[banner]


17. みんなでやれば恐くない

茶の間におばさん一家、叔父さん一家が集まってべちゃくちゃやっている。何やらセックス・フォーラムのような話の展開だった。

「そら男の方がスケベや。決まってるがな」と叔母さん。「吉原だ、赤線だ、キャバレーだ、おさわりバーだ、ソープランドだ、風俗だ、エロ写真だ、みんな男のためのもんや。女のもん、ほとんどあらへん」
「スケベというより、異常よ」と麗奈ちゃん。「XXXサイトとかいって、女性のヌード写真や猥褻画像が一杯あるの。女性の裸やセックスの写真見て興奮するなんて、人間の男だけよ。雄牛が、雌牛の裸の写真見て興奮なんかしませんよ」
「牛や馬はいつでも裸じゃないですか!」と茂君。「それに犬や猫だって鏡に映る自分を見て唸ったりしませんよね。連中は匂いのする実物しか認めないわけでしょ。人間は高等動物だから、写真や絵画、彫刻、小説など抽象的なものでも、さながら実物のように想像力を逞しくして興奮できるわけですよ」
「ちょ、ちょっと、茂君」と叔母さん、「ほな、女性は高等動物じゃない云うのんか!」いささか気色ばんでいる。

「私、小説や音楽でだって興奮するわよ」と麗奈ちゃん。
「もちろん、男も女も高等動物です。でも、女性って、抽象的なものより、触ったり、触られたり、吐息とか囁きとか、具体的なものの方に反応しやすいんじゃありません?」
「同感や、茂君。古今の作家や絵描きもおおむね男やしな」と叔父さん。
「お祖父さん」と浩二君が云った。「女性の作家や画家、音楽家も存在しますよ」
「『おおむね』云うたやないか」
「小父さん、女を馬鹿にするんならもうやらしてあげないよ」と幸ちゃん。
「そ、それは困るがな!馬鹿になんかしてへんよ!」と叔父さんが慌てる。

「しかし、お祖母さん」と浩二君。「男がスケベでなかったら、困るんじゃありませんか?男性が女性のように月に一回しか発情しなかったら、女性がセックスを楽しめる回数も激減ですよ」
「そうや」と叔父さん。「その時にうまく妊娠できなんだら、人口は減る一方で、人類滅亡の危機や。男がやたらに発情するのは自然の摂理や」
「あたし、年中発情してる。これって、ヘン?」と幸ちゃん。
「あなたは特別よ」とおばさん。「あなたのお祖母さんからの遺伝ね、きっと」幸ちゃんのお祖母さんは80数歳で最近腹上死したのだ。それも茂君の上で。
「なんまんだぶ」と叔父さん。

「でも、浩二君」と麗奈ちゃん。「男の人って、どうして沢山の女性とやりたがるわけ?一人で満足できなきゃ、やっぱりスケベよ。好色よ」
「理性で抑え付ければ一人の女性で充分。普通に結婚した男性はそうしてるでしょ」と浩二君。「でも、そういう人たちも一皮向けば動物と同じで、機会と条件さえ整えば一人でも多くの女性とやりたいと思っている。これは実は雄(おす)の本能なんだ。健康的で美しい女性に種をつけて、より多くの優秀な子孫を残したいわけ。本能だから、これはどうしようもない」
「浩二君」と叔母さん。「都合がええ本能やな?」
「お祖母さん」と浩二君。「じゃあ、女性が生理の前にやたらにやりたくなるのをどう説明します。あれだって、妊娠に最適な時期に男を迎えようという本能ですよ」
「あたし、まだ生理ないけどやたらやりたいの。これって、ヘン?」と幸ちゃん。
「あほ!」と茂君。
「あほちゃいまんねん、ぱーでんねん」と幸ちゃん。

「それに、男性が女性の身体に好奇心をもって、乳房やおまんこや、女性の身体中を触りたがるのも、男がスケベというより、自然の摂理であってよくできていますよね」と浩二君。「それが前戯になって、女性は愛液を分泌する。それが女性のおまんこを守る。乾いていたら怪我してしまいますからね」
「大体やな」と叔父さん。「『男はスケベ』やとか云うてるが、触られて、やってもろてひーひー喜ぶのはどこのどなたはんやねん。寝っ転がって、なんもせんくせに」
「お祖父さん」と麗奈ちゃん。「私、そんな受け身じゃありませんよ」
「あ、あんはんは別や」
「そうだね」と茂君。
「そうそう」と浩二君。
「なによ!なんか云いたげね」と麗奈ちゃん。
「いえいえ」と男性陣。

「男性のセックスって、単調なのよ。だから私、主導権を握りたくなるの」と麗奈ちゃん。
「単調かなあ?」と茂君。
「ただ激しく入れたり出したりすりゃ、女性が気持良くなるって誤解してんのよ」と麗奈ちゃん。「子宮口に届くような体位を選ぶとか、クリトリスとGスポットを同時に触れてくれるとか、もっと高等技術を使って貰いたいもんだわ」
「Gスポットって、なーに?」と幸ちゃん。
「うーん、口で説明するのは難しいな」と云った麗奈ちゃんは、いきなり幸ちゃんのスカートをまくると、パンティを片側に寄せて、幸ちゃんのおまんこに指を入れた。普通の家でこんなことをしたら狂人扱いだが、この親密な両家族はメンバー全員が交わっているので、何ら問題はない。幸ちゃんも顔色一つ変えなかった。
「えーっと、この辺」
「あはーん!」
「ここよ、これがGスポット。Gで始まる難しい名前のドクターが発見したんだって」

「麗奈。うちもおぼろげに知っとるんやけど、念のため、確認させて貰えへんやろか?」叔母さんは自分で着物を割ってノーパンの下半身を露出させた。
「いいわ。んーと、ここ!」
「あはーん!」
「麗奈さん」とおばさんもおまんこを曝け出す。「あたしもお願い」
「はいはい。ここ、です」
「あはーん!」
Gスポットの在り処が分った女性たちは、自分でそこをいじくり、ひとしきり「あはーん!」の合唱となった。

「麗奈、子宮口に届く体位ってどないなもんや?」と叔父さん。
「これも口では説明できないわ、お祖父さん。実際にやってみましょ?」
二人は手早く着ているものを脱いだ。全員が注目した。麗奈ちゃんは仰向けに横になって、お祖父ちゃんに指示する。
「先ず、ペニスを入れて、私の両脚を抱え、高く上げるの。そうそう。私、まだ興奮していないけど、興奮して来ると子宮口が下がって来るので、お祖父さんのペニスでも充分届くわ。これが、最高なのよ」叔父さんは子宮口に届かせるべくピストン運動を開始した。

“最高”と聞いては幸ちゃんも黙っていられない。
「お兄ちゃん、一寸やってみて?」と裸になる。茂君も裸になって、幸ちゃんの股の間に位置する。
「お前、もう濡れてんのか?」
「Gスポットとクリトリス一緒にいじったら、もうびとびと」
二人も隣りの祖父と孫娘の体位を真似る。

「浩二さん、お願い」おばさんが頼み、二人とも裸になる。

「なんや、うちはみそっかすかいな。男が一人足らんよって椅子取り競争みたいや。しもたなあ!口惜しなあ!」

そこへ8歳の少年、健ちゃんが現れた。
「あ、いいとこへ来た。健ちゃんでもええわ」
「小母さん、いま何て云ったの?『健ちゃんでも』?」
「ちゃうで。『健ちゃんもええわ』云うたんや」と云いつつ、叔母さんも裸になる。「健ちゃん、みんながやっとる姿勢が女泣かすに最高なんやて。やってえな。早う、泣かせてえな!」
「オッケー、小母さん。実はね、最近ぼくママとやってるんだ。ママを泣かせてるんだぜ」
「まあ!」叔母さんは感動して健ちゃんに抱きついた。

健ちゃんのペニスが叔母さんの子宮口に届くかどうかは疑問だが、こうして、セックス・フォーラムはにわかにセックス・ワークショップに変貌した。あちこちで「ひーひー!」、「あーん!」、「むぐーん!」と女性たちが泣き叫んだ。麗奈ちゃんのアピールが実を結び、女性陣はいつもよりスピーディに昇天した。

一回イった人々は順にパートナーをチェンジした。麗奈ちゃんは、次のパートナーにもちろん健ちゃんを選んだ。叔父さんと幸ちゃんがやり始める。茂君とおばさん、浩二君と叔母さんが組合わさった。各ペアともディープ・キスでプレイを始め、その時だけエロティックな沈黙が部屋を支配した。丸裸の八人は絡み合い、上になり下になってのたくった。室内はむんむんむれむれの蒸気が立ちこめ、ひとびとは愛液と精液の匂いの中毒になりながら、禁断のセックスに酔い痴れた。またもや女性陣は効率よく絶頂に達した。

「あぐぐあごーん!」、「むぐむぐぐひひーん!」、「あおーん!あおーん!」、" I'm comiiiiiiiiiiiiinggg!"

おかげで男性陣も長時間の重労働に携わることなく、早々に精液を発射できた。誰もが満足だった。




前頁目次次頁


Copyright © 2004 Satyl.net
E-mail: webmaster@satyl.net