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10. 奉仕

翌日。
「由美。やってくれる?」と宏君が奥の部屋に声をかける。
「あいよ」と由美ちゃん。由美ちゃんが出て来ると、TVではポルノが再生されており、新聞紙が三枚(一枚増えた)敷き詰められ、宏君のペニスは勃起していた。全て準備完了だった。
「呆れた。あたしの手を待つばかりなのね」と由美ちゃん。
「よろしくお願いしまーす!」と、宏君が若手タレント風に云う。
「ぶりっ子!」と由美ちゃん。

宏君は新聞紙の後ろに腰掛けている。由美ちゃんはペニスの前は危険なので、兄の右横にTVに向かって並んで座る。目の前に勃起したペニスが突き出ている。見れば見るほど変な形をしている。神様が作ったのだから、どの部分にも意味があるのかも知れないが、先端から袋までどうみてもグロテスクだ。こんなものを口に入れる女性がいるなんて、信じられない。また、きちんと背広を着て歩いている紳士たちも、股の間にこんなものをぶら下げているのかと思うと滑稽だった。

兄がペニスにローションを塗りたくる。
「お前も」と宏君。由美ちゃんが両手を出すと、右手の方にローションを垂らした。
「あたし、左手の方が器用なの」由美ちゃんはローションを左手に塗りたくった。
由美ちゃんは大きく深呼吸した。もうやるっきゃない。兄を品行方正にするためなのだから、覚悟は出来ている。左手をペニスの前に伸ばす。ぎゅっと掴む。

宏君は今更ながら妹の手の小ささに驚いていた。自分の2/3ぐらいしかない。指も細い。少女の指である。そんな妹にこんなことをさせるのは可哀想な気がした。しかし、もう妹はやる気になっている。やって貰おう。

由美ちゃんは昨日の兄の手の形を模倣するように努めた。ただ、どんな強さで握ったらいいかは分らない。
「もっと強く!」と宏君。
「これぐらい?」と由美ちゃん。
「もっと!」
「痛くないの?」
「痛くない。あ、それぐらい。じゃ、擦って!」
由美ちゃんがペニスを擦り始める。宏君は生まれて初めて、人の手でオナニーして貰っている。可愛い、華奢な小さな手。それは妹の手だ。妹が兄の快楽に奉仕している。宏君は幸せだった。
「こんな風でいいの?」と由美ちゃん。
「あのね、全体も気持ちいいんだけど、特に下側が敏感なの。そこんとこよろしく」と宏君。

由美ちゃんがツボをおさえる。昨日の兄のテンポに合わせたから、宏君好みの擦り方である。宏君は妹の頭に手をやり、やさしく撫でる。
「そこから下に触っちゃ駄目よ」と由美ちゃん。
「はいはい」と宏君。
宏君は可愛い妹のサービスにうっとりする。妹の手によって高まって来る快感に意識を集中する。

由美ちゃんは退屈だった。いったん動きをマスターすると、後はただ機械的に反復するだけだ。由美ちゃんの目は見るともなくポルノ・ビデオに向かう。画面はフェラチオになった。
「ああ、あれいいんだよなあ!」と宏君。
「やって貰ったことあんの?」由美ちゃんが驚く。映画の中の特別な趣向であって、一般的に行なわれていることとは思わなかったのだ。
「あるさ。最高に気持ちいいの。やってくれる?」
「とんでもない!あたしはここまでよ」しかし、由美ちゃんはこの場面になって兄のペニスが固さを増したことを感じていた。(興奮してるんだわ!)「何て云うの、これ?」と兄に聞く。
「フェラチオ」
「フェラチオ?変な名前」
兄は画面のフェラチオを羨望の眼差しで見つめている。由美ちゃんはその表情が、おもちゃ屋のウインドーを覗く子供みたいに思えた。由美ちゃんの頭に乗せた兄の手が強ばる。緊張している。間もなく?

「激しく擦って!」兄の指令が飛ぶ。由美ちゃんは最大の速度で擦る。「あううううっ!由美っ!」どぴゅぴゅーんぴゅーん!兄が射精した。精液は弧を描いてTVの手前まで飛び、新聞紙の上にボタボタ音を立てて落下した。「まだ止めないで」と兄。余韻も大事なのだ。由美ちゃんは速度を落としながら、擦り続ける。ペニスの先端から残りの精液が溢れて出る。
「あー、良かった。由美、ありがとう!」宏君が由美ちゃんの頭を抱えて感謝する。
「あたし、合格?」と由美ちゃん。
「合格。花丸!」と宏君。
由美ちゃんがティシューで兄のペニスを拭く。自分の手のローションも拭き取る。精液に濡れる新聞紙を畳んでゴミ箱へ捨てる。

由美ちゃんの奉仕活動の第一回目であった。




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