11. 裸身以後、宏君は毎回「フェラチオ、やってくんない?」と由美ちゃんに頼むようになった。答えは常に「ノー」。宏君は計画的にフェラチオ場面が映るようにビデオの頭出しをした。由美ちゃんの頭にフェラチオへの抵抗がなくなるように洗脳しようとしていたのだ。 宏君は一日に二回も由美ちゃんの奉仕活動を求めることもあった。由美ちゃんは、兄が「精液はひっきりなしに生産される」と云ったのが嘘ではないと思った。三食食べてもうんちは一日一回である。精液を一日二回排泄しなければならないというのは大変なことだ。 兄のオナニーの手伝いに慣れて来て、由美ちゃんはもうよそ見しても別なことを考えていても、ちゃんと“仕事”がこなせるようになった。 ある日、由美ちゃんは教科書を読みながら兄のペニスを擦っていた。 夕方。 宏君も浴衣を着て、数分遅れてアパートを出た。それにはわけがあった。浴衣姿の妹が銭湯の暖簾をくぐったのを見届けた宏君は、頭の中で妹が下駄箱に下駄を入れ、番台でお金を払い、ロッカーを選ぶところまでをリアルタイムで想像した。そのタイミングで自分も暖簾をくぐる。番台でぐずぐずお金を払うと、女湯の脱衣場で、由美ちゃんがちょうど浴衣を床に落としたところだった。パンティ一枚の後ろ姿。宏君も初めて見る妹の姿だった。ピンクのパンティに包まれたお尻が可愛い。そのパンティを脱ぐところまで見たかった。 湯の中で、宏君は妹の半分裸の姿を反芻していた。ショートヘアで小柄、スレンダーな体型は、プロポーションはいいもののまだまだ色っぽいとは云えない。しかし、全体になだらかな曲線を描く輪郭は、まさに女だった。普段、服を着ている妹からは伺い知れぬ中身だった。宏君は思わず勃起してしまい、湯船から出るに出られなくなった。仕方なく、壁にモザイク・タイルで描かれた富士山の絵を鑑賞し、妹の裸のイメージを頭から追い出した。 外へ出ると由美ちゃんが待っていた。 「らっしぇーい!」まだ時間が早いので、おでん屋の屋台は空っぽだった。 「へい、お酒、お待ち!」と親父。 兄妹は肩をならべてほろ酔いでアパートに帰る。二人とも、お酒ばかりでなく幸福感にも酔っていた。宏君は妹との共同生活の意外な展開が嬉しかった。由美ちゃんも自分が兄の品行を正すことによって、彼の人生に寄与していることが嬉しかった。二人とも、おでん屋の親父の目に“新婚さん”と映ったことにも、恥ずかしいような嬉しいような気分を味わっていた。 |
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