9. 息子の恋人
学生・山本君の御両親が訪ねて来た。息子が一人で下宿を選び、一人で引っ越しを済ませたので、御両親がこの下宿を見るのは初めてだった。御両親はおばさんに挨拶すると、山本君の部屋に上がって行った。
「お前、これは一寸ひどすぎるんじゃない?木造だし、階段はぎしぎし云うし」とお母さん。
「それに昔ながらの四畳半と来た。安いだけのことはある」と旦那。
「県会議員の息子がこんなボロ家に下宿してるなんて、恥ずかしいわよ、ねえ、あなた」
「でも、当人が気に入ってるんならいいじゃないか」
「お前、アパートでもワンルーム・マンションでも入れて上げるよ。どうだい?」とお母さん。
「ママ、ぼく、この下宿でいいんだ。おばさんがいい人で色々面倒見てくれるし…。ワンルーム・マンションに入ったと思って、お小遣い上げてよ。コンピュータ・ソフトとか、欲しいもの一杯あるんだから」
「あなた、いいかしら?」
「よし、来月から少し上げてやる」
「やったーっ!」
御両親はタクシーで常宿の帝国ホテルへと向かい、チェックインした。お母さんがお風呂に入っていると、旦那は「党本部に呼ばれた。一寸出て来る。めしは適当に食べてくれ」と出て行ってしまった。作者だけが知っていることだが、旦那は東京に囲っている二号のところへ行ったのだ。お母さんは呆然としていた。一人で外へ出て食事しても味気ない。ルームサービスはもっと味気ない。(そうだ!息子と一緒に食事をしよう!)お母さんは和服に着替えると、タクシーを拾ってまた下宿へと向かった。
「ごめんください」と声をかけたが返事がない。お母さんは勝手に入って二階に上がりかけたが、おばさんに一言挨拶しないのはまずいと思った。茶の間に行く。誰もいないが、奥で人の気配。お母さんは「失礼!」と声をかけて次の間に入った。何と、自分の息子が下宿のおばさんとおまんこの真っ最中だった。「んまあ!」お母さんは慌てて茶の間に引き返した。(なんということを!)しかし、怒るに怒れない。他人の情事を目にし、心臓がどきんどきんしている。息子だというのに、興奮しているのが我ながら浅ましい。
「ママ、どうしたの、急に?」と山本君が服を着ながら出て来た。お母さんは複雑な思いで、口がきけない。
「二階へ行こう!」と山本君が促し、母子は階段を昇る。
「『おばさんが色々面倒を見てくれる』って、あのことだったの。だから、引っ越したくないのね」とお母さんが云った。
「あれは重要な要素だけど、ほかにももっと要素はあるよ。誤解しないでほしいけど、おばさんがぼくを誘惑したわけでもないし、ぼくがおばさんを誘惑したわけでもないんだぜ」
「じゃ、どうしてセックスするのよ?」
「この下宿の長い伝統なんだって。学生が悪い場所に近づかないようにって配慮と、将来結婚した時に備えて嫁さんを喜ばす方法とか、早漏を防ぐ方法とか色々教えて貰ってるんだ。それもタダで」
「おばさんが色情狂なんじゃないの」
「違うね。おばさんから『やって!』って云われたこと一度もないもん。いつもぼくがお願いするの」
「お前もそんな年になったんだね。いつかはそうなると思ってたけど」
「で、ママ、どうして引き返して来たのさ?」
お母さんは事情を説明し、二人は近所の商店街にあるレストランへ出掛けた。山本君はビールを呑み、お母さんはワインを何杯か呑んだ。
「じゃあ、お前は今じゃセックスの達人ってわけ?」とお母さん。
「まだまだだけど、大学終えるまでには何とかなるでしょ」と山本君。
「おばさんから卒業証書を貰うの?」とお母さんはくっくっと笑った。
お母さんの奢りで豪華ディナーを楽しみ、二人は表へ出た。
「ここでタクシー拾う?」と山本君が聞く。
「ちょっと気分が悪い。呑みすぎたみたい」
「じゃ、部屋に戻ろう」二人は下宿に戻った。
山本君は敷布団だけ敷いて母親を横にさせた。山本君は布団の横に座って、じっと母親を見つめていた。
「なに見てるのさ?」お母さんが薄目を開けて息子を見返していた。
「ママ、ぼくママとやりたい」と山本君が云った。
「なに云い出すの、この子は!冗談じゃない!」
「本気だよ。ぼく、ママとやりたいんだ」
「お黙んなさい!誰かに聞かれたらどうすんの!」
「さっき見たように、ぼくが性的に満たされてるのは分るでしょ?ぼくは欲求不満でママとやりたいわけじゃない。実はね、さっきのおばさんだけでなく、やらして貰える女性はほかにも数人いるんだ」
「そんなに?お前、もてるんだね!」
「もてるとか、そんなんじゃないの。友達同士で握手するみたいにやれるの。『やりたい』って云うと、『オッケーッ!』って感じ。惚れた腫れたも何もなし」
「へーっ!」(そんな世界があるのか!)
「ママ、ずっとパパとやってないでしょ?」
「お前、親にそんなこと云っていいと思ってるの?口を慎みなさい!」
「でも、事実でしょ。ぼく知ってるんだ。パパ、二号さんがいるんだよね」
「お前、知ってたの?」
「ということは、ママも知ってたってことだ」
「興信所に調べさせたのよ。お前と同い年ぐらいの娘なの。でも、私、離婚してお金貰っても、もうこの年では再婚も考えられないし、我慢することにしたの」
「ずっと県会議員夫人でいたいわけ?」
「それもある」
「でも、ママの年で我慢するなんて不健康だよ」
「県会議員夫人がホスト・クラブへ行ったり、若い燕作ったりできると思う?スキャンダルよ」
「ぼくとやる分には問題ないよ」
「県会議員夫人が息子と近親相姦なんて、大スキャンダルじゃない!」
「誰が漏らすの?」
そう云えば、家庭内の情事は誰にも分らない。一番安全なセックスだった。お母さんの心は揺らいだ。
「近親相姦なんて駄目よ。許されないわ」
「教えて上げようか。ここのおばさんと息子さんはやってるんだぜ」
「まあ!」
「で、ここの息子さんと娘さんは兄妹でやってるんだ」
「んまあ!」
「もっとある。この向かいの部屋の学生は妹と同居してるんだけど、毎日のようにやってる」
「んまああっ!」
「その学生の両親は月に一度田舎から出て来て、父親と娘、母親と息子でやってるんだ」
「………」お母さんはもう言葉が出なかった。呆れたせいもあるし、物凄く興奮したせいでもあった。
「いま云った家族は、どれも仲睦まじくて、羨ましいぐらいなの。ぼくがママとやりたいのも、実はママともっと仲良くなりたいからなんだ。どう思う?」
「ここのおばさんは女の口説き方は教えてくれてないみたいね。そんな、離れたところから『やっていい?』なんて聞いても駄目よ。手でも肩でも髪でも、どこでもいいから触って、耳元で囁かなくちゃ」
「あはは。ぼくが知ってる女性たちは、そんなことしないでもやらせてくれるから、口説き方なんて必要なかったんだ。でも、ママ、口説き方教えてくれたってことは、オッケーってこと?」
「………」
「ねえ!」山本君はお母さんの指導に従い、母親の傍にすり寄って至近距離で母親を見つめた。
「………」
「ねえったら!」山本君はもう1センチで母親の唇に触れるところまで顔を寄せた。
「やっちゃったらもう取り返しはつかないからね。考えてるのよ。本当にいいのかしら?」
「ママ、ママはいま40歳丁度ぐらいでしょ?まだ色っぽいけど、あと10年したら、ぼくがママに手を出すかどうか分らないよ」
「なによ、あんた。『期限付き特価セール』みたいにせかすじゃない」
「だって、ぼくからしたら50歳以上はみな爺さん婆さんに見えるんだもん」
「やるんなら今しかないってわけ?うまいわね」
「ママとやれないんなら、下のおばさんとこ行って、続きやって来るよ」
「今度は脅しか。ぐんぐん追い詰めて来るのね」
「ママ、自分の息子とやりたいと思ったことないの?過去に一遍も?」
「そりゃあるわよ。どこの母親だって、息子が生まれ、可愛いお珍々見れば、それが自分の身体に入って来たらどうだろう?と空想するはずよ」
「だったら、空想を現実にしたら?」
「………」
「じゃあこうしたら?ぼくはママの息子じゃなくて、友達」
「握手するようにセックスするわけ?」
「そ。ぼくはママ好きだから、友達以上だけど」
「恋人?」
「そう!恋人だ」
お母さんは息子の恋人になるというアイデアが気に入った。自分の欲望を満たすために息子を利用するのでもなく、近親相姦という暗くて不道徳な感じもしない。(恋人かあ!)
「お前、仮にやったとしても、ママを軽んじたり、ママをお前の情婦のように扱ったりしないかい?」
「これまでと同じ態度で通すよ」
「人前で私に馴れ馴れしく触ったりしない?」
「しない」
「誰にも云わない?」
「云わない」
「ママ、まだ生理あるの。ママを孕ませたりしないって約束できる?パパの子だと云える状況じゃないんだから」
「約束します」
「フーッ!」とお母さんは大きな溜め息をついた。「…じゃ、いいわ」
「ぼく、コンドーム貰ってくる!」山本君は階下に飛んで行った。
山本君が戻って来ると、お母さんは豆電球だけにした薄暗がりで着物を脱いでいた。山本君は早くも勃起してしまった。母親とやる。それは世界中の男の願望だ。それが叶うのだ。山本君も服を脱ぎ、裸になった。
二人は男と女として抱き合った。
「おばさんにはバレてしまったわけね?」とお母さん。
「『良かったわね』って云ってた。ぼく、クライマックスで時々『ママーッ!』って叫んでたんだって。だから、おばさん、喜んでくれたんだ」
「まあ、お前!ほんとに私とやりたかったんだねえ」お母さんは息子にキスした。そして、しゃがんで息子の“息子”と対面した。「立派だねえ」お母さんは息子の“息子”を舐め廻した。
「そう思う?」
「立派だよ。これでママをイかせてくれるのかい?」
「何度イきたい?二回?三回?」
「まあ、そんなに!決心して良かった!」
二人は布団に横たわった。山本君は母親の乳房に吸い付いた。
「あううう」お母さんが呻く。山本君は母親の股間に顔を近づける。
「そんな、見ないで!」お母さんは両脚を閉じる。山本君は力で対抗しようとせず、閉じられた三角地帯を舐める。お母さんの緊張が解ける。そして、周辺ではなく、核心を舐めて欲しいという願望が漲り、いつしか両脚は自然に開いてくる。山本君は母親の40歳のおまんこを見つめた。世界中でどれだけの数の男が、成長して母親のおまんこを見ることができるだろう?しかも、それはもう愛液を滴らせ、息子を待っている。どれだけの男が母親からこんな風に待たれるだろう?山本君は母親のおまんこを舐め、クリトリスをぺろぺろした。
「あうあう!」とお母さんが悦びの声を上げる。
山本君は母親のおまんこに指を入れ、Gスポットをこちょこちょする。
「あははーん!うぐぐーん!」ずっと孤閨を保っていたお母さんは、もうそれだけでイってしまった。
山本君は母親の股間にひざまずき、ゴムを装着したペニスの先を母親のおまんこに当てた。
最初の昂まりから戻ったお母さんは、荒い息をしながらじっと息子の顔を見つめていた。(あれが入ったが最後、もう後戻りはできない)息子も母親の顔を見つめた。(次の一瞬で二人の関係が変わる)
「ママ、『おまんこやって!』って云って!」
「そんなこと、恥ずかしくて云えない」
「云うんだ、ママ。ぼく、ママが云うまで待ってるからね」
「そんな!じゃ…やって!」
「『おまんこやって!』だよ」
「んもーっ!おまんこやって」
「もう一度」
「おまんこやって!早くやって!やってよーっ!」息子はぶすりと母親のおまんこを切り裂いた。
「あおーっ!」ついに母子は以前の母子ではなくなった。
下宿の学生の中ではピカイチのテクニシャンの山本君である。持てる技を総動員して母親を悦ばせた。お母さんは、息子の公約以上の回数、忙しく天国と下宿を行ったり来たりした。
「ママ、これからは『お芝居見に行く』とか云ってしょっちゅう東京へ出て来るんだ。ここへ泊まれば一晩中やってあげるから」
「それはいいねえ。嬉しいねえ」
「もし、ぼくで足りなければ、ここの息子さんにも手伝って貰うから」
「ますますいいわねえ!夢みたい!」
「もうホテルに帰らなくちゃ」とお母さん。
「またすぐやれるよね、ママ?」と山本君。
「もちろん!あなたのセックス修業のアチーブメント・テストに来るわ」
「ママ、パパの前では欲求不満の顔してんだぜ?幸せそうな顔しちゃ駄目だよ」
「まかしとき!こんな顔でいい?」と、お母さんは暗い顔をして見せた。
「あはは」
「あはは」
二人はこれまでになく愛に満ち溢れた笑みを交わし、その夜最後のキスをした。
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