2. わいとダイヤモンド
下宿の茶の間でおばさん、叔父さんと叔母さんが話していた。
「わい、珍々に真珠入れたろか思とんのや」と叔父さんが云った。
「珍々に真珠入れたらどうなるねん?」と叔母さん。
「あんはんらのおまんこの襞々が真珠でこすられんねや。こら、ひーひー云うで」
「今でもひーひー云うとるやんか」
「もっとひーひー云うのや。『堪忍して。気が狂いそうや、わあああーっ!』てなもんや」
「叔父さん」とおばさん。「それってヤクザがよくやるって、あれですか?」
「せや。けど、堅気がやって悪いこともないやろ。わい、おなご衆が喜ぶことやったら、手段は選ばん」
「あんた!どこぞに若い女囲ってへん?怪しいで、急に」と叔母さん。
「あほ。こんだけ魅力的なおなごがうじゃうじゃおんのや。囲う必要ないがな」
「真珠の大きさってどんなものなの、叔父さん?」とおばさん。
「実はな、もう買うたんねん」と叔父さんがポケットから三つほど小粒の真珠を取り出した。
「模造真珠やないの?」と叔母さん。
「あんなあ、わい、偽もんの真珠でおなご泣かそうちゅうほど落ちぶれとらんて」
「ふん、豚に真珠や。それ、どこへ入れるねん?」と叔母さん。
叔父さんはズボンからペニスを抜き出し、表皮のあたりを指差した。「この辺に埋め込むんや。何個入れてもええのやが、とりあえず三個買うたん」
「埋め込んでしもたら、真珠見えへんで?」と叔母さん。
「そら、見えん」と叔父さん。
「ほんなら模造でええやないか、勿体ない。それはうちにおくれ。指輪作るよって」と叔母さん。
「あほぬかせ」
「けど、手術すんのやろ?埋め込んだわ、やったわ、けど何も変わらんちゅうと悲劇やな」と叔母さん。
「健康保険もきかんよって、手術代高いしな。よし、試してみよ」と叔父さん。叔父さんはコンドームを用意し、おばさんの助けを借りて真珠をペニスにあてがい、そのままコンドームをかぶせた。ペニスに異様なぼつぼつの突起が出来た。叔母さんはもう着物を脱いで股をおっぴろげて待っている。
叔父さんは叔母さんの股ぐらの間に膝をつき、いぼいぼ付きのペニスをおまんこにあてがった。見守るおばさんはごくんと唾を飲む。叔父さんがぐいっとペニスをおまんこに突っ込む。
「おおおおお!」と叔母さん。
「どや、感じるか?前とちゃう感じするか?」と叔父さん。
「感じる。感じるで。あああ!あんたの真珠、ごっつうええわ!」と叔母さん。
「これはどや?」叔父さんはいぼいぼペニスで奥さんのおまんこを掻き廻す。
「ひー!あんた、や、やめて!」
叔父さんは顔を上げておばさんに向かってウィンクした。真珠の効き目に満足したのだ。
叔母さんが「ひーひー」云ってイくと、見ていたおばさんもじっとしていられなかった。すぐ真珠付きのいぼいぼペニスの快感を味わいたかった。おばさんはババっと着物を脱ぐと、「叔父さん、やって!」と叔母さんの傍らに横になった。
後日、叔父さんは真珠を携えて外科医を訪れた。その結果を、また下宿の茶の間で報告した。今度は茂君も加わっていた。
「お医者はんに云わせるとやな、真珠は腐る恐れがあるから責任持てんちゅうねん」と叔父さん。
「珍々の中で真珠が腐ったら、そらえらいこっちゃ」と叔母さん。
「そうやねん。せやから、わい真珠止めたわ」
「ほな、頂戴。真珠」と叔母さん。
「あれはもう無い」と叔父さん。
「なんやて!誰にやったんや。キャバレーの女か?」
「真珠売ってダイヤ買うた。ダイヤは高いよって一個しか買えんやった」
「ダイヤて、模造やろな、え、あんた?」と叔母さん。
「おい、人造ダイヤでイくのとほんまのダイヤでイくのと、どっちがええ?」と叔父さん。
「そら、ほんまのダイヤや」
「せやろ。わいのダイヤもほんまもんや。値段は秘密やが、結構したで」
「見せなはれ」と叔母さん。
叔父さんはペニスを取り出した。一つだけいぼが出ている。
「なんや、もう埋め込んだんか。めっちゃ早いがな」
「小父さん」と茂君が云った。「ダイヤってピカピカ光るように、面が刻んであるでしょ?」
「そうや。それがどないした?」
「ダイヤってガラスも切れるわけだから、皮膚も切れるんじゃない?」
「どうかいな。お医者はんはなんも云うとらんかったで?」
「あんた。ほな、ダイヤの珍々でやってみておくれ!」と叔母さんが行動開始する。
「叔母さん、今日はあたしが先よ!いつも先にやろうなんて図々しいわ」とおばさん。
「うちの亭主やさかい、うちが先やって当然やろ?」叔母さんが抗議する。
「共有財産ですよ、叔父さんは」おばさんが澄ました顔で着物を脱ぐ。
叔父姪のおまんこが始まる。
「叔父さん!もっと、もっと激しく!ひーっ!」
数日後、また同じメンバーが茶の間に集まっていた。
「ダイヤ埋め込みは大成功や。もう一つ入れたろか思てんねんけど、資金足りひん」と叔父さん。
「競馬とか博打に手え出したらあかんで」と叔母さん。
「宝くじ買うとる。当たったら、ダイヤもう一個入れたる」
「小父さん、そんなに凄い効き目なの?」と茂君。
「みなひーひー云うとる」と叔父さん。「おまけに、みな一様に『もっと激しく!もっと激しく!』や。こんなこと、これまでなかったで。えらい違いや」
「それって、叔父さん」と茂君。「激しくやるとダイヤがぽろっと出て来ておまんこに落っこち、女のひとがボロ儲け出来るからじゃない?」
「あんたっ!それ云えてるかも知らんで!激しくやらんようにしぃや」と叔母さん。
「ほんじゃあ、わいの珍々で興奮してるんやのうて、ダイヤ欲しがってせき立ててるちゅうんか?」
「そうや」と叔母さん。
「あほらしやないか」
「気がつかんあんたがあほや」
「小父さん」と茂君。「もっと心配なこと思いついた。小父さんのダイヤ付きのお珍々が有名になると、それを狙う奴が出て来るかも知れない。暗がりでガーンと殴られ、気がついたらお珍々切り取られて無くなってるってこともあり得るよ」
「何やて!珍々ごとダイヤ盗まれるんかいな。そんな殺生な!」と叔父さん。
「冗談やない!あんたどうする?」と叔母さん。
「仕方ない。人造ダイヤにしよか。人造なら誰も欲しがらんよって」
「小父さん」と茂君。「残念だけど、いったんダイヤと知れ渡ったら、『人造だ』って云っても誰も信じないんじゃない?盗まれないように煙幕張ってると思われて。どっちみちお珍々ちょん切られるかも」
「わああ!どないしょ!わい、珍々と生き別れしとうない。まだうんとこさ、やりたいんや!」喚きながら、叔父さんはわなわなと身体を震わせた。
さらに数日後、叔母さんが真新しいダイヤの指輪をして、うはうはと喜んでいた。叔父さんはいぼいぼペニスを諦め、ダイヤを取り出して妻にプレゼントしたのだった。叔母さんは“恩人”の茂君にゲーム・ソフトを買ってあげた。
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