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14. 糞坊主

二人は夜歩き、昼間寝ることにした。男の子と女の子の二人連れが歩いているのは印象に残りやすい。また、街道を歩くのも危険だったから、二人は山際や田圃道を選び、じぐざぐに歩いた。道に迷ったら、下り坂を目指せば必ず最上川に出る。心配はなかった。腹が減ると畑の果物や野菜を盗んで食べた。

道中で二人は寂れた寺を見つけた。掃除がされているところを見ると無住ではない。しかし、しょっちゅう村人が訪れる寺でもないようだった。安心した二人は井戸の水を飲み、盗んで来た芋などを齧って腹を拵えた。腹が出来ると眠くなる。寺に入り込んだ二人は、どこかに寝られるところはないかと探し廻った。物置は鍵がかかっていて入れない。開いているのは本堂だけであった。二人は本堂に入り込み、重ねてあった座布団を床に並べ、その上に横になってぐーすか寝てしまった。

何時間寝たのか分らない。卓二が先に目を覚ました。卓二はまだ眠っているおまんの顔を見つめた。丸ぽちゃの顔が可愛い。卓二はおまんの身体の上に覆いかぶさり、そっと接吻した。そのまま舌を出しておまんの唇をちろちろと舐める。
「ううう」おまんが唸った。まだ起きない。
卓二はもっと舌を出しておまんの口の中に滑り込ます。
「うぐぐ」おまんが目はつむったままにっこりする。卓二だと分っているからだ。おまんが自分の舌で卓二の舌を出迎える。二人は激しく抱き合い、激しく舌を絡め合った。
「何だ、おめーらっ!」怒声が降って湧いた。
卓二とおまんはぎょっとなって素早く身を離し、声の方を振り仰いだ。白い着物を着た体格のいい坊さんが立っていた。60歳見当で、眉は白く太く、厳しい目をしており、山羊髭をたくわえている。
「あ、あのー、おれだぢ三日月村の者(もん)で、こん次の船着き場へ行ぐとごだす」卓二が答える。口にしたのは昨日通過した村の名前である。「こわいもんで(疲れたので)、休ませで貰ってだっす」
「ふーん?三日月村の者だと?どごさ行ぐだ?」と和尚。
「酒田さ稼ぎに出てる母ちゃんが病気らしいがら、会いに行ぐとごだっす」
「ほー、そら感心だな。褒美にまま(飯)食わしてやる。ついで来(こ)」和尚が手招きする。
「あの、おれだち先(さぎ)急ぐがら。ありがで話だども…」卓二が断ろうとする。
「遠慮すんでね。早ぐ来(こ)!」
卓二とおまんは目を見交わした。(仕方ね。行ぐべ)お互いの目がそう云った。

案内されたのは庫裏に続く十畳ぐらいの広い部屋であった。集会などに使うのだろう。とろどころに柱が露出しており、部屋の隅に簡素な低い机が沢山重ねてある。和尚は納戸をごそごそやっていたが、長い紐を取り出すと卓二にずかずかと近寄って来て卓二を素早く縛り上げてしまった。
「な、なにすっだ!おっさま(和尚さん)、冗談でねえ!」卓二が暴れる。しかし、大きな体格の和尚の力に勝てるものではない。
「冗談ではねえ。おめ(お前)らみでな、ずほこぎ(嘘つき)は縛り上げで警察へ突き出すだ」和尚が云った。
「なしてずほこぎだ?」卓二が云う。
「おめ(お前)らは三日月村の者なんかでねえ。山中村を逃げ出して来たがぎべら(子供たち)だ。ちゃーんと分ってるだ」
「えーっ?」卓二とおまんが驚く。
「二日前(めえ)に、馬走らせで来た若え衆(し)があってな。地主の家がら逃げたやろこ(男の子)とへなこ(女の子)がいる。そいづらが来たら駐在へ通報してけろっつってただ。おめ(お前)の名は卓二、おめ(お前)はおまん。んだな?わがってるだ」
卓二とおまんはガーン!となった。全て知られていたのだ。
和尚は縛り上げた卓二を柱の一つにくくりつけた。
「おらだぢば山中村へ帰(けえ)すのが?」おまんが聞いた。
「ああ。けど、すぐじゃねえ。楽しんでがらだ」
二人には何のことやら分らなかった。

「おまん」和尚は恐怖にすくんでいるおまんに近寄った。「おめ(お前)はさっきこのあんつぁと接吻してたべ?」
おまんは驚いた。見られていたのだ。見ていて知らん顔でこの部屋に連れて来たのだ。
「わしの勘だが、おめだ(お前たち)はぺっちょ(おまんこ)もやってるに違(ちげ)えねえ。どげだ(どうだ)?」
「冗談でねえ。ぺっちょなんて!」おまんが云い張る。
「んだら、おめ(お前)は処女が?やってみれば分(わが)るこったが」
「おっさま(和尚さん)!」卓二が怒鳴る。「やめでけれ!おまんはおれの女だ!」卓二が必死で叫んだ。
「なに?おめ(お前)の女?餓鬼の癖にあがすけ(生意気)な。面白え。わしは他人(ひと)の女をぺる(盗る)のが趣味でな」
「おっさま(和尚さん)、やんねでけろ。後生だ!」おまんも身を低くして頼む。
「わしはな、死ぬ前(めえ)に一遍おめ(お前)みでなわらしとやりでがった」和尚が云った。「けんど、こだい(こんな)ちちゃこい(小さい)村でそったらごどしたらえらいごど(大変なこと)だ。村八分になっでしまう。そごへいぐどおめ(お前)は余所者(よそもん)だ。その上孤児(みなしご)と来てる。怒鳴り込んで来る親もいねえっちゅうわげだ」和尚は衣を脱ぎ、褌も取った。巨根がぶらんと垂れ下がった。

おまんはずるずると後退して逃れようとした。大人に犯されるのはもう慣れっこになっていたが、卓二の前で犯されるのは嫌だった。卓二に嫌われてしまうだろう。それは絶対に避けなければならなかった。

和尚はずかずかとおまんに近寄り、軽々と抱きかかえた。
「やだーっ!やめでけろ!」おまんが叫ぶ。
「やめでけろ、おっさま(和尚さん)!」卓二も叫ぶ。
「おお、おめ(お前)はめんこいな」和尚は二人の叫びなどどこ吹く風でおまんの着物を脱がす。半襦袢と腰巻きも取られ、おまんは全裸にされてしまった。和尚は縛られて身動き出来ない卓二の前におまんの身体を横たえた。自分がおまんを犯す一部始終を卓二に見せようという意地悪な魂胆だった。
「やんだっ!やんだーっ!」おまんがじたばたする。
バシーっ!と和尚がおまんの頬っぺたを平手で叩いた。
「ぎゃああー!」おまんが火がついたように泣く。
バシーっ!和尚が第二撃を放った。
「やめでーっ!」と卓二。
「泣きやまねど、ずっと叩くど。ええが?」和尚が冷たく云った。
おまんはひくひく云いながらも泣き声を抑えた。

和尚はおまんを抑えつけたままずり下がり、おまんの両脚を大きく開く。
「おお、めんこいぺっちょでねが。12歳だっけが?おれの孫娘より若(わげ)えだ。きついぺっちょだべな。長生きはするもんだあ」和尚はおまんの割れ目をぺろぺろ舐め、上目遣いに卓二の顔を盗み見た。卓二は唇を噛み締め、憎々し気に和尚の目を見返す。にんまりした和尚は割れ目を左右に開き、おまんの恥部を曝け出す。その桜色の粘膜の美しさに和尚はうっとりし、涎を垂らした。和尚はさらにおまんの秘部を押し広げる。ぽっかりと空洞が開き、その奥にさらに桜色の襞々が見えた。これぞ快楽の源。和尚の摩羅はびーん!と最高度に勃起した。

「おまん。おめ(お前)のめちゃこい(小さい)ぺっちょにおれのでげえ摩羅を突っ込んでやっど。喜べ!」と和尚。
「おっさま(和尚さん)、やんねでけろ!頼むがらやんねでけろ!」おまんが最後の懇願をする。
「うっせ。もうやんねで済むが!」和尚はおまんの膣に亀頭をあてがうとずぶずぶと入れた。
卓二は正視出来ずに顔を背けて目をつむっている。
「おお、これは凄え。これがわらしのぺっちょが。おほう、ええ気持(きもぢ)だ!」和尚は有頂天になって摩羅を出し入れする。その巨根はおまんの幼い膣を一杯に押し広げ、おまんの肉襞と密に擦れ合った。「うう、たまんねな、こいづは」和尚はうっとりと耄けたようにだらしない顔をして、初めて得る快楽を満喫している。檀家のおかみさんたちとの密通によって百戦錬磨の和尚は、女をよがらせる技巧を身につけていた。和尚は腰をぐりぐり廻しておまんの陰核を刺激し、膣の内部をあまねく擦った。

おまんは苦しかった。実はおまんは快感を感じ始めていたのだ。父と兄に長い間犯され、次第に快感を得る土壌は出来上がっていた。卓二が初めてのおまんとの性交でおまんをイかせたのは偶然ではなかった。一度快楽を知った身体はもうそれを忘れることはない。何度でも快楽を得ようと貪欲になる。今も、おまんが和尚を嫌悪する心とは裏腹に、身体は和尚の与えてくれる快楽に舞い上がらんばかりだった。
「ぐううう」おまんは唇を噛んでよがり声を噛み殺す。卓二の前で他の男に犯されながらよがってはならなかった。卓二は絶対に自分を許してくれまい。しかし、和尚の技巧は並のものではなく、どこまで抵抗出来るか分らなかった。

卓二はいまや目を開けて和尚がおまんを強姦するさまを凝視していた。おまんのくぐもった呻きが聞こえる。それは歯を食いしばって何かに堪えている呻きであった。巨根をぶち込まれて痛いのか?恥辱に堪えられないのか?
「ふーっ!」おまんが大きく息を吐き、「ぐむむむ」とまた歯を食いしばった。「あ、ぐ。む、ぐ。ぐむむ…」
卓二は気がついた。おまんは快楽を堪えているのだ!自分の前で他の男に犯されてよがる姿を見せたくないのだ。
「おまん、感じてええ。よがってしぇーがら(いいから)!」卓二が云った。
「なに?」和尚が驚いておまんの表情を窺う。「おめ(お前)、我慢してんのが?ほげなす(馬鹿)が!」和尚は呆れた。
和尚は無理矢理にでもおまんをイかそうと決意した。12歳の女の子がよがるとは思っていなかったのだが、よがると分ればあの世への土産話によがらせたかった。和尚は腰を押し付けておまんの陰核を刺激し、ぐりぐりぐりぐりと擦った。それはおまんの膣内を摩羅で激しく掻き回す動きともなった。和尚が速度を速める。
「あぐわわーっ!」おまんが爆発した。堪えに堪えて来た堤防が決壊し、快感が怒濤のように身体を駆け巡る。卓二が許してくれたことによって、おまんは快感の全てを受け入れて味わっていた。
「おおお、おぼご(子供)と一緒にわしもあの世へ行ぐだ」和尚は腰の動きを最速にした。
「ぎゃあああああーっ!」おまんがイった。
「うぐむふっむむーっ!」和尚もイった。
卓二はぶるぶる身体を震わせていた。怒りと興奮とで。




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