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8. パリは燃えているか?

「まあ、聞いとくれやす」と叔母さんが云った。おばさんの茶の間で、おしゃべりのひとときである。

「うち、ずっとあんはんが羨ましかったんや。実の息子とやり、実の娘とも楽しんではるやろ。うちも仲間に入れてもろたんやけど、うちはあんはんらと血ぃ繋がってまへん。みそっかすやった。楽しかったけど、近親の輪の中には入れまへんやった。

そこへ、こないだの次男一家や。次男と嫁、息子1人に娘2人、アメリカからはるばる来て、家に一週間滞在してくれた。うち、次男にあんはんらの家庭事情話したんや」
「叔母さん!うちの家族のことは秘密にしておいてくれないと!」とおばさん。
「まあ、仕舞いまで聞いておくんなはれ。あんはんらの近親相姦聞いた次男がや、『おかん(お母さん)!わいもおかんとやりたかったんや』云うて、うちにかかってきましてな」
「まあ!」
「ほんまは、『これ、これ!これを待ってた!』思うたんやけど、さすがに『うちも』とは云えまへん。次男が諦めへん程度に『駄目、うちはお前のおかんや、許されへんこっちゃ』云いましたんや。これがまた次男の燃え上がった欲望メラメラとさせて、もう止まりまへん。うちの着物むしり取って、『おかん!』云うてうちに覆いかぶさってまるで強姦や。良かったですわ。生涯一番のセックスやった。これで、うちもあんはんの仲間入りでけた思うて、ほんま嬉しかった」
「そうでしたか」おばさんもつい興奮してしまう。

「それだけやおまへん。次男の嫁がうちらのこと感づきましてな、『ほんなら、私も』云うて、うちの亭主、 つまり夫の父親とねちょりんこん始めましたんや。そうなると、なあんも隠しておけへん。次男の息子と娘2人もきょうだい同士でやり始めましてな。この3人、ずっと前からやりたかったそうなんや。うちの亭主も孫娘2人とやりたいいう思いをこらえておったらしいんやけど、もうこうなると歯止めきかへん。両方の孫娘とやってもうた。それ見た孫息子がうちに迫って来て、『お祖母ちゃん、やりまひょ』云うてのしかかって来ましてなあ。もう、うち嬉しゅうて、嬉しゅうて。

ほんでもう乱交や。近親乱交。残るは実の父と実の娘2人、実の母と実の息子や。『どうせやるなら、とことんやりまひょ』云うて、親子全員でやりましてな。見てるだけで興奮しました、ほんま。よほど、あんはんらを呼ぼう思うたんやけど、人数多けりゃええもんでもなし、遠慮しときましたんや」

おばさんは聞いているだけで股の間がびとびとになってしまい、脳味噌が糠味噌になってしまいそうだった。
「あんはん、大丈夫か?顔色悪いで!」と叔母さんが心配する。
「だ、大丈夫です」おばさんはやっとこさ立ち直る。

「もう、それからというもの、次男一家は東京見物そっちのけでやりまくりましてな。うちらもげっぷが出るまで堪能しましたんや。いまごろは、アメリカで四人で楽しんでるやろ思います。

今は、パリにいてる長男一家のこと考えてますのや。長男夫婦、息子3人、娘1人。うち、『パリ行こう!』云うてるんやけど、うちの亭主が気が進まん。これが娘3人、息子1人なら『行こ、行こ!』云う思うんやけど。男の数多いさかい、うちだけ御馳走に預かるつもりやろ思うて僻んどるんや」
「でも、パリに行ってもご長男がその気になる保証はないでしょう?」
「誰も彼も、『どういう理由で関西から東京に引っ越したんや?』て凄い関心持ってますのや。あんはんらの近親相姦、あんはんらとうちらのフリー・セックス、これを説明すれば一発や。みんな憧れてしまいよるさかい。

うちらがパリに行けるよう、力を貸しておくんなはれ。頼んます。ほな、また」

叔母さんは去った。おばさんは虚脱状態でしばらく動けなかった。やっと立ち上がると、おばさんは茂君の勉強部屋に向かった。

「茂!茂!お願い、やって!もうむちゃくちゃやって!」

叔父さんが急に立たなくなった。立てなくなったのではなく、立たなくなった。もう叔父さんはパニックである。叔母さんにSMしようが、御用聞きとやらせて覗こうが一向に立たない。

姪であるおばさんの協力も仰いだが駄目。幸ちゃんに冬のセーラー服を着て貰っても駄目。トルコへ行っても駄目。これでは、住み慣れた関西を離れて東京へ来た意味がない。叔父さんは病院にも行き、名医師と呼ばれる人も訪ねたが埒があかない。

「わいもう生きてる甲斐ないわ。腹上死もできんよって、死ぬにも死ねん。ああ悲し、うゝ惨めや」叔父さんはおばさん一家と叔母さんを前にして泣いた。

「叔父さん」とおばさんが云った。「この前、次男さん夫婦とお孫さんたちと6人でやりまくったそうじゃない?」
聞いていた茂君と幸ちゃんがびっくりした。初耳だった。
「それがどないしたねん?」
「多分、刺激が強すぎて、もう普通のセックスじゃ立たなくなったんじゃないかしら?」
「それは云えてるかも知らんな」
「パリのご長男のところへ行って、そこなら立つかどうか試してみたらどうでしょう?」
叔母さんが意気込んだ。「そや、そや。それがええ。悩んでないで、駄目もとで行ってみよ、な?」
叔父さんは半信半疑である。女同士、ぐるになってパリへ行かせようとしているような気もする。
「しかしな、パリで立ったとして、日本へ帰って来たらまた元の木阿弥やないか?パリかアメリカに永住せなあかんことになるで。そんなことでけん」
「あんた。そのまま日本にいて泣いてるだけやったら、いつの間にか精液工場閉鎖になって、もう手遅れになるで。いまのうちに、やれるだけやったらええのや」

“精液工場閉鎖”が殺し文句となった。叔父さん夫婦はパリへ行き、みごと長男一家6人の誘惑に成功し、叔父さんのペニスも立って8人でやりまくった。長男とアメリカの次男が連絡を取り合い、短期間ながら次男一家5人がパリへ飛び、総勢13人の近親相姦というギネス・ブックものの快挙を成し遂げた。

叔父さんの帰国後の心配についても真剣な討議が行われ、長男の息子1人、次男の娘1人が東京の大学に入ることになり、叔父さんの家に同居することになった。このいとこ同士2人はパリの一族再会で最も気が合った仲なので理想的だった。叔父さんは孫娘とやれ、叔母さんは孫息子とやれ、もちろん、いとこ同士も仲良く自由にやれるわけだ。

その後のことを先に伝えてしまおう。やはり、叔父さんの病気は強烈な刺激を与える近親が一度にいなくなった喪失感からであったようだ。叔父さんは孫娘の存在によって安心感を得たせいか、常時立つようになった。叔父さん夫婦は2人の孫を養子として迎えようかと相談している。




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