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10. 未知との遭遇

闇の中で「オキロ!」と声がした。寝入り鼻だった茂君は、パッと飛び起きて電気を点けた。ベッドのそばにペンギンが立っていた。いや、ペンギンのようだが、どうも違う。人造皮膜で作られたアンドロイドのようだ。
「な、何者だい!」茂君が聞く。
「ギンガケイ ノ ファーファーラウェイ カラ ヤッテキタ ウチュウジン ニテ ソーロー」とペンギンが云った。「ワガハイニ ナマエハ マダ ナイ」

読者へ:カタカナは当方としても書きにくいし、読者も非常に読みにくいと思われるので、これからは普通に表記する。読者はこの宇宙人の台詞はダース・ベイダーのような機械的な音声だと思って読んで頂きたい。

「小父さん、じゃあ何万光年も先から円盤でやって来たの?」と茂君。
「そういうアナログ的移動方法は神話時代の遺物でござる。吾輩はテレポートで汝の星にやって来たわいなあ」と宇宙人。
「へえ!じゃ、瞬時に宇宙を移動できるの?」
「左様。トンネルを出ると地球だった。駅長さーん!という具合でござる」
「小父さん、日本語上手だけど、随分喋り方が古めかしいね」と茂君。
「そうでありんすかい?」と宇宙人。「出る前にデータベースから日本の古典文学のボキャブラリをコピーして来たのだが、古かったでごじゃるかな?」
「大沢在昌とか村上春樹とか、最近の文芸作品をコピーすりゃよかったのに」と茂君。「大体、相手を“汝”なんて呼び方しないよ、いまどき」
「何て呼ぶのかね?」
「“君”だね」
「委細承知仕ったでおじゃる」と宇宙人。

「で、小父さん、何しに来たの?」
「君と生殖行為したいとあらまほし」と宇宙人。
「だって、小父さんは男でしょ?」と茂君が云った。「ぼくも男だよ。小父さん、ホモ?」
「君は吾輩を小父さん小父さんと呼ぶが、吾輩には性はない。見ておくんなまし」宇宙人はずっと下方の股ぐらを指差した。
茂君はベッドを下り、宇宙人の前に寝そべって股の間を見上げた。先ず、ペニスがあった。その下に穴が三つあった。三つ?
「一番上の穴はおまんこでありをりはべり。次はおしっこの穴、最後がうんちの穴でいまそかり」と宇宙人。
「へえ!両性具有なんだ。しかも、ペニスと生殖器が分れてるとはねえ!」と茂君。
「我々はセックス器官と排泄器官が一緒などという不潔な構造はしていないのでえひもせす」
「ん?そのペニスをおまんこに入れて、一人で楽しむことも出来るわけ?」と茂君。
「ペニスが固くなると折れてしまう。試して不具になったものが大勢おじゃる」
「じゃ、自家受精は出来ないわけね」
「残念でござる」

「ぼくにはおまんこないから、ぼくが小父さんのおまんこに入れるしかないね」と茂君。
「左様。現在は吾輩の“女”としての生理が君を欲しておるのでありんす」と宇宙人。
「でも、宇宙人と地球の人間とやっても妊娠しないんじゃないの?」
「左にあらず。技術革新によって、天体のどの人種とでも交配が可能になったわいなあ」
「じゃあ、ぼくの精液で小父さんが混血の赤ちゃんを孕むわけ?」と茂君。
「実際には、君が射精した精液を瞬時にDNA分析する。受精に値するとなったら、君の精液を受精センターに届ければいいだけでおじゃる。翌日には赤ん坊が受け取れ申す」と宇宙人。
「はあ!進んでるねえ。10ヶ月大きいお腹をしてる必要はないわけだ」
「効率的にて候。敬具」

「しかし、小父さんの身体はセクシーとは云いがたいねえ。ぼく、全然勃起しないよ」と茂君。
「お臍を押してたもれ」と宇宙人。
茂君は宇宙人のお臍を押す。と、見よ!宇宙人の平らな胸に二つのおっぱいが盛り上がって来たではないか!
「うわあ!立派なおっぱいだ。どれどれ」茂君が宇宙人のおっぱいを揉む。
「あへあへ!」宇宙人がよがる。
茂君が宇宙人の下腹部に手を伸ばすと、いつのにかペニスは引っ込んでいた。お臍ボタンはおっぱいを出すと同時にペニスを隠してしまうのだ。よく出来ている。茂君は宇宙人にのしかかって床に倒し、片手をおまんこに伸ばす。手触りは人間のおまんこにそっくりだ。茂君は何本か指を入れて掻き廻す。
「おおーん、あおーん!おうい雲よ、どこまでゆくんだ!」宇宙人が呻く。
茂君は宇宙人のペンギン風くちばしにキスしても仕方がないので諦め、身体をずり下げて宇宙人のおまんこをしゃぶった。宇宙人にとってそういう刺激は初体験だった。宇宙人は興奮した。
「あぐぐ、ふらんすへ行きたしと思へども…」

茂君も宇宙人の興奮につられて勃起した。宇宙人のおまんこにずぶーん!とペニスを突っ込む。
「あぎゃああ!」宇宙人が白目を剥く。
「小父さん、大丈夫?」と茂君が心配する。
「風立ちぬ、いざ生きめやも」と宇宙人。大丈夫のようだ。
茂君は宇宙人のおっぱいを搾りあげながら、ピストン運動を始めた。茂君は下は5歳、上は86歳の女性とセックスを経験していたが、宇宙人、それも男か女か分らない生き物と交わるのは初めてだった。(よーし、精子をくれってんだからやろうじゃないの。おれに宇宙人との混血児ができるというのも面白い)茂君は宇宙人のクリトリスをこするように腰を使った。
「あうあう、あげげ。願わくは花の下にて春死なむ。うぴょぴょーん!」宇宙人がイった。
茂君はずばこんずばこん!と宇宙人のおまんこに射精した。

茂君が宇宙人の胸の上で身体を休めていると、何かピッピッという音がした。目を開けると、宇宙人が手(というか翼)の内側にある小型モニターをチェックしている。
「君のDNAはあまりよくないでありをりはべり。君はセックスのことばかり考えて、発明とか発見とかには何も積極的行動をしないでおじゃる。君の精液は没にて候」そう云って宇宙人はおまんこから凝固させた茂君の精液を取り出し、ゴミ箱にポイした。茂君はいささか屈辱的な思いを味わった。

「うむむ。吾輩は地球人の女を欲する」と宇宙人が云った。いつの間にか、おっぱいは引っ込み、勃起したペニスが見える。
「小父さんも忙しいんだねえ。女になったり、男になったり」と茂君。
「左様。代わり番こに発情するんで、我々は休む暇がないのでござる」と宇宙人。
「じゃあ、あまりぼくと変わんないじゃん?」
「そうでござるかな」と宇宙人は澄ましている。

茂君は幸ちゃんを連れて来た。
「わあ、可愛い!」と幸ちゃん。女の子は動物なら何でも可愛いし、特にペンギンは大好きだ。
「わあ、可愛い!」と宇宙人も云った。「君の名は?」
「幸子。幸ちゃんと呼んで」
「では、幸ちゃん。吾輩と生殖行為をして貰いたいが、これいかに?」
「お生憎様、あたし、まだ生理ないの」と幸ちゃん。
「変だよな」と茂君。「ずっと前におっぱいと毛が出かかったのに、その後全然変化がないんだから」
「あたしね、この小説の作者があたしの成長をストップさせてるんだと思う」と幸ちゃん。「あたしに毛がなくて、おっぱい出てない方が都合がいいのよ、きっと」
「ロリコンてわけだな、じゃ」と茂君。

「幸ちゃん」と宇宙人。「じゃ、妊娠しなくてもいいけどやらしておくんなまし」
「オッケー」幸ちゃんは云って、宇宙人の勃起したペニスにフェラチオを始めた。宇宙人は、初体験に又もや興奮してしまう。
「あわわわん。いちめんのなのはな、いちめんのなのはな」
宇宙人は幸ちゃんを床に横たえ、勃起したペニスを幸ちゃんのおまんこに挿入した。
「おおお!」と幸ちゃん。
茂君は宇宙人と妹のおまんこに興奮し、またペニスを勃起させた。宇宙人の背後に近寄り、再度宇宙人のおまんこに突撃した。
「あぐぐぐぐ!」そんなことをされたことがない宇宙人は驚いた。男と女の両方の性器が一度に刺激を感じている。これは最高だ。「ぐああああ!」
茂君は宇宙人と連動して腰を使う。幸ちゃんがイきかける。宇宙人もイきかける。茂君もイきかける。
「あはーん、あたし死ぬー!」と幸ちゃん。
「君死にたまふことなかれ」と宇宙人。
「うぐむむ」茂君がイく。
「おおお。いちめんに白い蝶類が飛んでゐる。てふてふてふてふてふてふ」宇宙人もイった。

「幸ちゃん」と、しばらくして宇宙人が云った。「君のサービス精神いとをかし。締まりのいいおまんこはさらなり!幸ちゃんを吾輩の星に連れて帰りたしと覚ゆ」
「そんなあ!地球人を誘拐したりしたらスター・ウォーズになるよ!」と茂君。
「なぬ?サンスターなら知っとるが。とにかく、幸ちゃんは頂くでござるでござる」と宇宙人は幸ちゃんを抱き寄せる。
「キャー。あたし、銀河系なんかへ行きたくないでござる!」と幸ちゃんはじたばたする。
「騒ぐもの、いとにくし。レーザー光線でおまんこを塞いでしまうなり」と宇宙人。
「ひぇーっ!」と幸ちゃんが青ざめる。

「分った。妹を進呈しよう」と茂君。
「何よ、お兄ちゃん、勝手なこと云わないでよ!嫌よ、あたし!」と幸ちゃん。
「地球人には別れの盃という儀式がある」と茂君。「小父さんも知ってるでしょ?」
「う、うん」と宇宙人。本当は知らない。
「じゃ、このコップにお酒を注ぎますから、三人で一緒に呑みましょう。いい?」
「合点承知」と宇宙人。
茂君が白い液体を三つのコップに注ぐ。
「じゃ、小父さんと幸、元気で!」と茂君。
三人はぐいっとコップの中の液体を飲み干す。

その液体は、「罪と罰」の章で花岡彰吾と矢野竜子がおばさん一家を眠らせようとした睡眠薬だった。茂君が取り上げ、このような時のために保存しておいたのだ。当然、茂君も幸ちゃんも飲み干さず、宇宙人の反応を窺っている。異星の生物に効くかどうか疑問はあったが、宇宙人は身体をぐにゃぐにゃさせ、その場に寝転がってしまった。茂君と幸ちゃんは睡眠薬を吐き出し、宇宙人をロープでぐるぐる巻きにしてベッドの脚に括り付けた。もう大丈夫。

二人は母親を呼んで来て、宇宙人を見せた。
「お母ちゃん、こいつどうしよう?」
「そうね。動物園にでも持ってく?」とおばさん。
「見せ物にして大儲けするのは?」と茂君。
「TV局か新聞社と独占契約して、大金と引き換えに特ダネを提供するってのもあるよ」と幸ちゃん。
「問題は、どっちもあたしたちが脚光を浴びちゃうということよ」とおばさん。「宇宙人を捕まえただけでもニュースだけど、大金をせしめたとなるとずっとマスコミに追われることになるわ」
「そっかー。今のようにフリーセックスが楽しめなくなるね」と幸ちゃん。

「よし。文部科学省に寄付しよう!」と茂君。
「どういうこと?」と幸ちゃん。
「南極観測隊の隊員は数年間の南極暮らしの間、ダッチワイフで性欲を処理してるって記事を読んだことがある。この宇宙人なら男性隊員にも女性隊員にも役立つから最高だよ」と茂君。

というわけで、宇宙人は南極に送られ、昭和基地の中で高性能ダッチワイフとしてセックス三昧の日々を送ることになった。これは極秘扱いで、国民には知らされていない事実である。宇宙人が本当のペンギンともやりまくっているかどうかは定かでない。




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