[banner]

48. 筆下ろし

志乃は清蔵を待ちながら色々考えていた。童貞の清蔵が“三擦り半”で初めての性交を終えたら、男としての自信を喪失するのではないか?それを避けるにはなるべく刺激を少なくした方がいいだろう。性教育という意味では女の裸をくまなく見せ、おっぱいを触らせ、おまんこも弄くらせてやりたい。しかし、そうするとあまりにも興奮させ過ぎ、早漏を助長するのではないか。

そうこうするうちに、志乃の寝室に足音が近づいて来た。男の足音だ。志乃は耳をそばだてながら、自分だけではなく多賀屋じゅうの人々がみな息を殺してこの部屋を窺っている気配を察していた。新入りの青年、しかも童貞の青年がどのように初体験するのか、誰もが固唾を呑んでいるのだ。

「清蔵でがんす」部屋の前から声がかかった。
「お入り」と志乃。
清蔵が震える手でがたがた云わせながら襖を開ける。部屋の中には敷き布団だけが敷いてあり、その横に艶やかな寝間着に半纏を羽織った志乃が正座している。布団を見た清蔵の胸はどっきーん!となった。(この布団の上で抱き合うのだ。この美しい人妻と交わるのだ。人生最初のおまんこだ)そう思ったとたん、清蔵の摩羅はぎゅいーん!とおっ立った。
「若奥様…!」清蔵も正座して何か云おうとする。
「何も云わねでええ。こっちゃ来(こ)」と志乃。
「へえ」
清蔵が目の前に座る。志乃は清蔵に向かって手を伸ばし、着物の上から心臓の上に手を置いた。
「どきんどきんしてるだな」と志乃。
「心臓が身体から飛び出しそうだっす」と清蔵。
「あはは。おれもおんなす(同じ)だ。ほれ」志乃は清蔵の右手を取り、自分の心臓の上に置く。「清どんだげでねんだ。おれもどきどきしてるだじぇ。分(わが)るが?」
「よぐ分(わが)らねっす」
「ああ、着物が邪魔が?」志乃は今度は清蔵の左手を取り、自分の寝間着の襟口から差し込ませ素肌に触らせる。「どうだ?」志乃が聞く。
「こんだ(今度は)、よぐ分(わが)るす」清蔵にとって初めての女の素肌への接触だった。熟れた女のしっとりと、そして温かい肌。薬指と小指がおっぱいに続く柔らかい胸を感じ取る。清蔵はごくりと唾を飲む。
「おっぱい、ちょし(触り)てえが?」志乃が聞く。
「へ、へえ!」と清蔵。
「ちょして(触って)ええ。おれの身体は、こんにゃ(今夜)はおめさんのもんだ。何すてもええだ」
清蔵は天にも昇る気持だった。志乃が襟口を広げ、清蔵が手を動かしやすくする。清蔵が恐る恐る手を下げる。柔らかな膨らみが盛り上がって来る。乳首の突起が触れる。清蔵の手の平がおっぱいを覆う。清蔵はぐにゃぐにゃした乳房の表面を擦(さす)り、次第に揉む動きを加える。
「ああー」清蔵が悦びの呻き声を漏らす。何度このような瞬間を想像したことだろう。何度この感触を妄想したことだろう。ついに本物のおっぱいを揉んでいるのだ。

志乃は清蔵の反応を微笑ましく見守っていた。自分のおっぱいをうっとりした表情で揉んでいる16歳の少年。それは自尊心をくすぐり、同時に母性愛を目覚めさせた。この幼きものに全てを与えたいという衝動だ。志乃の股間が濡れ始めた。

志乃は清蔵の乳房への愛撫をやさしく押し止めた。
「着物、脱いでけろ」と志乃。
清蔵が着物を脱ぎ全裸になる。びんびんに勃起し、欲望を剥き出しにした摩羅が恥ずかしかった。志乃は清蔵の勃起した摩羅を見て息を呑んだ。多賀屋の女たちの最大の関心事は、清蔵の一物が父親譲りの巨根か否かであった。現在は久蔵ほどではないが16歳にしては大きかった。あと二年もしたら父親に追いつき追い越すかも知れない。志乃は清蔵の摩羅に避妊具(コンドーム)をかぶせた。初めて女に摩羅を触られて、清蔵は緊張した。自分の一物について、志乃がどう思っているか不安だった。コンドーム装着を終えた志乃は、灯りを消した。真っ暗闇になった。そしてさわさわしゅるしゅると衣擦れの音。志乃も裸になっているのだ。清蔵はわくわくした。

暗闇で性交することは、志乃が考えに考え抜いた末の作戦だった。暗闇は少年の恐怖心を和らげるに違いない。倍も年上の大人の女に表情を読まれるという心配もない。女の裸を見せないことで興奮の一つの要素を減らすことも出来る。万一早漏に終わったとしても、顔が見えないからお互いの気まずさも救われるだろう。

「こっちゃ来(こ)」布団の上で志乃が云った。
「へえ」清蔵が布団の上を四つん這いになって前進する。
志乃は両手を差し出して清蔵を迎え、そのまま抱き寄せる。二人は暗闇の中でしっかり抱き合った。清蔵の胸で志乃の豊かな乳房が押しつぶされる。清蔵の鼻に志乃の髪の油の匂いと香水の香りが飛び込む。(女を抱いている!)清蔵はわなわなと震える手で志乃の裸の背中を撫で廻した。志乃に少年の戦(おのの)きが伝わる。
「どごちょしても(触っても)ええだじぇ。どご舐めてもええ。おめさんの好きにすっだ」志乃が清蔵の耳に囁く。
好きなようにこの女の身体に触れる!舐めることも出来る!清蔵は興奮した。清蔵はすぐさま抱擁を解き、頭を傾げて一方のおっぱいにしゃぶりついた。乳首を舐め、吸う。手で、もう一方のおっぱいを揉む。
「あはーん!」志乃がよがる。
清蔵は、志乃の背中を支えていた手を静かに下ろして行き、志乃の豊かなお尻に触る。大きく、丸く、しっとりした尻の肉を揉む。(女だ。これが女だ)清蔵は感動する。清蔵は手を志乃の太股に移す。次第に女の秘所へと近づいている。しばし太股の肉づきを味わった清蔵は、ありったけの勇気を出して、手を志乃の股ぐらへと滑らす。これまで百回も千回も万回も想像していた女の秘部。勃起した男根を待っている筈の女の割れ目。清蔵の手は志乃の陰毛に触れた。それ以外はのっぺらぼーの股間。これが女の股なのだ。清蔵は志乃の股の間全体を手の平で押さえる。この手の下に割れ目があるのだ。清蔵の摩羅がびくんびくんと蠢く。

清蔵は掌を上下させながら、中指で志乃の股の中央を探った。盛り上がった大陰唇の間に割れ目が感じられた。中指を静かに割れ目に潜らせて行く。しっとり濡れた粘膜に触れた。なおも中指で探索を続行する。穴はどこだ?おれの摩羅を待っている穴は?

志乃は作戦の第二段階に進むことにした。
「清どん」と志乃。「仰向けに寝てけろ。おれに任せっだ」
清蔵はおまんこ探索を中断し、素直に横になった。志乃は暗闇の中で手探りで清蔵の腰の辺りに見当をつけ、清蔵の身体に跨がった。清蔵の摩羅を掴み、膣口にあてがう。そこはもう愛液が洪水になっている。清蔵の亀頭が膣口に潜り込み、じわじわと濡れた粘膜に突入する。志乃がぐいっと腰を落とす。清蔵の摩羅はぬるぬるっと温かく濡れた志乃の体内に納まった。ついに生まれて初めて女と交わったのだ。
「どげな感じだ?」と志乃。
「気持(きもぢ)ええっす!」有頂天になった清蔵が腰を突き上げる。
「動くでねえ。おれに任せっだ!」志乃が命じた。志乃は清蔵と交わったまま静止している。初体験の清蔵が興奮して快感を貪ろうとすれば、それは三擦り半への最短距離である。清蔵に実権を委ねず自分が性交をコントロールすべきだというのが、志乃の作戦であった。

志乃が僅かに腰を浮かし、ぐーっと下げる。
「あああー!」清蔵がよがる。
志乃がもう一度身体を上下させる。
「おーっ!気持(きもぢ)ええーっ!」と清蔵。
志乃が三回目の上下運動をする。
「んーっ!」清蔵が悦楽に苦悶する。
志乃がもう一度腰を浮かした、その時、
「ああああーっ!」清蔵が狂ったように腰を突き上げた。射精してしまった。典型的な三擦り半であった。

「堪忍してけらっしゃい!」清蔵が謝る。
「謝るごどはねえだ。清どんは何も悪いごどしてねえ」と志乃。
「んでも、若奥様に悪いだ」
「ええんだって、初めてなんだがら。清どんは若(わが)いがら、べっかい(もう一回)立つべ?」
「へ、へえ」
志乃はランプを点けた。真っ暗闇に煌々たる明かりが灯った。二人はしばらく目をしばたいた。次第に目が明るさに慣れて来ると、自然に二人の目はお互いのセックス・シンボルに注がれた。清蔵の目は志乃の乳房に、そして股ぐらの陰毛の茂みに。志乃の目は清蔵のコンドームをつけて萎びかけている男根に。志乃はそのコンドームを取り去り、精液で濡れた摩羅をちり紙で丁寧に拭った。清蔵の摩羅は固さを失い弛緩していたが、それでも半勃起状態と云っていい太さと長さを保っていた。
「若奥様」清蔵が云った。「あのう、さっき若奥様は『何すてもええ』って云いなすっただ」
「んだ」と志乃。
「んだば、見せてけらっしゃい」おずおずと清蔵が云う。
「どご見てえだ?おっぱいか?」志乃はとぼける。
「おっぱいはもう見えてるっす。いまっと(もっと)下だっす」
「ああ、おれの臍が?」志乃がまたとぼける。
「いまっと(もっと)下っす。普段見えねえとごだす」清蔵が苛々する。
「しじゃかぶ(膝小僧)が?」と志乃。
「んもうっ!若奥様、おればからかってるだなっす!」
「あはは。おれのぺっちょ見てえのが、清どん?」
「んだす!見せてけらっしゃい!」
「恥ずがすいなあ」志乃が焦らす。
「んでも、『何すてもええ』って…!」
「んだば、おれにもおめさんの“だんべ”(摩羅)じっくり見せろ。ええが?」
「へえ」

志乃は清蔵を布団の上に横向きに寝せ、自分は清蔵と反対の向きに横たわった。志乃は片足を曲げて股を開き、性器を剥き出しにした。清蔵の目の前に、陰毛の小藪に囲まれた薄茶色の割れ目が見える。清蔵は両手でその割れ目を開いた。濡れた複雑なびらびらの粘膜が現れた。穴は見えない。さっき自分の摩羅が入った穴はどこだ?清蔵はもっと割れ目を開いた。肛門に近い方に、ぽっかりと小さな空洞が見えた。こんな小さい穴なのか!清蔵は『何してもいい』という言葉を頼りに、その穴に指を入れてみることにした。志乃は清蔵の摩羅をしげしげと見ていた。その時、いきなりおまんこに指を突っ込まれた。
「ひゃああ!」志乃は思わず清蔵の摩羅にかぶりつき、舐め始めた。
清蔵も驚いた。まさか良家の奥様に摩羅を舐められるとは思っていなかったからだ。小便をする排泄器官を、多賀屋の若奥様が舐めてくれている!お返しに、清蔵も志乃のおまんこを舐め始めた。どこをどう舐めたらいいのか分らないので、そこらじゅうを万遍なく舐めた。清蔵の舌は時折陰核(クリトリス)をかすめる。
「ぶぐぐう」志乃が呻く。身悶えしながら、ぺちゃぺちゃべろべろと摩羅をしゃぶる。次第にその摩羅はむくむくと勃起し始めた。
「あぐあぐばぶばぶ」清蔵も志乃のおまんこを舐めつつ、よがる。さっき、摩羅をおまんこに突っ込んだ時も気持よかったが、摩羅を舐められるのも凄く気持よかった。清蔵の摩羅は完全に勃起した。
志乃は16歳の驚異の回復力に驚いた。たったいま射精したばかりなのに、瞬く間にまたもや勃起したのだ。凄い!志乃は清蔵の摩羅を崇めるようにすぽすぽべろんべろんと舐める。
「ばぐうばがが」志乃のおまんこを舐め、快楽に悶えながら清蔵が呻く。清蔵の摩羅の付け根に戦慄が走った。身に覚えのあるぞくっ!という疼きだ。(いけね!)と思った時は遅かった。清蔵の精液の第一弾が志乃の喉の奥目掛けて発射された。清蔵は狂うたように腰を志乃の口に出し入れした。第二波、第三波の精液が志乃の口内を襲う。
「うががが!」志乃はうがいをするような音を立てて精液を口に溜め、堪えている。喉にこびりついた精液が苦しい。志乃は清蔵の精力にも驚いたが、射精の早さにも驚いた。志乃はごくりと精液を飲み干し、まだ息づかいが激しい清蔵の興奮が収まるまで、その摩羅を舐め続けた。

しばらくして、二人は頭を並べて横になっていた。
「おめさん、早過ぎるのう」と志乃。
「へえ?」清蔵がきょとんとする。
「女子(おなご)に嫌われるさげ、もうちっと我慢すねばなあ」
「へえ」清蔵がしょぼんとする。
「そうしょげるでねえ。慣れれば長くやれるべ」志乃が元気づける。
志乃は清蔵に顔をすり寄せ、接吻した。しばらく唇を触れ合った後、志乃は濡れた舌を清蔵の口に滑り込ませる。清蔵はうっとなった。志乃の舌がぬめぬめと蠢き、清蔵の舌を舐め廻す。淫靡な快感。大人はこんなこともするのだ。一夜のうちに初体験ばかりわんさとしている。清蔵の頭は爆発しそうだった。清蔵は志乃のおっぱいを揉む。腰を志乃の身体に押し付け擦る。摩羅が志乃のお腹を突つく。志乃は驚いた。また勃起している!
「べっかい(もう一回)お願いするす」と清蔵。
「…」志乃は呆れて言葉も出ない。今度は清蔵を上にすべく、志乃は仰向けに横たわった。




前頁目次次頁


Copyright © 2012 Satyl.net
E-mail: webmaster@satyl.net