18. 或る日突然
増築工事も終わり、ジミーとサブリナはそれぞれ部屋を与えられた。叔父さん一家の助けもあって、二人のベッドや机なども完備した。二人の日本語は会話だけならかなり進歩した。これなら新学期には小学校へ通えそうだった。下宿には元の平和が戻ったが、それだけでなく何か新しいことが待っているような気運がみなぎっていた。
幸ちゃんの部屋で、幸ちゃんが茂君にまたがってやっていた。前傾して、両手を畳みについた姿勢である。
「お兄ちゃーん、あうーん、気持いいー!」
よがっている妹を見上げていた茂君が、ふと異変に気付いた。
「おい、幸!ちょっと待て!」
「何よ、お兄ちゃん、今いいとこなのに」
「お前、おっぱい出て来たぞ!」
「ええーっ?」幸ちゃんが起き直って自分の胸を見る。
「駄目駄目。もう一度さっきみたいに前傾してみろ」と茂君。
幸ちゃんが身体を倒すと、確かにわずかにおっぱいらしきふくらみが出来た。
「わー、おっぱい出て来た。わー、おっぱい出て来た!わーっ!おっぱい出て来たーっ!」幸ちゃんは泣き出さんばかりに喜んだ。
「ひょっとして毛も生えてるんじゃないのか?」と茂君。
幸ちゃんは股を見下ろしていたが、首を振った。
「どれ、おれが見てやる」茂君はセックスを中断し、妹を立たせて幸ちゃんの前にひざまずいた。おまんこの上のマウンドを入念に点検する。
「あっ!出かかってる!」
「えっ?お兄ちゃん、ホント?からかってるんじゃないでしょうね?」
「ほんとだよ。まだ毛とは云えないけど、黒いのが三本ほど頭を出しかけてる。多分、お前には見えないな、まだ」
「わーい!わーい!やった、やった!」幸ちゃんは小躍りする。
ニュースはすぐおばさんに伝わった。
「幸、よかったね。どれ、見せて?」
幸ちゃんが胸を出して見せるが、おばさんには分らない。
「お母さん、床に寝て!」幸ちゃんはおばさんにまたがって、おばさんの顔の上に覆いかぶさる。
「あ、幸、出てる!」
「ね?」幸ちゃんは得意そうだ。
「生理はまだなんだろ?」と起き上がったおばさんが尋ねる。
「それは、まだ」
「生理があった時はお赤飯たいてお祝いするんだけど」とおばさん。「おっぱいと毛が出た時のお祝いって聞いたことないねえ」
「別にいいよ、そんなこと」と幸ちゃん。
「でも、何かしたいねえ。茂、何かいいアイデアない?」おばさんが聞く。
「叔父さんとこと一緒にパーティしたら?幸の好きな食べ物で」と茂君。
「早苗とお父さんも呼んでいい?」と幸ちゃん。
「いいとも。お前の“お父さん”なんだから」とおばさん。
「あたし、ピザ食べたい!」と幸ちゃん。
「馬鹿だなあ、お前。ピザなんかいつでも食べられんじゃん。こういう時にしか頼めないものを注文しろよ」
「じゃあ、うな重!」
「お前ねえ、うな重パーティって聞いたことある?」
「なにさ、好きな食べ物云ってるのに」幸ちゃんがむくれる。
「お寿司、取ろうか」とおばさん。「ほら、浩二さんと麗奈ちゃんが初めて来た時みたいに。あの時、叔父さん奢ってくれたから、今度はこっち」
「あ、お寿司大好き!嬉しいなったら嬉しいな!」
「でも、何て云って招待すんのかしら?『おっぱいと毛が出たお祝い』って変ねえ」とおばさん。
「うーむ」皆で考えたが、いい案が浮かばない。結局、「おっぱいと毛が出たお祝い」ということでみんなを招待した。
次の日曜日。参加者が思い思いのプレゼントを持ってやって来た。
叔父さんと叔母さんは冷えたシャンペンを持って来た。浩二君はベルギー製のチョコレートをくれた。幸ちゃんは、そのいくつかをジミーとサブリナに上げた(二人は一口かぶりつくと、満面に笑みを浮かべた)。麗奈ちゃんからは一番小さいサイズのブラジャーが贈られた。早苗ちゃんとそのお父さんからは大きな花束がプレゼントされた。幸ちゃんはそんな花束を貰ったことがないので、感激した。
「こんにちわ!」と玄関で声がした。出て行ったおばさんが呆れた顔をして戻って来ると、一同に表へ行って見てみろと云った。玄関前には豪華な花輪が立っていて、「祝 柳生一門」とあった。柳生劣堂からだ。柳生一族はまだ諜報活動を行っているとみえ、何でも知っているみたいだ。
「んちわあ!」お寿司が届いた。浩二君は叔父さんが持参したシャンペンの栓を「ポーン!」と音高く抜き、みんなのグラスに少しずつ注いだ。本日の主人公の幸ちゃんもちょっぴり頂くことにした。
「幸ちゃん、おめでとう!」とみんなが一斉に云い、幸ちゃんは嬉し涙でお礼の言葉も出なかった。
乾杯のあと、早苗ちゃんのお父さんが立ち上がった。
「本日はお招きにあずかりありがとうございます。私、早苗の父ですが、幸ちゃんの“お父さん”でもあるという幸せな身の上です。幸ちゃんは私を『お父さん』と呼んでくれ、私も幸ちゃんを『幸』と呼ばせて貰っております。本日のお祝いのお知らせを頂いた時、私は“娘”の成長に感動し、ついほろりとしてしまいました。早苗は幸の親友ですが、世の中にはこういうこともあるんですね、実は突如早苗の胸も出て来て、あそこの毛も生え始めました」
「えーっ?早苗、ほんと?」と幸ちゃん。早苗ちゃんに駆け寄り、二人は抱き合った。
「早苗ちゃんの変化は誰が見つけたんですか?」と浩二君が聞く。
「えー、私です。あなた、知ってるくせに意地が悪い」とお父さん。みんな、一斉に笑った。
お寿司が一同のお腹に納まると、みんなは幸ちゃんと早苗ちゃんの胸を見たがった。幸ちゃんが脱ぎ出したので、早苗ちゃんも脱いだ。一同、二人の前に集まって変化を確かめようとする。叔父さんは遠慮なく二人の胸に触り、
「おお、やわらこなっとる。ほんまや。乳首を刺激すると、どんどん大きなるそうや。わいら、協力するよって、お二人さんとも巨乳になってや」
男性たちは叔父さんの言葉に賛同を表して頷いた。
「ついでや、お毛々の方も見せてほしわ」と叔父さん。
二人はスカートを脱いでパンティを押し下げた。二人とも男性全員とやったことがあるので、いまさら恥ずかしがるいわれもない。
「なんや、天眼鏡要るみたいやな」と叔父さん。
「幸ちゃん、私のプレゼント、つけてみて?」と麗奈ちゃん。
「でも、まだ早いよー」と幸ちゃん。
「いいじゃない、似合うかどうか見たいの」
幸ちゃんが初めてのブラジャーをつける。早苗ちゃんが手伝った。ふくらみの部分はたわんでいるが、ブラジャーをつけることによって、これまでのボーイッシュな感じが鳴りをひそめ、幸ちゃんが急に女っぽく見える。茂君は妹のその変化に衝撃を受け、同時にそんな妹とやりたいという思いがこみ上げて来た。
「幸!」茂君は幸ちゃんの前に立った。幸ちゃんは兄の表情によって、兄が何を求めているか瞬時に理解した。二人は次の間に行き、裸になってやりだした。
「胸、毛と来ると、次はあれやね」と叔母さん。「幸ちゃんや早苗ちゃんとゴム無しでやれるのも、あと僅かちゅうわけや」
「そうや、抜き身は今のうちやねんな」と叔父さん。早苗ちゃんのお父さんに向き直り、「御主人、お嬢さんとやらして貰うてええやろか?」
「ええ、ええ。で、私も麗奈さんとよろしいですか?」とお父さん。
「麗奈、お相手しなはれ」叔父さんは云って、早苗ちゃんを伴って次の間へ。
「麗奈さん、よろしくお願いします」早苗ちゃんのお父さんと麗奈ちゃんは初めてだった。
「こちらこそ」二人も次の間へ去る。
「茂君!」と浩二君が怒鳴る。「ぼく、サブリナとやっていいかな?ずっとやってないんだけど」幸ちゃんの籠城事件以来、浩二君も叔父さんも控えていたのだ。
「サブリナがその気になればいいですよ」と茂君が次の間から返事する。浩二君はサブリナにすり寄り、抱きかかえて頬ずりし、股の間を撫で始めた。
叔母さんはジミーを手招きし、二人で次の間へ消えた。浩二君とサブリナも消えた。
女性や男性の呻き声、よがり声が乱れた合唱のように、あるいは声明のようにうねって響き始める。
おばさんは一人取り残されていた。しかし、おばさんは幸福だった。愛すべき人たちがお互いに愛し合っている。しばらくすれば、彼らは相手を替えて愛し合うに違いない。ここには愛の輪がある。(あたしはその中心にいる)おばさんはそれが誇らしかった。幸せだった。(これがいつまでも続きますように)おばさんは祈った。
ふと気付くと、おばさんは背後から抱きすくめられていた。振り向くことなく、おばさんが云った。
「茂、これからは幸とやる時に注意してね。あの子の部屋にもゴムの箱を置いとくけど」
「うん。大丈夫」と茂君。
「最初にちょびっと出て来るアルカリ液ね、あれでも妊娠するそうだから」
「分った。入れる前につけるよ」そう云いながら、茂君は母親の着物を脱がせた。
「お母ちゃん!」茂君は片方の手で母親のおっぱいを、片方でお尻を鷲掴みにした。その男性的なアクションは息子の成長を物語っていた。
「茂!」おばさんは息子の唇を吸った。おばさんの目に幸せの涙が流れた。
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