いまのうちにやれよ。やらして貰えよ。60や70になったら手遅れだぜ」
「マジで云ってんのか?」
「大マジだよ」
「どうやってやりゃいい?」と勝君。
「知るかよ。頼んでみたらどうだ?」
「バカ」




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