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33. 慕情

「兄ちゃん、ノンコって覚えてる?」と由美ちゃん。
「お前の幼馴染み?」と宏君。
「…っていうか親友ね。最近、会ってないけど」
「その子がどうしたの?」
「一週間泊めてくれないかって云うの。お母さんが東京の病院でちょっとした手術をするんだって。完全看護なんだけど、日中だけ付き添って上げたいらしいの」
「でも、ここ狭いし、布団もないぜ」と宏君。
「あたしの夏用の寝袋があるから、それに寝せる。来なさいって返事していいかしら?」
「お前の親友じゃ仕方ねえだろ」

「よかった!ところで兄ちゃん」と由美ちゃん。
「なんだよ」と宏君。
「ノンコに色目をつかったり触ったりしたら、承知しないからね」
「お前の親友にそんなことしないよ」
「誓う?」
「ああ」
「誓うって云いなさい!」
「誓う」
「もしノンコに手を出したら、あたし、兄ちゃんにもうおまんこさせないから」
「分ったよ。おれ、一週間紳士でいるから」
「よろしい」

「待てよ?じゃ、彼女がいる一週間、お前を抱けないわけ?」と宏君。
「そうなるわね」
「トイレでこっそり」
「駄目。声を聞かれちゃう」
「迷惑な客だなあ」
「一週間我慢しなさい。後でたっぷりサービスするから」と由美ちゃん。
「何がサービスだい。お前、寝転がってるだけのくせに」
「抵抗しないで寝転がるのが女のサービスなのよ」
「けっ」

ノンコちゃんが来た。本名は則子(のりこ)なのだが、愛称ノンコ。由美ちゃんはユッコである。ノンコちゃんは美人とは云えないが、ぽちゃぽちゃっとした愛嬌のある20歳の女の子で、安産型の体型。男が嫁さんに欲しがるようなタイプだ。

由美ちゃんとノンコちゃんは久しぶりに顔をくっつけるようにしてお喋りし、お互いに肩をどついたりして、瞬く間にブランクを解消してしまった。ノンコちゃんの家は結構お金持ちなので、本当は何日でもホテルに滞在出来る余裕はある筈だ。(こんな安アパートに来てくれて、嬉しい!)由美ちゃんはそう思った。
「寝るだけでいいの」とノンコちゃん。「朝出掛けて、見舞客が追い出されるまで病院にいるから」
「食事、あたしたちと一緒に出来ないの?」と由美ちゃん。
「外で食べるから心配しないで」
「うち、お風呂ないから銭湯なの」と由美ちゃん。
「そうか。じゃ、二日に一回連れてって?私、銭湯って行ったことないの」
「いいわ。背中流しっこしよ!」
「わあ、楽しそう!」

その夜は遅く帰った宏君と三人でお喋りした。宏君は、いつの間にかふくよかに成長したノンコちゃんの姿態に生唾が湧く。しかし、妹との約束があるので、あまりノンコちゃんを見つめないように心掛けた。

由美ちゃんとノンコちゃんは、奥の六畳に寝た。由美ちゃんの机と椅子、衣装ケースなどもあるので、相当狭い。しかし、なんとか二人分のスペースが確保出来たようだった。

翌日、みんなと一緒に軽い朝食を済ませると、ノンコちゃんは病院へ向かった。

「今夜、ノンコを銭湯に連れてく」と由美ちゃん。「彼女、夕食済まして来るそうだから、帰りは九時ぐらいかしら。兄ちゃん、ボディガードで一緒に行ってくれる?」
「ああ。で、帰りにおでんで一杯、どうだ?おれ奢る」と宏君。
「駄目!」
「どうして?」
「おでん屋のおじさん、あたしたちのこと夫婦だと思ってるでしょ?それノンコに聞かれたら大変よ!」
「そうか」
「だから素通り。いい?」

銭湯から戻った三人はまたお喋りし、そろそろ就寝時間となった。
「お二人にお願いがあるの」とノンコちゃん。
「なに?改まって、ノンコ」と由美ちゃん。
「私、ユッコとあの部屋に二人で寝ると狭くて息がつまりそうなの。苦しいの。こちらの広い方に寝せて貰えないかしら?」
「じゃ、二人でこっちへ来れば?おれ奥の部屋へ寝る」と宏君。
「あたし、奥の部屋で慣れてるから、こっちは落ち着かないわ」と由美ちゃん。
「宏さん、私、いびきもかきませんし、寝言も云いません。部屋の隅に寝させて下さい。お願いします」とノンコちゃん。
「ぼくは構いませんけど。おい、由美。お前決めろ」宏君が妹に下駄を預ける。

「ノンコ、ほんとに兄ちゃんと一緒の部屋でいいの?気にならない?」と由美ちゃん。
「ユッコさえ許してくれれば…。ごめんなさい、わがまま云って」とノンコちゃん。
「じゃ、そうするか。兄ちゃん、いい?」
「ああ」

ノンコちゃんに合わせて宏君も早めに寝ることにした。ノンコちゃんは寝袋を持って来て、本当に部屋の隅に行く。
「そんな隅っこじゃなくて、いいですよ。ぼく、机の下に足突っ込んで寝ますから」と宏君。
「済みません」とノンコちゃん。
由美ちゃんは二人が落ち着くまで見守っている。
「兄ちゃん、分ってるわね?」由美ちゃんが兄に厳しい視線を送る。
「はいはい。お休み」と宏君。
「お休み、ノンコ」由美ちゃんが隣室に消える。
「お休み、ユッコ、宏さん」

その夜、宏君は妙な感じがして眠りから覚めた。誰かが宏君の手を撫でている。さらに、その人物は宏君の手を自分の頬に押し当てた。宏君の身体は硬直した。やがて、その人物は手を放し、寝袋に潜り込んだ。

次の夜、また驚くべきことが起った。誰かが宏君にそっと口づけしたのだ。宏君は寝たふりをし、目も開けなかった。また、その人物は寝袋に戻って行った。

三日目の夜。宏君はもう寝ていられなかった。目をつぶり、安らかな寝息を装っていたが、神経はずっと張りつめていた。この夜、その人物の行動はさらにエスカレートした。宏君の布団に潜り込んで来たのだ!
「ノンコちゃん!」宏君は低く抑えた声音でノンコちゃんの行動を制した。
「宏さん、抱いて」とノンコちゃんが囁く。
「駄目ですよ、妹の前で、そんな!」宏君も囁き返す。
「ユッコは宏さんの奥さんじゃないでしょ?あたしたちが何しようと関係ないわ」ノンコちゃんも囁く。宏君は耳元で誘惑の言葉を聞き、ついペニスが立ってしまう。
「ぼく、そんな気になれない。悪いけど出てくれます?妹がどう思うか分らないから」と宏君。
「じゃ、明日はその気になって。必ず」ノンコちゃんが寝袋に引き上げた。
宏君は思わず立ってしまったペニスを握り締め、胸をどきんどきんさせ、しばらく眠りにつけなかった。

翌日、宏君は早めに帰宅し、由美ちゃんと話した。
「おい、ノンコちゃんって色情狂なのか?」と宏君。
「何ですって?」と由美ちゃん。
宏君は事実をありのままに告げた。
「信じらんない。どうしちゃったのかしら、ノンコ」由美ちゃんは愕然とする。
「今夜、何かあったらお前を呼ぶからな。すぐ来てくれ」と宏君。
「分った」

その夜、ノンコちゃんは由美ちゃんが寝入ったと思われるまで待ち、また宏君の布団に入って来た。
「ノンコちゃん、いけませんよ!」と宏君。
「いいの。宏さんに抱いてほしいのよ」とノンコちゃん。
据え膳である。妹との約束が無ければ宏君は即座にノンコちゃんにのしかかりたいところだ。宏君は奥の部屋に向かって、「由美!」と呼んだ。襖がガラっと開いて由美ちゃんが顔を出す。
「ノンコ!」
「ユッコ!」ノンコちゃんは慌てて布団から出て身じまいを正した。

「ノンコ!あなた色情狂になったの?」由美ちゃんが聞く。
ノンコちゃんはうつむいて唇を噛み締め、静かに身体を震わせている。
「ノンコ!黙ってちゃ分らない。説明しなさい!」と由美ちゃん。
「あたし、子供の頃から宏さんが好きだったの」とノンコちゃん。
「えーっ?」と由美ちゃん。宏君もたまげる。
「隠しててごめん。でも、ほんとなの」
「知らなかった」と由美ちゃん。
「あたし、もうすぐお嫁に行くの」
「えーっ!」由美ちゃんはショックに次ぐショックで目を丸くする。
「親同士が決めた政略結婚なの。私、相手の人、好きでも何でもない。そんな人と一緒になる前に、初恋の宏さんにやって貰いたかったの」とノンコちゃん。
「あなた処女なの?ノンコ!」と由美ちゃん。
「うん」とノンコちゃん。
「ノンコ!」由美ちゃんはノンコちゃんを抱きしめる。二人は抱き合って泣いた。
「私、朝になったら出てく。明日から他所に泊まる。宏さん、ごめんなさい」とノンコちゃん。宏君はなんと云っていいか分らない。ただ、おろおろしている。

「兄ちゃん。あたしから頼むわ。ノンコを抱いて上げて!」と由美ちゃん。
「ええっ?」と宏君。
「ノンコの初恋なのよ、兄ちゃん。ノンコに青春の思い出を作って上げて!」
「でも、お前!」
「あたし、目をつぶる。耳にも栓をするわ」
「ほんとか?」宏君はまだ半信半疑だ。
「許す」由美ちゃんは兄の目を直視しながら云った。
宏君はノンコちゃんを見やる。ノンコちゃんは縋るような目で宏君を見つめている。宏君は大きく深呼吸した。

「ノンコ、兄ちゃんに可愛がって貰うのよ?兄ちゃん、ノンコ、初めてだからやさしく、そっとね?」そう云って由美ちゃんが隣室に消え、襖が閉まった。

宏君は豆電球一個にし、静かにノンコちゃんを抱いた。ノンコちゃんは宏君にもたれて嬉し泣きしている。宏君はノンコちゃんの頬を滑り落ちる涙を吸った。そして、ノンコちゃんにキスする。ノンコちゃんの身体を撫で廻す。ノン子ちゃんは肉付きがいいので、太腿もお尻もおっぱいも豊かだった。触り甲斐があった。宏君は四日間妹とおまんこしてなかったので、もうペニスはびんびんに立っていた。

隣室で由美ちゃんは気が狂いそうだった。親友とは云え、兄に自分以外の女を抱かせるなんてどうかしていると後悔していた。兄が母さんとやるのはいい。身内だから。ノンコは他人だ。兄がノンコを好きになったらどうしよう?ノンコが婚約を解消し、家出してここに住み着いたら?兄がノンコのような豊かな肉体の味を思い出し、また女遊びを始めたら?兄はちゃんとコンドームを使ってくれるかしら?ノンコを妊娠させたりしたら、ノンコの人生は終りだわ。

由美ちゃんは「耳に栓をする」とは云ったが、全ての物音を聞かずにはいられなかった。「あああ」というノンコちゃんの声。(兄がノンコの胸を揉んでいるのだ。あたしのよりずっと大きいおっぱいを)由美ちゃんは身を切られるような思いだった。「あっ!」というノンコちゃんの声。(兄がノンコのおまんこに触ったんだわ)「ああん!」(兄がおまんこに指を入れたに違いない)「おおおっ!」(兄がクリトリスを刺激している)由美ちゃんは自分もクリトリスに手を伸ばした。「駄目!」とノンコちゃんの声。(兄がノンコのおまんこを見ようとしている)「恥ずかしい!」とノンコちゃん。(ノンコは股を広げて処女のおまんこを曝け出している)由美ちゃんは自分のことのように興奮した。

「うむーん、ああん」ノンコちゃんが呻く。(兄がクンニリングスしている)「あうーん!」(クリトリスを舐めてるんだわ!)由美ちゃんも自分の手を急速に動かす。隣室はしばらくしーんとなった。由美ちゃんの脳裏には、兄がノンコちゃんのおまんこにペニスをあてがっている様子が見える。(兄ちゃん、ゆっくりね!)まだしーんとしている。両方の部屋に緊張感が高まる。「痛!」ノンコちゃんの短い叫び。由美ちゃんは身体をびくん!とさせる。(入った!兄のペニスがノンコの処女膜を破った!)

またしばらく沈黙が続いた。由美ちゃんには永遠の時が流れたような気がした。兄が何か云い、ノンコちゃんが低く「ええ」と答える。(兄は痛みが引いたかどうか聞いたに違いない)それからは由美ちゃんが慣れ親しんだ兄のリズムによるピストン運動の振動と、兄の股とノンコちゃんの股がぶつかる「ぴたんぴたん」という音が続いた。

由美ちゃんは声を忍ばせて泣いていた。兄が、自分の親友とはいえ、他人と交わっているのが辛かった。反面、親友の初恋を実らせて上げている自分の純粋な友情に自分で感動していた。兄が正直に自分に相談してくれた誠実さも嬉しかった。そういう全てが混じり合った涙が、あとからあとから湧いて来た。

翌朝。誰も昨夜のことには触れなかった。宏君が顔を洗っている隙に、ノンコちゃんが由美ちゃんに云った。
「ユッコ、あたし、今日他所へ移るから」
「駄目。もう一日いて」と由美ちゃん。
「どうして?」ノンコちゃんが怪訝な顔をする。
「夕べ、あなた気持ち良かった?」
「ううん。痛いだけだった。でも、あたし幸せ。初恋の人に処女を捧げて」
「そんなの駄目。もう一回兄ちゃんにやって貰うのよ」と由美ちゃん。
「ええーっ?」
「痛い思い出だけ残すなんて最低。あれって気持ちいい筈のものなんだから。もう一回やりなさい!ね?」と由美ちゃん。
「いいのかしら?」とノンコちゃん。
「いいのよ」

こうして友達思いの由美ちゃんは、ノンコちゃんのよがり声によって長い長い眠られぬ一夜を過ごすことになった。




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