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14. オスの魔法使い

ある夜、幸ちゃんは寝苦しい思いで、ふと目覚めた。ベッドの上に小人(こびと)が立っていた。
「キャーっ、なに、あんた?」と幸ちゃん。
「わしは魔法使いじゃ」と小人が云った。『白雪姫』に出て来る小人の幾人かのように、その小人も爺さん風な顔だったが、丸裸の身体は若々しく、そのペニスは12歳の少年の持ち物のように雄々しく屹立していた。頭には赤いとんがり帽子をかぶって、手には木のつるで出来たような杖を持っている。
「確か、鍵掛けておいたはずだけど」と幸ちゃん。
「わしはどこでも自由に出入り出来るんじゃ。鍵など役に立たん」
「おじさん、何て名前?」
「名前はないが、“オスの魔法使い”と呼ばれておる」
「オズじゃないの?」
「いや、男だから“オス”」
「じゃ、女の魔法使いもいるわけね?」
「さよう。“メスの魔法使い”じゃ」

「で、おじさん、何の用?」
「魔法使いに向かって、『何の用?』はないじゃろ。普通、魔法使いと云えば三つの願いを聞いてくれるとか、人間をロバに、ロバを人間に変えたりするものと相場が決まっておる。膝まづいてすり寄って来てもいいところじゃ」
「おじさん、何か願い事叶えてくれるの?」幸ちゃんは息を弾ませる。
「生臭い願い事はご免じゃぞ。現金をしこたまくれとか、トム・クルーズに会わせろとか、教育委員長を殺せとか云われても断る」
「そんなんじゃなければいいのね?んーと…」幸ちゃんが思案顔をする。
「待て待て。タダで願い事を引き受けるわけではない」
「なんだ。おじさんこそ生臭いじゃないの。何なの?何が条件なの?」
「見ての通り、わしの息子はおっ立っておる。あんたとやりたがっておるわけじゃ」と小人。

「おじさん、ドアをすり抜けて来られるんだから、あたしが寝てる間にやれたじゃないの?」と幸ちゃん。
「眠ってる娘とやっても面白くないじゃろが。只のダッチワイフみたいで」
「そっか。で、一回やらせれば願い事を三つ聞いてくれるわけ?」
「三つのうちどれか一つじゃな。例えば次の三つ。
1. わしともう一回やる。
2. わしにフェラチオをする。
3. わしと肛門性交をする。
これらのうち一つとかじゃ」
「それ、おじさんの願い事であって、あたしのじゃないわよ。馬鹿馬鹿しい!」幸ちゃんはむくれる。
「あはは、ばれたか。で、あんたの望みは何じゃな?」

「あたし、お父さんがほしいの。死んじゃったんだけど、生き返らせてほしいの」幸ちゃんは涙ぐむ。
「死んだ人間を生き返らせることは出来んが、一寸の間で良ければ出来んこともない」と小人。
「まあっ、ほんと?一寸でもいいから、お願い。出来ればお父さんとセックスする時間がほしいわ」と幸ちゃん。
「あんたは親父さんとおまんこしたいのか!生臭い娘じゃなあ!」
「ほっといてよ。さ、早くやって願いを叶えて!」
「本当はやってから願いを叶えるんじゃが、同じことだからそれは省略しよう」と小人。
「何でもいいから、早くして!」

小人は手にした杖を一閃した。ボワンと白い煙が立ち上り小人は消えた。同時に幸ちゃんも失神した。

「幸!幸!」と声がする。幸ちゃんの意識が戻って来る。目を開けると、ベッドの傍らに紳士が立っていた。伯父さんを若くした感じだが、幸ちゃんに似た丸顔のスポーツマン・タイプの男性である。
「だ、誰ですか、あなた?」と幸ちゃん。
「誰ですかはないだろう、幸。お前のお父さんだよ」と紳士が云った。
「え?あ、あたしのお父さん?」幸ちゃんは紳士に近寄り、その手を握り締めた。
「幸、会いたかったよ」
「あたしもよ、お父さん!」幸ちゃんは涙でぐしょぐしょになった。

お父さんは上着を取り、ベッドに上がって来て幸ちゃんを抱き締めた。幸ちゃんは幸福だった。やっと願いが叶ったのだ。(願い?)お父さんは優しく幸ちゃんの顔を撫で、ちょんと口にキスした。幸ちゃんは柄にもなく赤くなった。やっぱりあたしのお父さんだ。頼まないでもあたしの望みを叶えてくれる!(望み?)お父さんは幸ちゃんの背中を撫でていた手を幸ちゃんのお尻に廻した。
「お、おとう…」と云う前に、お父さんは幸ちゃんにディープ・キスをし、幸ちゃんの口に舌を差し込んで来た。
「うっぷ!」幸ちゃんの息が詰まる。お父さんの手は緩やかに幸ちゃんのお尻の丸みを撫でている。
「あああ」それは幸ちゃんが夢にみていたことの序曲だった。幸ちゃんはお父さんにしがみついた。
お父さんの片方の手は幸ちゃんの胸をまさぐった。もう一方の手は幸ちゃんの股ぐらへと下りて行く。
「ああっ、ああっ!」幸ちゃんの脳味噌がとろける。全身が麻痺する。

お父さんの指は幸ちゃんのおまんこを上下し、次第に濡れて来る割れ目へと分け入った。
「あはーん!」幸ちゃんが呻く。
お父さんは驚くべき速さでズボンとパンツを脱ぐと、長く太いペニスを幸ちゃんのおまんこにあてがった。幸ちゃんは慌てて枕元のコンドームの箱を手探りで掴み、お父さんに手渡す。お父さんはそれを受け取ると、袋を抜き出しもせず、ポーンと背後に放ってしまった。幸ちゃんは驚いた。
「だって、お父さん!」
お父さんは不思議な笑みを浮かべると、ぐぐーっと腰を幸ちゃんに押しつけた。もうびとびとだったおまんこに、お父さんのペニスがぬるぬるぬるーっと差し込まれた。

幸ちゃんはお父さんが抜き身で自分の体内に射精するつもりなのを知った。妊娠するかも知れない。まだ早いだろうが、いつ妊娠するかは神のみぞ知るである。お父さんの子供を孕むかも知れない。(いいわ!生むわ!)幸ちゃんは決意した。幸ちゃんはお父さんの背中に両脚を廻し、お父さんの精液の全てを受け入れる体勢を取った。幸ちゃんはハンサムなお父さんの顔を見つめながら、感動に打ち震えていた。(あたし、お父さんの子供を生む!)お父さんは幼い娘の決意を知ってか知らずか、幸ちゃんの顔を見下ろしながら、激しく娘の身体を突き立てた。
「あううううっ!あわわ、むぐぐぐうっ!」幸ちゃんに破局が迫る。
「幸!幸!」とお父さんが叫ぶ。
「お父さん、あたし、あたし、イくーっ!」
「幸ーっ!」お父さんは抜き身のペニスからどどどぴゅーん!どぴゅーん!と大量の精液を娘の体内に送り込んだ。

幸ちゃんは大きいお腹をして出産を控えている自分を想像していた。お腹で赤ちゃんが動く。それはお父さんの子供なのだ。誇らしかった。(立派に育ててみせるわ!)お父さんとやることだけが願いだったが(願い?)、今になってみれば自分の望み(望み?)はお父さんの子供を孕むことだったような気もする。

「どうじゃ?満足したかな?」と声がした。
幸ちゃんが目を開けると、ベッドの上に丸裸の小人が立っていた。
「キャーっ、なに、あんた?」と幸ちゃん。
「『なに、あんた』はないじゃろ。“オスの魔法使い”じゃよ」
「えーっ?おじさんがあたしのお父さんに化けたの?」
「あんたの願いを叶えて上げたんじゃ。礼の一つも聞きたいところじゃよ」と小人。
「おじさん、あたしの身体に抜き身で射精したでしょ!あたし、おじさんみたいな小人を孕んだらどうしよう!」幸ちゃんは泣きべそをかく。
「大丈夫。わしとあんたは“種”が違う。妊娠することはない。ところで幸ちゃん、今度は肛門性交はどうじゃな?」
「あたし、お尻はまだ“処女”なの。お嫁に行くまでとっとくの」と幸ちゃん。
「あはは。『お尻は処女』はよかった。じゃあ、お嫁に行った後でまた会おう」小人は杖を一閃し、ボワンという煙と共に消えた。

幸ちゃんはその後、“オスの魔法使い”にも“メスの魔法使い”にも会っていない。




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