[banner]

20. 父娘

半日置いて、今度は父親・隆一氏(52歳)がやって来た。仕事で手が離せず、週末になるのを待っていたのだ。隆一氏は娘の体温を計ったり、脈をみたり、舌や瞳孔を検査したりした。

「父さん、由美子、大丈夫?」と宏君。
「やはり“ケロッグ性肺炎”だ。あと数日で昏睡状態は終り、よくなる。とにかく熱を下げることが第一だ」と父さん。
「点滴はずっと続けるの?」と宏君。
「ああ。毎日、看護婦さん来てくれてるんだな?」
「うん」
「だったら大丈夫だ。昏睡から覚めるまで頼むんだ」

父さんは宏君に向き直った。
「お前、由美子にフェラチオさせてるって本当か?」と父さん。
「うん」宏君がか細い声で答える。(母さんが喋ったんだ)
「それだけか?」
「はい」
「由美子とおまんこはしてないのか?」と父さん。
「してません」
「本当だな?」
「はい」

父さんはポケットからメモ用紙を取り出し、さらさらと何か書いた。
「調剤薬局へ行って、この薬を買って来てくれ。無ければ、何軒か廻るんだ。いいな?」父さんは数千円の現金を息子に渡す。
「これを見せれば分るんだね?」と宏君。
「そうだ」
宏君が出て行く。父さんは宏君を見送って、ドアをロックした。

由美ちゃんの部屋に戻った父さんは、娘の布団をめくった。由美ちゃんは浴衣姿で眠っている。父さんは娘の浴衣の前をはだけた。おむつを取り去る。宏君が交換したばかりで、おむつは綺麗だった。父さんは裸の娘の両膝を曲げ、おまんこを見やすくする。父さんはポケットから小型懐中電灯を取り出し、娘のおまんこの中を調べた。

父さんは背広とズボンを脱ぎ、ブリーフを取り去った。財布からコンドームを一個取り出し、勃起したペニスに装着した。父さんは娘の股の間に入り、おまんこにペニスをあてがう。父さんは娘のおまんこに静かにペニスを挿入する。少し入れてから、ぐいっと押し込む。由美ちゃんの身体がびくん!とする。父さんは身体を折って娘の上に覆いかぶさり、ゆっくりとピストン運動を始めた。

宏君はどこの薬局でも断わられた。その薬はあるが、院外処方箋の様式に則って書かれていなければ売れないと云うのだ。町外れの小さな薬局まで行ったが無駄だった。宏君は使命を果たせず、妹の回復に役立てない無力感と共にアパートに戻った。

ドアを開けようとするが、開かない。(鍵を掛けて行ったっけ?)不思議だった。
「父さん!」宏君が中に声をかける。
「おう!」父さんの声がし、ロックが外された。「どうだった?」
「どこも売ってくれないんだ。正規の処方箋じゃないって」
「そうか。じゃ、仕方が無い」父さんはあっさり諦めた。

「おれは帰る。ちゃんと面倒見てやってくれ。いいな?」父さんは慌ただしく去った。
宏君は(妙だな)と思った。久しぶりに会ったのに学業のことも、バイトのことも話せなかった。父も聞かなかった。一緒に食事でもしようとも云わなかった。折角来たのに、きわめて短時間の滞在で帰ってしまった。

宏君は由美ちゃんのおむつを点検した。そろそろ交換かも知れないと思ったのだ。おむつとカバーが、自分のやり方ではない方法で当てられていた。父さんが診察したのだ。(このためにドアをロックしたのか?しかし、熱を出している患者の下半身を診る必要があるだろうか?小水の色ならおれに聞けばいいのに、聞かなかった)

宏君は何かの切れっぱしが畳の上に落ちているのに気づいた。細い銀色の紙で、片側が破れている。宏君はそのような紙に見覚えはあったが、何だったか思い出せない。それを捨てようと自室のゴミ箱に持って行くと、ゴミの様子が変だった。数日前に捨てたプリントが一番上に来ていて、今朝のゴミが下になっている。宏君は上から順にゴミを取り出し、畳の上に並べた。コンドームが出て来た。それも精液入りの。薄く血のついたティシューもあった。

父さんが由美を犯したのだ。父が娘の処女を奪った。その父は医師である。医師が昏睡状態の女性を犯すだけでも破廉恥だが、実の娘にそんなことをするとは!妹はあんなに処女を大事にしていたのに…。将来結婚する相手のために取っておくと云っていた。(だから、おれも手を出さなかった。それを!)宏君は怒りに身体が震えた。

宏君は眠っている妹を見下ろした。こんな無反応の肉体におまんこして何が面白いのか。まるで屍姦じゃないか。宏君は父さんの冷酷さが信じられなかった。




前頁目次次頁


Copyright © 2005 Satyl.net
E-mail: webmaster@satyl.net