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04. 父の変貌

「萬造〜っ!」庄屋の声がした。
萬造はまだ耄けたように妄想に耽っていて、庄屋の声が聞こえなかった。
「お父(どう)!」宗治が父親の注意を促す。
「萬造〜っ!」また庄屋が呼んだ。
「へ、へ〜いっ!」萬造は大声で返事をすると、大慌てで草履をはいて表へ飛び出して行く。

庄屋は念仏堂の蔭に隠れて、まだじゃみじゃみする灰の感覚が残る目をしばたきながら立っていた。
「庄屋さあ!も、もう済んだでがんすか?」と萬造。
「済んどらん!」庄屋が怒鳴る。「おまんめ、おれに囲炉裡のあぐ(灰)をぶっかげで逃げ出しやがった。ひでえ女(あま)っ子だ!」
「ほんてんでがんすか?んだば、庄屋さあはまぁんだやってねえっすか?」
「やった。突っ込んだ。ええ気持(きもぢ)になりかけたとこだったによ、あの餓鬼め」
「ん、んだば…」萬造がおろおろする。
「終ってねえ!おら、まぁんだ出してねえだ。んだがら(だから)、借金棒引きの話は無しだ。全額耳を揃えで返(けえ)せ。この月末(つぎずえ)だ。わがたな?」庄屋は云い捨てて、怒りのままに大股で歩み去って行く。
「あ、あんの…」茫然とした萬造は足がすくんで庄屋に追い縋ることが出来なかった。借金の半額棒引きは駄目でも、庄屋がおまんの処女を奪ったのならそれなりの祝儀はあってもいい筈だった。やり逃げとは阿漕である。ただ、萬造にもおまんこを仕損なった男の気持は理解出来た。欲求不満で怒り心頭に発しているのだ。いま「祝儀をくれ」などと懇願しても聞き入れられるわけがなかった。

萬造は借金棒引きの夢が破れ、長男のことも忘れて一人家に戻った。「おまん!」萬造が怒鳴る。土間から家の中は丸見えで押し入れの中ぐらいしか隠れるところはない。庄屋から逃れたおまんがそんな近くに隠れるとは思えなかった。月が出ているとはいえ、女の子が裏山に逃げ込むとも考えにくい。となると、すぐ見当がついた。

萬造は裏の物置に入った。入り口近くには大きめの農機具が置いてあり、板壁には鋤(すき)や鍬(くわ)が掛けてある。その奥の一角に家畜用に刻んだ藁が蓄えてあった。
「おまん。出て来い」萬造が呼ぶ。藁が微かに動く音がした。間違いない。おまんは藁の中に隠れているのだ。「すぐ来い。来ないと灸を据えっがらな!」云い捨てて萬造は家の中に引き返した。

しばらくすると、おまんが丸裸のまま泣きそうな顔で家に入って来た。髪の毛に藁くずが沢山ついている。萬造は見るともなくおまんの身体を見た。それは庄屋によって処女を奪われた身体だ。ほっそりした身体に女の子らしく発達した骨盤によってお尻がぷっくらとし、それに繋がる太股も丸みを帯びている。股の付け根に盛り上がる恥丘。太く深く刻まれた割れ目。それは庄屋の摩羅を突っ込まれたおまんこなのだ。萬造はドキーン!とした。先ほど勃起した一物がまたむくむくと起き上がって来るのを感じた。(なんね!おれの子でねが。あの鬼のような庄屋でさえ自分の娘とはやってねど)萬造は必死で勃起する摩羅を押し止めようとした。
「父ちゃん、堪忍してけろ。庄屋さあ、いっでえ(痛い)ごどするもんだで、んだがら…」おまんがしゃくり上げながら云う。
「おめ(お前)、なして父ちゃんの云うごど聞げねんだ?」萬造は取り合わない。「仕置ぎしてやる。ここさ来(こ)」
「やんだ、おれ痛(いで)の、やんだ。叩がねでけろ、父ちゃん!」おまんは身体を揺すって嫌々をする。
「おめ(お前)が庄屋さあのやりでようにさせれば叩がね。こん次はちょど(じっと)しでっか?」
「んでも、庄屋さあはいっでえ(痛い)ごどすっから、やんだ」
「ほんじゃば(それでは)、すかだねな」萬造はむんずとおまんを捕まえて引寄せた。そして、自分の脚の上におまんをうつ伏せに横たえた。
「やんだ!やめでけろ、父ちゃん。叩がねでけろ!」わがままを云ったり、親の言い付けを守らない子供の尻を叩くのが萬造の教育法であった。そして、萬造の叩き方は容赦なく痛いものだったから、宗治もおまんも萬造には逆らわないようにしていた。しかし、今夜、おまんは何も悪いことはしていなかった。悪いのは庄屋である。わけもなくおまんに痛い思いをさせた。それは父親の云う“可愛がる”などという行為ではなかった。苛められれば逃げるのは当然である。父は庄屋に抗議すべきであり、自分がお仕置きされる筋合いはない、そうおまんは思っていた。

ピターンっ!萬造の最初の一撃がおまんの尻を襲った。
「うわーん!」おまんは叫んだ。
ピターンっ!第二撃目がおまんの尻を襲い、白い肌が桃色になった。
「痛(いで)よう、痛(いで)よう!」おまんが泣く。
萬造が手を止めた。憐憫や慈悲心からではない。おまんの尻の肉感にゾクーっとしたのだ。萬造はおまんの尻を撫でた。子供から女になりかけているふっくらした丸みがある。萬造は二つの尻の丸みの向こうの性器を見た。固く閉じた割れ目、その下方に乾いた血の筋があった。庄屋によって失われた処女の徴(しるし)である。

萬造はおまんを四つん這いにさせ、その腰を高く突き出させた。萬造はおまんの股に残る血痕を舐め取り始めた。それは娘への償いというより、傷ついた小犬の傷を舐める親犬の本能だったろう。血の跡が消えると、萬造はおまんの割れ目を開いた。小陰唇の辺りにも微かな血痕があった。萬造はそれも舌で舐め取った。 「あうう」おまんが呻いた。父が何故かお仕置きを中断してくれたのは嬉しかった。しかし、父が自分のおまんこを舐め始めたのは不可解だった。割れ目の中を舐められるのは、今夜、これが二度目である。(大人はみんなこんなことするのか?)おまんには解らないことだらけだ。舐めて貰うと気持良かった。それはいい。庄屋の次の行為はおまんを傷つけるものだった。もうあれは嫌だ。おまんは切実に思った。
萬造の雄(おす)の本能が甦った。男は女の股ぐらにある割れ目を見ると、自分の摩羅を突っ込みたくなる。それは本能的なものである。婆あの割れ目でも子供の割れ目でも、他人でも肉親でも見境なくなってしまう。おまんこが目の前にあればやらずにはいられなくなる。それが男の本能なのだ。

萬造は浴衣を脱ぎ捨て、褌を外して勃起した男根を解き放った。それは固く長くおっ立っており、久し振りのおまんこの予感にびくびくと脈打っていた。萬造はおまんの身体を仰向けにした。萬造はおまんの両脚を押し広げると、おまんのおまんこを撫で始めた。陰核から膣へ、膣から陰核へ。それはおまんにとって悪いものではなかった。気持良かった。見知らぬ男でなく、父親がやってくれるのなら問題なかった。

萬造はもう処女でなくなった娘の膣に指を入れた。まだ濡れてはいない。萬造は膣に中指を入れたままおまんの陰核を刺激した。撫でたり圧したり擦ったり。いつしか萬造の中指に湿り気が感じられた。愛液が噴出したのだ。(娘の身体は性交を待っている!)萬造の男根はビーン!とおっ立った。ほとんど自分の腹にくっつくほど急角度であった。それほど、萬造の摩羅は女に飢えていたのだ。

萬造は摩羅の先端を娘の割れ目に当てた。
「お父(どう)。やんねでけろ。いっでえ(痛い)ごど、すねでけろ!」おまんが必死に頼む。
「おまん。もういでぐ(痛く)ねど。おもやみ(心配)すんな。気持(きもぢ)良くしてやっから」
「んでも…」おまんは信じない。
萬造はぐい!と摩羅を押した。亀頭の先端がおまんの割れ目に入った。
「父ちゃん、おれ、やんだっ」おまんが恐怖におののく。
萬造は先ほどの妄想を実現することにひた走っていた。庄屋の欲望と同じく、子供と交わること、そのきついおまんこに摩羅をぶち込むことだ。亀頭の周りが濡れて来た。萬造はずずずーっと摩羅を押し込む。きつい!想像した通りだった。庄屋が求めたのはこれだったのだ。萬造は娘の両肩を掴んで上に逃げられぬようにし、簡単に奥へ通すまいとする幼いおまんこの抵抗を撥ね除け、ぐいぐいと摩羅を突っ込んで行く。
「あぎゃあーッ!」おまんが悲鳴を挙げる。痛みからではない。もう痛みはなかった。太い棒を体内に捩じ込まれる恐怖だった。
萬造は12歳の娘の身体にずっぷりと摩羅を根元まで押し込み、娘と一体になった。身体を交えると、不思議に娘が愛おしく思えた。おまんが噴出する愛液によって、萬造の摩羅は身動きが楽になった。萬造は12歳のおまんこのきつさに感動しながら、じわじわと前後運動を始めた。それは亡き女房では得られなかった快感であった。庄屋が多額の金と引き換えに味わおうとするだけのことはある快楽であった。しばらく娘の膣との密着感を楽しんだ後、萬造は女房を喜ばせた腰の動きを思い出した。女は恥骨付近をぐりぐりされることを喜ぶ。女房が狂ったようによがったのなら、その娘がよがらぬ筈はない。萬造は腰を右に二回廻したかと思うと、逆転させて左に三回。またもや回転かと思わせて、今度はずっぷり奥まで入れる。浅い突きを繰り返したかと思うと、またズドーン!とずっぷり入れ、そして腰の右旋・左旋に戻る。
「ひいい!」おまんが身悶えする。
萬造は知った。母をよがらせた方法はその子にも通じるのだ。

萬造は身を屈めておまんの顔に口を近づけた。下半身の未知の感覚に集中していたおまんは、父親の口を拒まなかった。萬造は娘の口中に舌を差し入れ、娘と舌を絡めた。女房を失った後、初めての女との接吻であった。口と性器で娘と繋がっている事実が萬造を興奮させ、もう射精を止められなくなった。萬造は狂ったような腰の動きで娘の身体を突き上げた。
「あうううーっ」それは萬造の呻きだった。娘の幼い身体を抱き締めながら、萬造はどばどばどばーっと精液を娘の体内に放った。
おまんは父親の興奮状態にびっくりした。狂ったような身体の動き、だらしなく耄けたような表情、そして切ない呻き。日頃寡黙で厳格な父親にそんな面があるとは窺い知れないことだった。父は興奮が冷めてもぜえぜえと大きな呼吸をして胸を弾ませている。
「お父(どう)、大丈夫(でえじょぶ)が?」おまんが聞く。
「ああ、大丈夫だ。ええ気持(きもぢ)だった。おまんのぺっちょは、ほんてん、ええぺっちょだ。こった(こんな)、ええ気持(きもぢ)は母ちゃん以来だな」
おまんは父親の怒りを和らげ、いい気持にさせたことで安心した。その時、おまんのおまんこからぬめぬめしたものが滴り始めた。
「な、なんだ、こいづぁ!」おまんは驚いた。精液など見るのは初めてだったし、自分の身体の具合が悪くなったのかと心配になったのだ。 「何でもねえ。父ちゃんの身体がら出だもんだ。悪いもんではねえぞ」萬造は手ぬぐいを出して、おまんの股ぐらを綺麗に拭った。

「おまん。もういでぐ(痛く)ねごど、わがた(分った)べ」萬造が云った。「明日まだ庄屋さあ呼ばるがら、今度は今のお父(どう)みでにええ気持にさせっだ。ええが?」
おまんは困った。誰とももうこんなことはしたくなかったし、第一、庄屋に抱かれるのは気持悪かった。「おれ、庄屋さあ嫌(きれ)えだ。堪忍してけろ」
「おまん。おめ(お前)が庄屋さあの云うごど聞がねど、おれだぢは夜逃げしてとっがい(遠い)とごさ行がねばなんね。父ちゃんの云うごど聞がねおぼご(子供)は残(のご)して行ぐ。それでもええのが?」
「やだ、父ちゃん!おれも連れでってけろ」おまんが父親に縋る。
「さっきみでにおめ(お前)がちょど(じっと)してれば、すぐ済むこった。我慢しろ、おまん。わがたが?」
おまんは黙って唇を噛んでいた。それは承服した印ではなかった。
「それがら、いま父ちゃんがしたごどは宗治には絶対云うでねど」萬造は起き上がり、おまんをどかせて布団を畳み始めた。




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