1. おれおれまんこ
男がぬっと入って来て茶の間に座った。おばさんの年齢に近く、中肉中背、やや遊び人っぽい寅さん風の服装をしている。
「あら、どなた?」台所から出て来たおばさんがびっくりする。
「おれだよ、おれ。忘れちゃやだなあ」
「昔下宿していた学生さんじゃないし、遠い親戚かしら?」
「親戚じゃないよ。おれだよ、おれ」
「幼馴染みの誰かね?」おばさんが考え込む。
「もう、忘れっぽいんだから。おれだったら。あ、久し振りで乾杯しようや。ビールない?」
「お酒おいてないんです。お茶あげましょうか?」
「お茶けかい。いらないや、お茶なら」
「何か、御用なんですか?」
「久し振りだから会いに来たんじゃねえか。御用ってわけじゃねえよ」
「でも、あたしあなたのこと覚えてません」
「しようがねえなあ」男はおばさんにぐいっと顔を近づけ、「ほら、見覚えあんだろ?」
「いいえ」
「まったく、冷たいひとだね。これでも思い出さない?」と男はおばさんを抱く。
「何するんです!大声出しますよ!」
「出しゃあいいじゃねえか。恥かくのはあんただぜ。昔はいい仲だったのに、忘れて大騒ぎしたら世間の物笑いだ」
「あたし、いい仲だった人なんかいませんよ」
「まーた、とぼけちゃって。これなら、どう?」男はおばさんにキスした。
「あなたとキスした覚えはないわ」
「あんたの脳味噌はおれのことを忘れたかも知らんが、あんたの身体は覚えてるはずだ。これなら、どう?」男はおばさんの着物の脇から手を入れておっぱいを揉む。「ほれ、思い出しただろ。おれだよ、おれ」
「何も思い出さないわ」
「よーし。じゃあ、こうだ」男はジッパーを下ろして一物を引っ張り出すと、おばさんの着物の前を割った。
「きゃあ!止めて!」
「しょっちゅうやってた仲じゃねえか。いまさら恰好つけるない」
「あたし、しょっちゅうやってた人なんかいません!」
「あんた、いつもひいひい云ってたの忘れたんか?あんたの身体に思い出させてやる!」
男はおばさんのおまんこにずっぷり入れた。
「どうだ?おれだよ、おれ」
「覚えてないわ」
「弱っちゃうな、こうとぼけられると」男はやりながら頭をかいた。
そこへ茂君がやって来た。
「お母ちゃん、誰とやってんの?」
「それが分らないのよ。おれだよって云うだけで」
「へえ、誰だか分んない人とやってんのか。強姦されてるわけじゃないよね?ぼく、バット持ってるから、強姦だったら云ってね?」
「坊や、乱暴は止めてくれよ。これは久し振りでやってるだけで、強姦なんかじゃねえよ」男は仕上げを急ぎにかかる。
「あ、待って。ゴムつけてくれなきゃ」とおばさん。
「ゴムなんかつけてられっかよ、この際」
「おじさん。お母ちゃんはどこの誰か分んない人の赤ん坊生むわけにいかないじゃないか。ゴムつけないんなら、バットだよ」
「ちょ、ちょっと待って。つけるよ、つけますよ」
「薬屋の次男の慎ちゃん。当りでしょ!」とおばさん。
「違うよ。おれだよ、おれ」と云いながら、男はおまんこを再開する。
「雑貨屋の長男の俊ちゃん」
「違うなあ」
「魚屋の、むむーん、三ちゃんかな?あーん、ああん」おばさんは喘ぎ出す。
「おれだよ、思い出してくれよ」
「あっ、あっ!むー、じゃあ、鍛冶屋の息子の、むむむ、ああ、次郎ちゃん」
「近い。思い出して来ただろ。それそれ」
「あはーん。鍛冶屋の裏には乞食が住んでたけど、あああーん」
「おれ、乞食の子じゃねえよ。思い出せ、それそれ」
「あああ。むーんむむうぐぐ。イクーっ!」おばさんが叫ぶと、男も「おれもだーっ!」と云いながらどばずびどばずびと射精した。
「ああ、やっぱ来てよかったよ、良子ちゃん」と男が云った。
「あたし、良子じゃありませんよ」とおばさん。
「えっ?違うの?」男は急に起き上がると、使用済みゴムをゴミ箱に投げ込み、ジッパーを上げてそそくさと出て行った。
「お母ちゃん、あの人やり逃げだよ」と茂君が云った。「しかし、うまいねえ。結局正体見せないでやっちゃうなんて。女の人って簡単にやらせるんだね」
「茂。誰にも云っちゃ駄目よ。恥ずかしい」
「ぼくもやってみようかな。お母ちゃん、おれだよ、おれ」茂君が母親にのしかかる。
「馬鹿にしないでよ、もう!」
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