[banner]

11. 初めての極楽

おつるの件が一段落した頃、久し振りに卓二がおまんに会いに来た。おまんは卓二を納屋に引っ張り込んだ。
「卓二さあ、おれ、まぁんだ月のもん無(ね)えがら、おぼご(子供)出来(でぎ)ね。大丈夫(でえじょぶ)だ。
卓二はにっこりした。卓二も実はませた友達から生理がなければ妊娠しないし、12では普通生理はない筈だと教わって来たのだった。
「おまん、おれまぁんだぺっちょ(おまんこ)しだごどねんだ。うまぐ出来(でぎ)っかどうかわがんね」卓二が正直に云う。
「ぺっちょに巧いもへだ(下手)もあんめ?」おまんが不思議がる。「ただ入れるだげだべ?」
「んでね。男はへな(女)ばええ気持(きもぢ)にさせで、それから“ずろ”(精液)出すだ」
「ふーん?」おまんは、卓二に陰核を舐められた時の快感を思い出していた。あれよりもっと気持のいいことがあるのだろうか?
「おまん、おれ、おめ(お前)どやりで」卓二が云った。
「やってけろ。ええ気持(きもぢ)にさせでけろ」おまんが云った。

おまんは着物を脱いで藁の上に布団代わりに敷いた。そして半襦袢を脱ぎ腰巻きも取り去り、全裸になった。卓二も服を脱いで下着も脱ぎ捨てて全裸になった。大人ならこんな場所で性交する際に全裸になどならないだろう。いつ、誰が入って来ないとも限らないからだ。しかし、まだ子供の卓二とおまんには性交は素裸でするものという先入観があった。二人の初めての性交なのだから素裸が相応しいかも知れなかったが。

二人は立ったまま抱き合った。卓二の勃起した摩羅がおまんの腹を突つく。卓二はおまんの背中とぷっくらしたお尻を撫で廻した。
「気持(きもぢ)いい」おまんが呟く。いつも肉親からは性急に犯されるだけで、このように優しく愛撫されることなどなかった
卓二は膝をついておまんの乳首を舐めた。
「こちょびたい(くすぐったい)」とおまん。
卓二はおまんの股を開かせ、おまんの尻に手を廻しながら割れ目を舐めた。立ったままでは自由に舐められないので、おまんを着物の上に寝かせた。おまんは自分から股を大きく開いた。卓二はぷっくらと盛り上がった割れ目を左右に開き、前に知った女の急所を重点的に舐めた。舐めながら、おまんの穴に中指を入れる。おまんの身体は早くも愛液を分泌していた。卓二はぬめぬめとしたおまんの身体の中で指を蠢かし、内部を探検した。
「あああーっ」おまんが呻いた。感電したような、しかし快い衝撃が走ったのだ。
卓二の指は静止した。卓二は膣の中から恥骨方向に指を上向きに曲げていたのだった。女には別の急所もあるのか!卓二は驚いた。これはませた友達も教えてくれなかった急所だった(今で云うGスポットである)。卓二は手は静止させたまま中指だけ動かし、恥骨の裏に当たる粘膜を擦った。
「うううーっ、おおおーっ」おまんは身をくねらせて喜悦する。
卓二はおまんの狂態に驚き、陰核を舐めるのをやめておまんの表情に見蕩れた。おまんの興奮が薄れかけたのに気づき、卓二は親指で陰核を刺激しながら中指で膣の中をぐりぐりした。
「ひえーっ、あぐわーっ」おまんは身体を引き攣らせて硬直し、次第にぐったりとなった。
「おまん!大丈夫(でえじょぶ)が?」卓二は心配になった。
「卓二さあ」おまんはとろんとした目でうっとりと云った。「おれ、極楽さ行っただ」
「気持(きもぢ)いがったのが?」卓二が聞く。
「んだ。ほんてん(本当に)いがっただ」
「いがったな、おまん!」
「こんだ、卓二さあの番だ。ぺっちょしてけろ」

おまんが卓二の摩羅に手を伸ばす。勃起した摩羅を優しく擦る。卓二の男根はぐんぐん膨らみ、太く長くなった。
「凄え!」おまんが賛嘆する。
おまんの賛辞に卓二は男としての自信を持った。卓二はおまんの股ぐらに腰を近づけ、おまんの穴に狙いを定めた。おまんはじっと卓二の目を見つめている。(おれの亭主との初めてのぺっちょだ)おまんは自分の身体で卓二に快感を与え、喜んで貰いたかった。卓二は愛液の滴りに誘導され、するすると摩羅をおまんの体内に納めることが出来た。おまんの膣内は温かかった。
「うむむむ」おまんは満足の呻きを漏らした。愛する男と一体になれたのが嬉しかったのだ。
卓二の全神経は摩羅に集中していた。初めての異性との交わりである。全ての感触と刺激を味わおうとしていた。ゆっくり摩羅の前進後退をする。おまんの肉襞が心地よく摩羅を擦る。手による自慰行為など問題にならない快感だった。卓二はおまんの股ぐらを見ようとした。おまんこを出入りする自分の摩羅を見たかった。豊かな恥丘に遮られて穴の部分は見えない。しかし、紛れもなく女とやっている満足感が得られた。卓二はおまんの顔に目を移した。只でさえ可愛いおまんであったが、自分に心と身体の全てを捧げてくれているおまんはもっと可愛く思えた。

卓二は自分が快感を味わうだけでなく、おまんにもさっきのように呻き声を挙げさせたかった。それが本当の男女の交わりだろうと思った。卓二は女の急所その壱を思い出し、おまんの陰核を刺激しようとした。そのためにはおまんの股と自分の股を擦り合せなくてはならない。卓二は腰をぐりぐりさせ、おたがいの股が触れ合う動きを試した。
「おおお!」おまんが反応した。
卓二は女の急所その貳を試そうとした。腰を落とし、おまんの膣の入り口近くの上方を突つく。
「あわーん!」おまんが叫ぶ。
卓二は摩羅の抜き差しと股の擦り合わせ、摩羅の突き上げの三つを繰り返した。
「うわーん、やめで!死ぐーっ!」おまんが乱れに乱れる。
卓二はおまんを狂喜させている自分が、男として誇らしかった。おまんの喘ぎと身悶え、唸り声は卓二を興奮させ、脳は精液発射の準備指令を発した。卓二も狂ったような速度で摩羅を抜き差しした。
「おおおーっ!」卓二はどぴゅんどぴゅんぴゅーん!とおまんの体内で射精した。

おまんにとって、それは父と兄との性交ではついぞ経験したことのない快感だった。おまんの脳内で沢山の花火が打ち上げられ、おまん自身も空高く打ち上げられた心地だった。卓二にとって、快感もさることながら、異性との初めての交わりを完遂した喜びが大きかった。卓二はおまんの横に身を投げ、おまんの身体を撫でさすった。おまんは卓二の唇を求めた。二人は激しく接吻し、舌を絡め合った。

「卓二さあ。頼みがあるだ」着物をつけたおまんが云った。「おれば連れて酒田さ逃げでけろ」酒田はこの村を流れる最上川の河口にある商業都市である。
「何だって!」卓二は驚いた。薮から棒の話だった。
「うぢの父ちゃんとあんつぁはおれを温泉女郎に売る相談してっだ。売られだら、卓二さあの嫁にもなれねし、会うごどもままならねぐなる。おら、死んだ方がましだ」
「そいづはほんてん(本当)か?」卓二は信じられなかった。
「ほんてんだ」とおまん。
卓二は茫然自失した。やっとおまんと結ばれたと思ったら、おまんは売られるかも知れないと云う。どうしたらいいのか?卓二が18か20であったら、家を捨て家族を捨て故郷を捨てたかも知れない。次男坊には継げるような田畑もなく、いずれは都会に働きに出るべき運命だった。しかし、14歳の少年を雇ってくれ、給金をくれる人がいるものだろうか?逃げ出すことは出来るが、その後どうやって暮らしていけばいいのか?卓二には想像もつかないことだらけだった。しかし、男としておまんを守らなくてはならない。
「船賃が要る」卓二が思案した。徒歩で逃げたのではすぐ掴まってしまう。一刻も早く都会の混雑に紛れるべきだった。
「金ならある」姉に貰った数枚の百円札は着物の襟の中に縫い込んであった。その強ばりを卓二に触らせた。 「なして?」卓二は呆気に取られた。子供が扱える金額ではなかった。
「つる姉ちゃんがくれただ。逃げる費用にって」
「そうが。んだら、ほんてんの話だべな」卓二にもやっと納得出来た。
「卓二さあ、一緒に逃げてけろ。おれ一人だば、おっかなぐで逃げらんね」おまんが卓二をかき口説く。
「どっかとすれ(安心しろ)。おれも行ぐ」卓二が云い切った。
「うわあーっ!嬉すい!卓二さあ大好(でえす)きだ!」おまんは小躍りした。




前頁目次次頁


Copyright © 2012 Satyl.net
E-mail: webmaster@satyl.net