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17. 罪と罰

「ごめんください!」と玄関で声がした。
「はーい!」おばさんが出て行く。

白衣を着て、白い帽子に大きなガーゼのマスク、サングラス、腕には「保健所」と書いた腕章をつけた男女が立っていた。
「区の保健所から来ました」と男が云った。「実は隣りの町内で赤痢が発生しまして、隣接する町内の全員に予防薬を服んで頂くよう命令されています」
「まあ!」とおばさんが驚く。
「恐れ入りますが」と女の方が云った。「おうちにおられる方を全員一ヶ所に集めて下さい。予防薬をお渡ししますので」
「じゃあ、茶の間に集めましょう」とおばさん。
「急いで下さい!」と保健所の女性が云った。

学生はみな外出していて、その時いたのはおばさん一家だけだった。おばさん、茂君、幸ちゃん、ジミー(黒人、9歳)、サブリナ(白人、7歳)が茶の間に集まった。
「これが大人用です」と保健所の男が云った。白っぽい液体がプラスティックのコップに入っていた。
「これが子供用」と保健所の女が云った。それはオレンジジュースのような色をしていた。
「あたし、どっち?」と幸ちゃんが聞いた。
「君、何歳?」と男が聞く。
「12歳」と幸ちゃん。
「じゃあ、もう大人だね」と男が云う。
幸ちゃんは多少誇らしい顔をする。

「皆さん、お薬を貰いましたね?」と保健所の女。「それでは、途中で息をしないでごくごくと飲み干して下さい」
「昔ね、帝銀事件ってのがあってね」とおばさんが茂君に云う。「終戦直後のことだけど、ある男が帝国銀行の支店に『保健所の者で赤痢の予防に来た』って云って、行員16人に青酸カリを飲ませ、12人を殺した事件があったのよ。ま、うちは銀行じゃないし、取る物など何も無いからいいんだけど」
「ふーん」と茂君。
「さ、皆さん!お喋りはやめて、お薬を服みましょう!」と保健所の女。
「はいはい」とおばさんが云って、ごくごくとコップを空にした。
茂君、幸ちゃん、ジミーとサブリナもそれにならった。

おばさんは急に床にくずおれ、横になって寝込んでしまった。
「うむむむ」茂君も呻いて伸びてしまった。
「あたしも…」と幸ちゃん。
ジミーとサブリナ以外はみなその場で寝入ってしまった。

「ふう。帝銀事件のことを云い出された時はギョッとしたぜ」と保健所の男。
「知ってる割りには他愛なく引っ掛かったじゃない。うまく行った方よ」と保健所の女。
「よし、誰か来る前にやっちゃおうぜ」と男。
男はズボンを下ろす。女はスカートの下からパンティを引き抜く。
男はサブリナをひっ捕まえ、女はジミーに躍りかかった。
二人は未成年とのセックスにとりつかれたカップルで、ジミーとサブリナがこの家で養われていることを知り、白昼堂々と犯しにやって来たのだ。大人には眠り薬を飲ませ、子供二人には単なるジュースを与えたのだった。

男はサングラスとマスクを取り、サブリナにキスしようとした。
「キャーッ!ヤメテ!オジサン、キライ!」サブリナはもがく。青い目が見開かれ、金髪が揺れる。男はその姿に興奮し、サブリナを抱き締め、サブリナのパンティを引き千切る。男のペニスが怒張している。
女もジミーにフェラチオしてジミーの黒いペニスを立たせようとしていた。ジミーは何とか女の手を逃れようとするが、女の手はしっかと彼の腰を捉えて離さない。いつしか、ジミーのペニスも立ち始めた。男は恐怖の表情のサブリナに頬ずりし、落ち着かせようとしていた。サブリナの暴れ方が納まると、男はサブリナの両脚を開いて股の間に位置してサブリナを犯そうとした。女もジミーの腰にまたがり、ジミーの勃起したペニスをおまんこに入れようとした。

その時、茂君のバットの一撃が男の頭を襲い、続いて女を襲った。
「そんな強く打たなくても…」とおばさんが云った。
茂君は伸びている二人の手足を縛った。
「お母ちゃん、大分前にも帝銀事件の話をしてくれたんだよね」と茂君。「だから、すぐ思い出して薬は口に含んだだけで飲み込まなかった。大体、保健所がサングラスして来るなんておかしいよね」
「あたし、幸には話さなかったんだね」とおばさんが幸ちゃんを見やる。幸ちゃんはいびきをかいてグースカ寝込んでいる。
「じゃ、警察に電話するよ」とおばさん。
「10分待って!」と茂君。
「どうして?」おばさんは息子に何か考えがあることを察し、ジミーとサブリナを部屋に帰す。

茂君は男の白衣を探った。財布が出て来た。茂君は男の免許証から住所・氏名をメモ用紙に書き写した。男の名は花岡彰吾と云った。茂君は女に近づいた。美人ではないが、バーのホステス程度には色っぽい顔だ。茂君は女の白衣からも財布を取り出し、住所・氏名を調べた。女の名は矢野竜子。二人の住所は同じだった。

茂君は男と女の顔を叩いて正気に戻そうとした。
「アイテテテ!」男が顔をしかめながら頭の痛みを訴える。
「頭、痛ーい!」女にも意識が戻る。
「花岡さんと竜子さん」と茂君。「ぼくらに睡眠薬を飲ませて心神喪失させようとした罪、13歳未満の子供に強制わいせつを働いた罪、これだけでも臭い飯を食う条件は整っているけど、多分都内で何件も余罪がある筈。それらを総合すれば、あんた方は30年ぐらい刑務所で強制労働しなくちゃなんないだろうね」
「頼む、見逃してくれ。ここじゃ何もしてないんだから」と花岡。
「見逃せないね」と茂君。「君たちに選択肢を上げよう。一つは警察経由で刑務所に行くこと。もう一つは、今後ずっとぼくらの雑役係として働くこと。こちらからの呼び出しの電話があったら、即刻駆けつけて、庭掃除、家の掃除、セックスに奉仕する」
「えーっ!セックスも雑役なの?」と竜子。

「ムショへ行くよりは、当然雑役で我慢する。手を打とうじゃねえか」と花岡。
「花岡さん。あんたトーシロの家だと思って甘く見てるんじゃないだろうね?」と茂君。
「そ、そんなこたねえよ」花岡は図星を指された。
「ぼくらを殺しちゃおうとか、高飛びしちゃおうなんて妙な気を起されないように、証人を作っておくからね」茂君は関東更生会桃組に電話した。「あ、桃太郎さんをお願いします。こちら茂です」
茂君は桃太郎に委細を説明し、花岡と竜子の住所・氏名を伝えた。
「花岡さん、桃組の組長があんたと話したいそうだ」茂君が花岡の耳に受話器を近づける。
花岡は訝しげに受話器からの声を聞いていたが、ぎょっとなり、果てはぶるぶる震え出した。
「わ、分りやした。こちらの家族には今後悪さはしません。逃げも隠れもいたしやせん。ヘエ!」 電話が終わった。
「なに、あんた!どういうことなの?」と竜子。
「こちらの家には桃組がついてるんだと。この坊ちゃんと桃太郎親分は義兄弟も同然なんだと」

花岡も竜子も(悪い家に飛び込んじゃった)と後悔していた。
「分ったら、縄をほどいてやろう」茂君が二人を自由にする。
「じゃ、今日はこれで…」花岡が手首をさすりながら立ち上がる。
「冗談じゃない。あなたの仕事始めとして庭掃除をしてって貰おうか」と茂君。
「あたしは?」と竜子。
「キミの初仕事はこれだ」茂君は竜子を押し倒す。白衣を取り、ブラウスをはだけるとブラに覆われた大きなおっぱいが出て来た。スカートをはぎ取ると、むっちりした下半身が剥き出しになった。茂君はこの竜子の肉体をいつでも思いのままに出来るのだ。(むひひひ)

「あ、花岡さん!庭掃除の前に、一寸」とおばさんが花岡を呼び止めた。着物の前を開き、しゃがんだ花岡の顔の前におまんこをさらし、おばさんはクンニリングスを求めた。おばさんは花岡の技量を見定めるつもりである。花岡と竜子はおばさんと茂君への奉仕活動を開始した。

竜子は(なんでこんなガキに、いいようにされなきゃなんないの?)と思っていた筈だが、その“ガキ”は相当なテクニシャンだった。ブラは押し上げられ、両方のおっぱいが揉みしだかれた。折った両膝を押され、おまんこはペニス歓迎委員会を組織した。ぶすり!と茂君のペニスが竜子の体内にぶち込まれる。
「あおーん!」竜子が叫ぶ。
「ううぐむむーっ!」隣りではおばさんが呻く。
茂君は竜子の体内をペニスで掻き廻す。
「うわーっ!」
いつの間にか、おばさんは花岡にゴムを装着させ、花岡におまんこさせていた。
「あぐぐぐ!」

奉仕活動とは名ばかりで、刑務所の強制労働よりひどいではないかと世界人権委員会から抗議が来そうだが、花岡と竜子が自分で選択した途なのだから仕方がない。檻はなく、奉仕活動を除けば自由に暮らせるのだし、セックス奉仕もこれなら悪くはないと二人は思った。どこかでまた「保健所」の腕章をつけて“防疫活動”も出来ないわけではない。

「うーん、よく寝た。あら、みんな何やってんの?」と幸ちゃんが云った。




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