12. アフリカの星くず

おばさんに電話が掛かって来た。
「御無沙汰いたしております。こちら東京都文教厚生課の森田です。アフリカのある国王が日本に滞在中なのですが、是非日本の典型的な家庭を見せてほしいというリクエストなのです。東京都選定模範家庭として、国王とお話して頂けませんでしょうか？」
実は都からのこういう要請は初めてではなかった。もう数回経験済みだったので、おばさんは気安く引き受けた。それがいつもの例と全く異なるとは予知出来なかった。

現われたのは50代の黒人男性で、鼻輪も腰蓑も着けていず、ちゃんと背広を着ていた。背が低く、小太りで、気が良さそうな顔つきをしている。随行団でもいるのかと思ったが、日本人の通訳が一人来ただけだった。この通訳は20代後半のインテリ風美人だった。

通訳女史が先ず国のあらましを語った。
「象牙海岸という国の近くに鼻毛海岸という国があります。国王の名はジャブジャブです。国語はバシャバシャ語と云います」
「いかにも海岸風ですね」とおばさんが訳の分らない相槌を打つ。
おばさんが茂君と幸ちゃんを含めて自己紹介をした。通訳はそれをバシャバシャ語で国王に伝えた。
「*@#$)*^~$^&#?」と国王がバシャバシャ語で云った。
「『御主人は遅いではないか？』と申しております」と通訳。
「主人はずっと前に亡くなりまして、母子三人です」とおばさん。

通訳が国王に伝える。
「%#_+^~**&#(^_^;;;!」と国王。
「『男無しでは寂しいだろうから、私がやって上げる』と申しております」と通訳。
見ると、ジャブジャブ国王はズボンを脱ぎかけている。
「冗談じゃありません。間に合ってますと伝えて下さい」とおばさん。
「^*&%@$~+(*^*)**&@^$%*!」と国王。
「『国王が決めたことは絶対である』と云ってますが、ここはあなたの国じゃないから…と云っておきますので」と通訳。おばさんは胸を撫で下ろす。

「+%#@(><)&*^*#24**=@~!」と国王。
「『立ってしまったものをどうしてくれる？』と申しております」と通訳。
「一体、どういう国なんです？薮から棒に。失礼じゃありません？」とおばさん。
「怒らないで下さい。“アフリカの星くず”と呼ばれる小さな国で、まだ教育も行き届いていないのです」
「“アフリカの星”じゃないんですか？」とおばさん。
「“星屑”です。とっても小さい国で、地図にも載っていません。私が最初に行った時、18番目の妻になれって云われたんですが断りました。ホホホ」と通訳。
「@(*~*);;&$#@*?」と国王。
「『何を話してるのか？』と聞いてますんで、奥様がいつか鼻毛海岸を訪問したいと希望してるとかお世辞云っときます」と通訳。

「%-$+#~~&(*^*);{<)(!」と国王。
「『我が国に来られたら、あなたを24番目の妻として迎えたい』と申しております」と通訳。
「断って下さい。再婚の意志はありません」とおばさん。
「*%@&24&(^^;;+*%}#!」と国王。
「『では、お嬢さんを24番目の妻にしたい』と申しております」
幸ちゃんはガビーン！となる。
「娘はまだ12歳です。結婚には早過ぎます」とおばさん。
「^$&#)(@)+*(^^)&]&!」と国王。
「『婚約だけでも済ませておきたい』と云ってます。断りますよね？」と通訳。
「当然です！」

「#(+:'%*@*&}+^+~&?」と国王。
「『ところで、お嬢さんはセーラー服を持っていないか？』との質問です」
「持ってるよ」と幸ちゃん。
「(~_~)+#$&*><@$!」と国王。
「是非着て見せて欲しいそうです」と通訳。幸ちゃんが着替えに行く。
「どういうことなんですか？」とおばさん。通訳が国王に尋ねる。
「*<<(*~*;;>>$@{XXX}(^^;; %!」と国王。
「国王はアダルト・ビデオのコレクションを持っていて、日本のセーラー服に憧れてるんだそうです」と通訳。
「アフリカでも有名なんですか、日本のセーラー服…」おばさんが呆れる。

幸ちゃんがセーラー服で戻って来た。国王は大喜び。
「(^^)&}{*&#@^^+>!!!!!」
国王は幸ちゃんを抱き締め、スカートの中に手を突っ込む。
「奥様、あんなことさせていいんですか？とめましょうか？」と通訳。
「娘は嫌なら黙ってされてませんから、放っておきましょう」とおばさん。
国王は幸ちゃんのセーラー服をはだけ、いまやおまんこしようとしている。
「^*()#%@^(^^)(^^)(^^)!!!」と国王。
「『ビデオの女学生がすぐやらせるのは本当だった。嬉しい』と云ってます」

これまで黙っていた茂君が「@**^%@+<>&*%$!!」と口走った。バシャバシャ語風だが実はデタラメである。国王はぎょっとなって、行為を中断した。
「%*&><$@?」と国王。
「『息子さんが何て云ったのか？』って聞いてます。あなた何て云ったの？」
「妹にそういうことするなら」と茂君。「ぼくも通訳の女性に同じことするって云って下さい」
「冗談でしょ。そんなこと通訳出来ません」と通訳。
「+*()&*#><}@{!!」と茂君が怒鳴る。
「#*@%$!!」と国王も怒鳴る。
「私が通訳しないから怒ってるわ」と通訳。
「通訳しなさいよ。プロでしょ？」と茂君。
そう云われれば訳さないわけには行かない。彼女は国王に通訳する。

「*%$(*~*;;%*$#@!」と国王。
「何て云ったんです？」と茂君。
通訳女史はしばらく屈辱的にわなわなと震えていたが、「『同じことをしてよろしい。抵抗すれば我が国への出入りを差し止める』ですって。そうなったらバシャバシャ語で食っていけなくなるわ。これなら18番目の奥さんになっときゃよかった」
茂君は国王公認のもとに通訳女史に襲いかかった。
「きゃあ！」と通訳。
茂君は通訳女史を押さえ込み、おっぱいを揉み、おまんこを撫でる。通訳女史は観念して、どうせならセックスを楽しもうとする。「あうーん、おおお！」と通訳女史。

「バシャバシャ語でよがって！」と茂君が通訳女史に云う。
「@^$@(*_*;;+!!」と通訳女史が叫ぶ。
「(^^)+(^^)+(^^)$%@!!」と国王も叫ぶ。
「あーん！あはーん！」と幸ちゃんも叫ぶ。
おばさん一人が白けている。

ジャブジャブ国王は、幸ちゃんに御礼として小指の先ぐらいのダイヤモンドをプレゼントした。おばさんも通訳女史も驚いた。おばさんと通訳女史が国王にすがりつこうとしたが一瞬遅く、国王はすたすたと歩み去った。