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15. 顔射

翌日。朝食を終え、二人とも大学へ出掛ける用意をする。
「兄ちゃん。この指治ったら、またやってあげるからね。駄目よ、女漁りに行っちゃ」と由美ちゃん。
「行かないよ。その代わり顔射」と宏君。
「ガンシャ駄目」
「ケチ!」
二人は出掛けた。

その日の夕方。宏君が大学の帰りに食料を買い込んで戻って来た。由美ちゃんが宏君の顔の周りで鼻をくんくんさせる。
「何の真似だ?」と宏君。
「香水の匂いがしないかどうか検査したの。合格!」
「バーカ。女房みたいな真似しやがって」
「だって、約束は守って貰わなくちゃ」
「守ってるよ」

宏君が食事の支度をする。由美ちゃんが兄の周りで話しかける。
「ね、次のバイト先決まった?」と由美ちゃん。
「まだ」と宏君。
「女っ気があるとこは駄目よ」
「ゲイバーならいいのか?」
「兄ちゃん、興味あんの?」
「ない」
「水商売は駄目。まともなバイト先にして」
「努力するよ」

食後、二人はそれぞれ勉強に精を出した。
「おい、まだ寝ないのか?」宏君が声をかける。
「どして?」と由美ちゃん。
「もう結構な時間だぜ?」
「またお布団の上からあたしに乗っかりたいの?」
「うん」
「乗っかって、出したいの?」
「うん」
「男って、何か哀れ」
「え?」
「自分が生産する精液にそこまで振り回されるなんて」

「種の保存のための生理と衝動なんだから仕方ないよ。女にだってそれはある」と宏君。
「男と一緒にしないで」
「女は月に一度やりたくなる。子供を作るためだ。それも種の保存のための本能だぞ」
「あたしたちにはコントロール出来ないわけ?」と由美ちゃん。
「そういう風にプログラムされてるんだ」と宏君。
「雄と雌に課せられた役割なのか」と由美ちゃん。
「そ」
「動物なのね、あたしたち、結局」と由美ちゃん。
「そうさ。でもな、動物はセックスを楽しんだりしない。挿入、射精、受胎、ジ・エンド」
「兄ちゃん、楽しんでる?」
「うん」

「お布団の上からあたしを撫でて楽しいの?」と由美ちゃん。
「うん」と宏君。
「気持ちいいの?」
「気持よくはない。でも、ああでもしないとお前を撫でることも出来ないからな」
「でも、興奮してるわよね?」
「うん」
「あたし、怪我で何も出来ないけど、布団に入って寝てることは出来る」
「そうだよ。早く寝ろ」
「待ってて」

由美ちゃんがパジャマに着替える。
「お待たせ」と由美ちゃん。
「おーし」
宏君は全裸で妹の部屋にやって来た。ペニスは勃起して天井を向いている。宏君は妹の身体の膨らみの横に寝そべり、布団の上から妹を撫で廻した。由美ちゃんは目を閉じ、兄の愛撫を感じ取ろうとした。布団越しだから、もどかしい。しかし、布団を取り去ったらお仕舞いだと思う。

宏君は妹の胸を撫でながら、そこはどの程度盛り上がっているのか推測していた。仰向けに寝た場合、たいていのおっぱいは平らになる。だから、何とも云えない。成熟した女性の胸だと、ぐにゃぐにゃ感があるのだが、妹にはそれがない。布団越しだから、尚更何も分らない。

宏君は妹の両脚を開かせる。股の間に隙間が出来る。宏君はそこを撫でる。
「あああ」由美ちゃんが呻く。とたんに、由美ちゃんは股を閉じた。
「由美。リラックスしろ、楽しめよ」
「だって。あたし、恐い」
「恐いことないよ。撫でるだけだからさ」
由美ちゃんは意を決して、そっと股を開いた。宏君がクリトリスの辺りを擦る。
「ああん。兄ちゃん、駄目!」
宏君は布団の上から由美ちゃんの股に深く手を差し込んでいたから、由美ちゃんが股を閉じても平気だった。宏君は小刻みに激しく手を動かす。由美ちゃんは本能的にもっと強烈な刺激を受けようと腰を浮かす。
「あああ!」しかし、布団越しの愛撫では限界があった。エクスタシーにはほど遠い。

宏君は妹の反応に興奮した。初めて聞く、妹のよがり声だ。宏君は勃起したペニスを妹の股ぐらに押し付け、激しく腰を上下させた。
「由美!」宏君が赤黒く充血したペニスを由美ちゃんの顔の上に持って来た。
「ガンシャ?」と由美ちゃん。
「頼む!」宏君が急速にペニスを擦る。「あああーっ!」
その瞬間、由美ちゃんは兄のために用意しておいたティシューでさっと自分の顔を覆った。凄い早業。どっぴゅーんぴゅぴゅーんと兄の精液がティシュー越しに顔面を襲う。由美ちゃんはティシュー越しとはいえ、精液の連射を皮膚で感じた。(顔で受けたら今頃は精液まみれね)由美ちゃんは思った。

翌日、由美ちゃんより宏君の帰りの方が早かった。宏君は昨夜の疑問を解決すべく、妹の部屋に入った。備え付けのタンスの引き出しを開ける。上の段はソックスやパンストばかりだった。下の段を開ける。ピンクのパンティが山ほどあった。その横に二つに畳んだブラジャーがいくつも重ねてあった。宏君のお目当てはこれだった。一枚取って伸ばしてみる。何カップか知らないが、ともかくもふくらみはあった。大きくはないにしても、真っ平らではないわけだ。

「ただいまーっ」由美ちゃんが帰って来た。宏君はじたばたせず、妹のブラジャーを胸に当てて待っていた。
由美ちゃんは兄の行動にたまげた。
「兄ちゃん、下着泥棒?」
「馬鹿云え。妹の下着盗んでどうする。見てただけだ」
「呆れた」由美ちゃんは兄からブラジャーを取り上げる。
「安心した。お前の、ちゃんと出てんだな」と宏君。
「当たり前よ。いくつだと思ってるの?19よ!エッチ!」
「ブラジャーじゃなくて、中身を見たい」
「駄目。着替えるんだから出てってよ!」由美ちゃんは兄を蹴飛ばすように追い出す。

由美ちゃんは兄のオナニーを手伝って以後、兄の自分の肉体への関心が日に日に強まって行くのを感じていた。兄の切実さは煩わしいものだったが、一方由美ちゃんの心をくすぐるものでもあった。




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