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30. 青春

「おい、これ開けてみな」宏君が、数日前に宅配便で届いた衣装箱を持ち出して来た。
「なに、これ?」と由美ちゃん。重くはない。開ける。「あーっ、これ、あたしのセーラー服!懐かしいっ!でも、母さん何でこんなもん送って来たんだろ?」
「おれが頼んだんだ」
「えーっ?どうして?」
「着てくれ」と宏君。
「どして?」
「着てくれたら、おれがそれを脱がす」
「わけ分んない」
「セーラー服は男の憧れなんだよ。別に中年のオジンだけじゃない。おれが高校の時だって、セーラー服に憧れた。スカートをまくりたかった。胸に触りたかった。全部、出来なかった。それをやりたいんだ」
「馬鹿馬鹿しい」
「頼むよ!」
「兄ちゃん、女子高生に軟派しなかったの?全然?」と由美ちゃん。
「したけど、触るとこまで行かなかった」宏君が情けない声を出す。
「信じらんない」
「おれ、意気地無かったんだな」
「当時はね。今はドスケベの女たらし」
「このーっ!」

由美ちゃんは兄の願いを聞くことにした。由美ちゃんは、まだセーラー服が良く似合った。宏君はセーラー服姿の由美ちゃんを惚れ惚れと眺め、抱きしめた。その手が胸へ。宏君はセーラー服の上から、妹のおっぱいを鷲掴みにする。
「痛!」由美ちゃんが悲鳴を挙げる。
「ごめん」宏君はセーラー服の下に手を差し込み、上へ伸ばす。ブラジャー越しにおっぱいを揉む。
「あーん!」由美ちゃんが感じる。
宏君はもう一方の腕でプリーツ・スカート越しに由美ちゃんのお尻を撫で廻す。
「由美!おれ、幸せ!」
「馬鹿ね。でも、凄くいけないことしてるみたいで、ぞくぞくする」
「だろ?おれも」
宏君はおっぱいに触っていた手を下ろし、今度はスカートの下に手を差し込む。
「やめて!いけない!」由美ちゃんもつい高校生の心理に戻ってしまう。
宏君は構わずスカートをまくってパンティを曝け出す。ピンクだった。

「おい、お前、高校時代にもピンクのパンティはいてたのか?」と宏君。
「まさか!白よ」と由美ちゃん。
「駄目だよ、白にしてくんなきゃ。ぶちこわしじゃないか」
「怒らないでよ。そこまで厳密にしなきゃいけないとは思わなかったんだもん」
由美ちゃんが仕方なく白パンティに換えて来る。
「お待ちどうさま」

「おい、いいこと思いついた。そのまま外へ行こう!色んなとこ歩こうぜ!」と宏君。
「えーっ?やだ、いまさらセーラー服で歩くなんて」と由美ちゃん。
「誰もお前のことなんか知らないよ。高校生に戻ったつもりになるんだ」
「兄ちゃんも学生服着るんなら、いいけど」
「おれのまで頼まなかったんだ。おれもワイシャツに黒っぽいズボンはくからさ。それで手を打てよ」
由美ちゃんは最近やっと女っぽくなって来たのに、また女子高生に戻されてしまった。

二人は電車に乗って多摩川の河原へ出掛けた。ボートを借りて、宏君が漕ぐ。
「まるで青春映画ね。馬鹿馬鹿しいけど、なんかわくわく」と由美ちゃん。

二人で土手を歩く。いつの間にか宏君は由美ちゃんより数歩遅れて歩いている。
「兄ちゃん、どしたの?」と由美ちゃん。
「おれ、可愛い女子高生にストーカーしてんだ。そのまま歩いてくれや」と宏君。
「変なの」由美ちゃんは前を向いてゆっくり歩く。
由美ちゃんはセーラー服の後ろに廻した手を組んでいる。小さな細い指。その下にぷっくり膨らんだお尻があり、そのお尻がプリーツスカートを広げている。すらりと伸びた脚に白いソックス。黒い靴。宏君はセーラー服の妹の後ろ姿に欲情していた。誰もいなければ襲いかかりたいぐらい、可愛かった。宏君のペニスはズボンを押し上げ、まともに歩けなくなる。

「おい、お前可愛いぞ!」妙な恰好で由美ちゃんに追いついた宏君が云う。
「どうせ可愛いのは後ろ姿だけですよ」と由美ちゃん。
「素直に喜べよ」
「だって、あたし、もう高校生じゃないもん。セーラー服着て可愛いって云われても遅いわよ。これ着るの今日限りよ?いい?」
「つまんねえな。凄くいい雰囲気なのに」宏君がしょんぼりする。
「アパートの中だけなら着て上げてもいい」由美ちゃんが譲歩する。
「おお!お前、やっぱりいいやつだ。抱きしめたいぜ、くそーっ!」宏君は喜色満面だ。
「やめてよ、こんなとこで」由美ちゃんがパッと離れる。

二人は河原に座って、大勢の家族連れが遊んでいるのを眺める。
「兄ちゃん、セーラー服着てるのあたしだけよ。他に、一人もいないわよ」と由美ちゃん。
「そうだよな、日曜まで制服着たがる女の子は珍しいだろうからな」と宏君。
「やっぱり馬鹿みたい。恥ずかしい」と由美ちゃん。

二人は渋谷に向かい、食事をしてから由美ちゃんの希望する映画を見た。宏君とすれば、妹への日当のつもりだ。

日が暮れ、もうアパートへ戻ってセーラー服を脱がすばかりとなったが、宏君はまだ何か物足りなかった。
「おでん屋に行くか?」と宏君。
「駄目よ!あのおじさん、あたしを若奥様だと思ってるんだから」と由美ちゃん。
「中年ってセーラー服大好きなんだぜ。それで行けば、また『お酒一本サービス!』なんだがなあ」
「嫌よ」由美ちゃんは拒否する。
「じゃ、公園へ行こう」

二人は数ブロック歩いた小公園に行き、薄暗がりのベンチでネッキングを始めた。宏君は自分も高校時代に戻って女子高生を軟派しているような気になった。由美ちゃんの頬にキスしたり、鼻にキスしたりする。肩を抱き、もう一方の手をおっぱいに…。
「君たち!」と大声が轟いた。制服のお巡りさんが立っていた。「そういうのを不純異性交遊と云うんだ。君、高校生を誘惑しちゃいかんよ」
「これ、コスプレっていうやつです。ぼくもこの子も大学生です」と宏君。
「なにい?そんな筈はなかろう。セーラー服の大学生なんておらんよ」とお巡りさん。
「これ、一種の仮装ですよ。信じて下さい」と宏君。
「信じられん。証拠を見せろ」
「おい、学生証見せて上げな」由美ちゃんがお財布から学生証を出す。お巡りさんが学生証の写真と由美ちゃんを見比べる。
「あら、あんた本当に大学生?じゃ、なんでこんな恰好しとるの?」
「ぼくら、青春映画してるんです。お芝居してるんですよ」
「紛らわしいことすんなっての。それがコスプレってえの?」とお巡りさん。
「そうです。コスチューム・プレイって最近の流行りなんですよ」と宏君。
「ふーん?じゃ、本官も今度カミさんにセーラー服着せようっと」
お巡りさんは去った。

宏君は堂々と由美ちゃんのスカートをまくり、白パンティを露出させた。
「やり過ぎよ。駄目!」と由美ちゃんがスカートを戻す。
宏君は手だけスカートの中に突っ込み、おまんこを撫でる。
「あああ」パンティが濡れる。由美ちゃんは兄にすがりつき、ブチューっとキスする。「さよなら」パッと立ち上がった由美ちゃんはアパートの方へと駆け去る。
「待て!由美っ!」勃起したペニスでズボンを尖らせた宏君が妹を追って行く。

ベンチ近くの繁みに潜んで覗いていた男たちが、がっかりして出て来た。五人もいた。




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